ろくおん通信第166号テキスト版ろくおん通信第166号 2009年1月発行 製作 日本ライトハウス盲人情報文化センター 録音製作係 ★2月 録音製作予定 『自宅録音チーム』 10日(火) 『マトリョーシカ』 10時〜12時 18日(水) 『はなみずき』 1時半〜3時半 26日(木) 『二十四の瞳』 10時〜12時 『スタジオ曜日別チーム』 −日(月) 『月曜チーム』お休み 24日(火) 『火曜チーム』12時45分〜 18日(水) 『水曜チーム』12時45分〜 19日(木) 『木曜チーム』12時45分〜 20日(金) 『金曜チーム』12時45分〜 21日(土) 『土曜チーム』12時45分〜 『プライベートチーム』 4日(水)定例勉強会 1時半〜3時 ※ 講師 中井 はつみ 氏 『専門図書音訳チーム』 14日(土)『古典チーム』1時〜3時 20日(金)『東洋医学チーム』3時〜5時       『理数チーム』休み 27日(金)『英語チーム』10時半〜3時 28日(土)『パソコンチーム』1時半〜4時 6日(金)『音声解説チーム 』1時半〜3時半 『橋本勝利のフォローアップ講座』 4日(水)1時〜3時 ※随時受け入れ中 9日(金)1時〜3時 『北川富美代先生の読み方講座』 2月24日(火)10時〜12時 月曜日出勤当番 2月2日・16日(月) 林田 2月9日・23日(月) 清水 ★2009年度音声訳第T期基礎講習会只今受付中 ◎ 実施期間 2009年3月〜2010年3月まで 毎週火曜日 10時〜12時 ◎ 会場 7月までは中央区道頓堀で 8月以降は西区江戸堀の新館 ◎ 定員 15人 詳しくは盲人情報文化センターのホームページ(耳より情報)にアップしています。 ★校正について第14回 大林 緑 誤読・アクセント・音 今回は今まで書いてきたさまざまな処理・配慮と共に校正の中心をなす作業である「誤読を判断する」ことを考えてみたいと思います。著者の表記が正しく伝わるように読むこと、前号で書いた文の区切り方・間・複合語の読み方、文意を正しく伝えるアクセント(下記参照)、雑音のない録音。これらを違えることはどれも表記どおりではなく「誤読」ということになります。 〔誤読〕 誤読がないか調べることは簡単そうにみえて思いのほか厄介な作業です。ついつい話の内容に引き込まれて、時にはウトウトして(?)見逃してしまうことがないともいえません。読みに引きずられないように見て、聞いて下さい。 音声訳者がどの箇所でどう読んだかを原本中の欄外に記録しておき、全体の読みの参考にしましょう。 ◎読み違いは“てにをは”などを含む単純なものもあげる ◎ルビの付き方・読み方(原本全体にどの程度ルビが振られているか確認する) ルビの中の促音に注意→ルビには大文字小文字の区別がない。 ◎誤植か否かの判断 ◎固有名詞(人名・地名、文中の書籍名などいろいろ) 人名や地名にかかわらず固有名詞の間違いは許されるものではありません。 ごく普通に読める字も念のため調べて見ましょう。 最近はかなり調査しやすい環境にはなりましたが、まだどうにも調べようがないこともあります。校正者は調査用紙を参考にし、推測読みのもの、調査用紙にないものは出来るだけ調べて下さい。 ◎思い込んでいませんか? 知らないことは意外と多いものです。 当たり前と思っている言葉も念のため辞書に当たってみましょう。 〔アクセント〕 ◎校正表に記入する語に付けるアクセントの記号はアクセント辞典を参考にして正しく付けましょう。 ◎文意を違えるようなアクセントは上欄に(熱いB、厚い@。旅B、足袋Aなど)、その人の癖になっているようなアクセントや読み方は下欄に記入しましょう。 ◎あまりアクセントやその人の読みぐせにとらわれすぎると他の大事なところを見落とすことにもつながります。全体をバランスよく聞きましょう。 〔音〕 ◎全体の音のレベルはどうですか? ◎文のつなぎ方はきれいですか? センテンスの終わり方が同じ時、一行抜けることが時たまあります。 (例)“○○〜〜と思われるのであった。 “○○と思われるのであった。 と、文末が同じ終わり方をした文が2行続いて、そこから読みつないでいく場合。 ◎はめ込み訂正はきれいですか? 不要な音は残っていませんか? ◎録音日によって音が違っていませんか? ◎雑音はありませんか?(ページを繰る音・話し声・口中音・おなかの音など) 次回は「ライトハウスの校正作業」です。 ★リスナーの窓(7) 福井哲也 単純だけどコツがいるスペルの読み上げ 最近の印刷物の中には、ホームページやEメールのアドレスが頻繁に出てきます。アドレスの音訳の仕方として、@スペル・記号を全部読み上げる、A単語読みできる部分はそれをスペルの前に添える、という原則はかなり定着しているように思います。例えば、「kizuka@nlh.jp」なら、「キヅカ/ケイアイ・ゼットユー・ケイエイ/アットマーク/エヌエルエイチ/ドット/ジェイピー」と読むわけです。 ここで私が「・」と「/」をどんな意味で用いているかを説明するために、「社会福祉法人日本ライトハウス」の自然な読み方をこれらの記号を入れて書いてみますと、「シャカイ・フクシ・ホージン/ニッポン・ライトハウス」となります。つまり、「・」は発音は切らないが、言葉の要素の区切りという意識はあるところ、「/」は言葉の区切りで、僅かに間をおいてもよいところです。 