日本ライトハウス情報文化センター   「ワンブックワンライフ」2023年6月号   <<表紙イラスト>> 梅雨のイラストです。 雨が上がった快晴の下、女性と、閉じた傘を持った男性が、群生して咲く紫陽花を見ています。    <<目次>>   ●掲示板(1頁)   ●センターの頁(2〜4頁)   ●感謝報告(5〜7頁、別ファイル)   ●報告の頁(8頁)  以下は本文です。   ●掲示板(1頁)  ◆「ガイド体験&ボランティア情報交換会」を開催  ボランティア友の会では例年「ガイド体験会」を開催しています。今年度は、視覚障害の方への適切な声かけと手の貸し方の基礎を学ぶことに加えて、点訳、音訳、対面、電子書籍、音声解説、図書貸出等、各係のボランティア活動の紹介と各係のボランティア同士の交流・情報交換を行うことになりました。ご自分が取り組んでおられる活動以外の様子を知る絶好の機会ですので、ぜひご参加ください。  日時 7月18日(火)13時〜15時30分  場所 当館4階会議室と当館周辺  講師 当館職員・各係のボランティア代表  申込 3階総務係(電話06-6441-0015)  申込締切 6月30日(金)  ◆「テキストデータ製作講習会」を7月開講  当館で活動していただく電子書籍ボランティアを養成するため「テキストデータ製作講習会」を開講します。OCRソフトと合成音声を使用し、誤字・脱字のないテキストデータを作成するためのノウハウと校正のポイントを講習します。  日時 7月27日(木)と8月10日(木)の2日間 各日10時〜16時  事前説明と事前試験 6月29日(木)午前中  定員 8人程度  受講料 1,000円(資料代)  申込 当館HP(http://www.lighthouse.or.jp/iccb/)で要項をご確認の上、6月15日(木)必着でお申し込みください。  問合せ 当館電子書籍ユニット(06-6441-1035)  ◆専門点訳講習会「マンガ点訳コース」を開講  毎日新聞大阪社会事業団との共催で標記講習会を実施。点訳ボランティアとして活動中の方を対象に、点訳事例を交えながら課題に取り組み、マンガ点訳の面白さ、難しさを体験します。  日時 7月13日〜27日の毎木曜日の全3日 各日10時〜15時  定員 15人  受講料 1,200円(資料代)  申込 当館点字製作係(電話06-6441-1028、Eメール tenji@iccb.jp)に要項を請求の上、6月30日(金)必着でお申し込みください。  ◆新型コロナ5類移行後の感染対策について  当館では5月8日から新型コロナウイルスが5類に引き下げられたことに伴い、館内の感染対策を見直しました。特にボランティアの皆様には、以下のご確認とご協力をお願いします。  *体調が悪い時や発熱が疑われる場合は来館をお控え下さい。  *来館時にお願いしてきた、来館表の記入や検温は終了します。  *館内設備のアルコール消毒は中止します。各フロアのアルコール消毒液設置は継続しますので、来館時はこまめな手洗いと手指消毒をお願いします。  *会話したり、発声をする際はマスクの着用をお願いします。  *5階エンジョイ!グッズサロンへのご来館は事前に電話かメールでご予約をお願いします。  ◆加藤登紀子コンサートに栗山龍太さんが出演  大東市立総合文化センター(サーティホール)主催の「加藤登紀子コンサート2023〜百万本のバラ物語」が6月24日(土)16時から同センターで開催。横浜市立盲特別支援学校教員で、盲導犬アンジーと共に活動しているシンガーソングライター栗山龍太(りょうた)さんがゲスト出演します(先月号で紹介した「見えないボクと盲導犬アンジーの 目もあてられない日々」の著者)。大阪出身の栗山さんを応援するため、日本ライトハウスと点字毎日が後援。チケットは全席指定で、前売S席5千円、A席4千円、25歳以下の学生1千円。当日券はプラス500円。障害者手帳所持者は500円割引。障害者手帳をお持ちの視覚障害者は同行者1名無料。お問合せ、前売券の購入は電話072-873-0030のサーティホールまで。  ◆「日本ライトハウス展」でガイドのご協力を!  当館では9月29日(金)・30日(土)、天満橋のOMMビル2階展示室で「日本ライトハウス展〜全国ロービジョンフェア2023」(読売 光と愛の事業団共催)を開催します。