「読書」目の見えないかた・見えにくいかたの情報誌  2022年5月号(第50巻第5号)  発行 社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター  電話 (火から土曜日)  図書貸出 06−6441−0139  サービス全般 06−6441−0039  休業日 日・月・祝日、第2木曜日、年末年始・夏期  その他 (総務)06−6441−0015  ◆もくじ  1.ひごばしニュース  2.グッズサロン お役立ち情報  3.お役立ち本棚  4.情報カフェ  ◆当館のサービスご利用について  当館では、原則として以下の通りサービス提供を行います。大阪府の感染状況と対応方針に応じて、変更することがありますので、ご了承下さい。  ●サービス提供の日時と原則  @エンジョイ!グッズサロン(機器・用具関係)と図書貸出=ご来館の際は必ず事前予約をお願いします。開館、及び電話受付時間は、10時から16時。パソコンQ&Aとサピエサポートの電話は10時から16時30分。電子機器やパソコンの個人講習も実施中です。  A会議室貸出と会議室での行事=定員2分の1以下で実施。  B対面リーディング=感染が緩和した場合、Zoom(ズーム)を使い、2部屋に分かれて実施予定。  ●来館時のお願い  来館されるかたは、以下の4項目をお守り下さい。  @来館時に体温を測らせていただきますが、お出かけ前に体温を測り、平熱よりも高い時や体調が優れない時は来館をお控え下さい。  A来館時は、石鹸によるこまめな手洗いと手指消毒をお願いします。  B不織布マスクの着用。  C出来るだけ少人数での来館と短時間の滞在をお願いします。  ◆5月の休館について  5月1日(日)から5日(木)=休館日と祝日のため全館休館。  5月12日(第2木曜)=エンジョイ!グッズサロンと図書貸出は書庫・在庫整理日のため休室。  1.ひごばしニュース  ◆「バリアフリー2022〜目のコーナー」を3年ぶりに開催  サービス部長 林田茂  前号でもお知らせしたとおり、当館では、「バリアフリー2022〜第28回高齢者・障がい者の快適な生活を提案する総合福祉展」で、3年ぶりに「目の見えないかた・見えにくいかたのための展示コーナー」を開催します。  会期は6月8日(水)から10日(金)の10時から17時。  会場は大阪市住之江区のインテックス大阪(大阪メトロ南港ポートタウン線「中ふ頭駅(なかふとうえき)」から徒歩5分)。入場無料です。  今回の出展は以下の14社・団体(50音順)です。  Ashirase(アシラセ。スマートフォンと靴に取り付ける機器を連動させたナビゲーションシステム)、ヴィクシオン(暗所視支援眼鏡)、コネクトドット(ICタグを貼ってスマホで識別できる「ものたぐアプリ」)、システムギアビジョン(各種拡大読書器、読み上げ読書器など)、シナノケンシ(デイジー図書の再生機「プレクストーク」)、東海光学(遮光眼鏡)、つえ屋(階段式杖などの各種杖)、テイクス(床に貼るだけの誘導板「パームライン」)、日本テレソフト(各種拡大読書器、読み上げ読書器など)、フロッグワークス(パソコン、スマホの販売とITサポート)、ミズノ(軽量性と操作性を追求した新開発の白杖)、リモートアシスト(遠隔援護サービス)、日本ライトハウス情報文化センターサービス部(各種機器や用具の紹介と販売)、同盲導犬訓練所(チャリティグッズ、盲導犬体験)。  特別ブースは、昨年、日本テレビで放送されたドラマ「恋です!ヤンキー君と白杖ガール」で使われた機器や用具をご紹介します。  このコーナーの「ガイドブック」を点字版と音声デイジー版、大きめの活字版、Eメール版で製作し、ご希望のかたに無料でお送りします(発送は5月下旬予定)。  お申し込みは当館総務係(電話06−6441−0015)までどうぞ。  なお、「バリアフリーONLINE」も同時開催され、インターネットで出展者の情報を閲覧することができます。期間は5月16日(月)から7月29日(金)。  URLは、次のとおりです。 https://www.tvoe.co.jp/bmk/  ◆点字が文字として認められ、光を放つことができるように  点字製作係主任 奥野真里  1825年、ルイ・ブライユが点字を考案して、まもなく200年を迎えます。これまで世界各地で、それぞれの言語に即した点字の規則が作られ、視覚障害者の文字文化を支えてきました。その点字について改めて考え、さらに社会に広めようという願いから、全国の点字に関わる団体が集まり、「点字考案200年記念推進委員会」が発足しました。  3月26日に、その委員会が主催する第1回記念講演会&シンポジウムが東京と大阪、そしてオンラインで行われました。  講演では、韓国で2016年に施行された「点字法」について、韓国シロアム視覚障害者福祉館常務理事で、元国会議員のチェ・ドンイク氏から成立の経緯と現状が話されました。