「読書」目の見えないかた・見えにくいかたの情報誌  2023年2月号(第51巻第2号)  発行 社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター  電話 (火から土曜日)  図書貸出 06−6441−0139  サービス全般 06−6441−0039  休業日 日・月・祝日、第2木曜日、年末年始・夏期  その他 (総務)06−6441−0015  ◆もくじ  1.ひごばしニュース  2.グッズサロン お役立ち情報  3.お役立ち本棚  4.情報カフェ  ◆2月から3月の休館について  2月9日(第2木曜)=エンジョイ!グッズサロンと図書貸出は書庫・在庫整理日のため休室。  2月11日(土)、2月23日(木)=祝日のため全館休館。  3月3日(金)=日本ライトハウス創業100周年記念式典のため全館休館させていただきます。  ◆当館のサービスご利用について  @エンジョイ!グッズサロンと図書貸出=ご来館の際は必ず事前予約をお願いします。開館・電話受付時間は10時から16時30分。  A対面リーディングサービス=Zoom(ズーム)を使い、2部屋に分かれて実施中。  B会議室貸出と会議室での行事=定員2分の1以下で実施中。  ●来館時のお願い  @来館時に体温を測らせていただきますが、お出かけ前に体温を測り、平熱よりも高い時や体調が優れない時は来館をお控え下さい。  A来館時は、石鹸によるこまめな手洗いと手指消毒をお願いします。  B不織布マスクの着用。  1.ひごばしニュース  ◆当館の点訳・音訳等ボランティア活動のご紹介  館長 竹下亘(たけした わたる)  先月号に掲載した新年のご挨拶で、私は「視覚障害者等の読書を支えている全国数万人の点訳・音訳等のボランティアが減りつつある今、後継者を育て、その活動を支援するために、点訳・音訳を中心とする文化とその価値を社会に知らしめ、光を当てることが必要だ」と書きました。  今回は、当館で行われているボランティア活動について少し詳しくご紹介したいと思います。  当館では毎年、点訳・音訳をはじめとするボランティア講習会を多数開催しています。点訳者・音訳者を育成する基礎的な講習会から、古典や英語、東洋医学や理数、図表や点字楽譜といった専門講習会、そして音声解説や電子書籍の研修会、グループ別勉強会などを含めると30余りに上ります。  ちょうど今、4月から開講する点訳・音訳ボランティア養成講習会の募集を行っているところですが、その概要は以下の通りです。  ●点訳  初級コースは、20人余りの応募者を漢字などのテストで定員12人に絞り、5月から7月に1回2時間、全11回実施。テストを行った上で、中級コースに入り、9月から12月に1回2時間、全13回開講します。  カリキュラムは、視覚障害者理解の講義と館内見学を交えながら、初級が点字の五十音と仮名遣い、数字・アルファベット、自立語と複合語、固有名詞、記号類。中級では点字の読みかたと分かち書き、写真・イラスト・漫画、図・表(ひょう)、表紙・目次・奥付などを学習。  中級後半までは点字盤を使い、最終段階でパソコン点訳の実習を始めます。それ以降は、実際に点訳・校正作業をする中で先輩や職員の指導を受けて、実技を身につけていただきます。  ●音訳  音訳は「1、2、3」の3講座があり、1回2時間の講習を15回から25回実施。全部を修了するのに約2年かかります。応募者は点訳に比べて多く、数十人を漢字の読みやアナウンステストなどで12人に絞り、開講します。  カリキュラムは点訳同様、視覚障害者理解の講義と館内見学を交えながら、「1」が発声、発音、滑舌、アクセント、鼻濁音などの基礎練習の後、読みの実践練習。「2」は音訳ボランティア活動の実際やアクセント辞典の使いかた、調査(下調べ)を学びつつ、音訳実践練習を12回。「3」は記号・漢字・図・表などの音声変換処理、パソコンとソフトを使用した録音技術を学び、実際に録音雑誌の音訳などにも参加します。  このようにして毎年10人弱のかたが点訳・音訳活動に入り、点訳約120人、音訳約180人のボランティアが活動していますが、その後も絶えず技能の向上に努めています。  こうした点訳・音訳等のボランティア活動の心構えや技術について、点訳活動歴52年目の澤田祐子(さわだ ゆうこ)さんと、音訳歴39年目の久保洋子(くぼ ようこ)さんの対談をご紹介します(当館発行「ワンブックワンライフ」2022年11月号掲載)。  (ここから)  Q.伝えていきたい点訳技術、音訳技術とはどのようなものだと思われますか?  久保  原本の内容を、私たちが読むのと同じように利用者に伝わるように作る、それに尽きると思います。