ろくおん通信第184号テキスト版ろくおん通信第184号テキスト版 2011年1月1日 発行 ※2010年度は奇数月のみの発行予定 日本ライトハウス情報文化センター 録音製作係 〒550-0002 大阪市西区江戸堀 1−13−2 TEL 06−6441−0015(代表) TEL 06−6441−1017(直通) FAX 06−6441−1027 (直通) ホームページ:http://www.iccb.jp/ 編集人 林田 茂 あけまして おめでとうございます。 2011年元旦 ※活字版には、出雲大社の『波乗りうさぎ』が描かれています。 作:録音製作ボランティア 保利 修市 干支に因み、今年は出雲大社・参道の東西に建つ一対の石灯籠に彫られた『波乗りうさぎ』を描いてみました。 ◆◇ 主なトピックス ◇◆ ● 編集者の皆様へ 大林 緑 ● リスナーの窓(24) ● 簡易吸音セットのご案内 ● Q&A ● フォローアップ勉強会のお知らせ ※『聴いてわかる図書』はお休み ☆編集者の皆様へ 長い1フレーズをつくっていませんか 大林 緑 デイジー図書編集ではいつもご苦労様でございます。 フレーズについては今までに“ろくおん通信”で何度かお知らせして来ました。しかしフレーズをどの箇所で1フレーズにするか、結合せずにそのままにするかについては編集者によりさまざまで、中には1フレーズが長いためプレクストークでの利用がしにくい例も出て来ました。 例えば複数の文献を長さに関係なくそれぞれ1フレーズにまとめた場合、PRSの画面上では一見きれいに整って見えますが、それをプレクストークでほんの少し聞き直そうと1フレーズ戻ると、まとめたフレーズの先頭まで戻ってしまい、利用にはとても不便を感じることになったケースです。 また別の例で、ホームページアドレスを1フレーズにまとめた例では、アドレスのスペルを確認するため1フレーズ戻るとその度にhttp;〜から聞くことになってこれもとても便利とはいえません。 そこで、どこを1フレーズにするか、どこは結合しなくていいかについて再度記載致しますのでご確認のうえぜひ編集に活かして頂きたくお願い申し上げます。 必ず1フレーズにするところ 第1セクションの第1フレーズ 書名+副書名の1フレーズ化  :書名と副書名は1フレーズとする。 第1セクション第1フレーズの書名・副書名は、プレクストークにCDを入れて「しばらくお待ち下さい」のあとに出る「書名」となる。  (例)「伴走者たち 障害のあるランナーをささえる」  :書名のシリーズbナある、上・中・下・第1巻・第2巻・・・などは書名と結合して1フレーズとする。  :外国語の原題・著者名などは第1フレーズには入れない。第2フレーズ以降とする。 目次セクション内の各項目の1フレーズ化  :項目(付けた階層番号を含む)からページまでは1フレーズとする。  :目次の項目には必ずページをつける(録音の順序 参照)。  (例)「目次」   「はじめに 伴走っていいな! 7ページ」   「序章 スタート十秒前! 15ページ」 特例 ◎原本によって目次の中の章などの大項目にグループ付けが必要な場合がある。その時は目次のはじめにそのことわりを入れる。 目次はフレーズで移動して利用するため、ことわりはなるべく1フレーズとする。 ◎目次の項目としては読んでいるが本文中では読まないものについてその項目の後に読みは省略することわりを入れる場合がある。ことわりはなるべく1フレーズとする。  例)外国語の文献・広域MAP など 本文中の各セクションの第1フレーズ  :(ページが読まれている場合)「項目(+副項目)+ページ」を1フレーズ  :(ページが読まれていない場合)「項目(+副項目)」を1フレーズ 終わりの枠の第1フレーズ→「以上で○○(書名)を終わります」  :副書名は入れない。(例)「以上で 伴走者たち を終わります」  :書名のシリーズbナある、上・中・下・第1巻・第2巻・・・などは入れる。 索引のフレーズ化  :索引は語句名とページを1フレーズとする場合が多い。フレーズで次々送ると便利に利用出来る。   索引の始めに「各語句にはフレーズで移動出来ます」などとことわりを入れる場合もある。  :原本によっては各語句にページが沢山記載されている場合がある。そういう場合は1フレーズにすることにこだわらずいくつかに分ける。 