ろくおん通信 No.220号 発行日:2017年2月1日 発行:日本ライトハウス情報文化センター 録音製作係 発行責任者:竹下 亘 〒550-0002 大阪市西区江戸堀1−13−2  電話 06-6441-1017(録音製作係直通)  http://www.iccb.jp/ 主な見出し 1.聴いてわかる録音図書をつくるために(第33回) 2.もっと知ろう!「ウェブスタジオ・なにわ」(第11回) 3.わかる 使える 広がる!デイジー図書徹底解説(第6回) 4.休館日のお知らせ 主な見出し、終わり。 1.聴いてわかる録音図書をつくるために(第33回) 「方言を読む」久保洋子  私たちは、日頃、いろいろな本を、正しい共通語で読むために、努力しています。でも、本の中には方言で書かれたものもあります。方言には、東北弁、九州弁、関西弁など、もっと細かく広島弁、岡山弁など実に様々。大阪弁一つとっても、摂津と河内は違うとか、船場言葉はまた別……など、地元の人にしかわからない違いがあります。 今回は、方言で書かれている本を読む時にはどんなことに気をつけたらいいか、考えてみたいと思います。  例えば小説で、ほとんどの台詞が方言で書かれているもの。 このような本は、その方言を使っている地域の方におまかせするのが一番だと思いますので、故郷、住んでいた土地、地元の方言などで書かれている本に巡りあったらぜひ挑戦してください。 ただし、その方言が出来るからといって、正確すぎる方言で読むと、地元以外の人には聞き取れなかったり、かえって芝居がかった聞きにくいものになったりすることがあります。その方言になじみのない全国の利用者のために、スピードや方言独特のイントネーションの高低差などをどこまで再現するかなど、いろいろと配慮が必要になります。 また、小説の中に占める方言の割合や内容によっては、その地方の方言を正確に知らなくても音訳できる本はたくさんあります。 小説は、楽しんで聞けることが大切です。音訳者も校正者も、利用者の立場に立ってチェックすることを忘れないようにしたいものです。  では、地の文が方言で書かれていたら。 やはり、全国どこに住んでいる利用者にも理解できるよう、方言のアクセントを強調しすぎないように、例えば、文末だけ方言アクセントにするなどの工夫をしていただくのが良いでしょう。方言の一人称で本文が書かれている本もあるでしょうし、方言のアクセントそのものについて触れている内容の本もあると思います。 いずれにしても、その本の中で方言がどのような意味を持っているのかを考え、内容をきちんと正しく伝えることを第一に、音訳、校正をしてみてください。  また、方言には、アクセントだけではなくその地方独特の言いまわしがあって、よく知らない方言だと、言葉の切れ目を間違って読んでしまうこともあります。聞いたことのない言葉や言い回しが使われている場合は、調査や確認などが必要でしょう。 方言を読むというのは難しいことですが、内容がきちんと伝わるよう留意しながら、わざとらしくなく、その土地の方言の雰囲気が利用者に伝わるように読みたいものです。 2.もっと知ろう!「ウェブスタジオ・なにわ」(第11回) 〜ボランティアの皆さんから寄せられる質問などを、毎回少しずつ紹介しています〜  2015年6月から始まった、「ウェブスタジオ・なにわ」に関する疑問をQ&Aの形で紹介するこのコーナーは、前回(12月)でちょうど10回となりました。 今回は、疑問があったときすぐに確認ができるよう、掲載された「ろくおん通信」の発行月及び号数をお知らせします。同時に、ポイントや注意点などもご紹介します。 1.「製作範囲外」ってどんな時に使うの? 2015年6月(No.210) 「製作範囲外」で送信するのは、主に以下の3つのケースです。  @デイジー校正が終了し、黄色い紙の校正表が届いて訂正した音訳データ  A枠アナウンス  B最終チェック(ブックトラック)終了後、白い紙の校正表が届いて訂正した音訳データ ★これに加えて、今後は、音源チェックのために1枚目の音訳データを館宛てに送信する時にも「製作範囲外」での送信をお願いします。  音源チェックでは、雑音が入っていないか、音量が適切かどうかなどを職員が確認し、必要であれば調整したデータに差し替える作業を行っています。この際、音訳者がページ数・行数を入力した状態で送信すると、図書によっては「はやみみかわら版」(校正前のデータを、会員登録している利用者がいち早く聞くことのできるサービス)で配信されます。配信後にデータの差し替えを行うと、エラーが発生してしまいます。 最初の1枚分(15〜30分程度でも可)を読み終えたら、まずは「製作範囲外」で送信し、職員にご連絡ください。 2.