日本ライトハウス情報文化センター        「ワンブックワンライフ」2015年6月号  <表紙イラスト:(武部はつ子画)>花菖蒲が咲く道を買い物帰りの老夫婦が相々傘で歩いてくる。おじいさんは頭に手を当て恥ずかしそうに「たまには相々傘もええもんじゃ・・・」。おばあさんは口に手を添え微笑んでいる。その脇でカエルが両手を上げて「ラブラブ・・・(ハートマーク)」   (目次) ◇掲示板 ◇センターのページ ・2015年度もよろしくお願いします〜職員のご紹介  ・情文と連携し、特色ある情報提供サービスの展開を目指して 早川福祉会館点字図書室のご紹介 ◇報告のページ  ≪掲示板≫ ○視覚障害関係資料をご利用ください 当館3階総務フロアには「ボランティア友の会文庫」として、約2千冊の視覚障害関係資料が所蔵されています。ルイ・ブライユやヘレン・ケラー、塙保己一、岩橋武夫など歴史的人物の伝記や今日活躍中の方々の手記、盲学校や点字図書館など関係施設の歴史的資料、視覚障害者支援に関するさまざまなマニュアル、「点字発達史」や「世界盲人百科事典」などの貴重書を収集。館内での閲覧はもちろん、当館ボランティアの方には貸出もしています。今春移設したため一部整理中ですが、いつでもお気軽に覗いてください。詳しくは3階総務係へどうぞ。 ○ボランティア保険について  当館のボランティアとして活動されている方は、館の責任でボランティア保険に加入しています。掛金は当館が負担し、毎月更新しています。館内での活動中はもちろん、ご自宅から一歩外に出て、当館との往復途上で事故に遭ったり、けがをされた場合も保障の対象になります。万一けがをされた場合は、所属係か3階総務係までご遠慮なくご連絡ください。 ○警報発令時のボランティア活動について  当館では、大阪府内(一部でも)に「気象警報」が出た場合、以下のようにボランティア活動と館内サービスを休止します。荒天でなくても交通機関が止まり、来館・帰宅が出来なくなることもありますので、ご協力をお願いします。  @午前7時に警報が出ている場合=午後1時まで休止  A午前10時に警報が出ている場合=午後1時以降休止  B午前10時以降に警報が出た場合=警報が出た時点で休止(開館中に警報が出た場合は、往復路の危険性や、その後の見通しを判断した上で、対応を決めますので、館内放送や各部署の職員の指示に従ってください。)  Cその他、館長が危険と判断した場合は休止することがある。 ○3階休憩室をご利用ください  3階(総務フロア)の奧は休憩室です。狭いですが18席分のテーブルがあります。ボランティア、利用者、(職員)が自由にお使いいただけます。お食事や休憩にお気軽にご利用ください。 ≪センターのページ≫ 2015年度もよろしくお願いします〜職員のご紹介  今年度の職員配置をご紹介します。どうぞよろしくお願いいたします。 ◆専務理事・館長・部長 橋口勇男 (専務理事) 竹下 亘 (館長) 岡田 弥(サービス部長) 久保田 文(製作部長) ◆3階 総務フロア 林田 茂主幹、今村竹志 曽禰一子、加治川千賀子、工藤ゆう(音声解説) 正井和子、西井敦子(共に全視情協事務局)     ◆5階 サービスフロア 香川紀子主任、前北純弥、松本一寛、江島英夫、笹田大介、中山勝巳、上見美智子 佐々木順子、花田潤子、竹田幸代、原田美貴、川口千代     ◆6階 録音製作フロア   岡本 昇主任(盲導犬カリム)、米村孝子、後藤恵里奈、小西美希、神林 文        ◆7階 メディア製作センター 岡村佳子主任、稲継基子、赤井智子、越智 寛、原 彰、林 昇、伊藤真資      ◆8階 点字製作フロア 奥野真里主任、小原二三夫、稲田久美 土橋貞子 児玉智子(MMD)、長本 幹(MMD) 瀧沢彰子(MMD) ※MMD:マルチメディアデイジー(電子書籍)担当     ◆アルテビル分館 図書・情報係 谷口由紀主任、福田直樹、木田陽子、樋口あゆみ、中川亜希子、杉原佳子(整理・情報) 情文と連携し、特色ある情報提供サービスの展開を目指して 早川福祉会館点字図書室のご紹介  当法人では、2010年度から大阪市の委託を受け、大阪市立早川福祉会館点字図書室(東住吉区)の運営を行っています。現在、11人の当法人職員が勤務し、情報文化センター(以下、情文)とも連携して、特色ある情報提供サービスを展開しています。数又(かずまた)幸市(こういち)室長からご紹介します。 早川福祉会館とは  シャープ株式会社の創業者である故早川徳次氏のご寄付を基に、大阪市が1962年(昭和37年)、建設した福祉施設です。幼くして奉公に出された徳次氏を奉公先に連れて行ってくれたのが、近くに住む全盲のおばあさんでした。その日を「生涯の門出」とした徳次氏は、事業成功後もその手のぬくもりを忘れることがなかったといいます。徳次氏は「事業で社会へ奉仕する」という信念のもと、1944年(昭和19年)には、日本ライトハウスと協力して視覚障害者等の就労の場である「早川分工場」も創設しました。早川福祉会館には、このように深い由緒があるのです。  現在の建物は1993年(平成5年)に建て替えられた4階建で、早川福祉会館点字図書室と他の1団体が入居しています。場所は東住吉区役所の直近で、御堂筋線西田辺駅と谷町線駒川中野駅の中間、共に徒歩10分ほどの所にあります。 