日本ライトハウス情報文化センター   「ワンブックワンライフ」2019年12月号   <<表紙イラスト>> 火の用心の注意喚起で夜回りをしているイラスト。 ずきんを被り草鞋を履いて拍子木を鳴らしながら、町火消しの格好をした男の人が「火の用心さっしゃりましょー!」と言いながら歩いています。 その後ろには「火の用心」と書いた提灯を身体にぶら下げた犬が、「時代劇好きもほどほどにして・・・、さぶー!」と思いながら付いていっています。    <<目次>>   ●掲示板(1頁)   ●ボランティアの頁(2頁)   ●センターの頁(3頁)   ●感謝報告(4〜7頁、別ファイル)   ●報告の頁(8頁)  以下は本文です。   ●掲示板(1頁)  ◆クラウドファンディングでMW10を寄贈  当館では、HOYA株式会社が開発した「暗所視支援機器MW10 HiKARI(ひかり)」の普及に協力しています。これはメガネ型の機器で、暗闇でも目の前の事物を鮮明なカラー映像で見ることができ、今、夜見えにくい方々から大きな関心が集まっています。この機器を視覚支援学校に寄贈するため、当館サービス部長の岡田 弥(あまね)が中心になり、インターネットでクラウドファンディングを募ったところ、全国100人余りの方々から348万円が集まり、関西をはじめ全国12校への寄贈が実現しました。ご協力くださった皆様に心からお礼申し上げます。  ◆残席わずか!朗読劇「Helen」へご来場を  当法人と後援団体、灯友会(とうゆうかい)主催のチャリティイベントとして行う朗読劇「Helen〜ともしびをかかげて」の上演が迫ってきました。日時は12月7日(土)10時30分〜と14時〜の2回。会場は玉水記念館(情文から徒歩5分)。料金は一般2,000円。視覚障害の方1,000円(ガイド1人まで無料)、中学生以下500円。当日はSonorityによるイングリッシュハンドベルの演奏もあります。今ならまだ席があります。次回の公演予定はありませんので、ぜひご観劇ください。お申込みは、当館総務係(電話06-6441-0015)まで。  ◆西区「そよかぜまつり」が12月14日(土)開催  「障害者・児への理解を深め、よりよい地域づくりを目指すため」をテーマに開催される西区の福祉まつりです。当館も盲導犬グッズ販売と盲導犬ふれあい体験で参加します。お近くの方はぜひ覗いてみてください。  日時 12月14日(土)11時〜15時(雨天決行)  場所 西区民センター(大阪メトロ西長堀駅)  問合せ 西区社会福祉協議会(06-6539-8075)  ◆12月と年末年始の休館について  12月12日(第2木曜、書庫・在庫整理日)=5階サービスフロアと別館・図書貸出は休室  12月28日〜1月6日 全館休館  12月25日(水) サービス部最終日  12月27日(金) 仕事納め(ボランティア活動最終日は係により異なりますのでご確認ください)  1月6日(月) 仕事始め(14時〜法人互礼会)  1月7日(火) ボランティア活動・サービス再開    <<ボランティアの頁>>(2頁)    ●大阪市立阿倍野防災センターを見学し、ランチで交流   ボランティア友の会施設見学会で様々な防災について体験  当センターのボランティア友の会では、毎年秋に「施設見学会」を行い、研修と交流を深めています。今年は11月7日(木)に天王寺駅近くの大阪市立阿倍野防災センターを訪問し、あらゆる災害について、全部で13ある「体験コーナー」の内10ヶ所で学ぶことができました。当日の様子を、友の会世話人の池本滋子さん(対面リーディング係)に報告していただきます。  ◆センターの愛称は「あべのタスカル」  11月7日(木)天候晴れ 午前11時15分大阪市立阿倍野防災センターに現地集合しました。参加者はボランティア23人、職員2人でした。  この施設は、南海・東南海地震や南海トラフ巨大地震などの大災害に備えるための体験型防災学習施設で、「あべのタスカル」という名前がつけられています。「タスカル」のアクセントは「ハルカス」と同じとのことで、さすが大阪!ネーミングが面白い!1時間コースをスタッフに案内と解説をしていただきながら体験しました。  写真説明:災害現場を再現したエリアの写真。地震で屋根や外壁が崩れている町並みのエリアで見学者が案内のスタッフの話を聞いています。ビルを模した建物の壁には津波の高さを説明するための目盛りが1〜5メートルまで書かれています。   ◆リアルな体験に学びと驚きの連続  大阪市全域の被害想定や地域特性が円形画面に投影された「防災情報ステーション」から始まり、「タスカルシアター」では、高さ6mの巨大スクリーンで災害をテーマに3本のストーリーを迫力ある映像で体感しました。「減災を学ぶ」コーナーでは、地震発生直後から避難までの行動を体験し、火を止めるのはすぐではなく揺れが止まってからにすること、ブレーカーを落とすのは最後にすること等々を学びました。「消火を学ぶ」コーナーでは、火災映像のスクリーンに向かって消火器を使う体験をしたり、天井に火が届いたら消火は諦め避難しないといけない事を教えてもらいました。「津波避難を学ぶ」コーナーでは、実寸大の映像で津波の高さを体験。次の余震体験でも実寸大の映像で街が倒壊する体験をして、映像とはわかっていながらも壊れ落ちてくるガラスなどに皆さん思わず後ずさりしてしまうほどリアルでした。最後は起震装置と映像による「震度7体験」を行いました。「ここでは支え棒をしっかり握っているので耐えられるけれど、路上などではしゃがみこむことしかできない」とみんなの感想です。「備えを学ぶ」コーナーでは免許証の写しをとっておくこと等、備えの重要性を感じました。1時間ほどでしたが、学びの多い貴重な体験ができました。  ◆あらゆる障害に対応した防災・避難・援助  これだけの立派な施設でしたが、全13の体験コーナーの中に障害者用のコーナーがなかったように思います。私たちが暮らしている街は、水害時避難する高いところや建物もほとんどない、車いすも通りにくい傾斜があり、デコボコ道の多い街です。健常者でも大変な避難を、自力歩行できない家族を持つ家庭では「逃げようがない」と大変困っておられます。視覚障害をはじめ、あらゆる障害に対応した防災・避難訓練・援助の仕方学習の場が必要です。ぜひとも今の「タスカル」規模で作ってほしいと思います。  ◆大阪の街を見ながらランチで交流  「あべのタスカル」を出て「あべのハルカス」に移動しました。14階のイタリアンサラダビュッフェで昼食交流会をしました。広々としたレストランで時間たっぷり、ごちそうもたっぷり、日頃お会いすることのない皆さんと交流ができました。「すごく学びになった。」という感想を多く頂きました。ぜひ皆さんもオススメなので訪れてみてください。    <<センターの頁>>(3頁)   ●目で見えている光景が耳から聴こえてくる!   音声ガイドの世界に魅了されて 音声解説係 馬場玲衣(れい)  私が音声ガイドの沼にはまったのは、2017年の6月、大学で卒業論文のテーマ選びに悩んでいた時のことです。視覚障害者の親戚に誘われて、映画『光』を観に行きました。その時に、人生で初めて音声ガイドを聴きながら映画を鑑賞しました。また、ディスクライバー(音声ガイドの原稿を書く人)というものを職業にしている人がいることを知りました。  目で見えている光景が、耳から言葉として聴こえてくる感覚に、「何だ、この面白いものは!」と心が躍りました。そして、映像に対してどういった言葉を当てはめるのか、迷い葛藤するヒロインの姿を見て、「私がやりたかったのはこれかもしれない!」とビビッときたのです。その日から、私は映画館やレンタルビデオショップに通い、音声ガイドを漁る日々が始まりました。  すっかり音声ガイドマニアになってしまった私は、ご縁があって、ライトハウスで働くことになりました。入ってすぐに、「書いてみて」と言われ、台本制作に挑戦。初めての作品は、『美女と野獣』(実写版)でした。自分が考えた文章が原稿になり、声を吹き込ませてもらった時の嬉しさは、想像以上でした。今もナレーション収録の際には、毎回今日が初めて経験するかのように、わくわくした気持ちになります。  ライトハウスでの私の仕事は、主にシネマ・デイジーの製作やバリアフリー上映会の企画・実施に向けたお手伝いです。シネマ・デイジーは、作品タイトルの選出から始まり、台本作成、ナレーション収録、音声編集を経て、一つの作品へと仕上げます。私は普段、ボランティアさんが書き上げた台本や編集されたデータのチェックをすることが多いのですが、時折、解釈の違いで意見がぶつかることがあります。口喧嘩をしているように見られることもあるのですが、私は、「良いものを作りたい」という気持ちを確かめ合えているようで嬉しくなります。また、何もないところからどんどん形になっていく過程を、ボランティアさんと一緒に経験できることが、とても楽しいです。  早いもので、この1月で、入職して丸2年を迎えます。私が今、一番幸せに思うのは、音声ガイドという、いわばマニアックな話題について理解してもらえる、話題を共有できる人が周りにいることです。