<<目次>>  ●掲示板  ●センターの頁(2〜3頁)  ●感謝報告(4頁〜7頁、別ファイル)  ●報告の頁(8頁)  以下は本文です。   ●掲示板(1頁) ◆福井哲也氏を講師にボランティア研修会  近畿視情協(近畿視覚障害者情報サービス研究協議会)の今年度ボランティア・職員研修会が12月7日(木)10時〜16時、玉水記念館で開かれます。午前は当法人点字情報技術センターの福井哲也所長が、点訳・音訳ボランティア活動が直面する課題と今後の指針について講演します。午後は点訳、音訳の分科会に分かれて、最新の技術や情報について研修を行います。参加申込みは、当館をはじめ所属する近畿視情協加盟施設・団体を通して(参加費無料)。加盟していないボランティアグループの方も歓迎します(参加費500円)。お問い合わせは、近畿視情協事務局(電話06-6441-0015・当館代表)まで。 ◆リハセンの「ライトハウス祭り」にご来場を!  鶴見区の当法人視覚障害リハビリテーションセンターでは、毎年恒例の「ライトハウス祭り」を11月18日(土)10:30〜15:00に開催します。ブラスバンド演奏や盲導犬体験、リハセンの利用者と職員によるゲームコーナーや屋台(焼き芋、チヂミ、おはぎ、カレーパン)など。問い合わせは日本ライトハウス(電話06-6961-5521)まで。 ◆ボランティアの前田綾子さんがラジオ出演 NHKラジオ第2で毎週放送されている「視覚障害ナビ・ラジオ」に当館録音ボランティアの前田綾子さんが出演します。放送は11月26日(日)19:30〜20:00と、再放送12月3日(日)7:30〜8:00。今月のトピックス・特集「音訳誕生60年」をテーマに、音訳のこれまでと現状や課題、さらにこれからのあり方について、音訳歴58年で、全国の現役音訳者中、最もベテランと思われる前田綾子さんと枚方市立中央図書館職員の服部敦史さんが語ります。ぜひお聴きください。 ◆第11回マルチメディアデイジー図書講演会 NPO法人NaD(ナディー)と当館共催による第11回マルチメディアデイジー図書講演会を12月3日(日)、当館4階会議室で開催します。10:30〜12:00はデイジー図書再生方法の個別相談会、13:00〜16:30は講演会「マルチメディアデイジー教科書の普及推進の取組」と事例紹介等。参加費500円。お問い合わせは、当館製作部電子書籍係まで。 ◆11月の休館日 11月3日(金)と23日(木)は祝日のため全館休館です。ご了承ください。日本ライトハウス情報文化センター      <<センターの頁>>   ● 「日本ライトハウス展2017」に過去最高1,714人が来場(2頁) 読売光と愛の事業団の共催で20周年 当法人では、「日本ライトハウス展〜全国ロービジョンフェア2017」を9月1日(土)・10月1日(日)、難波御堂筋ビル7階ホールと8階大会議室で開催しました。これは、社会福祉法人読売光と愛の事業団の共催で毎年開いている西日本最大の視覚障害者用具・機器展で、今年が20周年。今回は44社・団体の出展と6題の特別ステージを行ったところ、この会場では過去最高1,714人のお客様がご来場くださいました。アンケートでは「初めて来た」という方が3割を超え、特に多くの中途視覚障害やロービジョンの方々に情報を届けることができました。(館長 竹下 亘) 過去最多44社・団体の出展に終日超満員  機器・用具展示では、ロボット型の多機能スマホや、眼鏡型モニターで暗所でも精細な画像が見られる補助具、ファッショナブルな音声腕時計など8社の初出展を含め、過去最多44社・団体から数百点の電子機器や生活用具の展示・一部販売が行われ、連日超満員となりました。来場者のアンケート(回答177人)では、「(とても)良かった」が82%を占め、「新製品が見られて良かった」「初めて来たが素晴らしい製品に出会えた」「説明が丁寧で分かりやすかった」など高い評価をいただきました。反面、超満員となったため、「会場がもっと広い方が良い」「混雑して/周りがうるさくて説明が聞けない/待たされた」などのご指摘もあり、この会場での開催の仕方をさらに工夫する必要も痛感しました。   高橋氏、三宅氏の「特別ステージ」が大人気  特別ステージでは、理化学研究所高橋政代氏の講演「神戸アイセンターの紹介」と、東京大学先端科学技術研究センター三宅?氏の講演「情報保障としてのICT機器活用」が超満員となり、アンケートでも両氏の講演を「聴けて良かった」「将来に希望が持てた」といった声が多数寄せられました。また当館企画の「スマートサイト“大阪あいねっと”のお披露目」や4年ぶりの書評合戦「びぶりおバトル」、初企画のスマホアプリのプレゼン合戦「アプリバトル」、恒例の「難波寄席」も大いに盛り上がりました。   