韓国でも、音声媒体が広まる中、点字が公的な文字として認知されるように法案を提出したそうですが、国会で承認を得るのは一筋縄ではいかなかったようです。また、法律が成立してからも、点字技術者が国家資格者として認められないことや、罰則が設けられていないため、法律が強制力を持たないことなど、課題も多いようです。  続くシンポジウムでは、日本の4人の点字使用者が、それぞれどのように点字と向き合っているかを、経験を交えて発表しました。  中でも、日本点字図書館館長(4月から理事長)の長岡英司(ながおか ひでじ)氏の報告はショッキングで、点字図書館の点字図書の貸出数が1982年に55,454タイトル(一人当たり3.21タイトル)だったのが2017年には42,357タイトル(同1.70タイトル)に減っているなど、点字の利用率の減少を示す統計結果が各種紹介されました。  では、点字は風前の灯で、このまま消滅してしまうのでしょうか。長岡氏は、音声図書が普及し、さまざまなIT機器が開発・普及される中でも、自分の考えをまとめたり、専門分野を学習するには点字が有用であり、もっと使いやすい点字用端末(ピンディスプレイ)の開発などを改めて模索すべきではないかと提言されました。  文字があってこそ、思考活動を行うことができ、私たちの生活は豊かになるのだと思います。点字は習得期間を要し、誰でもすぐに使えるという訳にはいきませんが、点字を読み書きできるようになった時の喜びと便利さは何にも代えがたいものです。  点字が文字として社会に認められ、光を放つことができるように、これからも点字を活用し、有用な点字図書を作り、利用を広めていきたいと願っています。  ◆人事異動のおしらせ  当館サービス部図書 情報係では4月、職員の異動を行いました。どうぞよろしくお願いいたします。  ●採用 大西純代(おおにし すみよ)  ●退職 藤岡亜希子(ふじおか あきこ)  2.グッズサロン お役立ち情報  お申し込み お問い合わせは、エンジョイ!グッズサロン(電話06−6441−0039)まで。  (1)商品情報  ◆「MyBook Neo(マイブック ネオ)」新発売  サピエ図書館や国立国会図書館から配信されているデイジー図書や点字図書の他、青空文庫などのデジタル図書も簡単に検索して利用できるアプリケーションソフト「MyBookX」が「MyBook Neo」にリニューアルして発売されました。  「MyBook Neo」は、プレクストークPTN3、PTR3やマルチプレーヤーのブレイズETといったプレーヤーにも対応。その他、EPUBへの対応、デイジー閲覧機能の強化やセキュリティ強化のための内部プログラムの変更など、新機能が組み込まれています。  「MyBookX」をご利用のかたは、無料でアップデートを行えます。アップデートの方法が不明なかたは、当館のパソコンQ&Aにお尋ね下さい。商品購入については、エンジョイ!グッズサロンまでどうぞ。  価格 41,800円(5年ライセンス、ウェブ版、税込)  ◆「ひとりで学べる点字触読テキスト」  中途視覚障害者にとって、高いハードルとなっている点字の触読の学習を、一人でできるように構成されたテキストです。墨字のテキストと、Lサイズの点字教材がセットになっており、墨字テキストの内容はパソコンやスマートフォンを使って音声で聞くこともできます。  五十音を覚えたり、濁音・半濁音・拗音・拗半濁音・数字・アルファベット・記号・符号・特殊音・主な単位記号などを順番に覚えたりすることができます。  セット内容は、活字教材(B5判・122ページ)、点字教材(48枚の点字教材がバインダーに綴じられています)、凸面点字一覧表  価格 3,850円(税込)  ◆価格変更のお知らせ  4月1日から以下の商品が非課税になり、販売価格を変更します。  点字ディスプレイ「ブレイルメモスマート Air 32」=380,000円(非課税)  点字音声情報端末「ブレイルセンスシックス」=599,000円(非課税)  眼鏡型ウエアラブル端末「エンビジョングラス」=420,000円(非課税)  ◆販売終了のおしらせ  触読式振動時計「メテオ」は、在庫限りの販売となります。  (2)講習会・体験会情報  ◆6月のICTサロン  @「iPhoneでTwitter(ツイッター)活用講習会」  Twitterとは、インターネット上のコミュニケーションツールの一つで、友達や家族などとの間での短文の投稿、興味のあるニュースやイベント情報の共有、動画の投稿などを行うことができます。  また、お店の新商品情報、鉄道会社の運転見合わせなどの情報、災害時の防災情報など、生活に密着した情報ツールとしても活用されています。今回は、Twitterアカウントの登録や興味のあるジャンルの情報検索、文章投稿などの体験を予定しています。  初めて利用するかた、友達に勧められてアカウントは作成したが、使いかたがわからないかたなど、多くのかたのご参加をお待ちしています。  