これは、毎年開催してきた西日本最大級の視覚障害者用具・機器展で、3年ぶりに実施した昨年は、1,300人に上る視覚障害者とご家族、関係者の方々が来場され、喜んでくださいました。昨年はコロナ感染拡大を防ぐため、職員だけで運営しましたが、今年は展示場のガイド(手引き)をボランティアの方々にもお願いしたいと思います。実働時間は3時間余りの予定です。視覚障害の方と直接交流し、最新情報も体験できる貴重な機会ですので、健脚な方はぜひご協力をお願いいたします。詳しくは次号以降で改めてお伝えします。(竹下)  ◆6月の休館・休室について  6月8日(第2木曜)=エンジョイ!グッズサロンと図書貸出は書庫・在庫整理日のため休室。    <<センターの頁>>(2頁〜4頁)   ●読者と共に成長して、まもなく8年   『アミ・ドゥ・ブライユ』の“卒業生”から嬉しいお便り  当館が2015年10月に創刊した児童向け点字情報誌『アミ・ドゥ・ブライユ』(隔月刊)が4月で46号を数え、まもなく満8年を迎えます。「点字」指定のご寄附を基に、当館の点訳ボランティア3名が記事の選択・点訳・校正を行い、印刷は点字情報技術センターが担当。読者本人の申込みを原則として、全国の小・中・高校生など70人と視覚特別支援学校など42校に無料で届けています。この8年間に読者はどんどん成長し、初期から読んでくれていた子ども達は中学・高校を卒業し、次のステップに進んでいます。節目に差し掛かった読者からは毎年、本誌を「卒業します」という挨拶のお手紙をいただきます(そして、新たな読者が加わります)。このようにお手紙をいただくことで、本誌をどのように読んでくださっているかが伝わるとともに、本誌も読者に支えられてここまで続いてきたということが再認識され、とても嬉しく思います。この春も、本誌“卒業”のお手紙を頂戴しましたので、その内の3編を皆様にご紹介します。(点字製作係主任 奥野真里)  ◆Aさん(女子)  こんにちは。いつも楽しく読ませて頂いておりました。私は4月から高校3年生になります。そろそろ愛読を卒業したいと思っています。  『アミ・ドゥ・ブライユ』は、地方盲(地方の視覚支援学校)に通い、友人が少なかった私に、本好きが私だけではないんだ、仲間がいるんだと思わせてくれました。約10年間お世話になりました。愛読の卒業を手紙にてお伝えさせていただきます。ありがとうございました。  ◆Bさん(男子)  いつも『アミ・ドゥ・ブライユ』を送っていただき、ありがとうございます。  私が『アミ・ドゥ・ブライユ』に出会ったのは、小学生のころでした。その私もこの4月より大学生になります。長い間楽しませていただきましたが、このタイミングで一区切りをさせていただきたいと思います。  私がいただいているこの貴重な1冊を、ぜひまた年下の世代の子に回してあげてほしいと思います。長い間お世話になり、ありがとうございました。  ◆Cさん(女子)  いつも楽しくて、新たな発見ができて、ためになる『アミ・ドゥ・ブライユ』を届けてくださり、ほんとうにありがとうございます。毎回の内容がすごく楽しみで、いつもわくわくしながら読ませていただいています。  私は料理や工作が好きで、「つくっちゃお!」に載っていた料理を作ったこともあります。自分で作り方を調べてみることもあるのですが、ネットでは写真での説明が多く、なかなか一人では理解しきれていないところがあるのですが、「つくっちゃお!」ではすべて言葉で説明してくださるのでわかりやすく、自分一人でできることへのうれしさが大きかったです。  そんな、いつも『アミ・ドゥ・ブライユ』で楽しませていただいている私ですが、高校生になってからなかなか読む時間が取れなくなってしまいました。楽しいので卒業というのは考えていなかったのですが、感想などを送ることができていなかったり、来年受験を控えていることから、ひじょうに寂しいのですが、今回の号をもって卒業させていただきます。  友達から紹介してもらった『アミ・ドゥ・ブライユ』、私も友達に紹介して『アミ・ドゥ・ブライユ』トークで盛り上がっていました。私はもう読めなくなってしまいますが、また友達に広めていきたいと思います。今まで楽しませてくださり、ほんとうにありがとうございました。  ◆『アミ・ドゥ・ブライユ』最新号の内容  (2023年4月15日発行・第46号)  ●なにこれ?