ろくおん 通信 No.217号 発行日:2016年8月1日 発行:日本ライトハウス情報文化センター 録音製作係 発行責任者:竹下 亘  〒550-0002 大阪市西区江戸堀1−13−2  電話 06-6441-1017(録音製作係直通)  http://www.iccb.jp/ 主な見出し 1.聴いてわかる録音図書をつくるために(第30回) 2.もっと知ろう!「ウェブスタジオ・なにわ」(第8回) 3.Windows10に関するお知らせ 4.館からのお知らせ 主な見出し、終わり。 1.聴いてわかる録音図書をつくるために(第30回) 「1冊の本の中での同じ漢字、( )の読みについて」 久保洋子   校正をしていると、1冊の本の中で、同じ漢字の読みが異なっている、( )を「カッコ・・・トジ」と読んでいるところと読んでいないところがある、など、統一されていないことが気になるという話を聞くことがあります。 漢字は、音読み、訓読み、それぞれ幾通りもの読みがあります。 例えば、「家」。私たちは、普段の会話で「家を建てる」は「イエ」、「家に帰る」は「ウチ」など、場面に応じて自然に使い分けていませんか?もちろん、「ウチを建てる」、「イエに帰る」でも間違いではありませんが、はじめに「イエ」と読んだからその本の中ではすべて「イエ」で統一するというのは、日本語として不自然です。 「注ぐ」についても同様です。「そそぐ」か「つぐ」か、その場にふさわしい読みを選ぶことになります(余談ですが、「注」には「さす(水を注す)」「つける(目を注ける)」などの読みもあります)。 この選び方は、読み手の感覚の問題でもあり、人によって違ってきます。校正者が、自分なら「そそぐ」と読みたいところを、音訳者は「つぐ」と読んでいたりして、校正項目として挙げるべきか迷うこともあるでしょう。 また、( )についても、音訳者が( )を読んでいたり読んでいなかったりといろいろです。 例えば、「2016(平成28)年」などの( )は、「カッコ・・・トジ」と読まなくても十分伝わりますが、( )内が文章になっていて、カッコ無しでは前後の文章が繋がらないときや、文末に( )があって補足の文章が書かれているときには、「カッコ・・・トジ」を入れたほうが良いこともあります。 漢字の読みや( )など、どのような場合でも、校正の判断基準は、その読みで文意が正しく伝わるかどうかです。「( )は全部読み込む」、「この漢字はこう読む」と決めて読むことは、音訳者にとってはある意味楽なことでもあるわけですが、文意が伝わりにくければ何にもなりません。 なお、あたり前のことですが、人名、団体名などの固有名詞については、違う読みをすると、別人、別団体になってしまいます。そういう意味では、普通名詞でも、その本で語られている物、事柄が、いろいろな読み(意味)になっては困ります。普段、文字を見ている私たちは、そのあたりの感覚が鈍くなっているのかもしれません。気をつけたいものです。 文字一字一字、( )などは一つ一つ、この読みで文意がきちんと伝わるかどうか考えて音訳すること、校正することが大切です。   2.もっと知ろう!「ウェブスタジオ・なにわ」(第8回) 〜ボランティアの皆さんから寄せられる質問などを、毎回少しずつ紹介しています〜 「ウェブスタジオ・なにわ」に関する疑問を少しずつ解消するこのコーナー。ここまでさまざまな角度から音訳者が受け取る校正票についてご紹介してきましたが、今回は、校正票の記入方法についてのご質問にお答えします。   <音訳者、モニターからのご質問> Q1.校正票編集画面 の「修正範囲」欄はどのように記入したらいいですか? A1.「修正範囲」欄は、今のところご記入をお願いしていないのが現状です。それは、以下の理由によるものです。 理由1:「修正範囲」欄は、校正票一覧画面 では表示されないため、デイジー編集者にとっての利便性が低い。 理由2:デイジー編集は、修正録音された前後の音声を確かめながらの作業となるので、どの部分を修正録音されたかが明確でなくても不都合は生じない。 校正票編集画面で「修正範囲」欄に記入しても…校正票一覧画面には表示されない! <音訳者、校正者、編集者からのご質問> Q2.校正票編集画面 の「備考」欄の利用方法を教えてください。 A2.「備考」欄は、校正票一覧画面 で表示されるため、とても便利です。 主に、校正内容に関する理由や根拠(出典)などの記入に利用されていますが、音訳者⇔編集者の相互連絡にもぜひご活用ください。 既に校正者からの記入がある場合、以下のように記入者を明確にすると伝わりやすくなります。 音訳者が記入する場合 (音訳者) ○○○のように修正録音しました (音訳者) ○ページ、△行目にも同じ語句がありましたので、そちらも修正しました 編集者が記入する場合 (編集者) 修正されていませんが、もう一度ご検討お願いします (編集者) この部分は編集で調整できます ・画像 レクディア校正票編集画面・校正票一覧画面:校正票編集画面で「備考」欄に入力した内容は、校正票一覧画面ではここに表示されます <校正者、編集者からのご質問> Q3.校正票一覧画面 の「通信」欄の記入は注意が必要と聞きました。何故ですか? A3.「通信」欄は、ウェブスタジオ・なにわの「校正票詳細」画面では、校正票の各ページに同じものが掲載されます。そのため、何行にもわたって記入されていると校正票のページが増え、受け取った音訳者は校正票の枚数の多さにびっくりすることとなります。