「読書」目の見えないかた・見えにくいかたの情報誌  2020年1月号(第48巻第1号)  発行 社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター  電話(火〜土曜日の10時〜16時30分)  図書貸出 06−6441−0139  サービス全般 06−6441−0039  休業日 日・月・祝日、第2木曜日、年末年始・夏期  その他(総務) 06−6441−0015  ◆もくじ  1.ひごばしニュース  2.便利グッズ紹介  3.お役立ち本棚  4.情報カフェ  ◆1月の休館について  1月7日(火)=すべてのサービスを再開します。仕事始めは6日(月)です。  1月9日(第2木曜)=図書貸出と5階サービスフロアはサービス休止(書庫・在庫整理日)  1月14日(火)=図書貸出と5階サービスフロア休室(13日月曜指定祝日の振替)  1.ひごばしニュース  ◆新年のご挨拶〜点字図書館の利用対象者拡大を目指して  館長 竹下亘  新年おめでとうございます。皆様の当館に対する日頃のご利用とご支援に感謝するとともに、本年が皆様にとってより良い年となりますようにお祈り申し上げます。  昨年は、「読書バリアフリー法」(視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律)が6月に施行されました。11月には、2020年度から5年間の具体的な施策作りのため、文部科学省と厚生労働省の主管で、関係16団体による「協議会」が開かれ、私も全視情協の代表として参加しました。  そこでは、点字図書館と公共図書館等の整備、サピエの強化、出版者による電子書籍出版と図書データ提供の促進、情報通信機器の開発・入手・習得支援などについて意見発表と討議が行われました。  私が特に訴えたのは、点訳・音訳ボランティアの養成・活動支援とサピエの運営費の増額による利用者協力金の無償化などでしたが、他の複数の障害者団体が異口同音に求めたのは、身体障害や読み書きに困難のある人たちにも録音図書や電子書籍、そしてサピエや点字図書館を利用できるようにして欲しい、という要望でした。  この要望については、本来、障害の有無を問わず、すべての人に開かれている公共図書館に「障害者サービス」を広めることが第一ですが、それとともに、全国の点字図書館も利用対象者の拡大に努める必要があると思いました。  当館では、以前から障害者手帳の有無に関わらず、視覚に障害のあるかたには用具や機器の利用相談をはじめ、図書の貸出や対面リーディング、サピエの利用登録を行っています。また文字の読み書きが困難なかたや身体障害のかたにも、録音図書の来館貸出やサピエの利用受付を行っています。  ところが、全国の多くの点字図書館では、身体障害者福祉法や設置自治体の規定、あるいは点字図書館の職員や予算が足りないという理由で、障害者手帳を持つ視覚障害者以外の利用は受け付けないという所が少なくありません。確かに、点字図書館が視覚障害者のサービスを優先するのは当然ですが、録音図書や電子書籍の恩恵を墨字の読書が困難な人と分かち合うこともまた望ましい姿だと思います。そこで、今後は、国や地方自治体に制限規定の改正や予算増加を求めつつ、点字図書館の利用対象者の拡大に取り組んでいきたいと考えています。  ところで、私は12月、山口県のボランティア団体の招きで講演に行きました。主催者から夕食に誘われた際、「食事は色々な物を、皆で『おもやい』で食べましょう」と言われ、意味が分かりませんでした。辞書で調べると、「おもやい(もやい)」とは「分かち合う」「寄り添って共同で事を行う」という意味の方言で、「傘をおもやいでさす」「きょうだいで服をおもやいにする」のように使われるとのこと。使用例は江戸初期に遡り、今も山口県などで使われているようです。  これまで、私は「情報共有」という言葉を基本理念に掲げて来ました。しかし、長い年月、人々が日常生活で言い慣わしてきた「おもやい」という言葉は、「共有」よりも温かくて、深みがあり、心に響くように感じました。