ろくおん通信第177号テキスト版ろくおん通信第177号 2010年1月発行 製作 日本ライトハウス情報文化センター 録音製作係 ☆聞いてわかる図書を作るために(第37) 久保 洋子 索引のある本の音訳作業は 録音図書がデイジー版になって利用者は墨字の本を読むのにより近い読み方ができるようになりました。例えば項目を選んで読む、ページを選んで読む、図や表をとばす、又はくり返し読むなど、テープ図書では難しかったことが、いろいろできるようになりました。 その一つに索引の利用があります。テープ図書では利用困難なため索引は省略していました。デイジー図書ではページ検索ができるので索引を利用することができます。そこで索引のある本の作り方を考えてみたいと思います。 索引のある本を読む時は、まず読みはじめる前に索引と本文を照合してください。その時モニター者の本の、本文中の索引にある語にマーカーなどで印を入れてください。デイジー図書のページ付けはフレーズ単位でされますので原本のページと一致しないことがあります。索引にある語は索引で読んだのと同じページになるように編集するために、この作業は欠かせません。スタジオ録音の方はモニター者と協力して、忘れずこの作業をしてください。自宅で一人で読まれる方も大変でしたら校正者に協力を依頼してください。 照合していると、索引のページにその語が見つからないこともあります。前後のページにあればページを変えていただければいいですし、どうしても見つからなければ、その語は割愛してください。 索引にある語は本文中に度々出てくる時、そのすべてのページが索引に掲載されているわけではありません。はじめて出て来た時、内容がくわしくかかれている時など編集者の方針に沿って一部のページが出ています。原本を尊重して、索引に記されているページにない時だけ出ているページを探してください。 又、図や表にある語が索引に出てくることがあります。録音図書では図や表は必ずしも原本と同じページで読むとはかぎりません。その場合索引では録音図書○○ページと言い添えるなど何らかの工夫が必要です。 索引を読むことは、テープの時代にはなかった新しい作業です。より利用し易い録音図書製作のために皆で知恵を出し合っていきたいと願っています。 ☆2月 録音製作予定 『自宅録音チーム』 9日(火) 『マトリョーシカ』1時 〜 3時 17日(水)『はなみずき』 1時半〜3時半25日(木) 25日(木)『二十四の瞳』 10時 〜12時 『スタジオ曜日別チーム』 23日(火)『火曜チーム』12時45分〜 10日(水)『水曜チーム』12時45分〜 25日(木)『木曜チーム』12時45分〜 19日(金)『金曜チーム』12時45分〜 20日(土)『土曜チーム』12時45分〜 『プライベートチーム』 3日(水) 定例勉強会  1時半〜3時 ※ 講師 中井 はつみ 氏 『専門図書音訳チーム』 5日(金)『音声解説チーム 』1時半〜3時半 19日(金)『東洋医学チーム』3時〜5時 26日(金)『英語チーム』10時半〜3時 27日(土)『パソコンチーム 』1時半〜4時 13日(土)『古典チーム』 1時〜3時み 『 理数チーム』 お休み 『橋本勝利のフォローアップ講座』 10日(水) 1時〜3時 12日(金) 1時〜3時 ※随時受け入れ中 『2月の月曜当番』 2月1日/15日 林田 2月8日/22日 清水 ☆ 画面校正結果 その2 大林 緑 デイジー図書凡例 (注について) 録音されていた「デイジー図書凡例」 1、この図書の階層はレベル2まであります。 2、注と写真の始めと終わりをグループで区切っています。 3、各項目の終わりに注がまとめて書かれていますが本文中の該当箇所で注として読んでいます。 気になった点 ◎上のデイジー図書凡例は一見順序立って見えますが、聞いて見ますと2と3は逆のほうが分かりやすいのではないかと思いました。 まず注の説明があってそのあとにグループのことわり、と思います。 ◎本文中を聞いてみますと、短い注は“注”と断わらずにその箇所で読み込み、少し長い注は文の切りのよいところで「注」として入っています。 この入れ方を編集しますと、音声訳で「注」としたところだけがグループ付けとなって、「注」とはせずに読み込んだ箇所にはグループは付きません。注にはグループを付ける、とした凡例と  は合致しないことになります。 そこで以下のようにデイジー図書凡例の入れ替えをお願いしました。 デイジー図書凡例 1、この図書の階層はレベル2まであります。 2、各項目の最後にまとめて書かれている注は、本文中の該当箇所で読み込むか文の区切りで「注」として読み込んでいます。 3、注の始めと終わり、写真の始めと終わりをグループで区切っています。(“注と写真の始めと終わりを〜”とする場合もありますが、ここでは注の説明が入っていますので敢て“注の〜”“写真の〜”と別にしています) このような本は多くあり、同じように入れている例もあることと思います。 この本では、ほとんどの項目末の注は数個ですが、最後の項目だけ複数の長文の注が数ページにわたってあり、凡例のようなことわりはどうしても入れる必要ありと思われました。 しかし本によって、また注の分量・内容などによっては何も断らずに読み込む例、「注の始めと終わりにグループ」の凡例が必要な例、入れ替えて頂いたような凡例にする例、などいろんなケースが考えられます。 編集者は注がどんな入れ方をされているかを聞いて、デイジー図書凡例が必要な場合はそれに合う凡例を作成して下さい。 音声訳者はデイジー図書凡例を録音するとき、その凡例がご自分が文中に読み込んだ方法と合致するか心にとめて録音して下さるようお願い致します。 ☆リスナーの窓 (18) 福井哲也 目次を考える その2 前号に引き続き、目次がテーマです。 目次は、本文中にある見出しをリストにしたものです。ですから、目次に載っている見出しの言葉と本文中のそれとは一致しているのが普通です。ところが、本によっては、そうなっていないことがあります。例えば、目次には「住宅用火災警報器」とあって、本文を開くと、 「もしもの時あなたと家族の命を守る 住宅用火災警報器」と書かれているような場合です。本文の音訳では、墨字どおり「もしもの時…」を先に読んでも問題なさそうですが、目次を聞いてそこから本文を開くことを考えると、「住宅用…」が最初に耳に入ってこないと少々とまどいます。この例では、「もしもの時…」は「住宅用…」より先に書かれてはいますが、副題と解釈し、音訳では「住宅用火災警報器 もしもの時…」と順序を逆に読む方法が有効だと思います。(本によっては本文の見出しの言葉に合わせて目次の方を読み替えるとよいこともあります。) 次に、目次とDAISYのページ付けについて少し触れます。本文の見出しが墨字のページの途中から始まっている場合、再生機のページ移動操作で聞きたい項目を出そうとしても、ぴったりの位置に行けないので、DAISYのページチェックを墨字どおりではなく見出しの所にずらしたらよいのではないかという提案が以前からあります。しかし、私は次のような理由で、これには賛成しかねます。@墨字とDAISYでページ数にずれがあると、墨字原本を参照したいときに不便。A墨字の1ページに見出しが2つ以上あると、この方法では対処できない。B索引や本文中に参照ページがある場合、そのページ数にも影響することがある。目次に記載されたページを開いてもすぐにその見出しが出てこなければ、最下レベルで見出し移動をすればよいだけのことなので、中途半端な策はやめた方がよいというのが私の意見です。そして、目次から本文へのアクセスを頻繁にしそうなマニュアル類やカタログ的な資料については、本全体をDAISY独自のページ付けにするなど、思い切ったアレンジをすればよいと考えます。 ☆Q&A 質問 デイジー編集を自宅と情報文化センターと両方でやっていますが、時々、音声が出ないなどエラーが起きますがどうしてですか。 答え 自宅での編集者が増えてきたこともあり、同じ作品を自宅で編集したり情報文化センターで編集するケースも出て来ており、時々、音声が出なくなるなどのトラブルが発生しています。 情文で使用している編集用パソコンはWindows2000/WindowsXP/WindowsVistaと3種類あります。自宅のパソコンと職場で使用するパソコンが同じOSならトラブルも起きませんが、情文ではWindows2000で編集して、自宅ではWindows XPでといったように違ってくると、編集したところが音声が出なくなったりする等のトラブルが起きています。 この原因は、移動、削除などの作業をして、ビルドをせずに違うOSで引き続き編集作業をしたときに起きているようです。これを回避する為に、パソコンのOSが変わるような時は、一旦、ビルドしておく必要があります。 今後は、パソコンのOSが変わる場合は、その都度ビルドをしてから終了するようにしてください。 ★『ろくおん通信』の更新について 先月号で、予めお知らせしておりましたが、2010年4月よりグループへの『ろくおん通信』発送は中止させて頂きます。『ろくおん通信』は日本ライトハウス情報文化センターのホームページで見ることはできます。テキストデータもアップしております。そちらをご利用頂きますようお願い致します。 尚、どうしてもうまくいかない時は係までご相談ください。 『ろくおん通信』のダウンロード @「http://www.iccb.jp/」で日本ライトハウス情報文化センターのホームページが開きます。(図1参照)ヤフーで「日本ライトハウス情報文化センター」で検索しても出てきます。 A「録音製作係のご案内」を開くと、「図2」のような画面がでます。該当のデータをクリックすると見るとができます。必要ならプリンターで印刷してご利用ください。 Bテキストデータが必要な方は「テキスト版」を開いてご利用下さい。 ★音訳者・校正者へのお願い!! ・デイジー編集が追っかけ編集が可能に ・モニター者は原本を「作品ボックス」に入れましょう これまでデイジー編集は読みが完成したものから編集にかかっていましたが、「青年の家自立支援センターゆう」などの協力もあり編集待ちの作品がほとんどなくなりました。その為、現在音訳中のものを編集する「追っかけ編集」が可能になってきました。音訳者は7、8割、音訳が進んだ段階で係に進行状況を報告して下さい。又、原本の申し込みも1ヶ月前にお願いしていますので、その時にも進行状況も報告していただくようお願いします。 「追っかけ編集」ではモニター者の原本を編集で使いますので、モニター者は原本を持ち帰らず、必ず、「作品ボックス」に入れてお帰り下さい。 ★週刊新潮の読み手を募集します 週刊新潮は、現在、4時間半〜5時間、収録しています。今年3月で、テープ版の発行を中止しますが、それに合わせて週刊新潮の全文音訳を目指すことになりました。その為、読み手を募集することにしました。募集要項は下記の通りです。希望者がありましたら係までご連絡ください。 電話 06−6441−1017(録音製作係) 【募集条件】 @読み手は第1週号〜第5週号までチーム化していますので、読むのは1ヶ月1回になります。1回の記事は30分程度です。 A最初は来館して読んでもらいますが、最終的には自宅でパソコンで録音し「ウエブスタジオなにわ」でアップして頂きます。 B面接とアナウンステストをさせて頂きます。 以上 ★ 以上で「ろくおん通信177号」おわり 戻る