日本ライトハウス情報文化センター   「ワンブックワンライフ」2017年5月号  <<表紙イラスト>>  武部はつ子画:相撲を取る金太郎と熊。金太郎が「DOSUKOI!!」と付き倒しの手。熊は猿の上に尻餅をつき、猿はウギャーと泣き顔。側で見ていたウサギと狐が拍手「♪〜」。相撲部屋の親方が弟子と一緒に大急ぎで駆け寄ってきた。「おおっ、早くスカウトせぬと・・・!!」     <<目次>>  ●掲示板(1頁)  ●900点以上の資料を製作し、全国の視覚障害者等に提供(2頁)  ●メディア製作センター岡村佳子職員から定年のご挨拶(3頁)  ●感謝報告(4〜7頁、別ファイル)  ●報告の頁(8頁)  以下は本文です。   ●掲示板(1頁)  ◆第20回ICTサポート講習会を開講 当館では、毎日新聞大阪社会事業団のご助成の元、全国に先駆けて1997年から視覚障害者パソコンサポート・ボランティア講習会(第11回からICTに名称変更)を開催。第16回からは利用者と支援者が共に集うサロン形式に変え、今年度で第20回を迎えました。今年度の日程(すべて土曜日)とテーマは以下の通りです。受講・聴講をご希望の方は当館サービス部までお問い合わせ下さい。 @5月13日 ICT最前線 A5月27日 点字ディスプレイ講習会 B6月10日 デイジーの新製品と歴史 C6月24日 ネットショッピング講習会 D7月22日 iPhone体験講習会 E7月22日 スマートホン体験講習会 F9月9日 UDキャスト体験講習会 G9月16日 最新アプリ体験会 H10月28日 iPhone活用講習会 I1月27日 iPhone体験講習会  ◆5月の休館日について  5月の休館日は暦通り。祝日の3日(水)、4日(木)、5日(金)のみ休館となります。 ガイド体験会「見えない・見えにくい人の 隣にいるあなたへ」にご参加を!  ボランティア友の会主催の「ガイド体験会」を今年も開催します。「見えない・見えにくいってどんなこと?」から始まり、ガイドやコミュニケーションの方法など、いざという時に役立つ情報や実技を楽しく学びませんか。当館でボランティアをされる方はぜひ一度はご参加ください。参加者には昼食をご用意します! 日時 5月31日(水)12時30分〜15時30分 場所 当館4階会議室  申込 3階総務係(電話06-6441-0015) 申込締切 5月23日(火) ※先着20人で締切  ◆盲導犬チャリティグッズの新作を販売  当館3階で扱っている盲導犬チャリティグッズの新作が久しぶりに登場します。盲導犬のイラストをデザインしたTシャツ(柄は2種類、S・M・L、白・紺・ピンク、2,000円)、トートバッグ(生成1,000円、デニム1,200円)、ノート(200円)など。当館では3階窓口(総務係)での販売だけになりますので、通販ご希望の方は専用サイト http://sodaterukai.shop-pro.jp/ をご覧下さい。 <<センターの頁>>   ●900点以上の資料を製作し、全国の視覚障害者等に提供   前年度の事業実績のご報告と、今年度のご協力のお願い(2頁)  当館の2016年度の事業実績が出ました。前年度も540人に及ぶボランティアの皆さまのご協力により、点字・録音・アクセシブルな電子メディアによる図書・雑誌や教科書、各種資料を合計900点以上製作し、大阪を中心に全国の視覚障害者をはじめ読書が困難な方々に貸出・提供することができました。また対面リーディングや用具・機器の利用支援、パソコンサポートなど、多様な情報提供サービスも展開することができました。ボランティアの皆さまのご協力に心から感謝申し上げます。今年度も視覚障害者をはじめ、すべての人が等しく情報を共有できる社会の実現を目指して、“学び、働き、暮らし、楽しむ”ことに役立つ情報を、多様な媒体で製作・提供していきたいと思いますので、いっそうのご支援とご協力をお願いいたします。(館長 竹下 亘)  ◆2016年度の主な事業実績  1.点字図書・録音図書・電子書籍の製作  @ 蔵書製作 種類に続いて2016年度、2015年度の順  点字図書=282tl(873冊)、345tl(1121冊)  録音図書=180tl(巻)※、204tl(巻)※  録音雑誌=136tl(巻)、132tl(巻)  ※シネマ・デイジー13tl(前年度15tl)を含む  点字図書、録音図書の製作数が伸び悩んでいます。専門書や図表の多い本が増えており下調べや校正・編集が大変だと思いますが、安定的な製作にご協力をお願いします。  A プライベート製作 種類に続いて2016年度、2015年度の順  点字図書=63tl、70tl  録音図書=64tl、79tl  テキストデータ=35tl、59tl  個人の依頼に応えるプライベート製作は、蔵書と共に「製作」の柱です。