ろくおん 通信 No.208号 発行日:2015年2月1日 発行:日本ライトハウス情報文化センター 録音製作係 発行責任者:竹下 亘  〒550-0002 大阪市西区江戸堀1−13−2  電話 06-6441-1017(録音製作係直通)  http://www.iccb.jp/ 主な見出し ★聴いてわかる録音図書をつくるために(第21回) ★マイクの前に座るときは本番 読み始める前の時間を大切に ★きれいに録音する技術(18) ★編集のひろば ★製作作業についてのお知らせ ★ウェブスタジオ・なにわの音訳データの最終ファイルアップ ★音源チェック作業にご協力をお願いします ★講習会の名称が変わります ★館からのお知らせ 主な見出し、終わり。 ★ 聴いてわかる録音図書をつくるために(第21回) 書き方に工夫を 久保洋子  今回も校正票の書き方です。  他人の誤りを指摘する作業ですから、色々気を遣って書いていらっしゃる方もありますが、音訳者としては、誤りを単純に(率直に)指摘していただく方が、素直に受け取れるのではないでしょうか?  誤読の指摘は、出典もあり、校正者は迷うこともなく、単純に指摘できます。アクセントの誤りも、誤読の一種ですから、単純に指摘したらいいと思います。(訂正するかどうかは音訳者が判断するわけですが、判断の基準は「利用者に正しく聴きやすい図書を提供する」ということです。)  問題は例えば、二通りの読みがあって、どちらとも決め難いような場合です。こういうときは、音訳者の感性で決めて読んでいるわけですが、校正者が別の読みがいいと思ったら、「・・・の方が?」など、書き方を工夫したらいいと思います。  感性の良し悪しは、一概には決められません。校正票を見て、音訳者がはじめて気が付くこともあると思います。  ウェブスタジオ・なにわの校正票は、記入する欄も限りがあり、また、不慣れなこともあり、書き難いと感じておられる方もあると思います。図の説明など、書ききれないものについては、連絡票を活用してください。作業のスムーズな流れ、進捗管理などのためにも、ウェブスタジオ・なにわの校正票の利用をお願いします。 ★きれいに録音する技術(18) 自宅で録音する際のノイズと反響音対策(3)   録音時に注意しなくてはならないのがノイズ(雑音)と反響音です。ノイズについては前号で解説しました。今回は反響音について解説します。  録音した声に反響音が混ざると、軽くエコーがかかったような音になり、聴き取りにくい声になります。ノイズのようにはっきりと聞こえてこないことから見落とされがちですが、ノイズと同じくらい、音質に大きな影響を与えるものですので、しっかり対策をお願いします。 反響音が起こりやすい環境  @床  畳やカーペットに比べ、フローリングなどの木の床は、天井との間で音が反響しやすくなります。最近は、天井が石膏ボードにクロス張りの部屋も多く、さらに音を反射しやすくなっています。  A壁  石膏ボードにクロス張りの壁が最も反響しやすく、次いで木の壁、土壁となります。  B机  木の机をお使いの方がほとんどかと思いますが、机と天井の間でも、音が反響します。床よりも、むしろ机に対策を施す方が重要です。ガラス板をおいている場合は、反響がより強くなります。 対策法  床や壁を換えるわけにはいきませんから、どうすれば反響しにくい環境になるかを考えます。  床がフローリングの場合、床の一部にラグなどを敷くだけでも効果があります。また、録音時のみカーテンを閉めるのも効果的で、壁と窓からの反響が抑えられます。これらは、状況に応じて行ってください。    机の上とその周囲には、対策が必須です。特に机の上は、マイクスタンドを直接置くのを避け、フェルトなどの厚手の布をできるだけ広めに敷いてください。また、机の奥側が壁や本棚など、音を反射しやすいときは、厚手のバスタオルや毛布をかけると効果があります。布は、厚みがあって重たいものほど音を吸収して反響が抑えられます。フリースのように、ふわふわでも軽いものは、音を吸収しませんので不向きです。 