日本ライトハウス情報文化センター        「ワンブックワンライフ」2015年10月号  <表紙イラスト:(武部はつ子画)> お母さんが体重計に片足で乗ってみると針が大きく振れたので「ぎょえ〜っ」と目を見開いて冷や汗。そばにいた女の子は「片足でもいっしょだヨ・・・」。ふせをした犬は前足で目を押さえて「見なかったことに・・・」   (目次) ◇掲示板 ◇センターのページ ・点字図書の開花を願い、「点字たねまき事業」に着手 “手に取り、指先から感じる読書の喜び”を広げるために ・日本ライトハウス・バリアフリー映画会を今年も開催♪  音声解説・日本語字幕付き映画「マエストロ!」&ミニ音楽会 ・『読書』〜目の見えない方・見えにくい方の情報誌のご紹介 ◇報告のページ  ≪掲示板≫ ○盲導犬訓練所へV友の会の施設見学会  今年度のボランティア友の会の施設見学会は大阪府千早赤阪村の日本ライトハウス盲導犬訓練所に決まりました。電車やバスでは不便な場所ですので貸切バスで行きます。日頃見られない訓練や育成の様子を見学し、ふれあいを通して盲導犬の知識を学びませんか。  日時 11月16日(月)10:00〜15:00  集合 9:50、ろうきん前(肥後橋10番出口)  交通 情文前から貸切バスで往復    定員 先着40人  参加費 3,000円(バス代、お弁当代)  申込 10月1日から当館3階総務係(06-6441-0015)へ。参加費は申込時にお支払いください。 定員になりしだい締め切らせていただきます。 ○10月17・18日は日本ライトハウス展へ  日本ライトハウス展は当事者や家族、福祉関係者だけでなく、ボランティアの方にとっても視覚障害者の方々が直面する困難や課題、最新情報を知る上で非常に有益な展示会です。10月17日(土)・18日(日)10時〜16時、難波御堂筋ビル7階ホールで開催。お出かけのついでに覗くだけでも結構ですので、ぜひご来場ください。 ○専門音訳講習会・音声表現技術コース開講  毎日新聞大阪社会事業団との共催による専門音訳講習会「音声表現技術コース・会話文の読み方編」を1日集中で開講します。  日時 11月6日(金)・12日(木)・18日(水)・   24日(火)のいずれか、10時〜15時  内容 児童書・時代小説・現代小説等の会話     文について読み方の実技を学ぶ  資格 現在、音訳活動中で経験3年以上の方 定員 各10人    受講料 1,000円  申込 要項を請求の上、10月20日(火)必着 ○盲導犬育成チャリティカレンダーを発売中  イラストレーター小山るみこさん作、可愛いラブラドールのデザインでお馴染みの2016年版カレンダーを3階総務係で販売しています。A4判(見開きA3判)、1,100円。売上はすべてライトハウスの盲導犬育成費に充てられます。 ○10月の休館について   10月10日(土)=ハッピーマンデーの振替休館日ですが、5階サービスフロア、4階会議室、3階総務係は開室します。10月17日(土)=全館休館(日本ライトハウス展) ≪センターのページ≫ 点字図書の開花を願い、「点字たねまき事業」に着手 “手に取り、指先から感じる読書の喜び”を広げるために  当館では今年度下半期から、点字図書の利用拡大を図る「点字たねまき事業」に着手します。これは今春、「手に取り、紙のにおいをかぎ、指先から感じる読書の喜びを多くの人に得てほしい」という匿名の指定寄附を受けて、立案した事業です。今日、点字図書の利用は、残念ながら多くの新メディアの登場等に伴い減少気味ですが、視覚障害者にとって唯一無二の“文字”と言える点字の重要性と必要性は決して減じるものではありません。この事業では3ヶ年の予定で、当法人の点字出版部門である点字情報技術センターと連携して色々な事業を展開し、点字を読む喜びと有用性を一人でも多くの方々に味わっていただきたいと願っています。