テキストデータは担当職員の退職により、年度後半から新規受付を休止したため減りましたが、近く再開しますので、改めてご協力をお願いします。  B 電子書籍、点字教科書(かっこ内は2015年度)  マルチメディアデイジー他=教科書11tl(14tl)、児童書・一般書他13tl(16tl)、テキストデイジー32tl(52tl)  教科書・教材点訳=小中高校12校57点(11校55点)、教材点訳 大学5校35点(6校108点)  電子書籍と点字による教科書・教材製作は高い技術と綿密な編集・校正が必要な分野ですが、ご協力のお陰で視覚障害児童・生徒・学生の就学を支援をすることができました。 C 蔵書数 種類に続いて2016年度、2015年度の順  点字= 9,795tl(36,711冊)、 9,631tl(37,055冊)  録音=16,968tl(34,291巻)、16,455tl(33,890巻) 書庫は既に満杯ですので、古い図書や利用の少ない図書をデジタル化して除籍し、入れ替えながら書庫スペースを維持しています。 2.サービスの利用 @図書貸出の利用登録者数 種類に続いて2016年度、2015年度の順  利用登録=4,830人、4,746人  中高年で視覚障害になる方の相談の増加に伴い、年々、確実に増加しています。 A図書・雑誌の年間貸出数 種類に続いて2016年度、2015年度の順  点字図書=10,942冊10,759冊  デイジー=71,582枚69,488枚  テープ=5,452巻7,415巻 点字の貸出が盛り返しました。録音には、雑誌の貸出13,484枚・巻も含まれています。 サピエ図書館からの直接利用も増え続けていますが、郵送貸出も並行して増えています。 B対面リーディング利用件数 日ラ情文=626件、776件  利用は全国トップ級ですが、一人で多数回利用されている方の利用減が合計数に表れました。  C用具・機器サービスの利用件数  相談・利用来室者=5,187人(5,246人)  パソコンQ&A=3,458件(3,116件)  個人講習=581件(504件)  ICTサロン=11回・104人(12回109人)  5階サービスフロアへの来室者は横ばいですが、電話等による質問・相談やスマホを含む電子機器の個人講習は増え続けています。 3.その他の取り組みと成果  この他、前年度は、地域の視覚障害者の相談支援態勢を強化するため、大阪府内における眼科医を窓口とした視覚障害者支援ネットワーク「大阪あいねっと」の構築を進めたほか、児童向け点字雑誌『アミ・ドゥ・ブライユ』の発行、専門的音訳技術と電子書籍の融合発展を目指すHyMe(ハイミー)の開発といった当館ならではの先駆的事業を推進しました。  また、熊本地震発生後、視覚障害被災者支援のために職員を派遣したほか、視覚障害者の駅ホーム転落事故を機に「声かけとサポート」キャンペーンを展開するなど、情報以外の視覚障害者支援活動にも力を注ぎました。さらに、新規ボランティアを掘り起こすため、「点訳・音訳体験オープンデー」を行ったところ126人もの来場者があり、今年度の点訳・音訳講習会の受講者を多数集めることができました。 今年度もボランティアの皆さま方と協力して、視覚障害者の方々のニーズと希望に少しでも応えられる情報提供と、社会の情報環境の改善に取り組みますので、よろしくお願いいたします。 ●メディア製作センター岡村佳子職員から定年のご挨拶(3頁) 製作部メディア製作センター主任として、国立国会図書館の学術文献録音図書をはじめ厚生労働省の委託図書、自治体や公共機関等のデイジー録音資料の製作を17年間にわたって担い、統括してきた岡村佳子職員が3月末で定年を迎えました。4月から管理職は降り、同じ職場の一職員として毎日勤務していますが、一区切りを迎えた岡村職員から皆さまへのご挨拶を掲載します。 ◆心にあふれるのは「感謝」の二文字  岡村佳子 32年前、北陸・金沢の地で私は音訳ボランティアの活動を始めました。そして、19年前、夫の転勤で神戸へ、ボランティア活動の場を日本ライトハウスに移しました。ちょうどそのころ、全国のカセットテープをデイジーにする事業があり、ライトハウスでのボランティア活動もそこそこに、その事業にアルバイトとして雇っていただき今日に至っています。最初のころは、いつボランティアに戻ろうかとしょっちゅう考えていましたが、そのうち、そんなことも忘れてしまうくらい、仕事に追われる毎日になっていきました。正直、この十数年ずっと、正月を迎えるのが怖かったです。正月が終われば仕事の締切りの3月がはっきりと目の前に迫ってくる。進捗はどうなっているか。段取りに見落としはないか。そして何より、期限に間に合うのか。頭の中はいつも、そんなことを思い巡らせていました。でも、毎年、無事に3月を乗り切ることができました。それは皆さんのおかげです。ボランティアの皆さん、スタッフみんなのおかげです。