そのためにも、利用者と同じように音声で本を読む体験をして、誰のために読んでるのかを常に意識してほしいです。音訳を始めようと思ったら、1冊や2冊は音で本を読んでみること。それも小説とかではなくて、ちょっと理屈っぽいものを。音だけでどういう風に理解できるのかなっていうのを、やってみる必要があると思います。  澤田  点訳も同じです。点字で読んだ時にどうなのかを考えるっていうのが、とても大事。実際に点字に触れてみれば、全部の点字を触らないとわからないんだ、とか図の中の点のちょっとしたズレや点間の長さでわかりにくくなるんだっていうことがわかるのよ。点訳も音訳も、ボランティアが、これは目の見えない人が聞いたり触ったりするものなんだっていうことを最近忘れちゃっているように思います。これは、視覚障害の人にとっては困った状態になりつつあるということですよ。  (ここまで)  皆さんにご利用いただいている点字・録音図書や雑誌、シネマ・デイジー、電子書籍、対面リーディングなどが、こうしたボランティアの絶えまない研鑽と昼夜を分かたぬ努力で作られているということを覚えていただければ幸いです。  ◆第60回ニポラチャンネルを更新  当館では、YouTube(ユーチューブ)に「ニポラチャンネル」という番組を開設し、最新機器や用具の情報などを随時発信しています。この度、第60回を更新。ゲストトーク第2弾として点字毎日記者の佐木理人(さき あやと)さんにご出演いただき、佐木さんが使っているiPhoneアプリの中から生活や仕事で活用しているベスト3を紹介しています。  1つ目は「モバイル Suica(スイカ)」です。アップルウォッチと連動させて、鉄道の改札を腕時計をかざして簡単に通ったり、キャッシュレス決済にも使用したりしているとのこと。定期券や切符、お金の出し入れがないのでとても便利です。  2つ目は「どこでもディーガ」です。これは自宅のパナソニックのテレビ(ディーガ)と連動して使えるアプリです。番組をダウンロードしておけば、いつでも・どこでもスマホで視聴できますし、スマホをテレビとしても使えるので、家族と違う番組を同時に見ることも可能。防水タイプのスピーカーを使って入浴中にテレビを聴くこともあるそうです。ただし、スマホでテレビを視聴すると音声解説機能が使えないので、今後のバージョンアップに期待。  3つ目は「Apple Podcast」です。ポッドキャストは、ニュースや趣味、バラエティーなどさまざまな番組がラジオのように楽しめるサービスです。佐木さんは朝の通勤時にNHKニュースなどを聴いたり、空いた時間に好きな番組を聴いたりしているそうです。利点は、聴く時の速度を変えられるので倍速で聴けることや、番組が豊富なことだということでした。  興味のあるかたは、ぜひYouTubeの「ニポラチャンネル」をご覧になって下さい。  ※当館のホームページでは、「ニポラチャンネル」の一覧表のページも設けています。ゲストトーク第1弾は、第51回・神戸アイセンターネクストビジョンのワキチさんです。  2.グッズサロン お役立ち情報  お申し込み・お問い合わせは、エンジョイ!グッズサロン(電話06−6441−0039)まで。  (1)商品情報  ◆遮光眼鏡「C-Clip(シークリップ)by STG」  普段お使いのメガネの上から取り付けられるクリップオンタイプの遮光眼鏡です(発売元 東海光学)。  まぶしさの原因となるブルーライトを効果的にカットし、コントラストを強調。フレームの側面にはカバーがあり、横方向の光も遮られます。レンズカラーは26色、フレームサイズは1種のみ。価格 8,800円(税込)  ※メガネの上から装着する商品のため、単品でのご使用はできません。また、お使いのメガネの大きさ・種類によっては、適さない場合があります。  ◆価格変更のお知らせ  発売元の価格変更に伴い、販売価格を以下のように変更します。ご了承下さい。  セイコー「トークライナーDA206」 価格 9,900円(税込)  ◆「プレクストーク」生産終了品の修理・サポート終了予定について  「プレクストークPTR2」「PTN2」のメーカー修理・サポートが、本年2月末日で終了となります。動作の不具合等で修理を検討中のかたは、お早めにプレクストークサポート窓口(電話050−5804−1177)までご連絡下さい。  なお、「プレクストークPTR2」のバッテリーの交換対応は、既に終了しております。  (2)講習会・体験会情報  ◆iPhone(アイフォン)に触ってみませんか  ガラケーからiPhoneに機種変更を検討されているかたを対象にした30分の無料体験会です。  ジェスチャーと言われる基本操作や声で操作するSiri(シリ)、便利なアプリをご紹介します。体験ではボイスオーバー(画面読み上げ機能)を使用します。  