日本ライトハウス情報文化センター   「ワンブックワンライフ」2020年12月号   <<表紙イラスト>> クリスマスのイラスト 大きなツリーを飾っている部屋の鏡台でお父さんが大慌てでサンタの姿に変身中。 サンタクロースの衣装を着て「早くサンタにならなくちゃ・・・!!」と、鏡を見ながら白いあごひげを付けています。 小さな男の子はニコニコ笑顔で嬉しそうに、お母さんはにっこり笑顔で「大変ねっ・・・」と見守っています。 そんな家族の様子を鏡台の裏手からポチも見ています。    <<目次>>   ●掲示板(1頁)   ●センターの頁(2頁)   ●ボランティアの頁(3頁)   ●感謝報告(4〜7頁、別ファイル)   ●報告の頁(8頁)  以下は本文です。   ●掲示板(1頁)  ◆英語点訳の新ルールUEBをブラッシュアップ  毎日新聞大阪社会事業団と当館では、専門点訳講習会UEBレベルアップコースを開講します。これまでに寄せられた点訳者の質問を取り上げながら、わかりやすく解説します。受講方法は、会場参加とZoomを使ったオンライン参加を選んでいただけます。   日時 2月10日(水)・24日(水)の2回連続、午前9時45分〜11時45分  講師 福井哲也氏(点字情報技術センター所長)  対象 UEB点訳の経験者か学習された方  受講料 1,000円  申込締切 1月23日(土)  会場参加定員 10人  お申込みは実施要項を請求の上、点字製作係(電話06-6441-1028)まで。  ◆5階サービスフロアへのご来室はご予約を  当館5階サービスフロアでは、11月からエレベータで直接入室できるようにしましたが、フロアの「密」を避けるため、事前予約をお願いしています。ボランティア活動や講習会で来館される皆様も、5階へご用の際は、来館後でも結構ですので事前予約をお願いいたします。  ◆点訳ボランティアの方はぜひご視聴ください  前号でお伝えした通り、当館では、「日本点字誕生130周年記念講演会〜点字の未来に向かって」を開催します。インターネット配信を中心に、館内での視聴も出来ますので、点字製作係のボランティアの方はぜひご参加ください。  日時 12月12日(土)13:30〜15:30  講演 小学生と大学生、中途視覚障害で点字を習得された熟年の方など点字愛読者数人の講演  視聴方法 点字製作係のボランティアの皆さんには、係からメールや電話でご連絡します。それ以外で視聴をご希望の方は、Eメールで、tenji@iccb.jpへお申し込みください。  ◆12月と年末年始の休館・休室について  12月10日(第2木、書庫・在庫整理日)=5階サービスフロアと図書貸出サービス休止  12月24日(木)=サービス最終日  12月26日(土)=仕事納め(ボランティア活動の最終日は各係でご確認ください)  12月27日〜1月4日=全館休館  1月5日(火)=仕事始め  1月6日(水)=ボランティア活動・サービス再開    <<センターの頁>>(2頁)   ●「日本ライトハウス展2020」をオンラインで開催   トークイベントに1,075人、YouTubeの視聴回数は1万3千回超え  当館では、10月1日から「日本ライトハウス展〜全国ロービジョンフェア2020」(社会福祉法人読売 光と愛の事業団共催)をコロナ禍に対応してインターネットで開催。動画が見られるYouTubeを使い、出展32社の製品紹介「日ラ展(にちらてん)ちゃんねる」を3月末まで配信するとともに、11月1日と3日には、利用者も発言できるZoomミーティングと視聴のみのYouTubeライブで、出展者と利用者を結ぶトークイベント「どこまで言っても良(い)いん会」を行いました。日ラ展ちゃんねるの視聴回数は累計1万3千回を超えて今も増え続け、6グループに分けておこなったトークイベントは延べ1,075人もの方々にご参加いただき、好評を得ることができました。(サービス部長 林田 茂)  ◆色々な情報や意見、要望をオンラインで交換  トークイベントでは、出展品別に6グループに分け、各90分で、出展者からの情報や利用者の意見・要望を交換することができました。グループ別に印象に残った内容をお伝えします。  Aグループ(読書器・眼鏡・ルーペ関連)=音声拡大読書器について盛り上がりました。