日本ライトハウス情報文化センター   「ワンブックワンライフ」2020年8・9月号   <<表紙イラスト>> 水玉柄の夏らしいワンピース姿の女の子が大きな巻き貝に耳を当てています。 背景にはきれいな波の音に乗せて泳ぐ様々な生き物。 ウミガメにカラフルな熱帯魚たち、そしてイルカの背中には水中メガネをつけたポチ(犬)もいます。 女の子は「海のシンフォニーね」と言って、波の音から生き物を想像して楽しんでいます。    <<目次>>   ●掲示板(1頁)   ●センターの頁(2〜4頁)   ●感謝報告(4〜7頁、別ファイル)   ●報告の頁(8頁)  以下は本文です。   ●掲示板(1頁) 専門点訳・音訳講習会3コースを開催  当館と毎日新聞大阪社会事業団共催の第33回専門点訳・音訳講習会3コースの受付を始めました。コロナ感染予防を徹底して実施します。  ◆専門点訳講習会「古文コース」 *来館受講とオンライン受講から選べます。 内容 初心者でもわかりやすい古文の点訳について学びます。 日時 9月16日、30日、10月14日、28日、11月11日、25日(隔週水曜日)10時〜12時、全6回 講師 当館専門点訳指導員 定員 20人  受講料 2,000円 締切 8月25日(火)  ◆専門点訳講習会「楽譜コース」 *オンラインによる受講のみとなります。 内容 楽譜点訳の未経験者を含めて、基礎から学んでいただきます。 日時 10月8日、11月12日、12月3日、24日、1月7日、28日、3月4日、25日(木曜日)10時〜12時、全8回 講師 加藤俊和氏 定員 20人  受講料 2,000円 締切 9月15日(火)  ◆専門音訳講習会「音声解説基礎・応用コース」 内容 映画(映像)の状況説明の仕方を基礎から学びます。 日時 9月9日〜10月7日(毎週水曜日)13時〜16時 全5回 (最終日のみ17時まで) 講師 当館職員、外部のゲスト講師 定員 25人  受講料 1,000円 締切 8月20日(木)・先着順  ●受講ご希望の方は、いずれも要項をご請求の上、お申し込みください。点訳は点字製作係(電話06-6441-1028)、音声解説コースは(電話06-6441-0015)までどうぞ。  ◆体温測定とマスク着用、手洗い励行のお願い  当館へご来館の際は、出発前に体温測定をお願いします。熱がある時や体調不良の場合は、来館をお控えください。また来館時は、手洗い(手指消毒)を励行し、マスクを着用ください。体温測定を忘れたり、マスクをお持ちでない場合は、3階総務係で体温測定やマスクのお渡しをいたします。なお、5階サービスフロアへのご来館は事前予約をお願いします。  ◆日本ライトハウス展をYouTubeとZoomで開催  西日本最大の視覚障害者用具・機器展 「日本ライトハウス展〜全国ロービジョンフェア2020」(読売 光と愛の事業団共催)を、今年はインターネットを活用し、動画を閲覧できるYouTubeと多数の参加者が会話できるZoomミーティングで行います(インターネットを閲覧できない方へのサポート企画も実施予定です。) 【特徴1】YouTubeで30社の最新・注目製品約60点を紹介。1社15分程度の動画を10月1日から来年3月末まで公開します。出展者と主な出展品は、9月以降に当館ホームページか、9月下旬発行の「ガイドブック」でご確認下さい。 【特徴2】Zoomミーティングで「トークイベント〜どこまで言っても良いん会」を開催。30社を5グループ5回に分け、11月1日(日)と3日(火・祝日)に利用者と出展者を結んで意見交換を行います。定員は各回100人。この模様は、YouTubeライブでも実況中継します。  ご希望の方には「ガイドブック」(点字・デイジー・大きめの活字・Eメール版)を差し上げます(お一人2種類・各1部まで)。お申込みは、電話06-6441-0039のサービス部までどうぞ。  ◆チャリティグッズのマルシェバッグが入荷  当館3階総務係では、盲導犬チャリティグッズを販売しています。この度、マイバッグにぴったりなライトデニムマルシェバッグが入荷しました(写真左、定価1,500円)。トートバッグ(写真右、定価1,000円)も各色あります。ご来館の際はぜひお立ち寄りください。通販ご希望の場合は盲導犬訓練所(電話0721-72-0914)へお願いします。  ◆8月〜9月の休館・休室予定  8月11日(火)・12日(水)=5階サービスフロアと図書貸出サービス休止。  8月13日(木)〜17日(月)=全館夏期休館。  9月10日(第2木、書庫・在庫整理日)=5階サービスフロアと図書貸出サービス休止。  9月22日(火)祝日=全館休館日。  9月23日(水)=5階サービスフロアと図書・情報係は振替休室(21日月曜指定祝日の振替)。  ◆今号は8・9月の合併号です。次号の発送は9月末になりますのでご了承ください。    <<センターの頁>>(2〜4頁)   ●当館サービス部の岡田 弥(あまね)部長が交通事故で逝去   視覚障害者と共に楽しむことを生きがいとした人生を偲ぶ  当館サービス部の岡田 弥部長が7月2日(木)午前7時半頃、大阪市都島区の国道1号をバイクで走行中、クレーン車に巻き込まれ、救急搬送された病院で亡くなりました。当館を中心に全国で活躍中の56歳。新型コロナウイルス感染予防のため、奈良市の自宅からたまたまバイクで通勤した日の事故で、クレーン車の運転手は酒気帯び運転だったことがわかり、残念な限りです。ご葬儀には全国から50基以上の供花と166通の弔電が寄せられ、その後も生前の感謝と哀悼の意を表される視覚障害者の方が引きも切らず、私達も非常な悲嘆と喪失感を覚えています。(館長 竹下 亘)  岡田さんは1964年生まれ。京都大学で京大点訳サークルに入り、後輩の広瀬浩二郎さん(民族学博物館准教授)と親交を結び、大学院で視覚障害乳幼児を対象にした発達心理を研究したことなどから、1992年、日本ライトハウス視覚障害リハビリテーションセンターに入職。点字訓練などを担当した他、いち早くパソコンの可能性に注目して、視覚障害者の利用を支援し、1997年に当館で開講したパソコンサポートボランティア講習会の講師を務めた後、2001年、当館の「エンジョイ!グッズサロン」新設に伴い、主任として異動。視覚障害者用具の普及、パソコンや電子機器の利用支援、近隣地域への出張展示、眼科医との連携によるロービジョン相談、支援者へのIT講習等、次々に活動を展開し、当館サービス部が今日(こんにち)職員14人、年間来室者5千人、電話相談3千件という全国屈指のサービス拠点になるまでの発展を導きました。  岡田さんが素晴らしかったのは、気取ったり気負うことは一切なく、視覚障害者のさまざまな困難や関心事に関わり、仲間と共に活動することを楽しみ、生きがいとしていたことです。  そのため、岡田さんの視覚障害関係の活動は組織や仕事の枠を越え、夜や休日も関係ありませんでした。また少ししか飲めないのに、色々な人を飲み会に誘ってお喋りするのが大好きでした。岡田さんが 要の役割を果たした広域的な団体は、視覚障害リハビリテーション協会、きんきビジョンサポート(KVS)など、枚挙にいとまがありません。さらに、視覚障害児童のキャンプ、点字触読や白杖歩行の支援、鉄道駅の安全設備の普及、震災で被災した視覚障害者の支援活動、視覚補助具の視覚支援学校へのクラウドファンディング事業など、岡田さんが率先して取り組んだ事業や、私的な時間を使ってパソコンや歩行などを支援した視覚障害者の方々も数えきれません。  岡田さんは7年前、KVSのホームページに10年後の夢を書きました。「『見えにくさで困っている人がいれば、とにかく駆けつける』というのが、私がやりたいけれどもなかなかできない最大のことです。…これからの10年は、組織の枠を超えてこういうサポート体制ができてくる10年であればいいなと思います。…サポート体制が実現するなら、死ぬのは嫌だけど、死ぬほど忙しくなるくらいは我慢しようかなあ…。」岡田さんの人生は、まさにこの言葉通りだったと思いますが、この夢を果たす前に、56歳という若さで旅立ったのは惜しまれてなりません。  こんなかけがえのない岡田さんの代わりにはなれませんが、職員一同、その遺志を心に刻み、少しでも受け継いでいきたいと願っています。 (写真@)岡田さんの上半身アップの写真。マイクを持って笑顔で講演をしている。 (写真A)岡田さんと利用者の方の写真。利用者の方はボタンのついている白杖を持っていて岡田さんが手を持って使い方を説明している。   ●当面の点訳・録音・対面等、館内活動の進め方について   3密の回避とZoomの活用、オンラインを駆使して取り組んでいます  ●Zoomとは  インターネットを利用して、複数の人と同時にテレビ会議(ミーティング)ができるサービスです。パソコンがなくてもスマホやタブレットで参加することもできます。また、画面共有など便利な機能が備わっています。  ●Zoomでフォローアップ講習を実施  点字製作係では、2019年度の点訳基礎講習会受講者対象にZoomを使った新人ボランティアの勉強会を行いました。当初は戸惑いもありましたが、回数を重ねるごとに皆さんも慣れてこられ、コロナ禍の状況の中でもお顔を見ながら同期の方の様子がわかり、図書を点訳するにあたっての質問や不安、指摘事項を共有できているご様子でした。  ●例会や勉強会はオンラインと来館を併用  録音製作係と電子書籍ユニットでは、定例の例会や勉強会をオンラインと来館を組み合わせて行なっています。オンラインができる方は自宅から、自宅では難しい方は来館して参加いただいています。グループによって割合に違いはありますが、全員がオンラインという流れのグループも出来てきています。  ●製作過程の小 打ち合わせはオンラインで  音声解説の台本作成の際に、担当者が集まる打ち合わせがありますが、職員を交え各担当者2〜3人でZoomを使って話し合っています。  メールだと説明過多になり、伝わりにくい部分も、お顔を見合わせての話し合いだと短い時間でスムーズに意見交換ができます。  ●オンラインのメリットとデメリット  メリット:オンラインでも顔を見合わせられるのは嬉しい。慣れてくると使いやすい。移動時間がないので参加しやすい。質問がしやすい。  デメリット:発言のタイミングが掴みにくい。声が聞きにくい(音量調整・環境によって途切れ途切れになる)。やっぱりなんとなくオンラインは不安。自宅の背景が映るのが気になる。※Zoomには背景を写真に変える機能もあります。  ●対面サービスは、来館でもオンラインで  これまで対面リーディングサービスは、利用者と密接で向かい合うことから活動を休止していましたが、@対策を施した上で対面室より広い会議室を使用する。A利用者とボランティアの方が別々の対面室でオンラインでつなぐ。という2つのやり方で再開実施を検討しています。対面ボランティアで希望される方には、体験の機会を用意しますので、ぜひお声がけください。   ●報告の頁(8頁)  ◆2019年度音訳ボランティア養成講習会修了  今年3月に終了予定だった音訳ボランティア講習会(3)が新型コロナウイルスによる中断を経て7月16日に最終講義を迎え、7人の方が修了されました。今後のご活躍を期待します。  修了者(敬称略):(写真)前列左から阿部眞喜、大屋敦子、坂本雪枝、清水純子、田(たかだ)雅子、中道由美子。後列左から講師の浜本裕子、担当職員の木田陽子、久保田部長。稲田至功子(しくこ)さんは欠席でした。  ◆“ガイド”するときのワンポイント  今年度はコロナ禍の影響で、ガイド講習が実施できませんでしたのでイラストでご案内します。  (イラスト@)題名:一人歩きの視覚障害の方を見かけたら・・・  コミュニケーションを基本に安心・安全なサポートを  (社福)日本ライトハウス作成  (イラストA)説明本文  @なるべく正面から声をかけ、無理のない範囲で手を貸しましょう  A「どのように手を貸せばいいですか?」とその場で相手に聴いて教えてもらいましょう  B基本は相手の半歩前に立ち、「ひじ」を持ってもらい一緒に歩きます  C階段、段差、電車など障害のあるときは、必ずいったん立ち止まって「下り階段を降ります」等と説明しましょう  (イラストB)実際の場面:盲導犬を連れた視覚障害の男性に話しかける女性の会話場面  女性の質問例:「何かお手伝いしましょうか?」「どのようにお手伝いしたらいいですか?」  視覚障害の男性の答え:「改札までご一緒してもらえると助かります」「ひじを持たせてもらっていいですか?」  ※白杖や身体をつかむ、盲導犬に触るのは厳禁。 あゆみ【7月】 9日 ボランティア世話人会 10日 見学:伊藤忠記念財団 11日 オープンデー(館内見学日、6人) 22日 見学:K市福祉センター設計 予定【8月】 1日 ICTサポート講習会(開講式を含む) 7日 わろう座映画体験会「警部補 古畑任三郎(にんざぶろう)」 8日 オープンデー(館内見学日、要予約) 11日・12日 サービス部(5階サービスフロア、別館図書・情報係)休室 13日〜15日 全館夏期休館 予定【9月】 9日 専門音訳講習会「音声解説コース」 10日 サービス部(5階サービスフロア、別館図書・情報係)休室(書庫・在庫整理日)、ボランティア世話人会 12日 オープンデー(館内見学日、要予約) 16日 専門点訳講習会 「古文コース」 23日 サービス部(5階サービスフロア、別館図書・情報係)休室(21日祝日の振替) 予定【10月】 1日〜 日本ライトハウス展(YouTube公開開始) 編集後期 ボランティアの方よりクチナシの花をいただき、3階の総務係に甘い香りがしていました。クチナシは常緑低木で6月から7月に白色の花を咲かせます。花言葉は「私は幸せ者」「清潔」などがあり、ウエディングブーケにもぴったり。海外では「天国に咲く花」と呼ばれています。その白い花と香りに包まれて、天国に召された岡田部長。その香りの記憶とともにご冥福をお祈りしたいと思います。(一) ONE BOOK ONE LIFE(ワンブックワンライフ) 2020年8・9月合併号  発行 社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター(館長 竹下 亘)  住所 大阪市西区江戸堀1-13-2(〒550-0002)     TEL 06-6441-0015 FAX 06-6441-0095     E-mail info@iccb.jp  表紙絵 武部はつ子  発行日 2020年8月1日  定価 1部100円 年間購読料1,000円