録音通信第157号テキスト版ろくおん通信第157号 2008年3月発行 製作 日本ライトハウス盲人情報文化センター 録音製作係 ★聴いてわかる図書を作るために 第23回 久保洋子 「 」の読み方について 墨字の本では「 」がいろいろな意味で 使われています。台詞、引用文(長いもの・短いもの)、書名、団体名、著者が強調したい語句、などに「 」が付いていたりします。 台詞を読む時には区切りがきちんと伝わるように、つまり喋っている人がわかるように読まなければならず、高度な朗読の技術を必要とします。 今回はこれとは別に、書名、団体名、スローガンなどの「 」のある文章の読み方について考えてみたいと思います。※引用文や強調するものなどは次回? 「 」のついた語を含む文章を読む時、「 」の後に間を取って助詞を読む読み方がよく行われています。この読み方は「 」がたくさん出て来る時は不自然で聞きにくい読み方なってしまいます。かと言ってすべて「 」を意識しないで「 」がないかのように読んでしまうと、内容が伝わらないこともあります。 前にも書きましたが私たちが伝えなければならないのは「 」などの記号を使って原本が伝えている内容です。 私たちは音声訳をするにも、校正をするにも原本を見ています。「 」の後の助詞をはなして読んでいれば「 」を意識した読み方として納得してしまっていないでしょうか? 一方、「 」を無視した読み方では、内容がきちんと伝わるかどうか考えてみてください。 判断の基準はあくまでも“内容が私たちが原本を読んで理解するのと同じように正しく伝わるかどうか”です。 ★4月の予定 『自宅録音チーム』勉強会 15日(火) 『マトリョーシカ』 10時〜12時 16日(水) 『はなみずき』 1時半〜3時半 25日(木) 『二十四の瞳』 10時〜12時 『プライベートチーム定例勉強会』 9日(水) 1時半〜3時 23日(水)10時〜12時 修了生ケア 『スタジオ曜日別チーム』勉強会 28日(月) 『月曜チーム』 22日(火) 『火曜チーム』 16日(水) 『水曜チーム』 24日(木) 『木曜チーム』 18日(金) 『金曜チーム』 19日(土) 『土曜チーム』 『専門図書音訳チーム』勉強会 奇数月『理数チーム』10時半〜12時 12日(土)『古典チーム』1時〜3時(講習会) 18日(金)『東洋医学チーム』 3時〜5時 25日(金)『英語チーム』10時半〜3時 26日(土)『パソコンチーム』1時半〜4時 『橋本勝利のフォローアップ講座』9日(水) 1時〜3時 11日(金) 1時〜3時 ★校正について 第5回 大林みどり 「録音の順序」 目次について 目次・・・・・目次おわり 注意1:項目には原本にない場合でも必ずページを付けて読む。 注意2:目次は原則として階層化して読む。 例1 1章、○○○ 1−1、○○○ 1−1−1、○○○ 例2 1、○○○ 1−1、○○○ 1−1−1、○○○ 但し、小説は原則として階層化せずそのまま読む。 注意3:目次にページ付けのあるもの(ページ付けしたもの)は本文中でもページを読む。 注意4:索引などで、違うページがふってある場合は、本文の続きのページを付けて読む。 例 本文 200ページで終わり、索引は逆から1ページから始まるような場合 → 索引 201ページ(本文も目次も変えて読むこと) (校正のポイント) ◎デイジー図書凡例で断った通りに階層化していますか? ◎各項目にページは付いていますか? 但し“1ページ”の前に書かれているものはページは付けない。 ◎どう読んだか記録すること デイジー図書ではプレクストークの利用によって目次を聞いてすぐ本文中のその項目に飛ぶことが可能です。そのため目次と本文中の項目の読み方は同一が望まれます。目次と同じ読みを本文中の項目箇所にも記録して下さい。 著者によって項目の書き方が変わっている場合もありますが、階層やページ、以下のような読みには注意して記録して下さい。 例:デイジー図書凡例通りの階層番号(1、1−1、1−2 など) :ページ :日本(ニッポン・ニホン) 私(ワタシ・ワタクシ)  姑(シュウトメ・シュウト) 町(マチ・チョウ)   4(ヨン・シ) 7(ナナ・シチ) 9(キュウ・ク)など :?  !  ?!  (記号類を読んだか読まなかったか) :字の説明 目次で字の説明をしていれば本文中の項目でも同じく入れる。 :その他 項目の読み方 ◎巻末に索引などがあって、目次にその記載がないときは「索引○○ページ」を入れる。 ◎目次の最後に目次以外に諸々書かれていることがある。 音声訳者の読みを参考に、要不要・入れる場所などを考えて下さい。 次回は「まえがき・序文・献辞 など」です。 ※お詫び 校正シリーズ第4回をダブって掲載してしまいました。 ★ Q&Aコーナー 質問:パソコンで録音していますが、校正で上がった箇所の訂正の方法で、間違った語句のみ の訂正がいいのか、フレーズ単位の訂正がいいのか、誤読を含む文章を全体を読み替えるのがいいのでしょうか。 答え:これまで、カセットテープの時は、 訂正はマルからマルまで、誤読を含む文章を読み替えるよう指導していました。パソコン録音になって訂正もいろいろできるようになり、人によっては、誤読の語句のみ読み替える方もあります。しかし、誤読の語句だけ直すと、どうしても不自然になってしまうケースが多いようです。録音雑誌などで、違う人の声でどうしても訂正せざるを得ない場合、前後を読んでもらって、間違った語句のみを貼り付けるといったこともありますが、誤読の語句のみ訂正する方法はあまりお勧めできません。 パソコン録音では、フレーズ単位で読み直す方が多いようです。不自然にならなければフレーズ単位でも悪くはないと思います。フレーズ単位で訂正する場合、文章の途中できれている場合もありますので、間などが変わらないよう注意する必要があります。訂正作業は、読んでからずいぶんたって、行うことがあり、読みの調子や、音程、音量、間などをあわせるのに苦労します。特に小説などでは訂正した部分の調子が違ったりすることが良くあります。また、音量が小さかったり(大きかったり)、間が延びたり(無くなったり)といったことがおこりますので、訂正作業は、マルからマルまでの文章単位の訂正を心掛けるのが一番、無難ではないでしょうか。訂正した後は前後を含めて必ず聞き返し、不自然でないことを確認しましょう。 ★講習会のおしらせ 2008年度橋本勝利先生の「フォローアップ講座」のご案内 盲人情報文化センターでは、橋本勝利先生による、現在活動中の音声訳者を対象にした、「フォローアップ講座」(前期・後期各6回)を実施します。 この講座は、音声訳活動中の方の技術アップを図る講座として実施します。今回は前期と後期との分けて実施しますが、通しの申し込みも受け付けます。 日程は、毎月、2コース(第2水曜と第2金曜の午後)実施します。 受付は申し込み順で行い、試験はありません。定員になり次第しめきらせていただきます。 *申込 盲人情報文化センター 録音製作係 実施要項 実施時期   前期講座(水曜コース・金曜コース 各6回)          2008年4月9日(水)・11日(金)〜9月10日(水)・12(金)          後期講座(水曜コース・金曜コース 各6回)          2008年10月8日(水)・10日(金)〜2009年3月11日(水)・13(金)          ※ いずれも 13:00〜15:00 講座内容   テキストを使用しての読みの研修 講  師    橋本 勝利 氏  定  員    10〜12人程度 費  用    前期5000円(全6回)/後期5000円(全6回)          前期・後期通し 8000円(12回)          ※途中で講習を辞められても返金できません。 申込方法   申込用紙に記入の上、郵送(Faxも可)またはご持参ください。          メールでも受け付けます。          〒542−0071 大阪市中央区道頓堀1丁目東3番23号 道頓堀千島ビル          日本ライトハウス 盲人情報文化センター 録音製作係          電話 06−6211−1500          Fax  06−6211−1590          E-mail rec@iccb.jp 〆切日    申し込み順 定員なり次第締め切ります。 ★係からのおしらせ 録音製作係からのアンケートのお願い 2008年度の録音製作活動に関してのアンケートを4月に実施します。全員、記入していただきますようお願いします。アンケート用紙は、スタジオ来館者は個人ボックスに、自宅録音グループの方は定例勉強会で配布します。 2008年度は「ウェブスタジオ・なにわ」による製作体制に順次移行していきます。 また、来館曜日の変更希望などがありましたらアンケートにご記入ください。このアンケートを元にペアなどの組み替えも進めていきますのでよろしくお願いいたします。 2008年、第1期 音声訳基礎講習会スタート 3月4日(火)より「音声訳基礎講習会」(毎週、全20回)がスタートしました。今回は、16人の方が受講されています。この講習会の担当として、北川温子さん、木村純子さん、寺田美枝子さんの3人の方に願いしています。 講習は、8月末に終了し、その後、火曜チームの「マトリョーシカ」に所属して活動していただく予定です。 尚、2008年第2期の「音声訳基礎講習会」は、9月から、毎週木曜日の予定です。 戻る