必ずしも1フレーズにしないところ 原本中の箇条書きになっている部分や、参考文献、参考図書目録や年表などのフレーズ  :ごく短いものや、内容として1フレーズにすることが必要な場合を除きそのままでよい。  :見た目で整えてしまわない。   判断の仕方は利用の便利さにある。プレクストークで利用しやすい形を考える。 項目のあとや文末などに無音フレーズを作って間を入れた場合  :目次の各項目、索引の各語句、1フレーズに揃えた短い文献などのようにフレーズで移動して利用するものは無音フレーズはなしとする。必ず結合する。  :文末に入れた無音フレーズは結合する。入れた無音フレーズの数が複数の場合も見られるが結合して無音フレーズはなしとしプレクストークでのフレーズ移動をスムーズにする。 フレーズの切れ方  :インポートのノイズレベルは「−32dB」を基本とする。(スタジオは −40dB)  :1枚目をインポートしてフレーズの切れ方の状態を見る。   20秒30秒などの長いフレーズが多く見られる場合はインポートの設定を変更したのち、再度インポートをやり直す。   フレーズが長いと、少しだけ戻って聞きたい場合に支障を来たすと共に、ページ付けも1〜2行の違いが出て来る。  :音声の中に無音フレーズが多く出る場合もインポートの設定を変更したのち、再度インポートする。 どうしたらプレクストークで利用しやすくなるかをみんなで考えて製作したいと思います。 ☆リスナーの窓(24) 略語はわかりにくい? 福井 哲也 今回は、新聞や雑誌の記事でよく見る略語の読みについて考えます。「国対委員長(国会対策委員長)」「政倫審(政治倫理審査会)」「県議選(県議会議員選挙)」のような、漢字をいくつか取り出した略語は、漢字を見ないで音だけで聞くとわかりにくいのではないかと心配の向きも多いようです。しかしこれらは、アナウンサーが読むニュース原稿にはあまり使われないものの、政治家や評論家がしゃべる言葉の中にはときどき出てきますので、元の言葉を言い添えたり、読み替えたりする必要はなさそうです。「短大」「簡保」「民放」ほどではないにせよ、比較的耳になじんだ略語といってもよいでしょう。もし初耳だとしても、文脈と音から意味を想像することはそう難しくないように思います。説明や読み替えが必要なのは、相当希有な略語で、文脈からも理解しにくいもの、あるいは誤解のおそれがあるものに限られると思います。国名を表す漢字も、「米政府」「対独戦」などはそのまま読み、「伊首相」のように読みにくいものや、「日伯(にっぱく)友好」のように音ではわかりにくいもののみ、説明や読み替えを考慮したらよいと思います。 スポーツ関係の略語ですが、長年定着している「五輪」は、「ごりん」と自然に読めるでしょう。悩ましいのが漢字を多用する野球用語で、「犠打」「二死満塁」あたりはそのまま読んでもそれほど違和感はありませんが、「左前適時打(レフト前タイムリーヒット)」となると、片仮名言葉への読み替えが必要のようです。つまり、そのまま読むものと読み替えるものをどこかで線引きせざるを得ないと思います。一方、「GP(グランプリ)」や「CS(クライマックスシリーズ)」などアルファベットの略語は、漢字と違い、目で読んでも耳で聞いても情報は同じでわかりやすさに差がないので、特別の配慮は不要と割り切る考え方もあるかもしれません。ただ、「PK(ペナルティーキック)」のように話し言葉でも「ピーケー」という言い方がよくされるものもありますが、アルファベットの略語が多用された文章をそのまま読みますと、聞き手をくたびれさせてしまう可能性があります。ここでも、線引きの工夫が求められるようです。 略語の処理を考えるとき、「聞いてわかりやすくアレンジする」ことと、「墨字の雰囲気をできるだけ残す」ことという相反する要求をどうバランスさせるかでいつも悩みます。聞いてわかりやすくすることはとても大切です。しかし、音訳資料はラジオ番組とは性質が少し異なるように思います。私は、多少のぎこちなさが残る程度であれば、墨字原文の言葉づかい・文字づかいをそのまま音声に載せていただいてよいのではないかと考えています。 ☆平成22年度 大阪市 地域福祉推進功労表彰   受賞おめでとうございます!! 前回の『ろくおん通信』でも掲載しましたが、久保 洋子さんが、この度、大阪市地域福祉推進功労表彰を受賞されました。 11月11日に、当館 6階録音製作係において20人近くのボランティアさんの中で授賞式を行いました。 久保さんの言葉 「皆さまのおかげです。