できる範囲で、対策をお願いします。 ★編集のひろば  「ウェブスタジオ・なにわ」校正票 記入例特集  「記入のルールはありますか?」「アクセントの表示の仕方を教えてください」「字数制限はあるのでしょうか?」などなど、ウェブスタジオ・なにわの校正票の利用が広まるにつれ、記入の仕方に関する質問が多くなってきています。 また、「うまく伝わっているかどうか心配です」とか「線を引いたり印をつけたりできないので、微妙なニュアンスを伝えにくい」と頭を悩ませる校正者、編集者も多いようです。今回は、ウェブスタジオ・なにわの校正票の見方、伝わりやすい記入の仕方や工夫、ちょっとしたコツなどを考えてみたいと思います。 ●「ウェブスタジオ・なにわ」校正票の見方  ?時間表示のある項目・・・校正者からの校正内容  ?その下に追加されている時間表示のない項目・・・編集者からの校正内容  ?赤く表示されている項目は、修正録音し修正欄にチェックを入れると黒に変わる  ?赤く表示されたままの項目は、音訳者が修正録音しなかったもの(パスしたもの)  ?音訳者が修正していても修正欄にチェックを入れ忘れた場合は、赤い表示のままになる。  ?右上「通信欄」の内容は、各校正票に同じものが表示される。  (例:校正票が5ページに渡る場合は、5ページ全部に反映)  ?左上[アクセント記号凡例]は不完全な凡例で、現在は使われていない。 ●「ウェブスタジオ・なにわ」校正票と「Recdia」画面校正票では、以下の項目の表示が異なっている  ?「録音の音声」・・・Recdiaでは「音訳音声」  ?「良いと思われる読み」・・・Recdiaでは「より良い読み」 ●アクセントの記述 【方法1】アクセントのある場所を数字で示す。平板は0  例:雨 アメ(アクセント1)、飴 アメ(アクセント0)     熱い、暑い アツイ(アクセント2)、厚い アツイ(アクセント0) 【方法2】言葉で示す(語が3音までの場合のみ)  例:雨(アクセント頭高)、飴(アクセント平板)     熱い、暑い(アクセント中高)、厚い(アクセント平板) ●各欄の記入方法の例 【誤読の場合】  「原本語句」・・・原本の文章をそのまま記入  「音訳音声」・・・読まれている音声を記入  「より良い読み」・・・空欄  「備考」・・・理由や出典を記入 【読み方に関すること】  「原本語句」・・・原本の文章をそのまま記入  「音訳音声」・・・切れているところを「/」などの記号やスペースで表示  「より良い読み」・・・よいと思われる読み方を「/」などの記号やスペースで表示  「備考」・・・理由や出典を記入   【読みが抜けている場合】  「原本語句」・・・原本の文章をそのまま記入  「音訳音声」・・・○○○〜△△△の読みが抜けています(読みがありません)  「より良い読み」・・・空欄  「備考」・・・空欄 【図・表・写真などの読み方の提案】  「原本語句」・・・○ページ図〜  「音訳音声」・・・空欄   「より良い読み」・・・連絡票にて  「備考」・・・理由を記入 ●心がけたいこと&ちょっとしたコツ  ○必要最小限の言葉で簡潔に記入する   各欄は必ずしも全部埋める必要はありません。ギッシリ活字が詰まっていると読みづらく、かえってうまく伝わらないというケースもあります。また音訳者にとっても、「真っ赤に染まった校正票」を手にするのは辛いものです。  ○以下のような提案には、「ウェブスタジオ・なにわ」連絡票を活用  ・図・表・写真の説明文  ・文章の切り方、間の取り方など読み方に関すること  ・図書全体に関係すること  ・修正は不要だが、参考として伝えたいアクセントや処理の仕方など  ○次のような場合にも、「ウェブスタジオ・なにわ」連絡票を活用 【校正者】   受け取った音訳データの校正が少し遅くなる場合     【音訳者】   受け取った校正票に関して校正者に伝えたいことがある場合   受け取った校正票に関して校正者・編集者に質問したいことがある場合    【編集者】   