ろくおん 通信 No.218号 発行日:2016年10月1日 発行:日本ライトハウス情報文化センター 録音製作係 発行責任者:竹下 亘  〒550-0002 大阪市西区江戸堀1−13−2  電話 06-6441-1017(録音製作係直通)  http://www.iccb.jp/ 主な見出し 1.聴いてわかる録音図書をつくるために(第31回) 2.もっと知ろう!「ウェブスタジオ・なにわ」(第9回) 3.わかる 使える 広がる!デイジー図書徹底解説(第4回) 4.館からのお知らせ 主な見出し、終わり。 1.聴いてわかる録音図書をつくるために(第31回) 「目次の読みについて」 久保洋子  今回は、目次の読み方です。 録音図書の目次は、読者にとって大切な手掛りです。目次を聞いて、その本の構成、内容などを大まかに知ることが出来ます。 目次を読む時に気をつけたいことを、いくつか挙げてみます。 (1)スピード。  本の始めであり丁寧に読みたくてゆっくりになりがちですが、聴く立場になってみてください。リズム良くゆっくり過ぎない方がいいと思います。 一般書で、目次が15分以上になってしまう場合は、職員に相談してみてください。   (2)項目(見出し)の大小がはっきりわかるように。  原本が「第○章」「○節」のように章・節などがついている場合は、その通りに読めば大小関係はわかります。ですが、本によっては、活字の大きさ、行頭の高さ、T・1・一・(1)…など数字の種類で項目の大小を区別しているものもあります。この場合は、そのまま読んだのでは大小関係はわかりません。本によって、例えば小説なら、章・節などの語をつけて読んでもいいでしょう。数字だけで読む時は、1(いち)、(1(かっこいち))、@(まるいち)、その1(いち)など、大小関係が伝えられるような読みを工夫します。 デイジー編集が始まった時には、レベルがわかるように、1の1、1の1の1などと読んだこともありました。この方式も本によっては有効ですが、乱用すると大変聴き難い目次になってしまう恐れがあります。   (3)項目の文が、目次と本文中とで違っている場合。  目次の項目と本文の項目が違っている原本があります。利用者は、目次を聞いてそのページに飛ぶわけですが、その時聞こえてくる文が目次と違っていると、間違った所に飛んでしまったと思います。 項目の文はどちらかに合わせて、少なくとも項目の前半部分は、目次と本文を揃えてください。どちらに合わせるかはケース・バイ・ケースです。打ち合わせの時に職員に相談してください。 2.もっと知ろう!「ウェブスタジオ・なにわ」(第9回) 〜ボランティアの皆さんから寄せられる質問などを、毎回少しずつ紹介しています〜 「ウェブスタジオ・なにわ」に関する疑問を少しずつ解消するこのコーナー。ここまでさまざまな角度から音訳者が受け取る校正票についてご紹介してきました。今回からは、校正票を送信する側である、校正者・編集者・デイジー校正者の質問に答えていきます。合わせて、音訳者が注意するポイントも紹介します。   <校正者、編集者からの質問> Q1.修正録音をパスされた項目について、理由や根拠などの記入をお願いできませんか? A1.特にスタジオ録音では、モニター者がRecdiaの操作をしているため、パスの理由が記入されていないことが多いようです。音訳者・モニター者に記入をお願いしていきます。 【音訳者が注意するポイント】 修正録音をパスした項目は、「備考」欄にその理由や根拠を記入する。 修正録音はしたがチェックを入れ忘れた場合は、ウェブスタジオ・なにわの「連絡票」で校正者・編集者に連絡する。 パスした理由を「備考」欄に書き込んでください。「備考」欄に書き込みがあると、ここに(先頭部分だけ)表示されます Q2.指摘事項がない場合、校正票はどのようにすればいいですか? A2.指摘事項が何もなかった場合でも、校正票の送信をお願いします。  もし何もなかったことを伝えたい場合は、「通信」欄に「何もありませんでした」などとご記入ください。「校正行」に記入されると「校正あり」の校正票が音訳者に届いてしまいます。 ここを空欄にしておくと「校正なし」となり、音訳者が修正済み音訳データを送信する必要がなくなります(=最初に送信したデータがそのまま編集者に届く)。1行でも入力してしまうと「校正あり」扱いとなり、修正箇所がなくても、音訳者が修正済音訳データを送信しなくてはならなくなります。 【音訳者が注意するポイント】 「校正なし」の校正票が届いた音源ファイルについては何もしなくて良い。 <デイジー校正者からの質問> Q3.デイジー校正だけが紙の校正表なのは何故ですか?音訳者にとってもデイジー校正者にとってもウェブ校正票が便利だと思うのですが・・・ A3.デイジー校正は、校正(2校)ともデイジー編集とも違う指摘であることがわかるようにするため、現在は紙の校正表(黄色い紙)を使っています。    ・校正(2校)からの指摘はウェブ校正票で時間が表示されている。    ・デイジー編集からの指摘はウェブ校正票で時間表示なし。    ・デイジー校正からの指摘は紙の校正表。 黄色い紙の校正表が届くことで、音訳者は「最後の校正表」だと分かります。    【音訳者が注意するポイント】 デイジー校正表(黄色い紙)が来たら、指摘事項のあった音訳ファイルのみ、ファイル名を変更して「範囲外」で音訳データを送信する。 @あらかじめ「エクスプローラ」等で送信したい音訳データファイル名を変更しておく(「〜〜01.wav」→「訂正〜〜01.wav」) A「参照」を押し、送信したい音訳データを選択する。 B「製作範囲外」欄にチェックを入れる *音訳者・モニター者へのお願い* 編集者は、校正者の校正票(ウェブ校正票)の結果を確認しながら次の校正票を作成しています。編集者にとっては、ウェブ校正票で修正録音の有無がきちんとわかること、また修正しなかった場合の理由や根拠が示されていることがとても重要です。忘れずに記入してください。修正録音していても、チェックを入れ忘れて送信してしまった場合は、必ず編集者への連絡をお願いいたします。   ◆修正済音訳データを送信する際のお願い @ウェブ校正票(校正者・デイジー編集者からの校正)を受け取った時は、修正した音源は必ず [修正済音訳データ送信] を使って送信してください。 なおこの場合は、音声ファイルの名前は変えずにそのまま送ってください(変更してしまうと、システムが修正データだと認識できず受け付けない仕組みになっています。元の名前に戻してください)。 A[送信済朗読データを再送信する]、[送信済音訳データを再送信する]は絶対に使わないでください(それまでの校正票が全て削除されてしまいます)。  間違ったデータを上げた時など、再送信をしたい場合は必ず職員にご相談ください。 ◆音訳者へのお願い:音訳データを送信した際に、職員に連絡するタイミング ご連絡いただきたいのは以下の2回です。  @初めて1枚目のデータを送信した時 →職員がデータをダウンロードして、音質チェックを行います。確認を終えたら、校正(2校)に回します。  A校正(2校)の訂正が全て完了した時 →編集に回します。 3.わかる 使える 広がる!デイジー図書徹底解説(第4回)  デイジー図書のしくみを解説しながら、どのように利用されているかをご紹介しています。今回は、「ページ」についてです。デイジー図書における「ページ」 デイジー図書では、原則として、墨字原本通りにページを付けていきます。この作業を「ページ付け」または「ページチェック」と呼んでいます。利用者は、墨字原本を読むのと同じようにデイジー図書のページを確かめることができます。 以下、ページ付けの主なルールです。   @原則として、原本のページに合わせてページ付けをする  A原本ページの変わり目直近のフレーズに付ける(便宜上、前のページの最終フレーズに付けることもあります)  B目次がない原本もページ付けをする  C原本にページの記載がない場合でもページ付けをする  D空白ページ(白紙ページ)にはページを付けない  E図・表・写真・注釈などを他のページで読み込み、結果としてそのページが空白ページになった場合など、原本ページ通りにページが付けられない場合は、その旨のコメントをデイジー図書凡例に入れる ・画像 PRS画面:このフレーズから10ページが始まる・このフレーズから11ページが始まる  ◆ ページの活用法  デイジープレイヤーで目次を聞き、聞いてみたい項目(見出し)のページを入力すると、その項目(見出し)のあるページの先頭のフレーズに素早く移動します。 *例:PTN2 何のキーを押したか機械が読み上げて知らせてくれます。 ・画像 PTN2写真 (1)「ページ」キーを押す (2)数字キー(0〜9)でページ数を入力する (3)「♯」キーで決定すると、入力したページへ飛ぶ 聞こえてくる音声は以下の二通りあります。 @移動したページが項目から始まっている場合は、その項目(見出し)の先頭の音声 A移動したページの途中に項目がある場合は、項目(見出し)の先頭音声ではなく、そのページの最初のフレーズの音声 (ただし、項目(見出し)がページ途中にある場合でも、常に項目(見出し)のフレーズにページ付けがされているデイジー図書もあります) @の場合:15ページに移動すると、すぐに「第1章、デイジー…」と項目(見出し)の音声が聞こえる Aの場合:50ページに移動した時は、見出し「第2章」ではなく、最初のフレーズ「始まった。」という音声が聞こえる (※49ページ最後の言葉からフレーズが始まっている場合は、そこに付けることもある) ◆デイジー編集ブラッシュアップコーナー *ページ付けには「手動入力」「自動入力」がありますが、通常は、ページの連続性を活かした「自動入力」で行います。時々「F1」キーまたは「Ctrl」+「L」キーで“最新の情報に更新”し、ページ付けに間違いないかを確かめましょう。 *「白紙ページ」の後は「手動入力」になりますが、ページ付けに間違いがないか確かめる良い機会です。抜けているページがないか、重複していないか、など原本と照合しましょう。 *ページ付けには色々な方法があります。今回は基本的なページの付け方をお伝えしました。次回は具体的なケースを取り上げながら、より便利なページ付けについて紹介します。 4.館からのお知らせ @休館日のお知らせ 10月15日(日本ライトハウス展) 11月 3日(文化の日) 11月23日(勤労感謝の日) ※10月8日(土)は開室いたします。   A急募!「週刊新潮」編集者  毎月1回、2週目もしくは3週目の週末から週明けにかけて、「週刊新潮」の編集作業をしてくださるかたを募集しています。 どなたか是非よろしくお願いいたします。 以上