「製作範囲外」で送信する手順について 2015年10月(No.212) ウェブ校正票をダウンロードしないで訂正した音訳データは、すべて「製作範囲外」で送信します。その手順を紹介しています。 3.「製作範囲完了」の□にチェックを入れ忘れたとき 2015年8月(No.211) 校正前の最終データをアップする時、「製作範囲完了」の□にチェックを入れないで送信した場合、「製作範囲外」で送信した枠アナなどが編集者に届きません。必ずチェックをお願いします。また入れ忘れに気づいた時、後からチェックを入れる方法を紹介しています。 4.「ウェブ校正」の手順について 2015年12月(No.213) パソコン内にフォルダーを作るところから順に、手順を紹介しています。 新しくウェブ校正を始められる方は勿論、すでに使用されている方もご一読ください。 【注意点】校正事項が何もなかった場合は、校正票一覧画面の下の「通信」欄に「何もありませんでした」などと記入する。校正行には何も記入しないように。…2016年10月(No.218)でも紹介しています 5.音訳者に届く「ウェブ校正票」について 2016年2月(No.214)  @校正票一覧画面の時間表示について  A校正票一覧画面の「修正」欄・「確認」欄の見方  B修正済みのチェックを入れ忘れたまま修正済音訳データを送信した時の対処法  C校正票一覧画面の「校正状況」欄、「校正可否」欄の見方  D「仮校正票」とは?  E校正者・編集者が決まったかどうかを知りたいときは? 6.「ウェブ校正票」こんなときどうする? 2016年4月(No.215) 音訳者からの質問  @校正者から「校正なし」の校正票が届いたら?  A編集者から「校正なし」の校正票が届いたら?  B修正済みのチェックを入れ忘れたら?  C修正済音訳データを送信した後で、新たに修正したい箇所が見つかったら?  D校正票がなかなか届かなかったら? 校正者からの質問  @校正票送信後、記入もれに気づいたら?  A校正終了後、校正票の経過(音訳者が訂正しているかどうか)を見るには? 7.音訳者が受け取る「ウェブ校正票」について、更に詳しく 2016年6月(No.216)  @一度にたくさんの校正票が届くことがあるのは?  A「校正なし」の校正票の場合、どうすればいい? (ろくおん通信No.216の3ページでは「修正なし」となっていますが、正しくは、「校正なし」です)  B今の校正状況を確認する方法は? 8.「ウェブ校正票」の記入方法について 2016年8月(No.217) ・音訳者  @校正票編集画面の「修正範囲」欄の記入について  A校正票編集画面の「備考」欄の利用方法について ・校正者・編集者  @校正票一覧画面の「通信」欄記入の注意点  Aデイジー編集者が送信する校正票は、Recdiaの「時間送信」機能は使わない 9.「ウェブ校正票」に関する音訳者へのお願い 2016年10月(No.218)  @修正録音をパスした項目の理由や根拠の記入をお願いします  A修正録音した後、修正完了のチェックを入れ忘れた場合は、校正者・編集者に連絡してください。 ★校正者あるいは編集者が決まっていない時点で、音訳者から連絡しておきたいことが出てきた時は、以下のどちらかの方法をとってください。  ・手書きのメモを製作図書のボックスへ入れる  ・「ウェブスタジオ・なにわ」で館(=「録音製作係」)宛に連絡票を送信する(→職員がプリントアウトしてボックスへ入れる)  なお、「音訳データ送信」画面の一番下に、「備考」という欄があります。送信する際にメッセージを入れることができるので一見便利そうですが、この部分は「音訳データ一覧」画面には表示されません。 これを読むためには、メッセージが書き込まれているデータの「詳細」ボタンを押して、次のページへ進む必要があるので、相手が連絡事項に気づかない可能性があります。 10.「ウェブ校正票」に関する校正者・編集者からの質問 2016年10月(No.218)  @指摘事項がない場合の校正票…2015年12月(No.213)でも紹介しています  Aデイジー校正表だけが紙の校正表なのはなぜ? 11.音訳データ送信の際の注意点 2016年6月(No.216)  @新規音訳データをアップした後、再度アップし直したい場合は必ず職員に相談  A「校正あり」の校正票を受け取ったら、必ず校正票をダウンロードする (ろくおん通信No.216の4ページでは「修正あり」となっていますが、正しくは「校正あり」です)  Bデイジー編集者からの校正票に書かれている項目以外の箇所を訂正した場合は、必ずデイジー編集者に知らせる  C校正前の最終音訳データ送信の際は「製作範囲完了」の□に必ずチェックを入れる  D紙の校正表で修正をした音訳データはすべて、「製作範囲外」で送信 12.