(館長 竹下亘、点字製作係 奥野真里) 児童雑誌「アミ・ドゥ・ブライユ」を創刊  「点字たねまき事業」では、大きく分けて三つの事業を予定しています。  1本目の柱となるのが、児童向け点字雑誌『アミ・ドゥ・ブライユ』の創刊です。題名はフランス語で「点字の友達」という意味で、子どもたちに点字雑誌を通して情報や知識を深め、社会とのつながりを強めるとともに、友達の輪を広げてほしいという願いから命名しました。  現在、児童書の点訳は全国各地で行われており、タイトル数も徐々に増えています。また点字の教科書や教材も多数提供されています。しかし、さまざまな話題や情報を掲載した児童向けの点字雑誌はほとんどありません。  そこで、学習書としてではなく、子どもたちが社会の情報を気軽に、そして点字という確実なメディアで得られるようにという観点から、新たに点字雑誌を創刊することにしました。  この雑誌には、一般雑誌から記事を精選し、時事問題、自然科学、芸能、ゲーム、視覚障害児童にとって有用な情報など幅広い内容を掲載する予定です。また、読者のページも設け、全国各地の同世代の読者同士の交流の輪が広がってほしいと願っています。記事の選定や点訳は職員の他、点字製作係のボランティアの方々にも加わっていただき、点字情報技術センター(TeCTI(テクティ))で製版・印刷して発行します。  『アミ・ドゥ・ブライユ』は隔月刊行で、今月から偶数月に発行。毎号100部印刷し、まず全国の視覚特別支援学校などに送り、購読希望を募った上で、個別に無料発送する予定です。 英語点字の専門書と児童図書を出版  2本目はTeCTIの担当で、来春から表記が変わる英語点字の解説書と辞典の出版、またなぞなぞや迷路など点字で楽しく読むことのできる児童向け点字図書の出版事業です。発行予定は以下の通りです。  「エッセンシャルガイド 統一英語点字UEBで何が変わるか」=同センター所長福井哲也の書き下ろし。点字と墨字で出版済み。  「統一英語点字スーパー縮約辞典(仮題)」=本年末、点字と墨字で発行予定。  「なぞなぞ大冒険2000問」「点字なぞなぞ100問」(共に仮題)=今年度下半期に発行予定。全国の希望者に無償提供。  「指でたどる迷路(仮題)」=同上。  この他、TeCTI発行の点字児童書の既刊本から希望図書を児童に贈呈。  3本目は、TeCTIで研究開発を行っている3次元模型のミニライブラリーを当館に開設し、来館者に観ていただくことです。(当館3階カウンターに、富士山の3次元模型を展示していますので、ご覧ください。)  そして、以上の事業を行う上で欠くことのできない点字プリンタの更新と維持も行い、特に良質な点図の製作にも力を入れていきます。  「点字たねまき事業」を実施できるのは、ひとえにお一人の支援者のお力添えによるものです。この場を借りて、深く感謝申し上げます。そのお志に応えるためにも、点字の“種”が一人でも多くの利用者の手許で芽吹き、花開くことを願い、取り組んでいきたいと思います。 「アミ・ドゥ・ブライユ」創刊号のご紹介 ◆創刊の辞 (抜粋) はじめまして!「アミ・ドゥ・ブライユ」です。 皆さんは点字が好きですか?愛読している点字図書や雑誌はありますか?世の中の話題や新しい情報をどのように得ていますか?点字で手紙を送り合う友達はいますか?そんな思いから私たちはこの度、この点字雑誌を創刊し、若い皆さんにお届けすることにしました。 “Amis De Braille”とは、フランス語で「点字の友達」という意味です。皆さんに、点字を通して知識を深め、社会と関わり、友達の輪を広げてもらいたいと願って、命名しました。  