今年は、この言葉を心に刻み、すべての人が図書をはじめとする情報を「おもやい」できる社会を目指して、努力していきたいと思います。  ◆プライベート製作・受付窓口のご案内  当館では、大阪府在住・在勤・在学の個人のご依頼に応えて、図書や書類を点訳、録音、テキストデータ化しています。このお申込み、お問い合わせは、サービス部(電話06−6441−0039)まで、「プライベート製作について」とお伝え下さい。  ◆中山UD映画祭 Vol.5「岳(がく)」のご案内  今年度の中山UD映画祭に、当館の利用者10組20人をご招待します。作品は、当館でおこなった上映体験会でもご好評を頂いた「岳」です。映画は音声ガイド・日本語字幕付きで上映します。  日時 2020年1月24日(金)12時開場、13時開演  会場 ピフレホール(神戸市立新長田勤労市民センター 別館3階)  参加費 無料  作品情報 人気コミック「岳みんなの山」を原作に、山岳避難救助をリアルに描いたヒューマンドラマ。山岳救助ボランティアの島崎三歩(さんぽ)が暮らす山に、長野県警山岳救助隊に新しく配属になった椎名久美(しいな くみ)がやってくる。久美は三歩の指導の下、着実に成長していくが、自身の未熟さや厳しい自然の猛威により遭難者の命を救うことができない日々が続く。そんな折、猛吹雪の雪山で多重遭難事故が発生する。  お申込みはお電話で。1月9日(木)9時15分から1月16日(木)16時までに、当館総務係(電話06−6441−0015)まで。定員に達し次第、申込みを締め切らせていただきます。  2.便利グッズ紹介  お申し込み・お問い合わせは、サービス部(電話06−6441−0039)まで。  (1)商品情報  ◆「OrCam」(オーカム)が値下げ  AI視覚支援装置「OrCamMyEye(オーカムマイアイ)2」の価格が498,000円(非課税)に値下げされました。それに伴い、文字の読み上げに機能を絞った「OrCamMyReader(オーカムマイリーダー)2」も248,000円(非課税)に値下げとなりました。いずれも、同時にソフトウェアがバージョンアップされ、さらにハードウェアも新しくなります。詳細につきましては、サービス部までお問い合わせ下さい。  ◆期間限定・特別価格販売商品のお知らせ  1月31日までの期間限定で、以下の3点を特別価格で販売中です。年始のお年玉、贈り物などにいかがでしょうか。ご希望のかたにはプレゼント用包装もいたします。  ●3種類の音の鳴る壺を使った記憶と音のボードゲーム「アラビアの壺」=価格6,800円を3,400円(税込)。  ●ロービジョン向けのデジタル置時計「セイコー・見やすい電波時計」=価格 大 8,800円を4,400円(税込)。小 5,500円を2,750円(税込)。  ●お化粧しやすい、幅の広い末広筆(すえひろふで)等がセットになった「メイクブラシセット」=価格4,750円を2,370円(税込)で。  ◆販売終了のお知らせ  軽金属製のアルミ4段ケーン、および書籍「やさしい英語点字入門改訂版」は販売終了となりました。ご了承下さい。  (2)講習会・体験会情報  参加ご希望のかたは、事前にご予約をお願いします。参加費は記載がない限り無料です。  ◆2020年2月のICTサロン〜iPhoneアプリ機能活用講習会  今回はiPhoneをお持ちのかた向けにアプリの活用講習会を行います。カメラ機能を使用して文字認識、紙幣識別、物体認識などを行うアプリや、デイジー図書をダウンロードして再生するためのアプリ、商品などを識別・整理するためのモノタグアプリも取り上げる予定です。有料アプリはご紹介のみになりますが、ご了承下さい。  「iPhoneは持っているけどもう少し活用の幅を広げたい」「ほかのiPhoneユーザーがどんなアプリを使っているのか知りたい」というかたもぜひご参加下さい。講習会では、読み上げ機能のボイスオーバーを使用します。  なお、当日は機器のご用意はありませんので、ご自身のiPhoneを必ずご持参下さい。  日時 2020年2月15日(土)13時〜16時  場所 当館4階 会議室  定員 6人(先着順)  なお、1月11日(土)開催のWindows Media Player講習会、および1月25日(土)開催の iPhone体験会は定員に達したため、キャンセル待ちでの受付となっています。