日本ライトハウス情報文化センター        「ワンブックワンライフ」2015年4月号  <表紙イラスト:(武部はつ子画)>チューリップが咲き乱れる道をセーラー服に身を包んだ子どもたちが走っていく。鼻歌を歌いながら女の子が「新学期遅れちゃダメよっ」弟は汗をかきながら「おねえちゃん、ちょっとまってよ・・・」 ちょうちょが大きな目を見開いて見送っている。   (目次) ◇掲示板 ◇ボランティアのページ ・ボランティア交流会で活動歴30年・20年以上の12人に感謝状 盲ろう者の社会参加を進める梅木久代さんご夫妻を迎えて講演会  ・ 2014年度「ボランティア友の会」総会で報告・承認された事項 ・ 音訳と点訳両面から視覚障害児の教育を応援 ◇報告のページ  ≪掲示板≫ ○2015年度ボランティア講習会のご案内  当館では今年度、点訳・音訳等の講習会を以下のように予定しています。詳しくは要項をお送りしますので、お気軽にお申し込みください。 【音訳】  今年度から「音訳ボランティア養成講習会1、2、3」に再編成し、以下の通り開講します。初めての方は1にお申し込み下さい。申込締切は「1」は先着順、「2」と「3」は4月15日です。 ◆音訳V養成講習会1(火曜日と水曜日の午後の2コースを開講予定) 5月〜 ◆音訳V養成講習会2(水曜日午後) 5月〜 ◆音訳V養成講習会3(木曜日午前) 5月〜 【点訳】 ◆点訳ボランティア養成講習会 10月〜 【第28回専門点訳・音訳講習会】   毎日新聞大阪社会事業団との共催。既に点訳・音訳(録音)活動をされている方が対象です。 ◆(専門点訳)東洋医学コース 5月12日〜8月4日(7月28日を除く)火曜日午後 ◆(専門音訳)音声表現技術コース・会話文の読み方編 時期調整中 ◆デイジー編集・基礎編、応用編 2月・3月 ○バリアフリー2015にご来場を!  当館では、今年も「バリアフリー展2015〜目の見えない方・見えにくい方のための展示コーナー」を開催します。日時は4月16日(木)から18日(土)の3日間10時から17時。会場は大阪市営地下鉄・中ふ頭駅のインテックス大阪1号館。今回は18社・団体が出展するほか、18日15時から16時は、当館主催のワークショップ「目の見えない・見えにくい人にも伝えたいiPhone活用セミナー」を行います。ガイドブックのお申し込みは当館総務係までどうぞ。 ○小原二三夫(おばらふみお)職員の木彫作品展が六甲山で  「触察の達人」である小原二三夫職員の木彫作品展が4月4日(土)から5月31日(日)、神戸市灘区の六甲山の上美術館「さわるミュージアム」で開かれます。入場料1,000円。臨時休館あり。詳しくは電話078-894-2400の同美術館まで。 ○5月の連休は暦通り  3月31日(火)、5階サービスフロア(用具販売)は棚卸しのため臨時休業させて頂きます。4月末から5月初めの連休は暦通りです。 ≪ボランティアのページ≫ ボランティア交流会で活動歴30年・20年以上の12人に感謝状 盲ろう者の社会参加を進める梅木久代さんご夫妻を迎えて講演会  今年度のボランティア友の会交流会・総会は3月19日(木)、肥後橋の玉水記念館で開催され、ボランティアと職員合せて129人が参加しました。感謝式典では、当法人の橋本照夫理事長と竹下館長からボランティアの皆様に日頃の活動への感謝を申し上げた後、当館のボランティアを20年・30年以上続けてくださっている12人の方に感謝状を差し上げました。記念講演では、京丹後市の山村で暮らしながら、盲ろう者の交流と社会参加活動を拡げている梅木久代さん・好彦さんご夫妻を迎え、幼少時から今日までの歩みを辿りながら、目が見えず、耳が聞こえなくても人との豊かなコミュニケーションがあれば楽しく、豊かに生きることができる、というお話しを伺いました。梅木さんのお話はユーモアたっぷり。触手話通訳に徹する好彦さんの木訥な合いの手も絶妙で、会場からは笑いが絶えませんでした。(当日ご参加いただけなかった方は、本誌2014年12月号の紹介記事やインターネットの検索 「梅木久代」 でぜひご覧ください。) 講演の後は、友の会総会、昼食と受賞者インタビュー、そして昨年亡くなられた岩井和彦元館長を映像と音声で偲びました。恒例のバザーも盛り上がり、楽しい1日を過ごしました。(総務係 加治川千賀子)  (写真)受賞者の皆さん(敬称略) 後列左から、録音製作係の西田芳美、西和田惠子、山中眞理子、岩井悦子、藤森容子、野ア淳子。 前列左から竹下館長、録音製作係の西川淑子(30年表彰)、対面の廣岡敏雄、沼田淨子。 上原多美子さん、神野千晴さん、木畑紀子さんはご欠席でした。 