記事は一般雑誌から選び、時事問題、自然科学、芸能、ゲームや、皆さんに役立つ情報など幅広い内容を掲載します。「読者のページ」も作りますので、皆さんの意見や希望を点字で送って下さい。そして、全国の同世代の友達と交流の輪を広げて下さい。  2ヶ月に1回、偶数月に発行します。ご寄附を元に作りますので、代金は無料です。  この点字雑誌を愛読し、あなたの世界をどんどん深め、広げていって下さることを心から願っています。 ◆創刊号の主な掲載記事  「なにコレ?」=ノビール生き物、きのこウォッチ(点図付き)、ニュース=キューバの社会政策、非核三原則って何?、グルメ=外国の食文化、サイエンス=塩の話、歴史=清少納言、その他=100均売れ筋ランキング、最近旬なバンド、国名クロスワードパズル(点図付き)、視覚障害者関連イベント情報、読者のページ。 日本ライトハウス・バリアフリー映画会を今年も開催♪ 音声解説・日本語字幕付き映画「マエストロ!」&ミニ音楽会  毎年秋、話題の映画を特別企画付きでバリアフリー上映している「日本ライトハウス・バリアフリー映画会」。今年は、今春ロードショー公開された「マエストロ!」を音声解説・日本語字幕・特製パンフレット付きで上映します(音声解説とパンフレットは当館製作のオリジナル)。映画は、名門オーケストラの再結成をめぐり、謎の指揮者と負け組楽団員が復活コンサートをめざして巻き起こす、笑いと涙の本格音楽エンタテインメント。西田敏行と松坂桃李が初共演。指揮指導は佐渡裕、エンディング曲は全盲ピアニストの辻井伸行が作曲・演奏しています。さらに特別企画として、大阪府立視覚支援学校の在校生・卒業生によるピアノ演奏やソプラノ、バリトンの歌声を披露するミニ音楽会も開催します。素敵な音楽三昧の一日を満喫しませんか。(音声解説担当 林田・工藤) 《日本ライトハウスでは公益財団法人一ツ橋綜合財団の助成を受けて音声解説事業を行っています。》 映画会の日程・申込方法  日時 11月21日(土)12時30分〜16時     (12時開場)  場所 玉水記念館大ホール  参加費 無料(要電話予約)  定員 先着200人  申込み 10月21日(水)9時15分から11月14日(土)17時の間に、電話で当館総務係(電話06−6441−0015)まで。氏名と電話番号をお知らせ下さい。定員になり次第締め切らせて頂きます。  スポンサー協力 参天製薬(株)、錦城護謨(株)、シナノケンシ(株)、パナソニック(株)、三菱電機(株) 『読書』〜目の見えない方・見えにくい方の情報誌のご紹介 点字・録音・大活字等4媒体で2,000部発行  当館ではボランティアや支援者の方々に向けて、本誌『One Book One Life』や『点訳通信』『ろくおん通信』『対面リーディング通信』を発行していますが、利用者の方々に向けては『読書』(目の見えない方・見えにくい方の情報誌)を発行しています。  内容は、毎月新しく貸し出す図書、約100タイトルを紹介する「今月の点字図書」「今月の録音図書」を中心に、当館の事業やサービス、視覚障害者の方に関わりの深い情報も掲載しています。この頁以降の「感謝報告」に掲載している新刊図書は『読書』にも掲載され、利用者の方々の多くはそれを読んで、貸出申し込みをされています。  点字、デイジー録音、大きめの墨字、メール版の4媒体で、毎月約2,000部発行。当館の利用登録者約4,000人の内、大阪府・市の方々と全国の図書館などに無料で送付。製作と発送作業は、本誌8頁掲載のボランティアの方々が支えてくださっています。  利用者や施設以外にお送りすることはしていませんが、http://www.iccb.jp/download/読書 でダウンロードできますので、どうぞご覧ください。 