場内のガイドが「親切、丁寧」と高い評価  今回も当館のボランティアに加えて、参天製薬株式会社社員の皆様など約60人が場内のガイドと特別企画「iPhone体験会」の講師・補助にご協力くださいました(お名前を最終頁に掲載)。お客様からは「場内のガイドが行き届いていて安心して見られた」「ガイドが親切、丁寧で良かった」というお声を頂きました。  またアンケートの中で重く受けとめたのは、「病気で将来目が見えなくなる不安があるが、初めて来て勇気づけられた。自分が出来ることでお役に立ちたい」というメッセージを頂いたことです。ぜひこれからも中途視覚障害の不安や困難を覚えている方々と繋がり、力を得ていただける展示会を続けたいと思います。  来年は2018年10月13日(土)・14日(日)に開催します。ぜひご来場とご協力をお願いします。   <<センターの頁>>   ●「支援」について、多くの“気づき”を得た3日間(3頁) 視覚障害リハビリテーション基礎講習会を受講して 当法人の視覚障害リハビリテーションセンター養成部では毎年2回、「視覚障害リハビリテーション基礎講習会」を開講しています。これは全国の福祉・教育・医療機関等の職員を対象に、視覚障害リハビリテーションの初歩的な知識と、視覚障害者への接し方の基本について、3日間の講義と実技訓練を行うものです。今年8月末に行われた第20回講習会に当館職員の山岡幸雄と内藤流津が受講しましたので、この研修で気づいたこと、得たものを報告させていただきます。 貴重な“気づき”の機会に感謝 サービス部図書・製作係 山岡幸雄 3日間に及ぶ基礎講習会。最初の講義早々、私は大変なショックを受け、講義が終わった今もずっと、心のどこかで考え続けていることがあります。それは“支援とは何か”ということについてです。 きっかけは「中途失明で入所中の利用者さんが階段から落ちました。どうしてだったと思いますか?」という、講師からのさりげない問いかけでした。「階段に慣れていなかったのでは?」「別の場所だと勘違いしてしまったのだろう。」共に受講した参加者からも様々な意見が出ます。でも、伝い歩きの訓練を受けていて普段は落ちることはなかったのになぜだろう?みなさんならどのようにお考えになるでしょうか。  この問いかけに対する答を聞いた私は、自分があまりにわかっていないことに気づき愕然としました。それは「見えていた頃のように、伝い歩きをせずに歩きたかった」という、利用者さんのとても強い想い、葛藤が理由だったのです。伝い歩きをすれば安全なのは十分理解していて、今の自分にとって伝い歩きが一番いいというのも百も承知で、それでも何も伝わずに歩きたかったという、当たり前の、決してないがしろにすべきでない想いが起こした事故でした。そんな気持ちにいかに寄り添っていけるのか。続く講師の言葉に、また考えさせられます。  「未熟さを知って自分を恥ずかしく思う気持ち、関わることで生まれる葛藤。実はこうして支援しようとする人も実は、支援することで支援者としての自立を支援してもらっているんですよ」と。福祉用語で言えば、これを「パラレルプロセス」と呼ぶそうです。支援とは決して一方向ではなく、双方向、お互いに影響し合う関係という考えです。このことはきっとこれからもずっと、折に触れて思い出すことと思います。  支援者には、こうした共感する力を持つとともに、利用者さんの持つ“強み”を見つけられるように客観的に俯瞰する力も必要とされます。3日間の講義はこの考えを幹に拡がり、枝葉に分かれ、貴重な学びの機会を与えてくれました。関わる人がどこで生まれ、どんな学びをし、何に喜び、悲しんできたのか。それに対して自分はどんなサポートができるのか。利用者さんが活き活きする道を、一緒に見つけていくにはどんな関わりかたができるのか。知るべきことは山ほどありますが、少しずつでも考え続けることの大切さを改めて知ることができました。  貴重な気づきの機会を与えていただいたことに心から感謝し、教わったことを胸にこれからの道を歩んでいきたいと思います。 多くの学びで超えられた「ガイド」への不安 製作部録音製作係 内藤流津(るつ)  この講習会に参加するまで、私には「視覚障害の方のガイドに自信が持てない」という悩みがありました。私がガイドしても大丈夫だろうか?という消極的な思いから、声かけさえも躊躇してしまうほど。しかし、どう克服して良いか分からず思い悩んでいた時に、この講習会受講の機会を頂き、参加させていただきました。  悩みの解決の糸口を見つけたのは、初日最後の「手引き」の実技の時間でした。2人一組のペアを組み、館内を「手引き」していた時のことです。ドアと廊下を繋ぐ小さな段差があったのですが、ペアの方が必要以上に大きく踏み出してしまい、その先にあったマットに足を取られてしまいました。