感謝状贈呈者のプロフィール ◆活動歴30年以上 【録音ボランティア】2人  上原多美子さん 『週刊新潮』の初期のメンバーとして、当館の雑誌製作の基盤作りにご尽力くださり、現在は、『週刊新潮』の第2週を担当する八幡市の音訳グループ「よむよむ」のリーダーとして活躍されています。  西川淑子(としこ)さん 大阪にお住まいの時は、主に編集、校正を中心に活動されていました。長野県木祖村に居を移されてからは、ご自宅でデイジー図書の校正を続けてくださっています。 ◆活動歴20年以上 【録音ボランティア】6人  岩井悦子さん 主に小説関係を中心に、毎週木曜日にスタジオ録音をしていただいています。  神野(こうの)千晴さん 司会業などの仕事をしながら、毎週木曜日に同期の藤森さんとペアを組んで、スタジオ録音をしていただいています。  西田芳美さん ドイツ語・英語など外国語に強く、専門音訳「英語チーム」のリーダーとして活躍されています。  西和田惠子さん 専門音訳「英語チーム」の発足当時から加わり、活動してくださっています。  野ア淳子さん 東洋医学、ハウツー本、ドキュメンタリーなどさまざまなジャンルの本を録音してくださっています。  藤森容子さん お仕事をしながら毎週木曜日に来館され、小説関係を中心に同期の神野さんとスタジオ録音をしていただいています。  山中眞理子さん 専門音訳「古典チーム」の発足当時からのメンバーで、現在はチームのリーダーとして活躍されています。 【対面リーディングボランティア】2人 沼田淨子(じょうこ)さん 日本語の資料、特に最近は新聞や小説、資格試験のための本などを読んでくださっています。1997年から5年間は友の会の世話人も務めていただきました。  廣岡敏雄さん 主に英語の対面をお願いしているほか、日本語も旧字体の本から現代の新聞まで、幅広いニーズにお応えいただいています。 【館内作業ボランティア】1人  木畑紀子(きばた のりこ)さん 毎週(多い時は週2回)、別館の図書・情報係で貸出作業をお手伝いくださっています。全国の点字図書館から届くデイジー雑誌のコピーを中心に、きめ細かい作業をしていただいています。 === 2014年度「ボランティア友の会」総会で報告・承認された事項 〔1〕 2014年度活動報告 【行事】 1.ボランティア交流会・総会  3月7日(金) 参加者123人   前川裕美さんのトーク&ピアノコンサート 2.ガイド体験会「楽しく歩こう、安全に」 5月28日(水) 参加者17人 視覚障害についての基本講座、手引き指導と演習(散策・買い物)、岡本職員、海老澤弥生さんの話 3.施設見学会    11月25日(火) 参加者26人   日本ライトハウス視覚障害リハビリテーションセンター・点字情報技術センター 【世話人会】 2014年3月27日(木) 第1回世話人会  新旧世話人引継ぎ、2014年度世話人の役割分 担決定、3月7日友の会交流会・総会の反省 5月1日(木) 第2回世話人会  ガイド体験会内容確認、施設見学会について 7月17日(木) 第3回世話人会  ガイド体験会の反省、施設見学会の検討 9月4日(木) 第4回世話人会  施設見学会の検討 11月6日(木) 第5回世話人会  施設見学会の詳細確定、対面リーディングVの集いへの助成、ボランティア友の会交流会内容検討 2015年1月8日(木) 第6回世話人会  施設見学会の反省、ボランティア友の会交流会準備について、次期世話人について 3月17日(火) 第7回世話人会  交流会・総会の事前準備・打ち合わせ、バザー用品値付け  〔2〕 2014年度会計報告 収入 前期繰越金         309,138 交流会会費(113名)      113,000    バザー収入         93,100    募金・寄付金        101,395    郵便貯金利息         82 合計       616,715 支出 交流会経費       231,820 ガイド体験会経費       3,000    施設見学会(当法人2施設)   4,320    対面リーディングVの集い助成金 10,000 世話人会経費        12,000 友の会文庫助成金      10,000    次期繰越   345,575 合計 616,715 〔3〕 2015年度世話人(敬称略) 留任 伊東晴子(対面) 片岡忠克(図書・情報) 加藤珠子(MMD) 鳥山正彦(録音) 藤井倫子(みちこ)(音声解説) 山本普実雄(ふみお)(点字) 新任 飯村康志(図書・情報) 井上惠子(対面) 前田裕子(ひろこ)(点字) 山見順子(録音) 退任 金井典子(録音) 清水浩子(点字) 白石文子(ふみこ)(対面) 逸見(へんみ)恵子(整理・情報) 【2015年度活動予定】 ・ガイド体験会  ・施設見学会等 ・友の会交流会・総会 === ○音訳と点訳両面から視覚障害児の教育を応援  ◆文科省「音声教材調査研究事業」を受託  当館では2年前から、視覚障害児等の教材製作に音訳技術を活かす調査研究を行っていますが、2015年度も文部科学省から「音声教材の効率的な製作方法等に関する調査研究」を受託しました。