ろくおん通信 No.170ろくおん通信第170号 2009年5月発行 発行:日本ライトハウス盲人情報文化センター録音製作係 ★聞いてわかる図書を作るために (第33回)  久保 洋子 目次の読み方を考える 録音図書を利用する時、目次は利用者にとって大きな手がかりです。私たちは何気なく見ていますが、墨字の本では項目の大小が一目でわかるように作られています。章・節などの言葉がついている目次は、そのまま読んでも、項目の大小は伝わります。活字の大小、行頭の高さなどで項目の大小を表現している目次は、そのまま読むと、どの項目も同じになってしまって、大小の区別はつきません。こんな時には1、2、…、1の1、1の2、…、など、番号をつけることで、項目の大小がわかるように読まなければなりません。 ローマ数字、算用数字、漢数字など数字のちがいで項目の大小の区別をつけているものも同じです。ローマ数字1、とか漢数字1、などと読むことも考えられますが、これではわかりにくいので、番号はきいてすぐわかるようにつけ変えて読んで下さい。小説などでは、項目に大小がなく皆同じ、デイジー図書ではレベル1だけのこともあり、こんな時は特に番号をつけなくてもいいと思います。又、大項目の下の項目を(1)、(2)、…、などとすることもありますが、この場合は同じ(1)が何度もでてきて、自分が今どこにいるかわかりにくいことがあります。その本がどのように利用されるのか、利用者の立場に立って、慎重に考えて下さい。 ★6月 録音製作予定 『自宅録音チーム』 9日(火) 『マトリョーシカ』 13時〜15時 17日(水) 『はなみずき』 1時半〜3時半 25日(木) 『二十四の瞳』 10時〜12時 『スタジオ曜日別チーム』 23日(火) 『火曜チーム』12時45分〜 10日(水) 『水曜チーム』12時45分〜 25日(木) 『木曜チーム』12時45分〜 19日(金) 『金曜チーム』12時45分〜 20日(土) 『土曜チーム』12時45分〜 『プライベートチーム』 3日(水) 定例勉強会 1時半〜3時 ※ 講師 中井 はつみ 氏 『専門図書音訳チーム』 13日(土) 『古典チーム』1時〜3時 19日(金) 『東洋医学チーム』3時〜5時 『 理数チーム』お休み 26日(金) 『英語チーム』10時半〜3時 27日(土) 『パソコンチーム 』1時半〜4時 5日(金) 『音声解説チーム 』 1時半〜3時半 『橋本勝利のフォローアップ講座』 10日(水) 1時〜3時 ※随時受け入れ中 12日(金) 1時〜3時 月曜日出勤当番 6月 8日・29日 林田 6月1日・15日・22日 清水 ★録音ボランティア再登録のお願い ただいま、ボランティア再登録をお願いしています。 人情報文化センターで活動している方で、アンケート用紙が送られてこない方(来館者は個人ボックスに入っています)は係までご連絡ください。 録音製作係としても全体のアンケートとは別に係のアンケートをお願いしていますのでよろしくお願いします。 ★画面校正について その2 大林 緑 @「書誌情報」の記入について 書誌情報の記入方法については『ろくおん通信』No.164に掲載されました。編集者は今一度確認して下さい。 タイトル 書名のみ入れる。原則として副書名はいらない。       書名のシリーズNo.上・下・第1巻・第2巻など)は入れる。 著者   姓と名の間は1マス空ける。       著者だけの場合→下重□曉子       著者と訳者の場合→デイヴィッド・ローン著□平田□敬訳       著者が複数のばあいは中点で区切って、最後に共著と入れる。 ISBN  必ず半角で入れる。 発行者  「日本ライトハウス盲人情報文化センター」と入れる。       「ICCB」とは入れない。       原本の発行所ではない(新潮社、岩波書店などとは入れない)。       「発行者」は出版所を明記するのが日盲社協の基準で決まっているが当館では当面変えない。 朗読者  編集者 著者と同じく姓と名の間は1マス空ける。 以上の、著者・朗読者・編集者名の姓と名の間の1マスあけ、ISBNを半角、発行者は日本ライトハウス盲人情報文化センターと入れる、の3点は書誌情報記入の必須事項です。びぶりおネット発行などに支障を来たすため館が再確認して、違っている場合は入れ直しをしています。 その他の識別名・言語・文字コード・ジャンルとスキーム等は編集では記入の必要はありません。 (注意) 書誌情報は必ず記入して下さい。 画面校正では、タイトル以外未記入のものや上記の3点の誤りのものが見られます。 リクエスト図書などで音声訳者が編集も兼ねて行っている場合は、朗読者・編集者の両方に同じ名前を入れて下さい。 つづく ★リスナーの窓 (11) 福井 哲也 DAISY図書凡例の謎 DAISY図書の冒頭に入れられるDAISY図書凡例では、あらかじめ聞き手に知っておいてほしい事項を簡潔に説明する必要がありますが、ときおり製作側の意図がきちんと伝わるか少々心配な言い回しも見受けられます。 例えば、「ページ付けはDAISY図書として行い(DAISY図書として行いに下線)、目次は1ページ、以下原本に準じて、最終ページは234ページです」。この下線部分()は、DAISY版であえて原本と異なるページ数を付けた箇所があることを意味しているようですが、「以下原本に準じて」とありますから、基本は原本通りと考えられます。ならば、「ページ数は原則として原本通りで、234ページまであります。ただし、目次は原本と異なり1ページとしています」とする方がわかりやすいのではないでしょうか。 こんな例もありました。「ディスクのボリューム情報(ディスクのボリューム情報に下線):ディスク全2枚、ディスク・ナンバー1。ディスク収録情報(ディスク収録情報に下線):ディスク1には上、ディスク2には下を収録しています」。この下線部分は、もしかすると何かの基準書に「DAISY図書凡例にはディスクのボリューム情報・収録情報を入れなさい」と指示されているところから来ているのかもしれませんが、聞き手にとっては難解だと思います。