さて、スペルの読み上げです。まず、綴りを正確に伝えようと力が入りすぎ、「ケイ/アイ/ゼット/ユー/ケイ/エイ」のように1字ずつ切って読む人がいますが、これはいただけません。もとが「キヅカ」の3音をローマ字書きしているのですから、2字ずつペアの気持ちで、スムーズに読む方が聞きやすいのです。 次に、何でも2字ずつペアにしてしまう人がいます。「akashi」を「アカシ/エイケイ・エイエス・エイチアイ」のようにです。これは聞き手の頭を混乱させます。「エイ・ケイエイ・エスエイチアイ」としていただきたいところです。英単語も理屈は同じで、「number」なら「エヌユーエム・ビーイーアール」といった感じでしょう。辞書でシラブル(音節)の区切りを調べてなどとは申しませんが、自然な繋げ方があるのだと思います。 スペルの読み上げは単純作業のようですが、こんなところにも、わかりやすく伝えるためのコツがあるようです。 Q&Aコーナー 質問 引用文であることを分からせる為に、入る時に「カギカッコ・・・ドジ(または「カギ」・・「トジ」)と読んでもいいのですか。 答え そのまま読んだのでは、引用文であることが分からず、読者が混乱する場合は、普通は、引用文を読むときに「以下、引用」出るときに「引用終わり」などと処理しますが、それ以外にも、デイジー図書凡例などで、「本文中の引用文については、カギカッコ・・トジ(カギ トジ)と読み込んでいます」などと断って読むこともあります。しかし、何も断らずにいきなり、「カギカッコ・・トジ」と読むのは困ります。聞き手には、「カギカッコ・・トジ」が引用文という約束がないらです。それを使うときは、あらかじめ断っておく事が必要でしよう。その場合、「カギカッコ・・トジ」を引用文以外に使うことが無いかも確認しておきましょう。 また、雑誌などでも時々、引用文が出てきますが、この場合は、カギ トジを使うのはお勧めできません。雑誌の場合はいろんな記事がありますので、引用文であることをはっきりさせる必要がある時は、原則、「引用・・・引用終わり。」などと読むようにしたほうがいいでしょう。雑誌の利用者から「カギカッコ・・・トジを何で読み込んでいるのか」と質問されたこともありましたが、これは「カギカッコ・・・トジ」が引用文であることが伝わらなかったケースでした。  ★研修会のおしらせ 2月16日(月) 主催 大阪府社会福祉協議会 大阪府ボランティア・市民活動センター 2月16日(月)、当センターの福井哲也氏の講演による、研修会が下記の内容で行われます。この研修会に参加を希望する方は係までお申し出下さい。 尚、主催者側から、「希望者が多い場合は人数の制限がある」と言われています。希望者が多い時は参加できないこともありますので、予めご了承下さい。 地元のグループの方でお申し込みされる方は、直接、主催者へお問い合わせ下さい。 ◆講 演 「わかりやすく使いやすい録音図書を求めて(仮題)」   講 師 福井 哲也 さん <プロフィール> 日本ライトハウス点字情報技術センター編集主幹。 小学生の時から、点字図書とともに録音図書も多数利用してきた経験から、どうすれば聞きやすくわかりやすい録音図書になるかに大きな関心があり、折に触れて利用者の立場からの提案を行ってきた。DAISY(デイジー)の開発についても、1996年の実証実験以来、その推進と普及を求めてアピールを続けている。 日 時 平成21年2月16日(月)      午後1時30分〜3時30分 (1時から受付開始) 会 場 薬業年金会館 3階301号室 定 員 200名 参加費 500円(当日、受付でお渡しください) 主 催 大阪府社会福祉協議会 大阪府ボランティア・市民活動センター 朗読ボランティア交流推進委員会 申込み・お問い合わせは下記まで 大阪府ボランティア・市民活動センター (担当:安藤) 〒542−0065 大阪市中央区中寺1−1−54 TEL 06−6762−9631 FAX 06−6762−9679 *申込みは平成21年2月11日(水)までに申込書にご記入のうえ、FAXまたは郵送にてお送りください。 ★週刊新潮音訳者の正誤表 週刊新潮は、デイジー版、カセットテープ版以外に、ビブリオネットや「ウェブスタジオ・なにわ」での配信などで、今では、もっとも多く利用されている雑誌です。録音時間も1回90分からスタートしたものが、今では、4〜5時間収録しています。 今回から、週刊新潮の読み誤りの指摘があった語句を掲載します。雑誌の場合、急いで読む関係でうっかり読みをして誤読が増えています。誤読しないよう調査もしっかりしましょう。また、新潮関係者だけでなく、他の方もしっかり目を通しておいて下さい。   原文       誤読       正しい読み  大舞台      だいぶたい    おおぶたい  完遂       かんつい      かんすい  対を成す    たいをなす    ついをなす  剽軽       ひょうけい    ひょうきん  見難い      みがたい     みにくい  モー娘      もうむすめ    もうむす  感想を抱く    かんそうをだく  かんそうをいだく  仮名手本    かなてほん    かなでほん  佐々 淳行   ささあつゆき   さっさあつゆき  久世 光彦   くぜみつひこ   くぜてるひこ 以上で「ろくおん通信166号テキスト版」おわり 戻る