編集作業で調整できる処理について音訳者に知らせたい場合   追加の録音を音訳者に依頼したい場合 ●Recdia校正票画面の下にある「通信欄」の記入は多くならないよう注意   ・「通信欄」に記入されたものは、校正票の各ページに同じものが表示される   ・「通信欄」にたくさん記入すると1ページ分の校正欄が少なくなる   ・「通信欄」にたくさん記入すると読みにくい ★ウェブスタジオ・なにわの音訳データの最終ファイルアップ  蔵書製作において、最終の音訳データをアップする時には、[製作範囲完了]のチェックボックスにチェックを入れていただいていると思います。最近、製作範囲の最終データをアップするたびに、チェックされる方が増えていらっしゃいます。チェックを入れていただくのは、1冊をすべて(訂正は含まない)読み終えた時に、1度だけチェックを入れてください。チェックが2度以上入ると、編集者へデータが届きませんので、ご注意ください。 ★音源チェック作業にご協力をお願いします   昨年、利用者アンケートが実施され、録音図書に関して音質にばらつきがあるというご意見が寄せられました。改善策としまして、音源のチェックを職員が行うことにしました。  これから新しい蔵書を読まれる際には、音声データの1枚目をウェブスタジオ・なにわにアップされた時点で、職員にご連絡ください。スタジオ録音、自宅録音ともにチェックをしますので、ご協力くださいますよう、よろしくお願いします。  【連絡方法】    メールの場合、rec@iccb.jp    ウェブスタジオ・なにわの連絡票の場合、「録音製作係」に送信     *職員名には送らないでください。    電話  06−6441−1017    FAX 06−6441−1027 ★講習会の名称が変わります  2015年度より音訳初心者講習会、読み方勉強会、音訳基礎講習会の名称を変更します。   音訳初心者講習会 → 音訳ボランティア養成講習会1   読み方勉強会   → 音訳ボランティア養成講習会2   音訳基礎講習会  → 音訳ボランティア養成講習会3  今後は、3つの講習会の一連の流れを明確にし、一人でも多くの蔵書音訳ボランティアが誕生するよう、講習会内容も一部見直して取り組んでまいります。また、音訳ボランティア養成講習会3は、現在10月開講ですが、次年度から5月開講で行います。  募集要項は、2月下旬頃に当センターのホームページで公開いたします。 ★館からのお知らせ  ●スタジオをきれいに使いましょう!   収録後、スタジオを出る前に、少しスタジオの中と外を見まわしてください。飲み物のカップや消しゴムの消しカスなど、忘れずに片づけてお帰りください。使用した辞書や筆記用具等も、元の位置に戻しましょう。   次の方が気持ちよく使えるように、皆さまお一人お一人のご協力をお願いいたします。  ●ウィルスチェックをお忘れなく!   ご自宅で使用されたUSBなどを館内で使用される場合は、使用前に必ずウィルスチェックをしてください。ウィルスチェック用のパソコンが録音製作係の入り口にあります。ウィルスチェックの方法がわからない場合は、職員にお尋ねください。 ★腹巻最高!  昨年11月頃お腹の調子を崩してしまい、なかなか治らなくて、2キロ以上痩せたんです!うらやましい? で、病院でお薬をもらって飲んだけど効果がなくて、結局最後に、腹巻をしたら治ったんです。お父ちゃんもびっくりしてました!川西から電車に45分乗って梅田まで来る間、すごく寒いんです。暖房を入れてないときがほとんどなんです。  さて、その腹巻です。大型犬用の腹巻なんて売ってないので、お父ちゃんは考えました。思いついたのが「ネックウォーマー」でした。お父ちゃんのチェックのネックウォーマーを着けてみると、ぴったりです!お母ちゃんのネックウォーマーももらって、100均のお店でも買ってもらって、計3枚!でも、大型犬用の腹巻も売っているとの情報!かっこいいのあるかな? お父ちゃん? ブランドものの腹巻、1枚くらい持ってる方がいいと思うけど? 期待してまーす!