日時 6月25日(土)10時から12時30分  場所 当館4階 会議室  定員 6人(先着順)  A「iPhoneでLINE(ライン)活用講習会」  コミュニケーションツールとして普及しているLINEを取り上げます。LINEでは無料通話や、一対一でのメッセージ送受信の他、特定のグループメンバー内でのやりとりなども楽しむことができます。受信メッセージの読み上げ、メッセージの送信など、基本操作を中心に行う予定です。  「メールの代わりにLINEを使いたい」「アプリを入れたけど使いかたがよくわからない」というかたも、ぜひご参加下さい。講習では、画面音声読み上げ機能ボイスオーバーを使用します。  日時 6月25日(土)13時30分から16時  場所 当館4階 会議室  定員 6人(先着順)  @とA、どちらの講習会も機器のご用意はありません。必ずご自身のiPhoneをお持ち下さい。また、アプリ入手の際に必要になりますので、アップルのIDとパスワードもご準備下さい。  ◆パソコンや電子機器の操作方法の個人講習のご案内  エンジョイ!グッズサロンでは、視覚障害スタッフがパソコンやiPhone、iPadなどの操作方法の有料個人講習を実施しています。  また、来館講習の他にZoomを活用したオンライン個人講習もおこなっています。遠方にお住まいで来館の難しいかたでも自宅で受講できます。  講習内容や接続方法など、ご希望や不明な点は、お気軽にご相談下さい。講習は1コマ90分2,000円で、予約制です。  3.お役立ち本棚  お問い合わせ お申し込みは、貸出窓口(電話06−6441−0139)まで。  ◆お役立ち目録「オカルト」  なぜ私たちは不思議なものに惹かれてしまうのでしょうか。今回は、超常現象(ちょうじょうげんしょう)・未確認生物・実話怪談などを集めました。目録は点字版、音声デイジー版、墨字版があります。ご希望のかたには無料でお送りします。    ◆プライベート製作受付窓口のご案内  当館では、引き続き、個人のご依頼に応えて、図書や書類を点訳、録音、テキストデータ化しています。  お申込みいただけるかたは、大阪府内在住・在勤・在学の視覚障害のかたで、費用は実費のみです。お預かりした原本は書き込み、分冊、裁断をさせていただきますので、ご了承下さい。  お問い合わせは、サービス部(電話06−6441−0039)へ「プライベート製作の依頼」とお伝え下さい。  ◆差し上げます  「介護保険制度について 令和3年4月版」(点字1冊)  4.情報カフェ  ◆網膜色素変性症・医療講演会のご案内  大阪府網膜色素変性症協会(JRPS大阪)では、医療講演会「この目に確かな治療法を!網膜色素変性症の最先端研究」を開催します。参加は無料です。  日時 6月5日(日)13時から15時30分  会場 大阪市立天王寺区民センター1階ホール(大阪メトロ谷町線「四天王寺前 夕陽ヶ丘駅」2号出口から徒歩2分)  講演 「減災に関する基礎知識〜現地支援の経験」=堺市立健康福祉プラザ視覚 聴覚障害者センター点字図書館館長 原田敦史(はらた あつし)氏・「網膜再生医療の今」=神戸アイセンター病院 副院長 平見恭彦(ひらみ やすひこ)氏  参加申し込みは、電話090−4286−0102の三井さん。申込締切は5月31日(火)。定員150人。先着順で締切。  ◆中央区バリアフリー映画上映会  大阪市中央区社会福祉協議会は被災者の心のケアに奮闘した精神科医の半生を描いた映画「心の傷を癒すということ」を音声ガイド 日本語字幕付きで上映します。  日時 6月4日(土)13時開演  会場 J:COM(ジェイコム)中央区民センター(大阪メトロ「堺筋本町駅」3番出口から東へ徒歩2分)  参加 無料  事前申込制 (定員100人)  申込みは、ふれあいセンターもも(電話06−6763−8139)。  ◆第4回ロービジョン・ブラインド川柳コンクールの受賞作発表  本誌昨年12月号でご案内した株式会社パリミキ主催の標題コンクールの受賞作が発表されました。  優秀作品の一部をご紹介します。  最優秀賞 「消毒液 声を出してよ どこにいる」(もぐら圭)  NEXT VISION賞 「できぬこと 認めて観える できること」(たろう)  見えにくさを感じているかた部門賞 「曲がり角 パン屋の香り 鼻印(はなじるし)」(原久)  メディカル・トレーナー部門賞 「増やしましょ できないことより できること」(帰ってきた花子)  サポーター部門賞 「凸凹を 覚えた頃に また工事」(テクノボー)  この他の入選作100句が同コンクールのウェブサイトで公開中です。URLは、次のとおりです。 https://www.paris-miki.co.jp/lv-senryu/  ◆関西電力からのご案内  いつもご愛顧いただき、ありがとうございます。さて、近頃、関西電力を装い、コロナウイルス感染症を理由に、個人情報を聞き出そうとする事象等が発生しております。十分にご注意いただきますようお願いいたします。