「読書」目の見えないかた・見えにくいかたの情報誌  2023年4月号(第51巻第4号)  発行 社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター  電話 (火から土曜日)  図書貸出 06−6441−0139  サービス全般 06−6441−0039  休業日 日・月・祝日、第2木曜日、年末年始・夏期  その他 (総務)06−6441−0015  ◆もくじ  1.ひごばしニュース  2.グッズサロン お役立ち情報  3.お役立ち本棚  4.情報カフェ  ◆4月から5月の休館について  4月13日(第2木曜)=エンジョイ!グッズサロンと図書貸出は書庫・在庫整理日のため休室。  4月29日(土)=祝日のため全館休館。  5月3日(水)から5日(金)=祝日のため全館休館。  ◆当館のサービスご利用について  @エンジョイ!グッズサロンと図書貸出=ご来館の際は事前予約をお願いします。開館・電話受付時間は10時から16時30分。  A対面リーディングサービス=Zoom(ズーム)を使い、2部屋に分かれて実施。  B会議室貸出と会議室での行事=各部屋の定員内で実施。  ●来館時のお願い  国のコロナ感染対策は緩和されつつありますが、館内には高齢者や健康に不安のあるかたも多いため、以下のご協力をお願いいたします。  @体調が悪い時や発熱が疑われる場合は来館をお控え下さい。  A来館時の手洗いや手指消毒。  B会話する際のマスクの着用。  1.ひごばしニュース  ◆日本ライトハウス創業100周年記念式典を開催  当法人では、日本ライトハウス創業100周年記念式典・記念行事を3月3日(金)午後、新大阪のメルパルクホール大阪で開催しました。当日は、当法人の利用者やボランティア、支援者など全国から約600人がご参加下さいました。  記念式典では、橋本照夫(はしもと てるお)理事長が「創立者の『愛盲の精神』の理念を支柱に、利用者の立場に立ったサービスの提供を続けていきたい」と開会挨拶。続いて、瑶子(ようこ)女王殿下をはじめ、厚生労働大臣、大阪府知事、大阪市長、視覚障害者福祉施設の全国団体や視覚障害者の全国組織の代表から祝辞を賜り、100年間の実績への賛辞とともに、今後のさらなる積極的な取り組みへの激励も頂きました。  続く感謝式典では、約40人・団体の方々に感謝状を贈呈。当館の関係では、長年に亘る図書利用者の岡本良和(おかもと よしかず)さんと、エンジョイ!グッズサロンの利用者である赤堀浩敬(あかほり ひろのり)さんの他、点訳・音訳・対面・館内サービスのボランティア4人の方々に感謝状をお贈りしました。  さらに、第40回岩橋武夫賞の贈呈式(アジア・アフリカ諸国で視覚障害者支援事業を展開している韓国シロアム視覚障害者福祉会常任理事のチェ・ドンイク氏)と、川畠成道(かわばた なりみち)氏のヴァイオリン演奏が行われ、式典に華を添えていただきました。  記念行事「Go Forward!101年目からの日本ライトハウスに求められるもの」では、橋口勇男(はしぐち いさお)専務理事が100年の歩みを紹介した後、利用者4人と職員4人のシンポジウムが行われました。  中島千恵(なかじま ちえ)さんは、看護師在職中に失明後、リハセンの生活訓練などにより、どのように自信を取り戻して来たかを語り、眼科医療と福祉の連携、そして当事者に寄り添う姿勢の重要性を訴えました。  また、高校教師を定年後、職業訓練部で学んでいる西尾淳(にしお あつし)さんは、視覚障害者の就労に厚い壁を痛感する中、これまでの就労成功事例を訓練生に公開し、社会にも発信してほしいと訴えました。  リハセンに入所している重複障害の利用者の後見人からは、利用者の感情が安定し、心身の健康が維持されていることが評価される一方、地域に開かれた施設支援の展開が要望されました。  また、点字やICTを活用して学んで来た大学院研究員の山岸蒼太(やまぎし そうた)さんは、情報保障をボランティアの無償の協力だけに依存せず、その活動に見合う対価の支払いを行う必要性と、情報機器や外出支援アプリなどの情報を整理・収集し、利用者に公開していくことの重要性を指摘しました。  これを受けて、職員の代表からは、利用者の意見や要望を真摯に受けとめ、各施設の事業やサービスの改善・向上に努めるとともに、社会の理解の拡大と視覚障害者を取り巻く環境改善に取り組んでいく決意が語られました。  私たち情報文化センターの職員もシンポジウムで明らかになった課題や目標を共有し、101年目からの歩みを着実に進めていきたいと思います。  ◆「バリアフリー2023〜目のコーナー」が4月19日から開催  「バリアフリー2023〜第29回高齢者・障がい者の快適な生活を提案する総合福祉展」で、当館は今年も「目の見えないかた・見えにくいかたのための展示コーナー」を開催します。  日時は4月19日(水)から21日(金)の10時から17時。