小学校の頃、みんなで協力することは大事なことだと教わりました。遅ればせながら、私は40を過ぎて、そのことを実感を伴うこととして学びました。私の仕事が成り立ったのも、多くの皆さんが力を貸してくださったからです。「正月のお節は手抜きだわ」と笑いながら年末ぎりぎりまで録音に来てくださった方、ご家族の介護や世話で忙しい中から録音や校正の時間を捻出していただいた方、ご自宅が火事になったとき、「持ち出したのは録音の原稿だった」とさらっと話してくださった方、本当にお世話になりました。「感謝、感謝、感謝…」と許される限り永遠に「感謝」の二文字をここに書き並べたい気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。4月からも仕事は続けていきますが、同時に、ボランティアとしての活動も再開しました。これからはボランティア仲間としてもよろしくお願いします。最後にもう一度、言わせてください。本当にありがとうございました。感謝いたします。   ●報告の頁(8頁) ◆今年度の点訳・音訳講習会がスタート  今年度の点訳・音訳ボランティア養成講習会が開講しました。まず点訳講習会が4月8日(土)、受講者19人でスタート。続いて4月18日(火)と19日(水)、音訳講習会@が2クラス合計35人、音訳講習会Aが2クラス合計32人で開講。音訳講習会Bは5月9日(火)から受講者15人で始まります。点訳・音訳体験オープンデーを開いたり、広報に力を入れたことが功を奏したようで、受講者は定員を超えました、ぜひ多くの方が修了し、活躍されることを願っています。 ◆バリアフリー展「目のコーナー」が大盛況  4月20〜22日、インテックス大阪で開かれた西日本最大規模の福祉機器展「バリアフリー2017」で、当館は今年も「目の見えない方・見えにくい方の展示コーナー」を主催。14社が出展し、デイジー再生機や音声腕時計など新製品も登場しました。今年はコーナーの場所が会場入口正面になった上に、理化学研究所の仲泊聡医師の講演「iPS細胞による網膜再生とロービジョンケア」が人気を呼び、かつてない程多くの当事者の方が来場。当館が行った一般来場者へのロービジョン体験も大いに賑わました。 ◆チャリティコンサートのご協力に感謝 4月23日(日)、ザ・シンフォニーホールで開催した当法人のチャリティコンサートには大勢のボランティアや支援者、利用者の皆さまにご来場とアミティチケットのご購入をいただき、真にありがとうございました。お陰様で当日来場されたお客様からは満足のお声を多数頂くことができました。 ◆専門点訳・音訳講習会の申込受付中 毎日新聞大阪社会事業団と当館共催の第30回専門点訳講習会「教科書・教材点訳コース」(7月14日開講)と専門音訳講習会「視覚的資料音訳コース」(6月7日開講)の申込を受付中です(締切は点訳6月30日、音訳が5月16日)。それぞれ点字製作係と録音製作係にお申し込みください。 ◆当館竹下亘館長が全視情協理事長に就任  特定非営利活動法人・全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)の役員改選が行われ、竹下館長が理事長に選任されました。 ◆あゆみ  【4月】  8日 点訳ボランティア養成講習会開講 オープンデー(館内見学日、4人)  14日 日本ライトハウス新任職員研修  18日・19日 音訳V養成研修会@、A開講  20日 バリアフリー展(〜22日、インテックス大阪)  23日 チャリティコンサート(ザシンフォニーホール)  26日 見学:愛媛県立松山盲学校 見学:パキスタン・ライトハウス  ◆予定  【5月】  9日 音訳V養成研修会B開講  13日 オープンデー(館内見学日、要予約)  26日 法人評議員会・理事会(当館)  編集後記 4月22日より大阪駅6番のりばに初のホームドアが稼働しました。安全に乗車できるので嬉しいことですが、設置には費用と時間が掛かります。ハード面が追いつかない分、声かけなどソフト面からのサポートの輪を広げていきたいです。ちなみに、JRの友人に聞いたところ、在来線では非常ブレーキを掛けてから600m以内に停止できるように最高速度が定められているそうです。もし事故に遭遇されたら、まずは「非常停止ボタン」で電車を止めることを覚えておいて下さい。(茂)  奥付 ONE BOOK ONE LIFE 2017年5月号  発行 社会福祉法人日本ライトハウス情報文化センター(館長 竹下 亘)  住所 大阪市西区江戸堀1-13-2(〒550-0002)  TEL 06-6441-0015  FAX 06-6441-0095  E-mail info@iccb.jp  表紙絵 武部はつ子  発行日 2017年5月1日  定価 1部100円 年間購読料1,000円