日本ライトハウス情報文化センター        「ワンブックワンライフ」2012年11月号  <表紙イラスト:(武部はつ子画)>風に舞う木の葉の中を、色づいた葉っぱに乗った女の子と犬が「わーい、落ち葉のジェットコースター」と滑っていく。 (目次) ◇掲示板 ◇センターのページ ・iPhoneとiPadセミナー、パラリンピック入賞者のステージが超満員 「日本ライトハウス展2012」に1,377人が来場 ・「デイジーオンラインサービス」の利用が順調に拡大中 ◇報告のページ ≪掲示板≫ ○「対面リーディング勉強会」にご参加を  当館のボランティアを対象に、より良い対面リーディングサービスを提供するための勉強会を下記の通り行います。ぜひご参加ください。  日時 12月13日(木)13時〜16時  会場 当館4階会議室  内容 「図表の読み方」をテーマに、講習形式ではなく、参加者同士で意見交換や体験談を話しながら、実践的方法を学びます。  対象 当館の対面ボランティア 定員 20人  申込 12月6日(木)までに、サービス部(電話06-6441-0039か、Eメール book@iccb.jp)の対面担当木田、木村、谷口まで。  なお、今年の「対面リーディングボランティアの集い」は11月8日(木)に開催。利用者西林洋二さんのお話とボランティアの交流会。また今年度から開講した「対面リーディング基礎講習会」の2回目は来年2月に開催予定です。 ○ICTフォローアップ講習会のご案内  当館のICTサポートボランティア「ボイスネット」のメンバーを対象にした「フォローアップ講習会」(毎日新聞大阪社会事業団共催)の2回目を次の通り行います。  日時 11月10日(土)14時〜16時30分  会場 当館4階会議室と5階サービスフロア  内容 デジタル録音図書再生機、音声拡大読書器、音声ガイド付きテレビなどの基礎知識と紹介方法など。  なお、10月6日に行った1回目は、参加13人で、拡大読書器、ワンセグラジオ、iPadの基礎知識と紹介方法などを学びました。 ○当法人90周年式典・講師変更のお詫び 日本ライトハウスでは創業90周年記念式典を11月18日、中之島公会堂で行います。本誌では本年1月号に最初の予告記事を載せましたが、先月号の案内記事で、記念講演の講師に変更があったことをお伝えしませんでした。当日の講師は当法人關宏之理事と「ふれあい文庫」代表の岩田美津子さんです。どうかご了承ください。 ○11月の休館は暦通り 3日(土)、23日(金)は祝日のため休館します。      ≪センターのページ≫      iPhoneとiPadセミナー、パラリンピック入賞者のステージが超満員       「日本ライトハウス展2012」に1,377人が来場    当法人では、社会福祉法人読売光と愛の事業団との共催で、9月22日(土・祝)・23日(日)の2日間、難波御堂筋ビル7階ホールで、西日本最大級の視覚障害者用具・機器展「日本ライトハウス展〜全国ロービジョンフェア2012」を開催しました。この展示会は、1998年に改築前の当センターで「情報機器展98」を開催したのを皮切りに、2002年から読売光と愛の事業団との共催となり、次第に発展。通算15回目となる今回は全国から39社・団体が出展し、会場は2日間とも終日賑わい、入場者は合計1,377人に達しました。中でも、今注目を集めるiPhoneとiPadの特別セミナーは超満員となり、便利な電子機器に対する関心と必要性の高さが浮き彫りになりました。(館長 竹下 亘) 地デジ対応ラジオなど多彩な機器が出展  メインとなる用具・機器の展示では、新製品を含め、目の見えない方・見えにくい方などが音声・音響や点字・触覚、見やすい表示などで使いこなすことのできる多種多様な製品が多数出展。便利グッズ、携帯電話、デジタル録音再生機、拡大読書器、活字文書読み上げ装置、遮光眼鏡、白杖、歩行補助用電子機器、街中や施設内の音声・触知案内装置、ユニバーサルデザイン家電、音声読み上げ機能付きテレビ、地デジ放送を聴けるラジオ、パソコンソフト、点字器具、点字プリンター、点字ディスプレイ、点字・録音・墨字図書など、39社・団体のブースが終日人だかりとなりました。  今回の注目は、地デジ放送を聴けるラジオで、当日の追加出展を含め4機種が揃いました。以前、アナログ放送の時代は、多くの視覚障害の方がテレビと共に、ラジオ(ラジカセ)でテレビ放送を聴いていましたが、地デジ化により全く聴けなくなり、大変な不便を被っていました。強く開発が求められ、取り組まれていましたが、今回ようやく完成し、待ちかねていた方々が各機種を熱心に比較検討していました。 