ご了承下さい。  ◆ブレイルセンスシリーズ体験会  エクストラから発売されている点字ディスプレイ「ブレイルセンスシリーズ」の体験会を行います。お申込みの際に、ご希望の機種をお伝え下さい。  日時 2020年1月24日(金)13時、14時、15時、16時の4回  定員 各回1人。各回50分で個別に体験していただきます。  ◆パソコンや電子機器の操作方法の個人講習について  サービスフロアでは、視覚障害スタッフがパソコンや iPhone、iPadなど、情報機器の操作方法の個人講習を行っています。予約制で料金は2時間(準備、片付も含め)2,000円です。音声ソフトの使いかたがわからない、iPhone、iPadの機能を知りたいなど、素朴な疑問にもお答えします。ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。  3.お役立ち本棚  お問い合わせ・お申し込みは、貸出窓口(電話06−6441−0139)までご連絡下さい。  ◆お役立ち目録「人付き合いのヒント」  今月号では、マナーや冠婚葬祭、トラブルをさける心がまえなどにまつわる作品をご紹介します。目録は点字版、デイジー版、墨字版があります。ご希望のかたには無料でお送りします。  ◆有料雑誌などの購読料について  当館では、『週刊新潮』や他府県のかたへの『読書』のご送付など、一部の雑誌については年間購読料を頂いてお送りしています。購読料のお振り込みが長期間確認できない場合には、送付を中止させていただきますので、ご了承下さい。購読再開の手続きなど、お問い合わせは図書貸出係(電話06−6441−0139)までご連絡下さい。  4.情報カフェ  ◆大阪フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会にご招待  大阪フィルハーモニー交響楽団では、2月21日(金)19時から北区のフェスティバルホールで行われる定期演奏会に当館の利用者5組10人をご招待します。今回は秋山和慶(あきやま かずよし)の指揮、辻彩奈(つじ あやな)のヴァイオリンで、チャイコフスキーの交響曲第1番ト短調作品13「冬の日の幻想」、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番ト短調作品63他を演奏。  お申込みは必ず郵便で、住所、氏名、電話番号、点字プログラム希望の有無を明記し、1月17日(金)までに当館大フィル係(〒550−0002大阪市西区江戸堀1−13−2)まで。結果発表は招待券の発送(1月25日の予定)をもって代えさせていただきます。  ◆読書バリアフリー法に関する最新情報の講演会  近畿視情協の今年度職員研修会「どう変わる!読書バリアフリー法施行後の図書館サービス」が2月6日(木)13時〜16時30分、東大阪市の大阪府立中央図書館2階大会議室で開かれます。日本図書館協会障害者サービス委員会関西小委員会・杉田正幸(すぎた まさゆき)委員長の「法律の目的とその内容」、文部科学省学校図書館振興室・荒木正寛(あらき まさひろ)室長補佐の「基本計画の内容と関係予算等」、全視情協・竹下亘(たけした わたる)理事長の「点字図書館への影響と今後の施策」、専修大学・植村八潮(うえむら やしお)教授の「電子書籍をめぐる動向」が行われます。参加費は無料ですが、事前申込みが必要。電話06−6441−0015の当館内、近畿視情協事務局まで。  ◆「チキンガーリックステーキ」出演の新春コンサート  社会福祉法人つむぎ福祉会の第25回つむぎ新春コンサートが2月1日(土)16時から大阪市中央区のドーンセンター7階ホールで開催。今回は、日本初のアカペラグループ「チキンガーリックステーキ」が出演し、「上を向いて歩こう」「糸」「与作」などをうたいます。入場料は、中学生以上前売2,500円(当日3,000円)他。障害者手帳のあるかたの介助者は無料。お申込みは、電話06−6625−8253のつむぎ福祉会まで。