=超高層ビルどんどん建設中 ※「高層ビルの高さ比べ」の図あり  ●ニュースイッチ=WBC 3大会ぶり世界一 日本優勝/生涯ゴールデンスラム達成し引退 国枝さん「最高のテニス人生」/新型コロナ 5月8日から5類でどうなる?/新しい単位「クエタ」「ロナ」「ロント」「クエクト」が決定/中国の人口61年ぶりに減少/「サッカーの王様」元ブラジル代表ペレさん死去/和歌山県で、恐竜化石を含む地層を発見!/キラキラネーム 戸籍法に制約案/ビックリ!ほっこり!人気を呼ぶ「おそい」レジ  ●彩り鮮やか!=瀬戸内海のかんきつの島を訪ねて  ●ときめきトピックス=いつでもどこでも一緒「たまごっちスマート(Tamagotchi Smart)」/木製パズルを組み立てながらレッツ!昆虫採集「つくるんです ポケットバグズ」/クイズで科学がもっとおもしろくなる!特別インタビュー  ●なるほどファイル=「ミ」と「ファ」の間と「シ」と「ド」の間に半音がないのはなぜ?/現代にマンモスをよみがえらせることは可能ですか?/食パンはなぜまっすぐちぎれる方向とちぎれない方向があるの? ※「食パン」の図あり  ●特集=冷凍食品 ※「冷凍前後の分子のようす」の図あり  ●野菜&果物クイズに挑戦  ●おもしろ れきばな=「芥川龍之介」  ●ラッキーつぶつぶ(読者が今“はまって”いることをシェアする投稿欄)  ●新コーナー どっち・どっち?=「たけのこの里」VS「きのこの山」  ●脳トレクイズ=「これ、長くね?」 ※図あり  ●読者のページ   ●藤野高明(たかあき)氏の記念講演「唇と耳で読む読書」を聴いて   4月28日午後、玉水記念館で開催したボランティア友の会の2022年度交流会は、ボランティアと職員を合わせて約90人が参加し、楽しいひとときとなりました。記念講演では、戦災で両手と両目の視力を失いながらも点字を唇読で習得し、教員となり、障害者の権利運動に打ち込んでこられた藤野高明さんを講師に迎え、点字と録音で読書することの楽しみを中心に、盛りだくさんなお話を拝聴しました。当日の講演を聞いた感想を点字製作係の大下歩職員に書いてもらいました。  声が大きい!藤野さんが話し始めたときの、それが第一印象でした。明るく張りがあり、つい引き込まれてしまいます。さすが、盲学校の教壇に30年立ってこられた方だなと思いました。  藤野さんのお話の中で特に印象に残ったことが二つあります。一つは自己紹介です。「私の名前は藤野高明です。小さい頃からずっと、目の見えない子、手のない子と呼ばれてきました。私の名前より先に、障害が独り歩きするんです。私にはちゃんと名前があるのに、なんでそう呼ばれるんだろうと思っていました。」  なるほど。そういえば私も職場や街中で、白杖を持った他の人と間違われることがよくあります。しかも、人違いの相手は私よりずっと年上だったり、男性だったり(笑)。ある程度親密な仲になるまでは、白杖という私の一つの特徴が名前はもちろん、性別や年齢といった私の他のすべての属性を上回るインパクトを持って、周囲の人の頭に焼き付けられているんだなと気づく瞬間です。  そして私自身も、人のことは言っていられません。視覚以外に障害があったり、外国の方だったり、とにかく自分と違う属性を持っている人に出会ったら、やっぱり一番そこを意識してしまいます。  自分が間違われる分には面白い 話のネタぐらいにしか思っていない私ですが、藤野さんが生きてこられた時代からしてもそういったことがもっともっと頻繁だっただろうと想像すると、ちょっと息が詰まるような心地がしました。そして、ご自分の名前をことさら強調されるお気持ちはわかるような気がしました。 (写真=講演中の藤野高明さん。)  お話の中でもう1つ印象に残ったのは、読書に対する藤野さんの情熱です。唇で点字を読まれることは有名ですが、音声デイジーやカセットテープでも膨大な量の本を読んでいらっしゃるそうです。しかも、朗読されたボランティアさんのお名前も覚えていて、一度読んだ本でも、違う方の朗読版が出たらまた読みたくなるのだとか。本の話になると止まらなくなり、「唇と耳でこんなにたくさん本を読める時代が来るなら、もっともっと長生きしたい」とおっしゃっていたのが心に残りました。  全体としてとてもはつらつとした藤野さん。途中で引用された「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ」という言葉を体現し、好奇心にあふれていらっしゃるように見えました。