日本ライトハウス情報文化センター   「ワンブックワンライフ」2020年2月号   <<表紙イラスト>> 雪で作ったかまくらのイラスト かまくらの中に姉と弟がいます。 半纏を着てマフラーを巻き、火鉢を持ち込んでいます。 わらの長靴も用意して昔ながらのかまくら体験をしていますが、弟はスマホに夢中でお姉ちゃんは「スマホ禁止」と、しかめっ面。 そんな2人の様子を「でも楽しそう」と、こっそり大きな熊が覗いていて、「ぎょっ!」と隣の犬が驚いています。    <<目次>>   ●掲示板(1頁)   ●センターの頁(2〜4頁)   ●感謝報告(4〜7頁、別ファイル)   ●報告の頁(8頁)  以下は本文です。   ●掲示板(1頁)  ◆3月27日(金)は音楽と交流で楽しい1日を  今年の「ボランティア交流会」は3月27日(金)、玉水記念館で開催します。年に一度、当館のボランティアの皆さんと職員が顔を合わせ、親しく交流する催しです。今年は、ゲストに盲導犬と一緒に全国で活躍されているシンガーソングライターの栗山龍太(りょうた)さんをお迎えします。2020年東京オリンピック・パラリンピックのパラアスリート応援ソング ほか の演奏とトークを予定しています。また、今回もボランティアの皆様に感謝状をお贈りしますので、ぜひご一緒にお祝いください。友の会総会、美味しいお弁当を囲んでの歓談、お楽しみのバザーなど盛り沢山。当日のボランティア活動は休止となります。お申込みは各係か3階総務係までどうぞ。友の会の活動費となるバザー物品のご提供もお願いします。  日時 3月27日(金)10時〜15時頃  会場 玉水記念館(肥後橋駅8番出口すぐ)  会費 1,000円(お弁当とお茶代)  ◆鉄道駅や交差点での「ひと声」のお願い  1月、視覚障害者の駅ホーム転落事故が相次ぎました。4頁の記事をぜひお読みください。  ◆「ボランティア世話人会」交代のお願い  ボランティア友の会では、2年任期で、各係のボランティア10人の方に「世話人」になっていただき、2ヶ月(奇数月)に1回、「世話人会」を開催しています。当館とボランティアの皆さんとの情報・意見交換を行うとともに、ボランティア交流会、施設見学会など友の会の主催行事を担当していただいています。経験された方は異口同音に、「最初は不安だったけど、顔見知りが増え、色々なことを知れて良かった」と言われます。今春は6人が交代になります。職員からお声かけした際は、ぜひご協力をお願いします。  ◆2月の休館について  2月11日(火・祝日) 全館休館  2月13日(第2木曜) 5階サービスフロアと別館・図書貸出は休室(在庫・書庫整理日)  2月22日(土) 録音製作、電子書籍休室(23日日曜・祝日の振替)  2月25日(火) 5階サービスフロアと別館・図書貸出は休室(23日日曜・祝日の振替)  拡大掲示板を8頁に掲載。お読みください。    <<センターの頁>>(2〜4頁)    ●夜盲のある子どもたちに星空を見る喜びを!   クラウドファンディングで 「MW10」 を全国12盲学校に寄贈   日本ライトハウスでは、2019年8月2日から10月31日まで、HOYA株式会社の暗所視支援眼鏡「MW10 HiKARI(ひかり)」を盲学校に寄贈するためのクラウドファンディング『盲学校の生徒に星空を。暗闇で見える暗所視支援眼鏡を届けたい。』プロジェクトを実施し、全国12校に寄贈することができました。このプロジェクトの経緯と成果をご報告します。 サービス部長 岡田 弥(あまね)  クラウドファンディングとは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、インターネットを通して、不特定多数の人々から事業や組織に募金や支援を募る仕組みです。  