伝えたいことがたくさんある場合は、連絡票などをご利用ください。 ・画像 ウェブスタジオ・なにわ 校正票詳細画面:各ページのこの部分に同じ内容が表示されます。 次回は、校正者、編集者が送信する校正票にスポットを当ててみたいと思います。 ★システムアカウントからの連絡票について 完成した図書のデータが残っていると、製作途中の音訳データを保管しているウェブスタジオ・なにわのサーバの容量が無くなってしまうため、定期的に古いデータを削除する作業を行っています。それに伴い、「システムアカウント」という送信者から、以下のようなお知らせが届くことがあります。 これは、既に利用者向けの貸出を行っている完成済みの図書の、製作途中のデータを削除したという意味です。作っていただいた図書が貸出中止になってしまったというわけではありませんので、ご安心ください。 *システムアカウントからの連絡票例   件名 製作情報削除のお知らせ    送信者 システムアカウント  宛先 ○○○○,□□□□,「録音製作係」  添付  受 信 日 時 2016/xx/xx 18:47  -----------------------------------------------------------------------   都合により「 (書名) 」の今までに製作されたデータは削除されました。    このお知らせに対して、特にしていただくことはありません。   ★デイジー編集者の方へ、Recdia使用上のお願い デイジー編集後に送信する校正票に記入する時は、Recdiaの「時間送信」機能は使わないでください。 校正票は、「時間」記入あり(2校者の指摘事項)→「時間」記入なし(編集者の指摘事項)の順に並ぶようになっています。編集者が「時間送信」を使うと、2校の指摘事項と混ざってしまい、編集段階で挙げた箇所がわかりにくくなります。 詳しくは「ろくおん通信」No.214の6ページをご覧ください。 ・画像 レクディア校正票一覧画面:左の画像は、編集者が「時間送信」を使って00:04:05を校正票に挙げたところ、2校者の指摘事項00:02:00、00:05:00の間に割り込んでしまった様子。右側が正しい記載例。     3.Windows10に関するお知らせ  先月29日にWindows10(ウィンドウズ テン)への無償アップグレード期間が終了しました。これを機に切り替えた方も、替えずにそのまま使い続けることにした方もいらっしゃると思います。  今回はWindows10を使って図書を製作する上での注意点をまとめました。    *「ウェブスタジオ・なにわ」  インターネット上のホームページ等を見るためのソフトを「ウェブブラウザ」、略して「ブラウザ」と呼びます。Google Chrome(グーグル クローム)、Firefox(ファイヤフォックス)など様々なものがあります。Windowsに標準装備されてきたInternet Explorer(インターネット エクスプローラ、以下IE)もそのひとつです。  Windows10にはIEのほかにもうひとつ、新しく開発されたMicrosoft Edge(マイクロソフト エッジ、以下Edge)というブラウザが入っています。インターネットに接続しようとすると、Edgeの方を優先して開くように設定されています。  ただし「ウェブスタジオ・なにわ」は現在IEだけに対応しているため、Edgeでウェブスタジオを開いてしまうと、音訳データ等のやりとりができません。  EdgeからIEに切り替える方法は、以下の2種類があります。   1:毎回切り替える / 2:既定のブラウザをInternet Explorerに設定する   1 毎回切り替える場合   (1)Edgeを開く (2)右上の …(詳細)をクリック (3)出てきたメニューの中から 「Internet Explorerで開く」をクリック (4)新たにIEの画面が開いたら、 ウェブスタジオにログインする 2 既定のブラウザをInternet Explorerに設定する場合  (1)ディスプレイ左下のスタートボタンをクリック  (2)出てきたメニューの中から 「設定」(歯車のマーク)をクリック  (3)「システム」(ノートパソコンのマーク)をクリック  (4)「既定のアプリ」をクリック   (5)右側(白い部分)に表示される「Webブラウザ」欄(下の方にあります)が、 A:「Internet Explorer」の場合→設定不要 B:IE以外が表示されている場合→@左クリック A「アプリを選ぶ」から「Internet Exproler」を選択する  (6)次回からはIEが既定のブラウザとして起動します *周辺機器について  オーディオキャプチャ、プリンタなど、Windows10用のドライバ(ソフトウェア)をコンピューターにインストールしなければならない場合があります。Windows10への対応については、大抵は製造元のホームページで公開されています。  なお、オーディオキャプチャ「UA3-FX」は古い機種のため、Windows10非対応であることがわかりました。新機種への買い替えが必要になります。 4.館からのお知らせ 休館日のお知らせ 8月11日(山の日)〜16日(火) 夏季休館 9月17日(敬老の日(ハッピーマンデー)の振替休館) 9月22日(秋分の日) 以上