『読書』最近号の主な内容  ひごばしニュース=「サピエ」の紹介、全視情協と近畿視情協の紹介、新任職員の自己紹介、警報発令時の休館規定、日本ライトハウス展の案内、バリアフリー映画会「マエストロ!」の案内  便利グッズ紹介=触感時計、見やすい電波時計、ICTサロン、プレクストーク体験会・講習会の案内  お役立ち本棚=お役立ち目録「満腹な秋」、「新感覚時代小説」の貸出、音声解説CD付きDVDの貸出  情報カフェ=マイナンバー制度、大阪フィルハーモニー演奏会ご招待、関西電力からのお知らせ  今月の点字図書=40タイトルの紹介  今月の録音図書=デイジー図書50タイトル、シネマ・デイジー5タイトルの紹介 ≪報告のページ≫ ○佐々木マス子さんが全国表彰を受賞  公益財団法人鉄道弘済会の第45回朗読録音奉仕者表彰で、当館ボランティア米谷治子さん(朗読録音)と荒木良子さん(校正)の西日本地区表彰に続いて、佐々木マス子さんが朗読録音の全国表彰を受賞され、9月25日、東京の弘済会館で授賞式が行われました。28年11ヶ月、1416時間51分に及ぶ活動歴と、専門書を含め185タイトルに及ぶ録音図書の製作実績が高く評価されたものです。心からお祝いするとともに今後ますますのご活躍をお祈りします。 ○専門点訳講習会・東洋医学コースが終了  毎日新聞大阪社会事業団共催の専門点訳講習会・東洋医学コースが8月4日終了しました。今回は元盲学校教員で、長年あんま鍼灸マッサージの教育と研究に貢献して来られた阪本圭市先生を迎え、10数年ぶりに開催。受講者は18人(加えて音訳ボランティアの聴講者3人)に達し、全12回、時には実技も伴う中身の濃い講習が行われました。視覚障害者の学習・就労・研究になくてはならない東洋医学の点訳(音訳)ですので、修了者の皆様のさらなる研鑽と実践をお願いいたします。 ○肥後橋ちょっと“触れ歩き”F 当館5階サービスフロアでは500分の1の模型を公開しています。(写真があります)当館(44m)から太陽の塔(70m)、 通天閣(100m)、東京スカイツリー(634m)の順に触ると、大小の差に皆ビックリ!(竹) あゆみ 【8月】 4日 専門点訳講習会「東洋医学コース」修了式 26日 見学:韓国点字図書館協議会 【9月】 3日 ボランティア友の会世話人会 4日 灯友会バザール(〜5日、当館4階) 12日 対面リーディング基礎講習会、オープンデー(館内見学日) 18日 鉄道弘済会・朗読録音西日本表彰式 25日 鉄道弘済会・朗読録音全国表彰式 予定 【10月】 1日 見学:福島県立盲学校 8日 全視情協大会(〜9日、新潟市:竹下、岡田、久保田、林田、瀧沢) 13日 音訳V養成講座A火曜コース後期開講 14日 音訳V養成講座A水曜コース後期開講 17日 日本ライトハウス展(〜18日) 24日 オープンデー(館内見学日、要予約) 31日 わろう座映画体験会「黄昏」 編集後記 シルバーウィークに奈良県天川村のみたらい渓谷へフリークライミングに行ってきました。汗ばむほどの陽気の中、朝から夕方まで壁にへばりついて念願の2級の岩壁を登ることができました。みたらい渓谷はエメラルドグリーンに輝く神秘的な川で紅葉スポットとしても有名です。大小様々な滝と巨岩が点在し、底まで透けて見える清流が流れています。これから台風が心配な季節でもありますが、ケガのないように自然と仲良く楽しんでいきたいです。(茂) =ONE BOOK ONE LIFE 2015年10月号= 発 行 社会福祉法人日本ライトハウス      情報文化センター(館長 竹下 亘) 住 所 大阪市西区江戸堀1-13-2(〒550-0002)     TEL 06-6441-0015 FAX 06-6441-0095     E-mail info@iccb.jp 表紙絵 武部はつ子 発行日 2015年10月1日