今回、クラウドファンディングを実施した「MW10 HiKARI(ひかり)」は世界ではじめて開発された暗所視支援眼鏡で、高感度カメラを搭載して、わずかな光を増幅して眼鏡上のスクリーンに表示します。一般の赤外線を使った暗視カメラとは違って、暗いところでもカラーで、明るく、綺麗に見ることができます。当館では私が中心になって開発に協力し、一昨年から5階のサービス部で紹介に努め、反響を呼んでいます。  「夜盲」(暗いところが極端に見えにくい症状)のある子どもたちの中には「星空を見たことがない」「花火大会に行ったことがない」「水族館は薄暗くて何も見えない」といった子どもたちもいます。こうした子どもたちにぜひ経験を増やしてもらい、社会に出たときの選択肢のひとつとして暗所視支援機器を知っておいてもらおうというのが、今回のプロジェクトの趣旨です。  HOYA株式会社の協力のもと、300万円を目標額として寄附を募ったところ、3ヶ月の期間中に全国122人の方々から、目標を上回る348万円の支援をいただくことができました。そこで、当初予定の10校に2校を加えて、合計12校に「MW10 HiKARI(ひかり)」を寄贈することにしました。  寄贈先の盲学校は近畿圏を中心に、開発時の協力校や、特に要望の強かった学校などを含めた次の12校(寄贈順)です。  @岩手県立盛岡視覚支援学校、A千葉県立千葉盲学校、B福井県立盲学校、C京都府立盲学校、D和歌山県立和歌山盲学校、E奈良県立盲学校、F大阪府立 大阪南視覚支援学校、G大阪府立 大阪北視覚支援学校、H兵庫県立視覚特別支援学校、I神戸市立盲学校、J熊本県立盲学校、K埼玉県立特別支援学校 塙保己一学園  2019年12月1日の千葉盲学校を皮切りに、2020年1月9日の大阪府立 大阪南視覚支援学校で、全12校への贈呈式を終えました。  初めてのクラウドファンディングを使ったプロジェクトでしたが、多くの方の支援を受けることができました。また、新聞やラジオ、テレビなど多くのメディアで取り上げていただき、日本ライトハウスの名前とともに、盲学校や夜盲などについて、一般の方に知ってもらうことができ、いろいろな意味がある取り組みだったと思います。  このプロジェクトは来年度以降も継続し、全国の盲学校に暗所視支援機器を贈呈できればと考えています。  写真@:MW10の拡大写真  写真A:京都府立盲学校での贈呈式(当館岡田部長が校長先生にMW10を手渡し、関係者が並んでいる。)   ●仕事と人に恵まれ、楽しく、充実した毎日   点字との“最悪”の出会いから15年を振り返って   点字製作係 大川靖子  ◆はじめに  皆さん、こんにちは。点字製作係の大川靖子と申します。当館の最上階(8階)で、最上級の知識を持ったボランティアの方々と共に日々、お仕事させていただいております。  私は、ボランティアさんが点訳・校正してくださった書籍の大切なデータを拝受して二校正者へお渡ししたり、完成した点字書籍を点字プリンターで印刷したりしています。  私自身も受注資料を点訳させていただいておりますが、まだまだ未熟者。記憶力の低下にも苛まれて、精一杯の毎日です。  ◆点字との出会い  私が点字と出会ったのは、15年ほど前になるでしょうか。  “第一印象は最悪”でした。  当時、視覚障害者の授産施設に事務職員として採用されたのがきっかけです。点字の知識はもちろん、障害者福祉に皆無であることを伝えると、「庶務・会計業務が主なので、点字のスキルは問いません」とのこと。それならば大丈夫だと入職を決意し、安心して勤務していたのも束の間。「点字のスキルは問わない」=「点字を覚える必要はない」と、大きな勘違いをしていた私は、点訳しなければならない資料の山を目の前にして、不安を隠せずにはいられませんでした。ただでさえ初めて足を踏み入れる分野の環境に戸惑い、慣れることに必死だったのに、点字も覚えなくてはならない。