文字をテキストに変換して、読み上げる精度が上がったことから、現在では複数の機器が登場しています。ただし、文字の認識には、新聞やイラスト入りのチラシ、本の構成などにより上手く読み上げられないという課題も浮き彫りになりました。当館でも体験していただく時は、ご自分の読みたい物を持参していただくことをお勧めしています。また、拡大読書器を見やすくする方法として、遮光眼鏡を使用したり、部屋の明るさを調整する方法なども話題になりました。  Bグループ(歩行関連)=白杖を取り扱う出展者2社の他、それ以外の白杖も紹介しました。このグループでは「白杖にソナーやGPSなどの機能を追加してほしい」といった要望が挙げられる一方、「いろいろな情報が白杖から入ることで、本来の役割である杖先の情報がおろそかになり、安全性が保たれないのではないか」という意見も出ました。その他、信号機の色を判別できる機器の開発も紹介されました。  Cグループ(ウエアラブル関連)=ウエアラブルメガネは、AI(人工知能)を使い、文字認識ができる上、シーンプレビュー(風景認識)や色識別、顔認識も可能で、精度が日々バージョンアップしています。今後話題になるであろう新商品も目が離せません。一方、映し出された映像を遠隔地のボランティアと対話しながら情報確認できるリモートアシストのサービスも「安全性や人の温かみが感じられる」という意見が印象に残りました。  Dグループ(家電・生活用具)=「日ラ展ちゃんねる」でも特に関心が高いのは、パナソニックや三菱電機の家電製品でした。テレビやジャー炊飯器など音声ガイドが付いている商品もありますが、今後は家電自体に音声ガイドがなくても、スマホを使って確認・操作できる商品が増えてきそうです。個人的には、新しい音声タイマーが年明けに発売されそうなのも楽しみです。  Eグループ(PC・アプリ・音声読書[デイジー]・サピエ関連)=「これからはパソコンやデイジー再生機などの専用機よりもiPhoneやタブレットが主流になると思いますか?」というテーマについて話し合ったところ、「どちらかに偏るというよりも、それぞれの使い方や用途によって選択できることが増えていく」または「スマホなどと組み合わせて使われていくと思われる」といった意見が多かったです。スマホの使い方も話題になり、当館がYouTube上の「ニポラチャンネル」でスマホの操作や各種のアプリを紹介していることを改めてお知らせしました。  Fグループ(点字関連)=点字の重要性を再確認できました。特に公の広報物や資料は、正しい点字表記に則ることを求める一方、点字の裾野を広げる上では、あまり表記や分かち書きにこだわり過ぎず、気軽に使っていくことも、一つの考え方として挙げられました。また、点字を気軽に学習できる所が少ないことも課題ですね。その他、点訳図書を合成音声で読み上げさせる読書方法も話題になりました。  (写真)インターネットで配信されたトークイベントの映像(左は林田茂部長、右は松本一寛(かずひろ)主任)  ◆トークイベントの視聴者の感想  大阪・視覚障害者=生で視聴でき、今、みなさんとつながっていることがうれしく思いました。私は弱視で見えていたので、長く点字を遠ざけていましたが、仕事の必要性から勉強し、今はとても役立っています。  大阪・視覚障害者=今の段階の支援機器やサービスを最大限に活用するように、眼の不自由な多くの仲間にアナウンスし続けていきたい。今回のような機会を行政関係者にも周知し、さらなる支援体制の充足につなげていきたい。  匿名=とても良い企画をしていただきありがとうございます。全国どこからでも視聴ができてとてもわかりやすいトークイベントになっていて、感動しながら聞かせてもらいました。  匿名=トークイベントを感動しながら聴いたが、業者の方からもっと具体的な用具や機器の説明が聞きたかった。  関東・晴眼者=ウィズ・アフター・コロナに向け全国に先駆けた企画をしていただき、他の点字図書館にとっても参考になると思います。  長崎・視覚障害者=コロナ禍の以前から視覚障害者向けの機器や用具をこんなに知ることができる機会は今まで少なかったので、とっても助かっています。  ◆「日ラ展(にちらてん)ちゃんねる」をぜひご覧ください  今回の出展32社の製品を紹介した動画「日ラ展ちゃんねる」は、インターネットのYouTubeで、来年3月末まで自由にご覧いただくことができます。視聴される場合は、以下の方法が便利です。  @日本ライトハウス情報文化センターのホームページ(http://www.lighthouse.or.jp/iccb/)を開く。  A「【特設サイト】オンライン企画 日本ライトハウス展2020」に進む。  B「1.YouTube『日ラ展ちゃんねる』」の中の「動画一覧表は、こちら。」をクリックする。  皆さんもぜひ一度、ご覧ください。  なお、当館では視覚障害者機器やサービス等を紹介した「ニポラチャンネル」もYouTubeで次々に公開しています。こちらもぜひご覧ください。  (画像)YouTube 日ラ展ちゃんねるの冒頭    <<ボランティアの頁>>(3頁)   ●音声解説の素晴らしさと製作の苦労に感嘆の声   施設見学会として、音声解説付き映画の上映体験会を開催  当センターのボランティア友の会では、毎年秋に「施設見学会」を行い、研修と交流を深めています。今年はコロナ禍の状況の中で世話人会での協議の結果、工夫をして開催することを決定。外出はせず、当館会議室で当館のボランティアが作成した音声解説付き映画の上映体験会を実施しました。当日の様子を、友の会世話人の奥 幸子さん(録音製作係)に報告していただきます。  11月12日、音声解説付き上映体験会が情報文化センター4階会議室1・2で催されました。参加者は、さまざまな係で活動されているボランティア18人。映画は2016年公開の邦画「バースデーカード」。マスク着用・消毒確認の上、音声解説についての説明、「バースデーカード」上映、参加者全員による座談会を行いました。  ◆「視覚障害者は映画の中にいる」  音声解説担当の林田さん(サービス部長)から説明がありました。映画の主音声はそのままに登場人物の動作や表情などを解説すること。映画の映像を見て台詞だけを書き起こす「台詞おこし」から始まり、解説の原稿作り。ライトハウスでは音声解説サポートグループ「ボイスぷらす」のボランティアが2〜3人で1つの作品を担当し、半年から1年を費やすとのことです。「晴眼者は映画を外から見ている。視覚に障害のある方は映画の中にいる。映画を最初、登場人物・背景などを把握してから、目をつぶって見て欲しい」との助言を受け、居住まいを正していよいよ鑑賞へ…。  ◆「ボイスぷらす」の音声解説付き映画を鑑賞  上映する機材の操作は音声解説担当の馬場さん(総務係職員)。この映画の音声解説は「ボイスぷらす」のメンバー3人が担当し、その中のお一人がタイトルからエンドロールまでの解説ナレーションを担っています。10歳の時に亡くなった母から20歳まで毎年届くバースデーカードを通して、少女が大人に成長していくまでを描いた人間ドラマ。日本の美しい山や海、草原を背景に添えられた音声解説。温かみのある女性の声が映画に溶け込んでいます。エンドロール後の感動の拍手。そして座談会へ・・・。  ◆製作者と参加者の心が通い合った座談会  座談会では、「映像と解説がとてもマッチしている」「目を閉じて聞いていると自分もその中にいる感じがした」「以前に見た映画は解説が長く少しうるさい感じがしたが、今回はそのようなことは無かった」など、参加者全員が解説の素晴らしさに圧倒され、感動していました。ナレーションを担当した方から音声解説の手順を伺い、その作業の膨大さに皆が驚きました。「作り手の苦労を知っていただいた」とはにかみながら顔をほころばす姿にこちらもまた嬉しくなり…。会場はまるで映画の延長のように温かいものに包まれていました。  ◆上映体験会を終えて  検温・マスク・手指の消毒、距離、換気、職員による沢山の物の消毒(机・椅子・座布団)の上に成り立った上映会。音声解説の作業に触れ、その成果を耳で聴くことができました。状況が刻々と変わる中、できる限りの予防に努め、ライトハウスの本来の目的、視覚に障害のある方のために自分が携わる活動・作業に精進していきたいと心を新たにしています。  (写真)座談会で音声解説のボランティアに質問する参加者   ●報告の頁(8頁)  ◆対面リーディングサービスを10月から再開  新型コロナ感染予防のため3月から中止していた対面リーディングサービスを10月から再開しました。