これまでは、一人で楽しみながら勉強して、疑問に思っては自分の中だけで完結させていたのが、今は一緒に向き合ってくれるボランティアさんや職員がいます。とても心強いです。  一方で、社会の中で、音声ガイドの周知や理解がまだまだ足りていないことに、歯がゆさを感じています。作品の製作もさることながら、一般の方への広報にも力を入れていかないといけないなと、痛感させられる毎日です。  私の願いは、音声ガイドが一つのエンタメツールとして広まり、「たまには」音声ガイドを聴きながら、視覚障害者と一緒にテレビや映画を楽しむのも良いな、と思ってくださる方が増えることです。あわよくば、私たちの仲間が増えてくれないかな、と期待しながら。   ●報告の頁(8頁)  ◆第13回マルチメディアデイジー講演会  特定非営利活動法人NaDと当館共催の第13回マルチメディアデイジー図書講演会「わたしも読めたよデイジー教科書Vol.4」が12月1日、当館で開催。今回はマルチメディアデイジーを使って学んできた大学院生の講演をはじめ、中学校でのデイジー教科書活用事例についてのパネルディスカッションなどが行われ、参加した読字障害のある児童の家族や教員、ボランティアなどの間で熱心な質疑応答が交わされました。  ◆「対面ボランティアの集い」で新鮮な発見  当館のボランティアの研修・交流を行う今年度の「対面リーディングボランティアの集い」が11月14日、当館で行われました。今回はボランティア14人と職員が参加し、ロールプレイ形式による対面体験や意見交換を実施。ロールプレイでは、読み手だけでなく、聴き手も体験して、新鮮な発見があったという声が挙がり、意見交換では、2時間の対面中、友人と一緒に本を読む心持ちで過ごしているという方の発表に感嘆の声が挙がりました。次回はもっと多くの皆様にご参加いただければ幸いです。  ◆橋本勝利氏のフォローアップ講座が再開  当館の音訳フォローアップの講座を担当されている橋本勝利先生が今春、胃がんで入院。手術を受けられましたが、完治して退院され、11月からフォローアップ講座を再開されました。毎月2回開かれますので、“読み”の技術を磨きたい方はぜひご受講ください。見学ご希望の方は、録音製作係までどうぞ。  ◆「短歌サロン金平糖」の竹内 平(ひろむ)氏がご逝去  当館で「短歌サロン金平糖」を主宰してこられた利用者の竹内 平(ひろむ)さんが11月、ご病気で亡くなられました。竹内さんは高校教諭を退職後、視覚障害になり、当法人のリハセンで生活訓練を受けた後、当館の利用者となり、2008年1月、視覚障害者短歌サロン「金平糖」を結成。毎月、十数人の仲間と開いてきた歌会は150回近くに達しています。心からご冥福をお祈りいたします。  あゆみ【11月】 7日 V友の会施設見学会(防災センター) 9日 オープンデー(館内見学日、3人) 19日 見学:紀伊國屋書店(17人)  予定【12月】 1日 第13回マルチメディアデイジー講演会 5日 近畿視情協V・職員研修会(玉水記念館) 7日 朗読劇「Helen〜ともしびをかかげて」(玉水記念館) 12日 サービス部休室(在庫・書庫整理日) 21日 オープンデー(館内見学日、要予約) 25日 機器・用具サービス、図書貸出最終日 27日 仕事納め(ボランティア活動最終日は係により異なりますのでご確認ください) 【1月】 6日 仕事始め(法人互礼会のため2時で閉館) 7日 全館ボランティア活動・サービス再開 編集後期 私は1年中、朝食にりんごを食べています。先日の台風19号により長野県のりんごの被害はとても大きなものになってしまい、お店で長野県産のものは見かけなくなり、残念でなりません。「1日1個のりんごで医者を遠ざける」ということわざがあるように、高い健康効果を期待される食材です。りんごの旬は冬。おいしくて栄養価の高い今こそ、りんごパワーに健康と美をサポートしてもらいましょう。皮付近には、抗酸化作用の高いプロシアニジンや食物繊維が豊富。しっかり洗って皮ごと食べて師走を元気に乗り越えましょう。(い) ONE BOOK ONE LIFE(ワンブックワンライフ) 2019年12月  発行 社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター(館長 竹下 亘)  住所 大阪市西区江戸堀1-13-2(〒550-0002)     TEL 06-6441-0015 FAX 06-6441-0095     E-mail info@iccb.jp  表紙絵 武部はつ子  発行日 2019年12月1日  定価 1部100円 年間購読料1,000円