思うように出来ずに空回りしてばかりの毎日が続き、そのうちに点字を見ると腕に鳥肌が出るほど毛嫌いし、その腕を見ていると、鳥肌のポツポツが点字にも見えて、さらに気分が沈んでしまうほどになってしまいました。  それなのに、どうして今、こうやって点字製作係に籍を置かせていただいているのでしょう。  “第一印象が最悪”なのは、チャンスなのだと思います。なぜなら、後は印象がよくなる一方だから。  凹んでいても仕方がない。せっかく就職したのにムダにはしたくないと思い直した私は、地域の社会福祉協議会が主催する点訳講習会に参加し、基本的な知識を習得しました。  その後、就労継続支援B型の点字作業所へ異動となり、点字との距離が一段と縮まりました。毎月1日と15日に発行される広報誌を受注しておりましたので、発行日1〜2日前は納期に追われて、まさに目が回るほど忙しかったのを覚えています。けれども、点訳・校正から製版、触読者との校正、印刷、製本と一連の流れを把握し、一つのものを創り上げる作業に携わることができたのは、元来“つくること”が好きな私の性格に合っており、楽しかったです。  ◆楽しく、充実した毎日  お恥ずかしながら、現在も15年前とさほど変わらずノーマルな点訳知識しか持ち合わせておりませんので、国語、算数・数学、外国語、理科、音楽、東洋医学など専門点訳に取り組むボランティアさんを羨望のまなざしで拝見しております。また、ボランティアさんの読み合わせ校正を聞いていると、まるで読み聞かせをしてもらっているような感覚に陥り、何とも穏やかな気持ちになる時があります。心地よく、日本語の美しさ、正しい日本語の使い方を改めて感じています。  8階の職員の方々は、各方面のプロフェッショナルが勢ぞろいしています。多方面に精通しておられるのに謙虚で、丁寧に仕事をされる素晴らしい方たちばかり。そんな中、私はというと、物分かりが悪く、分かりやすく伝えることができない。おまけに、語彙力が乏しいというのが当面の問題で、ご迷惑をおかけしてばかり。それにも関わらず温かく見守ってくださり、おかげさまで私は毎日がとても充実しており、何より楽しいです。  仕事にも人にも恵まれ、護られていることに感謝し、今日も精一杯取り組みます。   ●駅や交差点で一人歩きの視覚障害者を見かけたら、ぜひ声かけを!  新年早々の1月6日朝、茨城県のJR常磐線石岡駅で、白杖を持った女性(64歳)がホームから転落。電車が入ってきたものの、ホームと列車に隙間があったため、軽傷で済むという事故がありました。ところが、そのわずか4日後の10日深夜、東京のJR日暮里駅で、白杖を持った男性(53歳)がホームから転落し、電車にはねられて死亡するという痛ましい事故が起きてしまいました。  国交省の調査(昨年4月)によると、2010〜17年度に、全国で視覚障害者が駅ホームから転落した事故は605件、死亡した方は10人に上っています。駅ホーム上の点字ブロックの敷設は進んでいますが、ホームドアの設置は一部に止まり、しかも乗降客の多い駅でしか予定されていません。  こうした中、私たちが今すぐ出来ること、心がけるべきことは、特に駅や交差点など危険な場所で、白杖や盲導犬を連れて一人歩きをしている視覚障害の方を見かけたら、必ず「何かお手伝いしましょうか?」と一声かけることです。「結構です」と断られる場合も少なくないと思いますが、“サポートが必要ないなら何より”という気軽な気持ちで声をかけることが大切です。ガイドの仕方に自信のない方は、3階総務係にご相談ください。   ●拡大掲示板  ◆「点訳・音訳体験オープンデー」にご協力を  一人でも多くの皆さんに当館の活動に関心を持っていただき、点訳・音訳等のボランティア活動の参加者を増やすために、当館では今年も「点訳・音訳体験オープンデー」を開催します。