iPhone、iPadセミナーが超満員  今、世間で大人気のiPhone(アイフォン=パソコンの機能を持ち、インターネットが使いやすいApple社の多機能携帯端末)とiPad(アイパッド=B5判大の液晶画面のタブレット[板状]コンピュータ。Apple社製)。目の見えない方の間には、画面が見えなくてもiPhoneをはじめとするスマートフォンを活用したいという願い。また、目の見えにくい方の中には、iPadの見やすい画面や拡大表示機能を活用したいという要望が高まっています。  そこで、今回は1日目、7階のメイン会場以外に8階の会議室を借り、それぞれのセミナーを開催。iPhoneは全盲で使いこなしている利用者の品川博之さん、iPadは弱視者の活用方法をを研究し、広めている広島大学の氏間和仁さんに講師をお願いし、端末の画面をスクリーンに映したり、実際に触る時間を設けるなどして、その便利さと使い方を紹介しました。  特に午前のiPhoneセミナーには開場前、他府県からも多くの方が詰めかけ、両セミナーとも立ち見を含め百数十人の受講者で会場は超満員。多くの方の入場をお断りせざるを得なくなる程でした。(直前に整理券方式にするなど、ご迷惑をおかけした皆様にお詫び申し上げます。)  iPhoneとiPadについては、展示会後、当館に問い合わせが急増しており、今後、こうした機器の普及とサポートも検討しなければならないと考えています。 パラリンピック入賞者のステージも大人気  この展示会では毎回、展示会場の隅にミニステージを設け、多彩なテーマの発表を行っています。今回は関西で活発な活動を行っている関係団体(きんきビジョンサポート、JRPS、神戸アイライト協会)の趣向を凝らした発表をはじめ、ライトハウスの情報提供サービスや盲導犬の実演紹介、地デジラジオ4機種の発表会、締めくくりには出展各社から提供された賞品をプレゼントする大抽選会を開催しました。  特に人気を集め、溢れんばかりのお客様が集まったのは、ロンドンパラリンピックに出場し、陸上男子5000m走で銅メダル、男子マラソンで5位に入賞した和田伸也さんと、水泳女子400m自由形で6位になるなど3種目で入賞した生長奈緒美さんのステージ。45分にわたり、お二人のプロフィルやロンドンでの体験談をクイズ形式で楽しく伺い、会場は大いに沸きました。 次回もご来場、ご協力をお願いします  昨年から会場に使っている難波御堂筋ビルは地下鉄御堂筋線なんば駅と地下通路で直結。会場内もワンフロアで、見ていただきやすい、非常にアクセスの良い会場です。加えて、2日目、「読売新聞」朝刊などで紹介されたため、目下視力低下や目の病気で困っておられる方とご家族などが少くとも20人近く来場され、初めて見る機器や情報に今後の手がかりを得られたことも、今回の大きな成果でした。  また、当館をはじめ多くのボランティアのご協力で、ガイドなしで来られる視覚障害者の方も安心してご覧いただけました。来場者のアンケート結果にも、「会場内外の案内が親切で、安心して来られた」「ガイドボランティアの対応、業者の説明が親切、丁寧で良かった」という声が本当にたくさん寄せられました。当日ご協力くださったボランティアの皆様に心からお礼申し上げます。  実は今回、上述のセミナーが超満員で入場をお断りした方が出たことや、終了時のエレベータが大渋滞し、大勢のお客様を長時間お待たせしたことなど、反省すべき点がありました。次回はこうしたご迷惑を繰り返すことがないように、改善に努めますので、ぜひ来年もご来場、ご協力くださいますようお願いいたします。 当日の出展者(50音順) アイネット、アイネットワーク、アイフレンズ、アステム、アメディア、池野通建、インサイト、エクストラ、m・y、NEC、NTTドコモ、桜雲会、おおさかパルコープ&静岡大学、オンキヨーエンターテイメントテクノロジー、カトレア・サービス、加美電子工業、クーピー、ケージーエス、高知システム開発、KOSUGE、SAM'S WORKS(サムズワークス)、サン工芸、ジェイ・ティー・アール、シナノケンシ、篠原電機、タイムズコーポレーション、東海光学、読書工房、西澤電機計器製作所、日本点字図書館、日本ライトハウス情報文化センターサービス部・盲導犬訓練所、日本テレソフト、パナソニック、三菱電機、メガトレンド、毎日新聞社点字毎日、ラビット、レハ・ヴィジョン。      「デイジーオンラインサービス」の利用が順調に拡大中  当館では「サピエ」(インターネット上の視覚障害者向け図書館)による点字・録音図書の利用拡大に力を入れていますが、今、特に利用が伸びているのが、パソコンを使わず、専用端末でサピエにアクセスし、デイジー図書を読むことのできる「デイジーオンラインサービス」です。  