会場は大阪市住之江区のインテックス大阪(大阪メトロ南港ポートタウン線「中ふ頭駅(なかふとうえき)」から徒歩5分)です。入場無料。  今回の出展は16社。バリアフリー・ワークショップ「関西初上陸!視覚障がい者の移動をサポートする〜アプリ『shikAI(しかい)』を使ったナビゲーションシステムの可能性」も4月21日(金)12時30分から13時30分に行われます。  この展示会の「ガイドブック」の点字版、音声デイジー版、大きめの活字版、Eメール版を無料でお送りします。4月8日(土)までにお申し込みいただければ、事前に発送します。  お申し込みは、エンジョイ!グッズサロン(電話06−6441−0039)へどうぞ。  ◆「ニポラチャンネル」音声版を製作・貸出  YouTube(ユーチューブ)で配信している「ニポラチャンネル」は、見えないかた・見えにくいかたのための情報チャンネルです。  これまでに、iPhoneの基本設定や基本操作、アプリなどの紹介のほか、拡大読書器などの関連機器、各種グッズの使いかたの説明、白杖の使いかたなども配信しています。いつでも、どこでも、何度でもご確認いただけます。  今回60回の配信を記念して、YouTubeの「ニポラチャンネル」の音声のみを抽出して、デイジー編集したCD版を作りました。  最初にニポラチャンネルの説明、続いて第1回「iPhoneの基本設定」から番外編を含む第60回まで、最後に全国の相談・体験可能な施設を紹介しています。  貸出は、現物貸出のみですので、図書貸出係(電話06−6441−0139)までお申込み下さい。なお、来館されたかたに限り、希望者にはCDを差し上げます。  ◆全国の「相談・体験可能な施設・団体」を公開  エンジョイ!グッズサロンでは、視覚障害者向け機器や用具を取り扱っている全国の施設・団体にアンケート調査を実施。調査結果をもとに、施設名、地域、電話番号、メール・ホームページアドレス、取り扱っている機器や用具などをホームページで公開しました。  閲覧いただくには、日本ライトハウス情報文化センターの「ニポラチャンネル」のページへ入り、検索ワード「ニポラチャンネルを更新」で検索すると、同ページの「全国の相談・体験可能な施設・団体一覧」がご覧いただけます。  2.グッズサロン お役立ち情報  お申し込み・お問い合わせは、エンジョイ!グッズサロン(電話06−6441−0039)まで。  (1)商品情報  ◆価格変更のお知らせ  発売元の価格変更に伴い、4月1日より販売価格を以下のように変更いたします。ご了承下さい。  「ヒデボックス(ホワイト)」=2,900円(税込)  「ルビー10スピーチ」=238,000円(非課税)  「オムニリーダー」=237,000円(非課税)  シチズン「パルデジットボイスU」=9,350円(税込)  シチズン「パルデジットガイド」=6,050円(税込)  「アイアイサポーター2」=12,100円(税込)  「IDケーン」=8,200円(非課税)  「アドバンテージ」=10,900円(非課税)  「コロコロ号(ボックス)」=1,000円(税込)  「おしゃべり温湿度計」=3,600円(税込)  ◆販売終了品について  「マイケーン(オレンジグリップ)」と「ヒデボックス(クリア)」は、在庫限りの販売とさせていただきます。ご了承下さい。  (2)講習会・体験会情報  ◆5月のICTサロン〜@iPhone活用講習会  iPhoneをお持ちの方向けの活用講習会です。ボイスオーバー(音声読み上げ機能)を使用する場合の基本ジェスチャーに加えて、第1部では「クックパッドアプリ」でのレシピ検索や「ぐるなびアプリ」でのお店検索、第2部では「Spotify(スポティファイ)」やYouTubeを利用して音楽や動画を楽しむ方法についても取り上げる予定です。  当日はアプリのダウンロードの際に必要になりますので、アップルIDとパスワードをお持ち下さい。  なお、ICTサロンは今年度も毎日新聞大阪社会事業団の助成を得て開催。初回は開講式を行います。  日時 5月6日(土)  第1部 10時から12時30分  第2部 13時30分から16時  場所 当館4階 会議室  定員 各5人(先着順)  ◆5月のICTサロン〜Aパソコンでサピエ活用講習会  音声での読書を楽しむことができる「サピエ」の利用方法の講習会です。インターネットを通して、お好みの図書や雑誌を検索し、ダウンロードしてお聞きいただくことができます。  第1部は「ネットリーダーネオ」、第2部は「マイクロソフト Edge(エッジ)」のソフトを使用。  パソコンは一人1台ずつご用意します。「サピエ」は使ったことがないというかたも、ぜひこの機会にご参加下さい。  日時 5月27日(土)  第1部 10時から12時30分  第2部 13時30分から16時  場所 当館4階 会議室  定員 各5人(先着順)  ◆iPhone(アイフォン)に触ってみませんか  ガラケーからiPhoneに機種変更を検討されているかたを対象にした30分の無料体験会です。