iPhoneへの機種変更で迷っている皆さん、ぜひ30分の無料体験をご活用下さい。  開催日 2月28日(火)、3月23日(木)  時間  13時から13時30分  13時40分から14時10分  14時20分から14時50分  15時から15時30分  15時40分から16時10分  定員 各回1人(先着順)  対象 iPhoneに機種変更、または新規契約を検討されているかた  ◆パソコンや電子機器の操作方法の個人講習のご案内  エンジョイ!グッズサロンでは、視覚障害スタッフがパソコンやiPhone、iPadなどの操作方法の有料個人講習を実施しています。また、来館講習の他にZoomを活用したオンライン個人講習もおこなっています。遠方にお住まいで来館の難しいかたでも、自宅で受講できます。講習内容や接続方法等、ご希望や不明な点は、お気軽にご相談下さい。  講習は1コマ90分2,000円で、予約制です。ご希望のかたは、エンジョイ!グッズサロンまで電話でお申し込み下さい。  3.お役立ち本棚  お問い合わせ・お申し込みは、貸出窓口(電話06−6441−0139)まで。  ◆3月の「サピエ」メンテナンスについて  3月20日(月)から24日(金)午前10時まで、サーバ交換・改修のため、サピエ図書館の利用ができなくなります。オンライン・リクエストによる他館からの取り寄せやダウンロードもできなくなりますので、ご注意下さい。  当館の貸出も、予約もできなくなりますので、在庫があるもののみとさせていただきます。読みたい本があれば、それまでにご依頼いただきますよう、お心積もり下さい。詳細は3月号でもお知らせします。  ◆お役立ち目録「お酒を愉しむ」  お酒が好きな人も、苦手な人も。飲んで愉しみ、知って楽しむ。歴史にまつわる話から、流儀や作法、健康的な飲みかた、文豪によるお酒エッセイまで、ぜひ自己流で嗜んで(たしなんで)みて下さい。  目録は点字版、音声デイジー版、墨字版があります。ご希望のかたには無料でお送りします。  4.情報カフェ  ◆大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏会にご招待  大阪フィルハーモニー交響楽団では、3月17日(金)19時から北区のフェスティバルホールで行われる定期演奏会に当館の利用者5組10人をご招待します。  今回はカーチュン・ウォンの指揮、パトリツィア・コパチンスカヤのヴァイオリンで、ハルトマンの「葬送協奏曲」、ラヴェルの「ツィガーヌ」、ベルリオーズの「幻想交響曲作品14」を演奏。  お申込みは必ず郵便で(点字可)、住所、氏名、電話番号を明記し、2月15日(水)までに当館大フィル係(〒550−0002大阪市西区江戸堀1−13−2)までご応募下さい。結果発表は招待券の発送(2月17日の予定)をもって代えさせていただきます。  ◆「視覚障害者雇用の未来を考えるフォーラム」の録音を公開中  視覚障害者就労相談人材バンクでは昨年11月、オンラインで開催した第4回神戸発、視覚障害者雇用の未来を考えるフォーラム「視覚障害者の就労の可能性について語ろう」の録音をYouTubeで公開しています。  第1部の就労継続体験発表では、3人の視覚障害者から副業の可能性、全盲の保育士としての可能性通信営業職の可能性について、非常に積極的な実践報告が行われました。第2部のパネル・ディスカッションでは、当事者や企業・福祉施設・医療関係者など5人のパネリストを中心に活発な意見交換が行われました。1部、2部とも約90分。  YouTubeで「第4回神戸発、視覚障害者雇用の未来を考えるフォーラム」と検索すれば、上位に表示されます。  ◆「爪の手入れ」の実習体験イベントを開催  視覚障害者を対象に、機能的で衛生的な爪の手入れ方法を伝え、ネイルのおしゃれに挑戦する機会を提供する「“美クエスト”イベント〜視覚障がいと爪の手入れ」(チームつぼみ主催)が当館4階会議室で開かれます。  内容は、@削りかたを伝え、適正な長さを提案した上で、参加者自身が爪を削る。A水性ネイルの説明と体験。希望者には販売。B感想や改善等のアンケート。  実施日時は2月25日(土)10時、11時30分、13時30分、15時の4回、各1時間。 定員は各回3名。参加費無料。爪やすりをプレゼント。  お問い合わせは電話070−8909−6673の塩田史佳(しおた ふみか)さんへ。もしくは次のEメールまで。 tsubominail@gmail.com  ◆関西電力からのご案内  いつもご愛顧いただき、ありがとうございます。  さて、近頃、関西電力を装い、コロナウイルス感染症を理由に、個人情報を聞き出そうとする事象等が発生しております。十分にご注意いただきますようお願いいたします。