デイジーオンラインサービスを利用するには、(株)シナノケンシが2011年9月に発売したプレクストーク・リンクポケット(PTP1)(85,000円)を使います。  現在、サピエの個人会員10,400人の内1,150人がデイジーオンラインサービスを利用しています。サービス開始からわずか10か月で全体の11%を占めるまでになりました。インターネット環境さえ整っていれば、パソコンを使わずにリンクポケットでサピエのデイジー図書を検索・再生・ダウンロードができるという手軽さが受けているようです。  サピエ図書館の「ネット閲覧室」には検索した図書や雑誌などのタイトルを登録できる機能があります。そこに登録しておくと時間に関係なく、いつでも聴くことができます。また、雑誌については定期配信の登録をしておけば、雑誌を定期的に自動で配信してくれたりもします。例えば『文藝春秋』を登録すれば、毎月できあがるごとに自動的に配信されます。利用者にとっては出来たての録音雑誌を、取り寄せる手間なく聴くことができます。  課題は、自宅にインターネット環境のない方が一からインターネットを契約し、85,000円もする端末を購入する費用ですが、それさえ解決できれば、非常に便利な読書の方法ですので、さらに普及を図っていきたいと考えています。     ≪報告のページ≫ ○全視情協大会が名古屋で開催  全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協、石川准理事長)の第38回大会が10月 18・19日、名古屋市で開催。全国の加盟98施設・団体から約200人が参加し、当館からも7人が参加しました。今回は「サピエが開く情報ネットの新しい地平」をテーマに、予算難に直面している「サピエ」をいかに安定的に維持・発展させるかをシンポジウムで協議したほか、分科会に分かれて、「著作権法」や「点字・録音雑誌並びに情報提供施設・団体実態調査」、「録音資料の重複問題」などについて検討を行いました。全視情協に対する国の位置づけは低く、解決すべき課題は山積していますが、全視情協と「サピエ」なしに、国内の視覚障害者情報提供サービスは成り立ちません。当館は今後も全視情協を支え、緊密な連携協力の下、事業を展開して参ります。 ○「朗読録音奨励賞」を当館の6人が受賞  鉄道弘済会の第42回朗読録音表彰で先月、当館のボランティア4人の方が地区表彰と全国表彰を受賞されましたが、続いて10月、「朗読録音奨励賞」が発表。当館の伊東晴子さん、植田美穂子さん、川端真知子さん、清水幸恵さん、西典子さん、前川祐子さんの6人が受賞されました。「奨励賞」は活動歴5年未満で、積極的に取り組んでいる方が対象です。お祝い申し上げるとともに、今後のさらなる活躍をお願いいたします。 ○元友の会代表の花野四郎さんがご逝去 長年、当館の点訳ボランティアとして活躍され、ボランティア友の会の2代目代表も務められた花野四郎さん(西宮市)が今年5月に亡くなられていたことが分かりました。花野さんは1978年以来、20年近く、点字盤で点訳を続けられた他、油絵や書をたしなまれ、定期的に個展を開催。その売上を当館にご寄附くださっていました。長年のお力添えに感謝するとともに、心からご冥福をお祈り申し上げます。      あゆみ 【10月】 5日 点訳技術講習会開講 13日 オープンデー(館内見学日) 16日 V友の会施設見学会・点字毎日 18日 全視情協大会(〜19日、名古屋、橋口、竹下、久保田、谷口、岡本、香川、松本) 24日 わろう座映画会「阪急電車」 25日 全館自衛消防訓練、見学:テープライブラリー宝塚 31日 見学:佐賀県立盲学校      予定 【11月】 1日 ボランティア友の会世話人会 8日 対面リーディングVの集い 10日 ライトハウス祭り(鶴見事業所)、 オープンデー(館内見学日、要予約) 15日 見学:大阪市地域女性団体協議会大淀女性会 18日 日本ライトハウス創業90周年記念式典(13:00〜17:00、中之島公会堂) 編集後記 毎号ほのぼのとした話題でこの欄 を盛り上げていた林田茂主任が9月末に急病で入院。幸い大事に至らず経過は良好で、まもなく退院・復帰する見込みですが、総務係では彼の不在で天手古舞い。彼の存在の重要性を痛感する一方、彼の不在を一致協力して埋めてくれる職員のチームワークの大切さを痛感しています。(竹) =ONE BOOK ONE LIFE 2012年11月号= 発行  社会福祉法人日本ライトハウス情報文化センター 発行人 竹下 亘 住所  大阪市西区江戸堀1丁目13−2(〒550−0002)     TEL 06−6441−0015 FAX 06−6441−0095 発行日 2012年11月1日