音訳データを送信した際に、職員に連絡するタイミング 2016年10月(No.218)  @初めて1枚目のデータを送信したとき  A校正(2校)の訂正がすべて完了したとき 13.修正済音訳データを送信する際のお願い 2016年10月(No.218)  修正済音訳データを送信する際の注意点を紹介しています。 14.「下調べ票」作成の手順 2016年12月(No.219)  音訳者が「下調べ票」を作成する際の手順や注意点を紹介しています。ぜひ「下調べ票」を利用してください。なお、校正者・編集者の利用手順については追ってご紹介します。 「下調べ票」は、紙の調査表のウェブ版です。校正者・編集者にとっては、いつでも簡単に調査結果を確認することができ、校正・編集作業をスムーズに進めることができます。 3.わかる 使える 広がる!デイジー図書徹底解説(第6回)  デイジー図書のしくみを解説しながら、どのように利用されているかを紹介しているこのコーナー。2016年2月から始まり、前回(12月)でちょうど5回となりました。 今回は、デイジー図書の主な要素である「フレーズ」「セクション」「グループ」「ページ」 の4つのしくみを振り返ります。合わせて、掲載されている「ろくおん通信」の発行月及び号数もお知らせします。 なお「レベル(階層)」については、2015年10月(No.212)発行の、「これだけは知っておきたい!デイジー図書のしくみQ&A」で紹介しています。 1.フレーズ 2016年4月(No.215)  録音された音声の間(ま)から次の間までの音声のかたまりです。デイジー再生機では、前後のフレーズに素早く移動して聞くことができます。移動していくと、フレーズの先頭の音声が聞こえます。 フレーズの活用法、「ワンフレーズ化」についての注意点、スムーズなフレーズ移動のための編集上の配慮などを紹介しています。 2.セクション 2016年6月(No.216)  フレーズが集まってできた音声のひとかたまりです。デイジー図書では、墨字図書の成り立ちと同じように「セクション」を作っていきます。セクションの一番最初のフレーズが「見出し」となります。デイジー再生機では、セクションごとに素早く移動して聞くことができます。移動していくと、セクションの先頭の音声が聞こえます。 セクションの活用法、墨字原本に基づいた「階層化(レベル化)」、スムーズなセクション移動のための編集上の工夫や確認のポイントなどを紹介しています。 3.グループ 2016年2月(No.214)  フレーズに付けられた区切りの印です。図の始めと終わりにグループを付ける方法、項目の初めのフレーズだけに付ける方法などがあります。デイジー再生機では、グループを付けたフレーズに移動することができます。 グループの利用のされ方や具体的なグループ付けの例を紹介しています。 4.ページ 2016年10月(No.218)  デイジー図書では、原則として、墨字原本通りにページを付けています。ページ付けの主なルール、使われ方、そしてページ入力に際しての注意点などを紹介しています。 5.ページ付けの特殊な例 2016年12月(No.219)  以下のような特殊なケースを紹介しています。  @「まえがき」などにページの記載がない場合のページ付け  A前付ページ、特殊ページのページ付け  B原本でページが逆についている資料、特殊ページになっている資料のページ付け  C雑誌などのページ付け ★編集者へのお願い:完成CD作成時はPRSを閉じてください PRSを開いたままCDBurner(CDにデータを書き込むためのソフト)を起動して、編集済みのデイジー図書のデータをCDに書き込もうとすると、以下のようなエラーメッセージが表示されます。 *画像*「Ncc.imdn」を含む3つのファイルが使用中のため、CDへの書き込みができない、という意味のメッセージが表示されている  このままメッセージ画面を閉じ、書き込みボタンを押すと、「Ncc.imdn」などのファイルが入っていないCDができあがります。 PRSでデイジー図書を開く場合は「Ncc.imdn」が必要になります。これが含まれていない図書のデータは、そのままではPRSで利用することができません。 完成したデータをCDに書き込む際は、必ずPRSを閉じてください。 4.休館日のお知らせ 2月11日(土・建国記念の日) 3月7日(火・ボランティア交流会) ※今年も玉水記念館でボランティア交流会を開催いたします(10〜16時)。 ぜひご参加ください! 詳細は「One Book One Life」2月号に掲載しています。 以上