ボランティアと利用者が2室に分かれ、2台のパソコンをインターネットで繋ぎ対面する方法で行なったところ、1ヶ月弱で6人10件の利用があり、10人のボランティアにご協力いただきました。対面リーディングは、情報提供サービスの柱の一つですので、今後、感染を予防しながら、利用を拡大していきたいと思います。どうかご協力をお願いいたします。  ◆暗所視支援眼鏡のクラウドファンディング達成  当法人では、8月から暗所視支援眼鏡HOYA MW10 HiKARI(ヒカリ)を全国の盲学校に贈るクラウドファンディング(インターネットによる寄附募集事業)をおこなっていましたが、締切の10月末で160万円余りの募金が集まり、全国5校の視覚支援学校に寄贈できることになりました(昨年は12校へ寄贈)。この事業は、故岡田弥(あまね)さんが手がけたものですので、目標を達成できて嬉しく思います。ご協力くださった皆様に心からお礼申し上げます。  ◆肥後橋駅に1日も早いホームドアの設置を  当館最寄りの大阪メトロ四つ橋線肥後橋駅ホームで1月末、録音ボランティアの野村昭子さんが乗客と接触・転落し、亡くなられてから早くも10ヶ月。6月初めには当館の全盲の利用者が転落し、大けがをするという事故も続き、当館では大阪メトロに対し、ホームドアの設置などの安全対策を求めて来ました。その結果、11月初め、最低限の対策として肥後橋駅ホームの北端、階段やエレベータで島式のホームが狭くなる場所の両側に赤と白の警告表示(スレッドライン)が設置され、すり減った点字ブロックの貼り替えが行われました。ホームドアについては、大阪メトロは2025年度までに全駅に設置する計画で、四つ橋線は2024年度までに完了する予定ですが、肥後橋駅の設置はなるべく早めるよう努力するとのことです。また、駅員の取り組みとして、@視覚障害者が単独で乗務員のいる改札口を通る際は、これまで以上に駅員の誘導を利用するよう案内する、A電車の乗務員が駅ホームを単独歩行している視覚障害者を見つけた時は、指令所に連絡し、その駅の駅員に注意を伝える、としています。安心安全には程遠い状態ですので、ボランティアの皆様には当館への往来の際は十分にご注意いただくとともに、視覚障害者の方が駅や交差点で一人歩きされているのを見かけたら、ぜひ一声かけ、希望があれば手を貸してくださるようにお願いいたします。  ◆人事異動のお知らせ  11月1日付 谷口由紀:製作部メディア製作センター主任→総務部主任 あゆみ【11月】 1日・3日 日ラ展(にちらてん)オンライントークイベント 5日・18日 専門音訳講習会・小説の読み方コース 12日 V友の会施設見学会(館内上映体験会) 14日 オープンデー(館内見学日、2人) 19日 見学:日本ライトハウス養成部受講生 26日 鉄道弘済会受賞者祝賀式(4階会議室) 予定【12月】 10日 サービス部休室(書庫・在庫整理日) 12日 日本点字130周年記念講演会(オンライン) 15日 全館消防避難訓練(10時〜) 19日 オープンデー(館内見学日、要予約) 24日 機器・用具サービス、図書貸出年内最終日 26日 仕事納め 【1月】 5日 仕事始め 6日 全館ボランティア活動・サービス再開 編集後記 10月末に3階総務では席替えがありました。思い返すと高校生以来の席替えです。隣へ1席の移動で窓の外の天気がよく見えるようになり、聞こえる音も変わりました。ものぐさな私ですが今回で気分が変わり、年末に向けて自宅の大掃除に加えて模様替えもしてみようかなという気持ちです。良いお年を♪(亜) ONE BOOK ONE LIFE(ワンブックワンライフ) 2020年12月号  発行 社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター(館長 竹下 亘)  住所 大阪市西区江戸堀1-13-2(〒550-0002)     TEL 06-6441-0015 FAX 06-6441-0095     E-mail info@iccb.jp  表紙絵 武部はつ子  発行日 2020年12月1日  定価 1部100円 年間購読料1,000円