こんな専門用語を使わなくても、「この作品はディスク2枚に分かれています。ディスク1が上巻、ディスク2が下巻です」とすれば十分伝わると思います。(書名が「○○○ 上」「○○○ 下」となっているでしょうから、この説明そのものが不要とも考えられますが) DAISY図書凡例は、図書館やグループで文言を統一するため、以前からの雛形をそのまま使っているケースが多いと思いますが、聞き手にとってわかりにくい部分はないか、新たな目で見直してみてはいかがでしょぅか。 ところで、「DAISY図書凡例」のアクセントは、「デイジートショハンレー」(トにアクセント、ハンレイは平板)ですね。「デイジートショハンレー」(デとハにアクセント)と読んでいるのを結構聞きますが、これはおかしいので(DAISY図書の凡例であってDAISYの図書凡例ではない)ご注意ください。 ★Q&Aコーナー 質問 最近のデイジー図書で語尾が聞こえなくなるものが時々ありますがどうしてでしょうか。 答え 語尾が下がって聞こえないというケースは読み手は声を下げているつもりでも、実際は声が小さくなっているケースがあります。 過去に、カッコ内の文章は下げて読むといった指導があったころは、下げて読めない人が声を小さくして読むことがあり、利用者から「カッコ内のところが聞こえない」といった指摘が多々ありました。これまでデイジー図書はウォークマンみたいに歩きながら聴くケースはあまりありませんでしたが、各社から携帯で聴ける機種がいろいろでてきたことから、気軽に外でも聞けるようになりました。そうしたことで、外で丁度よい音量で聴いていると、カッコ内の文章や語尾を小さく読んでいるものは、はっきり聞こえないといった事が起きます。小さい方に合わせると他のところが大きくなりすぎるなど、聞き手がいらいらすることにもなります。 語尾を下げるつもりで声を小さくして読んでいる人やカッコ内を声を小さくして読む人は気をつけましょう。語尾をしっかり読み、カッコ内の文章は下げて読むことより、カッコを含む文章の内容をしっかり伝わるように考えて読みましょう。 ★音声訳基礎講座、第U期 募集のお知らせ 実施時期: 前半 2009年9月25日(金)〜2010年3月26日(金)まで、 ※毎週、金曜日  10:00〜12:00 後半 2010年4月〜2010年8月まで ※月2回、第2、第4金曜日  10:00〜12:00 第2金曜「実践製作講習」、第4金曜「読み方講習」 会場:盲人情報文化センター 新館4階 会議室 〒550−0002 大阪市西区江戸堀1−13−2 (盲人)情報文化センター(新館) 講習内容: 1.読み方の基本 2.記号、漢字、図、表などの音声変換処理 3.Recdiaソフトを使用した録音技術など 4.調査・録音の順序など 講師:盲人情報文化センター 音声訳講習会講師チーム 資格: @音声訳に必要な「発声」などの基礎的な訓練を終了した方 A自宅で録音ができる方 B講習会終了後も、盲人情報文化センターに月に2回 の来館が可能な方 費用:3000円(資料代) 定員:10人 申込方法:申込用紙に記入の上、郵送(Faxも可)またはご持参くだささい。 メールでも受け付けます。 〒542−0077 大阪市中央区道頓堀1丁目東3−23 道頓堀千島ビル 社会福祉法人日本ライトハウス 盲人情報文化センター録音製作係 Tel 06−6211−0910 Fax 06−6211−1590 E−Mail:rec@iccb.jp 〆切日:2009年9月5日(土) 試験日:2009年9月11日(金)(盲人)情報文化センター4階会議室 10時〜12時 試験内容 : @アナウンステスト A漢字の読み B音声変換処理センス C面接 ※筆記用具持参のこと(鉛筆、消しゴム) 発表:2009年9月19日(土)までに連絡 講習開始:2009年9月25日(金)10:00〜12:00 ※試験日当日、来館出来ない方は、担当者までお申し出ください。 注意:申し込みは2009年7月10日(金)までは通常通りですが、以降は引っ越に入りますので、早めにお申し込みください。 新館での受付はお盆明け、8月18日(火)からになります。 ★自宅録音の方へのお願い 自宅録音の方でデータをCDに焼いて郵送されている方(「ウエブスタジオなにわ」でアップされていない方)は、定例勉強会の時に焼いたCDを持ってきて下さい。センターのパソコンでデータアップの練習をしてもらいます。定例日以外でも結構です。来館前に係にご連絡ください。 ★編集ボランティアへのお願い 編集依頼は、今後「ウエブスタジオなにわ」を通してお願いするようになります。自宅編集ボランティアは「ウエブスタジオなにわ」を通してデータのやりとりを行います。来館編集者は「ウエブスタジオなにわ」からデータをダウンロードして編集をしていきますのでよろしくお願いします。 ★新潮音訳者の正誤表   原文            誤読              正しい読み 塩川正十郎     しおからせいじゅうろう   しおかわまさじゅうろう 沖田 総司      おきたそうし          おきたそうじ 率直         すなお              そっちょく 収奪          しゅうばく             しゅうだつ 長閑          ちょうかん           のどか 世故          せち                せこ 現場          けんち              げんば 吉祥寺        きっしょう            きちじょうじ 牡鹿半島(宮城)  おがはんとう         おしかはんとう 日ハム        にほんはむ          ニチハム/ニッポンハム 山手線        やまてせん          やまのてせん ★以上で、『ろくおん通信』170号おわり 戻る