この事業は“図・表・グラフ・写真・絵等といった視覚的な教材資料”について、的確で理解しやすい音声解説を製作・提供することを目的に、「教材の視覚的資料の音訳データベース」を構築するものです。今年度は音訳者、視覚障害児童生徒、担当教員によるモニタリングを実施し、「音訳教材データベース」の改修と機能の追加を行います。当館で培ってきた音訳処理技術が成果を発揮する事業ですので、ボランティアの皆さまにもお力添えをお願いいたします。  ◆点字教育の講演会とワークショップを開催  当館点字製作係では、点字を使って学ぶ児童に適切な点字指導と点字教材の提供が行われることを願って、講演会とワークショプ「ひろがれ点字」を3月7日開催しました。大阪府と大阪市の両視覚支援学校のご協力をいただき、京都、兵庫、沖縄、徳島、名古屋の視覚支援学校と大阪府下の地域校から教員など23人が参加。大阪府立視覚支援学校で40年近く小学児童を教えて来られた松下幹夫先生から「点字指導のポイント」についてご講演いただき、「点字習得に入る前に、点や線を指でたどるなどの触知訓練が重要」「教師自身が点字の習得にかける時間を持ち、その成果を生徒に還元することが必要」など貴重な示唆を受けたほか、学習に役立つ教材、点図、3D教材の活用法などを共に学びました。 ≪報告のページ≫  ○7人の点訳ボランティアが誕生  2014年度の点訳技術講習会が3月終了し、7人の方が修了されました。これから実習を兼ねた点訳活動を始めていただきます。末永くご活躍くださるようにお願いします。 修了者の記念撮影(敬称略)。 後列左から池田園子、入江知子、栗栖忍、野崎功子、M田恵美。 前列左から南佳奈、山根真紀子、講師の奥野真里主任と講師補助の雪岡加奈子。 ○花田潤子を採用し、サービス部に配属  当法人では4月1日付で花田潤子を正職員に採用し、5階サービス部用具・機器係に配属しました。サービス部では今後、機器・用具を軸とした視覚障害者への総合的な支援をさらに強化する計画です。若い職員ですので、ご指導をお願い致します。 ○2014-2015年度の人事異動について  2014年度末に以下の人事異動を行いました。特に当館勤続36年の岡田満千代から皆様にくれぐれもよろしくとのことです。 ◆採用  花田潤子(サービス部用具・機器係) ◆退職  原田朋子(製作部電子書籍担当) ◆異動  岡田満千代(整理・情報係と早川福祉会館点字図書室兼務→早川専任)  好川佳子(整理・情報係→早川) ○館内各所の模様替えと改修を実施  円滑迅速なサービス提供のため、サービス部の全職員を5階に集める一方、5階の密集書庫を3階に移しました。暫くご不便をかけるかも知れませんが、ご了承下さい。また3階対面室通路の照明を明るくし、4階廊下に安全確認用カメラを設け、7階男子トイレに下水用シンクを設けました。 あゆみ 【3月】 5日 専門音訳デイジー編集・基礎編(〜6日) 12日 専門音訳デイジー編集・応用編(〜13日) 13日 対面リーディングV向け勉強会 17日 ボランティア友の会世話人会、見学:シロアム視覚障害者福祉会 19日 ボランティア交流会(玉水記念館) 26日 V世話人会(新旧世話人引継ぎ式) 予定 【4月】 11日 オープンデー(館内見学日、要予約) 12日 盲導犬チャリティコンサート 16日 バリアフリー2015「目のコーナー」(〜18日、南港・インテックス大阪) 編集後記 今年に入り健忘症が深刻になって来ました。他施設に老眼鏡を置き忘れたのを皮切りに、出勤時、定期を家に忘れ、タクシーで取りに戻る始末。チャックの締め忘れは茶飯事で、館内で腱鞘炎用掌サポーターを見失い、探し回った挙げ句、手首にまくり上げていたという失笑話しも。老化の現実を直視して、動作のスピードを落とし、常に再確認を励行しなければ、と自分に言い聞かせています。(竹) =ONE BOOK ONE LIFE 2015年4月号= 発 行 社会福祉法人日本ライトハウス      情報文化センター(館長 竹下 亘) 住 所 大阪市西区江戸堀1-13-2(〒550-0002)     TEL 06-6441-0015 FAX 06-6441-0095     E-mail info@iccb.jp 表紙絵 武部はつ子 発行日 2015年4月1日 定 価 1部100円 年間購読料1,000円