原因は、私が段差の高さを伝えていなかったことと、「段差を越えなければならない」という私の緊張感が伝わってしまったことの2つ。私のガイドで、相手に恐怖心を抱かせてしまったのです。  ガイドする者の焦りは、ガイドを受ける方にダイレクトに伝わり、その方の不安につながるということを痛感した出来事でした。しかし同時に、今までのガイドに対する自信の無さは、対象者の方の不安を無意識に感じていたからであるということに気づいたのです。  ではどうすれば、ガイドする方の不安を取り除くことができるのか?その答えはペア交代後の歩行の体験の中にありました。  ペアの方のガイドで歩き、指導の方の「声かけ」を体感したことで、「どう声かけをしてもらえると助かるか?」「どのような動作がわかりやすいか」ということが理解出来ました。体験を通じて、今までは「状況説明」が不足していたということが分かり、「声かけ」を増やすことがガイドの改善につながると確信しました。  翌日に行われた屋外での実技で、指導の方にアドバイスを頂きながら「声かけ」を改善したところ、前日よりもスムーズにガイドすることができました。一番驚いたことは、自分の中のガイドに対する不安が消えていたこと。悩みが解決した瞬間でした。15分程の短い時間、短い距離ではありましたが、屋外をガイドすることが出来たという経験が自信となりました。私にとってこの基礎講習会は、自身に大きな変化が訪れた貴重な3日間となりました。  受講前の私は、「ガイドをする」「支援をする」ということに対して、硬く考えすぎてしまい、壁を作ってしまっていたのだと思います。今回、「知識」「技術」「心構え」を学んだことで、ようやく壁を超えることが出来たと感じています。  まだまだ未熟ですが講習会で学んだことを基に、これからも精進して行きたいと思います。   視覚障害リハビリ基礎講習会の主な内容 講義=視覚障害リハビリテーション、視覚障害者の福祉、コミュニケーション訓練、スポーツ、盲導犬、歩行訓練、弱視とコミュニケーション、日常生活動作訓練。 実技=手引きによる歩行、屋内歩行(アイマスクによる手引き歩行他)、日常生活動作訓練(アイマスクによる食事)等。   <<センターの頁>>     ●報告の頁(8頁)  ◆全視情協・大阪大会が盛会裏に開催 2017年度・第43回全国視覚障害者情報提供施設大会が当館の主管で10月19日・20日、新大阪のホテルメルパルク大阪で開催されました。全国81施設・団体から231人が参加。主テーマである「情報共有社会の実現を目指して〜ボランティア活動の推進と公的な情報保障の拡大」に沿った発表をはじめ、日本点字表記法の改訂に伴う「点訳のてびき 第4版」の検討、「極めて聞きづらい」という指摘を受けた録音図書を題材にしての「音声表現技術」の研修、サピエ図書館の新しいサービス方法や蔵書の質の向上策など、さまざまな研修・協議を行いました。今大会の概要は次号でご紹介します。    あゆみ 【10月】 1日 日本ライトハウス展(〜9月30日) 14日 見学:立命館大学 18日 視察:厚生労働省自立支援振興室 19日 全視情協・大阪大会(〜20日、メルパル    ク大阪)=製作部、会議室休止。 24日 音訳V養成講習会・後期(2)開講 25日 音訳V養成講習会・後期(1)開講 26日 見学:大阪人間科学大学 31日 ボランティア友の会 施設見学・交流会  予定 【11月】 7日 日韓伝統音楽の調べ(国立文楽劇場) 17日 見学:視覚障害生活訓練等養成課程 18日 ライトハウス祭り(本部) 21日 実習:大阪府立南視覚支援学校中学生 22日 見学:JICAインクルーシブ教育研修生 25日 わろう座「小さな恋のメロディ」  編集後記 ライトハウス展ではお客様の安全なご来場を一番に願い、ガイドに努めていますが、今年の展示会2日目の夜、JR阪和線富木駅でまたもや視覚障害者のホーム転落・死亡事故が起きてしまいました。国交省の調査では、国内のホーム転落事故件数(2015年)は3,518件、内視覚障害者94件。人口比にすると晴眼者が3万7千人に一人に対して、視覚障害者は3千3百人に一人と11倍にも達します。視覚障害者の方が少しでも安心、安全に外出できるように私たちも街角で「何かお手伝いしましょうか?」という声かけに努めましょう。(竹) ONE BOOK ONE LIFE(ワンブックワンライフ) 2017年11月号 発行 社会福祉法人日本ライトハウス      情報文化センター(館長 竹下 亘) 住所 大阪市西区江戸堀1-13-2(〒550-0002)     TEL 06-6441-0015 FAX 06-6441-0095     E-mail info@iccb.jp 表紙絵 武部はつ子 発行日 2017年11月1日 定価 1部100円 年間購読料1,000円