2日間に亘り、1日3回・90分〜120分間で、当館と視覚障害者情報提供事業の紹介、点訳か音訳のミニ体験、図書貸出と用具・機器サービスの見学を行い、点訳・音訳の楽しさとやり甲斐、奥深さを実感していただきます。ぜひお知り合いの方にご案内いただくなど、参加者募集にご協力をお願いします。  日時 3月6日(金)・7日(土)、各日11時・12時30分・14時からスタート(その間、30分単位で途中からの参加も歓迎)。1回90分〜120分。  場所 当館4階会議室(その後、各階を巡回)  参加費無料。申込不要。直接4階会場へ。  お問い合せ 当館総務係(電話06-6441-0015)  ◆「ボランティア友の会文庫」のご利用を  ボランティアの皆さんが自由に閲覧できる書庫が3階総務フロアにあることをご存じでしょうか?当館が収集している視覚障害者の著書や点字、録音、視覚障害者福祉や教育などに関する専門書などの活字書籍が1千冊以上もあります。本が好きな方、調べごとがある方、スキルアップされたい方は、ぜひお越しください。  【閲覧について】  書庫は3階総務係と休憩室の間にあります。総務係でお尋ねいただければ、ご案内します。  【貸出について】  対象 原則として当館登録ボランティアの方  窓口 貸出希望の方は申込書に記入  冊数 お一人3冊まで  期間 貸出日から2週間(延長・予約不可)  ◆録音製作係の米村孝子(たかこ)職員が退職  録音製作係の米村孝子(たかこ)職員が昨年12月末日付で退職しました。年末急に次の仕事が決まったためで、お世話になったボランティアの皆さんに十分なご挨拶ができず、大変申し訳ない、とのことでした。録音製作のボランティアの皆さんには、しばらく職員が手薄でご迷惑をおかけしますが、目下、後任職員の採用を進めていますので、どうかご容赦ください。  あゆみ【1月】 6日 仕事始め(法人互礼会) 7日 ボランティア活動・サービス再開 9日 ボランティア世話人会、見学:大阪医専視能訓練士課程(8人) 18日 オープンデー(館内見学日、2人) 24日 見学:韓国・延世大学生(5人) 28日 見学:和泉市点訳音訳グループ(8人)  予定【2月】 6日 近畿視情協・読書バリアフリー法研修会(大阪府立中央図書館) 8日 オープンデー(館内見学日、要予約) 13日 サービス部休室(在庫・書庫整理日) 22日 録音製作・電子書籍休室(23日祝日振替) 25日 サービス部休室(23日祝日振替) 29日 わろう座映画体験会「ドリーム」  【3月】 27日 ボランティア交流会(玉水記念館。V活動休止、5階サービス部開室) 編集後期 1月の連休に2歳年下の妹の結婚式に出席し、親族なので着物を着ました。父方と母方の両祖母が母の結婚挨拶回り用に二人で選び購入した訪問着だそうです。「ぱっと見て2人ともすぐに気に入ってんけど、値段高こうてびっくりしてんで〜」と言うだけあって、薄ピンクの目を引く着物でした。当時から30年ほど経っていますが、私や妹の同級生が見てもすてきなデザインだと思うものでした。今年初めてのボランティア世話人会でもIさんが着物で出席されていて、「すてきだな〜」と思いました。自分で着付けができる自信はないですが、現在は祖母が所有している桐のタンスをいつかは受け継いでみたいものです。(亜) ONE BOOK ONE LIFE(ワンブックワンライフ) 2020年2月号  発行 社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター(館長 竹下 亘)  住所 大阪市西区江戸堀1-13-2(〒550-0002)     TEL 06-6441-0015 FAX 06-6441-0095     E-mail info@iccb.jp  表紙絵 武部はつ子  発行日 2020年2月1日  定価 1部100円 年間購読料1,000円