ジェスチャーと言われる基本操作や、声で操作するSiri(シリ)、便利なアプリをご紹介します。体験ではボイスオーバー(画面読み上げ機能)を使用します。  iPhoneへの機種変更で迷っている皆さん、ぜひ30分の無料体験をご活用下さい!  開催日4月22日(土)、5月26日(金)  時間  13時から13時30分  13時40分から14時10分  14時20分から14時50分  15時から15時30分  15時40分から16時10分  定員 各回1人(先着順)  対象 iPhoneに機種変更、または新規契約を検討されているかた  3.お役立ち本棚  お問い合わせ・お申し込みは、貸出窓口(電話06−6441−0139)まで。  ◆お役立ち目録「カラダについての知見をアップデートしてくれる(かもしれない)本」  今、注目される腸、スマホと脳、運動の力、マインドフルネスなど、わたしたちのカラダを見直すきっかけになる本を集めました。目録は点字版、音声デイジー版、墨字版があります。ご希望のかたには無料でお送りします。  ◆「ニポラチャンネル」音声版を貸し出します  「ひごばしニュース」欄でも紹介した、当館の製作による「ニポラチャンネル」音声版を貸し出します。  YouTubeで公開している第1回「iPhoneの基本設定」から番外編を含む第60回までの音声のみを抽出し、デイジー編集しています。インターネット環境がなく、これまでお聴きになれなかったかたもぜひ利用してみて下さい。ご希望のかたは図書貸出係までどうぞ。  4.情報カフェ  ◆リハセンから放出(はなてん)駅までの点字ブロックと、当館北側のエスコートゾーンが整備  このほど、大阪市鶴見区の日本ライトハウス視覚障害リハビリテーションセンターと最寄り駅の放出駅(はなてんえき)を結ぶルートの点字ブロックの整備が2年がかりで完了しました。これは、同センターの利用者だった小林由紀(こばやし ゆき)さんが支援者の協力を得て大阪市に働きかけた結果、実現したものです。  2021年9月に該当ルート上の白線の引き直し、2022年2月に交差点への点状ブロック設置が行われ、先月初めにリハセンから南へ1区画、そこから西へ1区画、そこからさらに南へ3区画分の道路の歩道に線状ブロックが敷設されました。これにより、元々設置されていた放出(はなてん)駅前部分も含め該当ルートの内3分の2程度の距離に点字ブロックが設置されたことになります。  もう1つ、当館北側の横断歩道に敷設されながら、自動車の通行で大部分が剥がれ落ちていたエスコートゾーンも敷き直されました。  当館周辺では、2015年に当館から淀屋橋駅4番出口までの土佐堀通り南側に点字ブロックが敷設されたのを皮切りに、エスコートゾーンは2017年に当館北側の横断歩道、2018年に当館東側の横断歩道に設置されました。これらは皆、当館利用者の濱田昭二(はまだ しょうじ)さんと支援者の働きかけで実現したものです。  視覚障害者の安心安全な歩行環境を実現して下さったお二人に心から感謝したいと思います。  ◆関西電力からのご案内  いつもご愛顧いただき、ありがとうございます。さて、近頃、関西電力を装い、コロナウイルス感染症を理由に、個人情報を聞き出そうとする事象等が発生しております。十分にご注意いただきますようお願いいたします。  ◆大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏会にご招待  大阪フィルハーモニー交響楽団では、5月19日(金)19時から北区のフェスティバルホールで行われる定期演奏会に当館の利用者5組10人をご招待します。  今回はアンガス・ウェブスターの指揮、小林海都(小林 かいと)のピアノで、チャイコフスキーの「交響曲第6番ロ短調作品74『悲愴』」、ショパンの「ピアノ協奏曲第2番ヘ短調作品21」他を演奏。  お申込みは必ず郵便で(点字可)、住所、氏名、電話番号を明記し、4月19日(水)までに当館大フィル係(〒550−0002大阪市西区江戸堀1−13−2)までご応募下さい。結果発表は招待券の発送(4月21日の予定)をもって代えさせていただきます。  ◆近畿視情協が51年の歴史に幕  近畿の点字図書館と公共図書館など、最盛期には50団体以上が加盟し、図書館サービスの地域全体における向上に取り組んで来た近畿視情協(近畿視覚障害者情報サービス研究協議会)が3月末で解散しました。  同会は1972年にスタートし、職員やボランティアの研修や情報共有等を実施。特に加盟館の点字・録音図書の書誌情報を共有するシステム「NLB」を構築 運用し、利用者に広域的な図書の検索や貸出サービスを実現したことは画期的でした。  しかし、サピエ図書館が稼働し、普及したことで、その歴史的使命が終わりを迎えるとともに、独自の事務局を維持することが困難になったことから、解散に至りました。今後は、全視情協近畿ブロックとサピエ図書館がその役割を引き継ぐことになります。