暇ができて何げなく始めた音訳ボランティアでしたが、たくさんのお仲間を得て、私の人生も華やかなものになりました。ありがとうございました。あともう少し、頑張っていきたいと思います」 ☆自宅での反響音を減らす簡易吸音セットのご案内 録音製作係 清水賢造 洋間などで録音すると、どうしても反響音が出てしまうことがあります。こうした反響音を少しでも減らすものが作れないものかと大阪府立今宮工科高校の先生に相談したところ、生徒さん達が「写真@」のような折りたたみ式の簡易吸音セット(試作)を製作してくれました。希望があれば5000円程度(実費)で出来るそうです。マイクスタンドが無くても「写真B」のように紐で左右に縛って使用できます。マイクの角度や高さも自由に変えられますので、マイクスタンドは不要になります。 <作り方>  @机の上にバスタオルなどのような柔らかいものを敷きます。  Aその上に簡易吸音セットを置きます。  Bマイクスタンドがない場合は、「写真B」のようにセットします。  C周りにバスタオルなどの柔らかい布を掛けてできあがりです。できるだけ厚いものの方が吸音効果はあります。  このセットを希望される方は職員までご連絡下さい。受注発注になりますので、希望者がまとまれば製作を依頼します。 簡易吸音セット:高さ60p/奥行き60p/横幅70p ☆Q&A 質問 「ウェブスタジオ・なにわ」で校正表を送りましたが、その後の処理を確認したいのですが、どのようにしたらいいですか? 答え 「ウェブスタジオ・なにわ」で校正表を見る(確認する) 1.「ウェブスタジオ・なにわ」にログインし、「トップページ」の「校正票一覧」ボタンをクリックします。 2.「校正票一覧」画面が表示されるので、該当の書名をクリックし、「校正票詳細」画面を表示。校正後の結果等が確認できます。 時間表示のある項目:校正者からの指摘事項 時間表示のない項目:編集者からの指摘事項 Recdia」の「校正票一覧画面・通信欄」に記入した内容が、ここに表示されます。 ☆録音製作係 フォローアップ勉強会のお知らせ (当館で活動の方が対象) いつも録音製作の活動にご協力いただき、ありがとうございます。 今回、以下の日程で勉強会を企画しました。できるだけ多くの方に参加していただき、同じ共通認識でお互いのブラッシュアップの機会にしたいと思います。 各 勉強会ごとにお申込みをお願いします。 1.音訳者も知ってもらいたいデイジー編集について   1月11日(火) 午後1時〜2時 4階 第1会議室   1月12日(水) 午後1時〜2時 4階 第1会議室   ※どちらも同じ内容です。 2.会話文の読み方勉強会   1月22日(土) 午後1時〜3時 4階 第2会議室   1月24日(月) 午後1時〜3時 4階 第1会議室   1月25日(火) 午後1時〜3時 4階 第1会議室   1月26日(水) 午後2時〜4時 4階 第1会議室   1月27日(木) 午後1時〜3時 4階 第1会議室   1月28日(金) 午後1時〜3時 4階 第1会議室   ※いずれも同じ内容です。 3.漢字の処理について   3月15日(火) 午前10時〜12時 4階 第1会議室   3月17日(木) 午前10時〜12時 4階 第1会議室   3月23日(水) 午前10時〜12時 4階 第1会議室   ※いずれも同じ内容です。 4.アクセントについて   3月18日(金) 午前10時〜12時 4階 第1会議室   3月23日(水) 午後 1時〜 3時 4階 第1会議室   3月24日(木) 午後 1時〜 3時 4階 第1会議室   ※いずれも同じ内容です。 5.古典の読み方勉強会   1回目 2月 5日(土) 午後1時30分〜3時30分 4階 第1会議室   2回目 2月19日(土) 午後1時30分〜3時30分 4階 第2会議室   3回目 2月26日(土) 午後1時30分〜3時30分 4階 第2会議室   4回目 3月 5日(土) 午後1時30分〜3時30分 4階 第2会議室   ※全4回の勉強会(定員 20名 すべて参加できる方が対象) ご不明な点は職員まで、お声をかけてください。 以下、ホームページよりご覧いただけます http://www.iccb.jp/ ◆ 講習会情報 ⇒ 『耳より情報(講習会のお知らせ)』 ◆ ろくおん通信 ダウンロード版(テキスト版あり) ⇒ 『録音製作係 ろくおん通信』 ろくおん通信 184号 終わり