でも、もしかしたらそれは、障害を負ってからなかなか学校に受け入れてもらえず、20歳で中学生になり、通信制の大学で教員免許を取られるなどした苦労があるからこそなのかもしれません。新しいことを学んだり、学んだことを人に伝えたりする喜び、そしてそれが決して当たり前ではないのだということを、私は藤野さんのお話から教わりました。  ◆藤野高明さん 1938年、福岡市出身。7歳の時、不発弾の爆発で両目と両手を失う。13年間の「不就学」を経て、大阪市立盲学校(現大阪府立北視覚支援学校)に入学。大学卒業後、34歳で教職に就き、同校高等部で約30年間勤務。2021年、点字毎日文化賞を受賞。   ●報告の頁(8頁)  ◆今年度の点訳・音訳等講習会がスタート  当館の点訳ボランティア養成講習会・初級コースが5月12日に開講しました。9名が受講し、7月28日まで11回の講習の後、中間試験を経て、中級コースに進んでいただきます。  また、音訳ボランティア養成講習会(1)は4月12日に受講者13名で開講。8月2日まで16回行われ、同講習会(2)に進んでいただく予定です。さらに、同講習会(3)は10名が受講し、前期課程が4月5日から7月19日まで全15回、その後、後期課程が8月頃から開始予定です。  この他、音声解説のボランティアを養成する「ボイスぷらす」の講習会も5月11日、久しぶりに開かれ、4名が受講。課題修了後、7月から活動に加わっていただく予定です。  ◆第26回ICTサポートボランティア講習会が開講  当館と毎日新聞大阪社会事業団共催の第26回ICTサポートボランティア講習会が5月6日開講しました。スマホ、サピエ、インターネットなどの講習を、視覚障害者対象のICT機器の体験講習会「ICTサロン」を兼ねて、来年1月まで年間10回行うもので、初回はiPhone活用講習会に2回、合計10名の方が参加されました。  ◆人事異動のお知らせ  当館サービス部では5月16日付で職員を採用しました。よろしくお願いいたします。  サービス部機器・用具係(エンジョイ!グッズサロン(週2日勤務)=松岡 和(むつみ) 【お詫び】前号に記載したボランティア友の会の活動報告、3月30日(木) 第7回世話人会の日程に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。 あゆみ 【5月】 11日 ボランティア世話人会 12日 点訳ボランティア養成講習会開講 13日 オープンデー(館内見学日・10人) 17日 見学:大阪保健福祉専門学校(5人) 18日 専門点訳講習会「点字の世界を追求する触知コース」開講 19日 法人新任職員研修1回目(7人) 23・24日 日本ライトハウス理事会・評議員会 30日 法人新任職員研修2回目(6人) 予定 【6月】 8日 サービス部休室(書庫・在庫整理日) 10日 オープンデー(館内見学日・要予約) 14日 見学:全視情協新任管理者研修会 22日 見学:福島アイクリニック 23日 わろう座映画体験会「ステージ・マザー」 29日 消防訓練(昼休み、AED体験) 編集後記 雨の季節は、心もどんよりしますね。そんなときは朝起きたらまず、深呼吸することを習慣にしてみませんか。そして自分の呼吸に意識を向ける時間を作ってみましょう。“おなかで吐く”がポイントです。また、昔はため息をついたら幸せが逃げていく、と言われていましたが、憂鬱なときにため息をつくことも必要です。お風呂の湯舟につかったり、お味噌汁やおうどんのお汁をすすったりしたあと、思わず「はぁぁ〜〜」と言って息を吐いていませんか。それもストレスを発散し、免疫力アップに繋がっているはずです。私は、お風呂は熱めのお湯が好きですが、超猫舌なので、熱々の飲み物は苦手なのですが。(一) ONE BOOK ONE LIFE(ワンブックワンライフ) 2023年6月号  発行 社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター(館長 竹下 亘)  住所 大阪市西区江戸堀1-13-2(〒550-0002)     TEL 06-6441-0015 FAX 06-6441-0095     E-mail info@iccb.jp  表紙絵 かたおか朋子  発行日 2023年6月1日  定価 1部100円 年間購読料1,000円