ボランティアグループの自主的な活動に協力  点字図書室は3階にあり、書庫と貸出窓口のほか、録音スタジオ7室、編集室4室、対面読書室3室などがあります。情文と違う点は、点訳・音訳グループが2つずつあり(早川点訳グループ、サークル・ブックエンド、早川音訳グループ、音訳グループ夕星(ゆうづつ))、約380人のボランティアの皆さんが自主的に活動し、職員が全面的に協力するという形を取っていることです。  会館には無料で利用できる会議室も大小5室あり、各グループは定期的な勉強会や打ち合わせを開催しながら、スキルの向上を図り利用者への情報提供に尽力しています。 多様・多数のプライベート製作依頼に対応  利用者サービスでは、情文と同様、点字・録音図書や雑誌の貸出や対面読書などを行っていますが、特徴的なのは、利用者の方からの個人的な依頼に対応するプライベート製作の件数が年間数百件と、他施設と比べて断然多いことです。依頼内容は多岐にわたり、時にはビジュアルな資料で、高い技術と手間の必要なものもありますが、ボランティアの皆さんは、より迅速な提供のために、蔵書製作と並行しながら対応してくださっています。 独自の役割を果たして、事業の継続・発展を  点字図書室事業は大阪市からの委託事業です。現在、大阪市の委託契約期間は1年単位となっており、事業の継続を心配されるボランティアの方もおられます。しかし、前述のプライベート製作をはじめ、多くの視覚障害者の方々に必要とされ、役立っていることは無視できない事実です。またライトハウスが事業を受託し、情文と連携することにより、他にはできない総合的なサービスを展開することも可能です。  今後もボランティアの皆さんと力を合わせて、研修や情報を共有しながら、提供情報サービスの充実・発展に努めていきたいと思います。  ところで、1階にある喫茶「ほほえみ」の日替わりランチは、ボランティアさんにも大人気です!ここでの語らいが活動の潤滑油になっているのかもしれません。皆さんも一度足を運んでみてください。 ≪報告のページ≫ ○一ツ橋綜合財団より多額のご助成 公益財団法人一ツ橋綜合財団(相賀昌宏理事長)では、2005年度から当館の事業をご支援くださっていますが、今年度も多額のご助成を賜りました。特に当館の「マルチメディアデイジーとシネマ・デイジーの更なる充実」に向けて活用するようにというご趣旨です。ご厚志に心から感謝するとともに、この分野の製作・サービスをさらに発展させていきたいと思います。 ○17年ぶりに専門点訳・東洋医学コース  当館では、公益財団法人毎日新聞大阪社会事業団のご助成により、1987年から毎年専門点訳・音訳講習会を開講し、延べ97コース、受講者は1,580人に達しています。今年度は5月に専門点訳・東洋医学コースが始まり、音訳ボランティアの聴講生も含め22人が参加しました。このコースは17年ぶりの開催で、今回、元大阪府立視覚支援学校の阪本圭一先生が講師をお引き受けくださったために実現しました。8月まで12回の講習が行われます。 ○録音製作係とMSCで人事異動  6階録音製作係の後藤恵里奈主任が家庭の事情で常勤できなくなったため、4月から主任を下り、非常勤の勤務となりました。そのため7階メディア製作センター(MSC)の小西美希(みき)職員を録音製作係に異動し、MSCの新任職員に稲継基子(いなつぎ・もとこ)を採用しました。今後も両係の連携を強めて、当館の録音製作を推進していきますので、よろしくお願いいたします。録音関係の職員の顔ぶれは本誌2〜3頁の写真でご確認ください。 あゆみ 【5月】 7日 ボランティア友の会世話人会 9日 視覚障害者ICTサポート講習会開講、オープンデー(館内見学日) 12日 専門点訳講習会「東洋医学コース」開講 29日 企業・団体職員向けオープンデー 30日 わろう座映画会「雨あがる」 予定 【6月】 3日 近畿視情協総会 4日 ボランティア友の会ガイド体験会 5日 見学:点訳ボランティア「ルレット」 6日 日本点字委員会総会(〜7日、当館) 12日 見学:甲賀市視覚障害者福祉協会 18日 全視情協総会・新任施設長研修会(〜19日、東京、竹下) 25日 日本盲人社会福祉施設協議会・全国大会(〜26日、福島市、竹下、岡田、久保田) 27日 視覚障害リハビリテーション研究発表大会(〜28日、福島市、岡田、久保田、花田、瀧沢) 編集後記 我が家ではこどもたちの寝る前に本の読み聞かせが習慣になってます。上の息子は小学4年生ですが3歳ぐらいからほぼ毎日ずっと今に至っています。沢山の本に触れさせてくれる妻にはつくづく感謝です。なので寝室の布団のまわりは本だらけで、今は『長くつ下のピッピ』がありました。この本を好きな人は多いんじゃないでしょうか? 大人の世界に疲れた時、めちゃめちゃ元気にしてくれますよね(茂) =ONE BOOK ONE LIFE 2015年6月号= 発 行 社会福祉法人日本ライトハウス      情報文化センター(館長 竹下 亘) 住 所 大阪市西区江戸堀1-13-2(〒550-0002)     TEL 06-6441-0015 FAX 06-6441-0095     E-mail info@iccb.jp 表紙絵 武部はつ子 発行日 2015年6月1日 定 価 1部100円 年間購読料1,000円