見えなくても使えるiPhone - VoiceOverでの操作解説(iOS 14.7編) 執筆者: 品川 博之 Email: voice-of-i@outlook.jp Twitter: @voice_of_i https://twitter.com/voice_of_i note: voice_of_i https://note.com/voice_of_i RSSフィード: https://note.com/voice_of_i/rss 製作完了日 2021年7月20日 項目の先頭にはそれぞれ以下の記号を付記しています。 文字検索などを利用しながら読み進めてください。 ■■ 大見出し ■ 小見出し ● ジェスチャ 目次の始まりには「はじまり」を、目次の終わりには「おわり」と記しています。 目次を読むのが面倒な人は、「目次 おわり」にジャンプして読み進めてください。 ______________________________________ ---------- 目次 はじまり ---------- ■■ まえがき ■■ この説明書を気に入って下さった方へ ■■ iPhoneで何ができるのか ■■チャプター1 ジェスチャについて ■■チャプター2 iPhoneのボタンの位置と持ち方 ■2-1 iPhone SE(2016年モデル) ■2-2 iPhone 7とiPhone 7 Plus ■2-3 iPhone 12 Pro ■■チャプター3 VoiceOverをオンにしてみましょう ■■チャプター4 スクリーンカーテンについて ■■チャプター5 電源のオンとオフ、スクリーンロックについて ■5-1 電源を入れる ■5-2 画面ロックを解除してホーム画面を表示する ■5-3 スクリーンロックとロック解除の操作 ■5-4 電源をオフにするには ■■チャプター6 ホーム画面 ■6-1 画面にタッチ ■6-2 項目を一つずつ順番に移動していくジェスチャ ■6-3 画面上の内容をすべて連続読みさせるジェスチャ ■6-4 連続読みを一時停止するジェスチャ ■6-5 現在の場所から先を連続読みさせるジェスチャ ■6-6 アプリやボタンなどの項目を実行するジェスチャ ■6-7 読み上げの単位や機能を変更する「ローター」のジェスチャ ■6-8 文字を一つずつ読み上げさせるジェスチャ ■■チャプター7 ホーム画面の特徴 ■7-1 現在位置を確認するジェスチャ ■7-2 ステータスバーとドック ■7-3 画面を横スクロールする、ページ移動のジェスチャ ■7-4 ホーム画面の0ページ目「今日」の表示 ■7-5 ホーム画面の最終頁「Appライブラリ」 ■7-6 ホーム画面を開く操作で表示される画面の特徴 ■■チャプター8 設定アプリの中を覗いてみましょう ■8-1 画面を縦スクロールする、ページ移動のジェスチャ ■8-2 縦長画面の先頭ページを表示させるには ■8-3 画面内の最後の項目に移動する ■8-4 画面内の先頭の項目に移動する ■8-5 一つ前の画面に戻るためには「スクラブ」 ■■チャプター9 VoiceOverのジェスチャの操作練習 ■■チャプター10 Siri、音声アシスタントの利用について ■10-1 Siriを呼び出す ■10-2 続けてSiriにリクエストする ■10-3 デバイス本体に触らずにSiriにリクエストする機能「Hey Siri」 ■10-4 文字入力してリクエストを伝える ■■チャプター11 読み上げ操作をしていく上でのヒント ■■チャプター12 電話アプリの操作 ■12-1 電話番号を入力する ■12-2 電話がかかってきた時のジェスチャ ■12-3 通話を終了する時のジェスチャ ■12-4 スピーカーフォンの切り替え ■12-5 通話中の操作 ■12-6 間違えて電話を発信してしまわないために覚えておくこと ■■チャプター13 文字入力 ■13-1 半角英字のキーボード ■13-2 数字を入力するには ■13-3 大文字を入力するには ■13-4 日本語ローマ字キーボード ■13-5 日本語かなキーボード ■13-6 絵文字キーボード ■13-7 音声認識を使っての文字入力 ■13-8 キーボードの種類を変更する方法 ■13-9 英語キーボードで利用できる「なぞり入力 Slide to Type」 ■■チャプター14 文字の削除、テキスト編集 ■14-1 入力文字の削除や取り消しの操作 ■14-2 文書の先頭と末尾への挿入ポイントの移動 ■14-3 1本指の下スワイプか上スワイプによる挿入ポイントの移動 ■14-4 複数のページにまたがる長文の中での挿入ポイントの移動 ■14-5 すべてのテキストを選択してコピー&ペースト ■14-6 範囲指定してコピー&ペースト 「テキスト選択」機能を利用する ■14-7 範囲選択してコピー&ペースト 「ピンチアウト・ピンチイン」のジェスチャを利用する ■14-8 範囲選択してコピー&ペースト 「編集メニュー」を利用する ■■チャプター15 メールやサファリの本文内の単語を辞書で検索する ■■チャプター16 アップスイッチャー、マルチタスク画面 ■16-1 アップスイッチャーの画面を表示する ■16-2 アプリを閉じる ■■チャプター17 コントロールセンターを表示する ■17-1 画面を縦方向にロックする ■17-2 コントロールセンターで呼び出せる機能を追加する ■17-3 コントロールセンターの項目を非表示にする ■17-4 画面収録 ■■チャプター18 通知の画面を表示する ■18-1 通知の削除 ■18-2 通知の画面のページ切り替え ■18-3 ウィジェット ■■チャプター19 ホーム画面のカスタマイズ、アプリの削除と移動、ウィジェットの追加 ■19-1 編集モードに入る ■19-2 編集モードを終了する ■19-3 ローター・カテゴリの「アクション」メニューを利用する ■19-3-1 アプリを削除する ■19-3-2 アプリを移動する 「ドラッグ&ドロップ」 ■19-3-3 フォルダを作成する ■19-3-4 複数のアプリを移動する ■19-3-5 ホーム画面からフォルダの中身を表示する ■19-3-6 フォルダの削除、フォルダの外へアプリを移動する ■19-3-7 フォルダ名を変更する ■19-4 ドラッグ操作を利用して操作する ■19-5 ホーム画面のページを表示・非表示 ■19-6 Appライブラリを活用する ■19-7 ウィジェットをホーム画面に追加する ■19-7-1 スタック、複数のウィジェットを一つにまとめる ■19-7-2 スタックを編集する ■19-7-3 スマートスタック ■■チャプター20 そのほかの便利なジェスチャ ■20-1 項目に名前をつける「カスタムラベル」 ■20-2 項目をアルファベット順に並べ替えて表示する「項目セレクタ」 ■20-3 項目セレクタ状態での検索機能 ■20-4 直前に読み上げた内容をクリップボードにコピーする ■20-5 Spotlight(スポットライト)検索画面の表示 ■20-6 下に引いて内容を更新する ■20-7 「並べ替え」ボタンを操作する ■20-8 ミュージックアプリ内で便利に使える操作 ■20-9 値を調整する、「スライダー、ピッカー」 ■20-10 セクションの索引のスクロールバー ■20-11 ページ切り替えを効率よくするための縦と横のスクロールバー ■20-12 長押し、1本指のトリプルタップ ■20-13 長押し、1本指のダブルタップ&ホールド ■20-14 1本指の4回タップ ■20-15 直前に開いていたアプリに戻る ■20-16 簡易アクセス、画面の上半分を引き下ろして表示 ■20-17 人までの距離を教えてくれる「人の検出」 ■20-18 背面タップ ■■チャプター21 読み上げ音声の質と特徴 ■21-1 高品質な日本語音声をダウンロードする ■21-2 外国語の音声を追加する ■21-3 単語の読みかたを登録する ■21-3-1 新しい単語の読みかたを登録する ■21-3-2 登録済みの単語を編集する ■21-3-3 登録済みの単語を削除する ■■チャプター22 VoiceOverとは別の音声読み上げ機能「読み上げコンテンツ」について ■22-1 読み上げコンテンツの設定画面 ■22-2 音声の種類の変更と外国語音声の読み上げ速度について ■22-3 画面全体の読み上げと読み上げバーについて ■22-4 マルチリンガル機能 ■■チャプター23 カメラを使ってみよう ■23-1 写真を撮影する操作 ■23-2 バーストモードによる高速連射撮影 ■23-3 QuickTakeビデオの録画 ■23-4 オートフォーカスと顔認識機能 ■23-5 水平な写真を撮影するために ■23-6 カメラアプリをすぐに起動するには ■23-7 スクリーンショットを撮影する ■23-8 写真アプリの顔認識機能 ■23-9 シャッター音とLive Photosについて ■23-10 撮影情報の確認と写真に名前を付ける方法について ■23-10-1 写真にキャプションを追加する ■■チャプター24 ホームボタン、スリープボタン、サイドボタンの働き ■24-1 ホームボタン ■24-2 スリープボタン ■24-3 サイドボタン ■■チャプター25 AssistiveTouchを利用してホームボタンを利用する ■25-1 カスタムアクション ■25-2 AssistiveTouchアイコンの場所を移動する ■25-3 VoiceOver環境で使用している場合の注意点 ■■チャプター26 3D Touchと触覚タッチ ■26-1 3D Touchの操作方法 ■26-2 触覚タッチの操作方法 ■■チャプター27 iPhone本体の強制再起動について ■■チャプター28 VoiceOverで動画コンテンツの字幕を読み上げさせる「メディア説明サービス」 ■28-1 VoiceOverにクローズドキャプションの文字情報を読み上げさせる手順 ■■チャプター29 点字画面入力 ■29-1 点字画面入力をするための準備と注意点 ■29-2 ホールドモードとテーブルモード、iPhoneの持ち方について ■29-3 点の位置を調整する、キャリブレーション ■29-4 点字画面入力モードで利用できるジェスチャ ■■チャプター30 手書き入力について ■30-1 手書き入力をするための準備と注意点 ■30-2 手書き入力モードで利用できるジェスチャ ■■チャプター31 画面のズーム、白黒反転 ■31-1 VoiceOverとズームを併用する時の注意点 ■31-2 標準ジェスチャによる拡大操作 ■31-3 白黒反転 ■31-4 拡大鏡 ■■チャプター32 Touch ID(指紋認証)とFace ID(顔認証) ■32-1 Touch IDとFace IDを登録するときのコツ ■32-2 画面ロックを解除する操作 ■32-3 App Storeでアプリを入手・購入する操作 ■32-4 Apple Payでの支払い ■■付録1 iOSのアクセシビリティ機能について ■付録1-1 VoiceOver ■付録1-2 ズーム ■付録1-3 拡大鏡 ■付録1-4 画面表示とテキストサイズ ■付録1-5 動作 ■付録1-6 読み上げコンテンツ ■付録1-7 バリアフリー音声ガイド ■付録1-8 タッチ ■付録1-9 Face IDと注視 ■付録1-10 スイッチコントロール ■付録1-11 音声コントロール ■付録1-11-1 コマンドモードと音声入力モード ■付録1-12 サイドボタンまたはホームボタン ■付録1-13 Apple TV Remote ■付録1-14 ポインタコントロール ■付録1-15 キーボード ■付録1-16 AirPods ■付録1-17 ヒアリングデバイス ■付録1-18 サウンド認識 ■付録1-19 オーディオ/ビジュアル ■付録1-20 標準字幕とバリアフリー字幕 ■付録1-21 アクセスガイド ■付録1-22 Siri ■付録1-23 ショートカット ■■付録2 VoiceOverの設定メニュー ■付録2-1 読み上げ ■付録2-2 点字 ■付録2-3 VoiceOver認識 ■付録2-4 詳細度 ■付録2-5 オーディオ ■付録2-6 コマンド ■付録2-6-1 タッチジェスチャをカスタマイズする ■付録2-6-2 キーボードショートカットをカスタマイズする ■付録2-6-3 点字デバイスのコマンドをカスタマイズする ■付録2-7 アクティビティ ■付録2-9 ローターアクション ■付録2-10 入力 ■付録2-11 常に通知を読み上げる ■付録2-12 イメージをナビゲート ■付録2-13 大きいカーソルを使用」の切り替えボタン ■付録2-14 キャプションパネル」切り替えボタン ■付録2-15 ダブルタップのタイムアウト ■■付録3 よもやま話 ■■ あとがき ---------- 目次 おわり ----------- ______________________________________ ■■ まえがき ここではiPhone 7、iPhone 12 Proを用いてVoiceOver(ボイスオーバー)をオンにした状態での操作説明をします。使用しているiOSのバージョンは14.7で、2021年7月現在で最新となります。 製品の種類やモデルの違いによって仕様が異なるため、ここに挙げた操作や機能が利用できない場合もあります。 また、あくまでもVoiceOverのジェスチャの使い方や利用シーンをテーマに説明していますので、iPhoneの設定方法や機能についてはユーザガイドなどを参照してください。 iPhoneユーザガイド - Apple サポート https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/welcome/ios アップル - サポート - マニュアル https://support.apple.com/ja_JP/manuals/iphone プリインストールされている「ブック」アプリでユーザガイドを検索、ダウンロード、参照することもできます。 この説明書のテキストデータはダウンロードできるようになっています。 情報機器関連資料 - 日本ライトハウス情報文化センター http://www.lighthouse.or.jp/iccb/publications/index_publications/jyohokiki/ また、ブログでも公開しています。 Voice_of_i - 見えなくても使えるiPhone(資料集) http://voicei-gestures.seesaa.net/ VoiceOverで操作できるアプリや関連情報についてもブログで発信しています。 Voice_of_i - 見えなくても使えるiPhone(ゲートウェイ) http://voicei.seesaa.net/ ______________________________________ ■■ この説明書を気に入って下さった方へ この説明書は視覚障害を持つ筆者がまとめたものですが、VoiceOver環境のiPhoneを使い始めた当時、具体的で頭に入りやすいマニュアルを見つけることができなかったので、自分の備忘録のためにも書き上げたものです。 簡潔にまとめたかったのですが、気が付くと自分でも読むのがたいへんな文字数になってしまいました。 どうぞ文字検索や見出しジャンプをして、効率よく読んでいってください。 チャプター1からチャプター12までの内容を読み終えれば、基本的な操作はできるようになると思います。 この説明書が視覚障害ユーザはもちろんのこと、VoiceOverを使ってみたいという人たちにとって参考になればうれしく思います。 家族や友人に視覚障害を持つ人がいて、もしその人がiPhoneやiPadなんて使えないものだと思い込んでいたら、こんな方法で使えるみたいだよと、ぜひお伝えしてみてください。 また、携帯電話ショップや量販店の販売員の方にはVoiceOverについての問い合わせがあったときに対応できるよう役立てていただけると幸いです。 ところで、筆者は以下の視覚障害者の関連グループの活動を応援しています。運営費の多くは寄付金や関連団体からの資金でまかなわれています。しかし、必死のパッチで運営されている状況のようです。 この説明書が役に立ったと感じて下さって、もし貴方が経済的に余裕があれば、応援していただけるとありがたいです。 社会福祉法人 日本ライトハウス - 視覚障害者向けに点字図書館、ICT講習、職業・生活訓練などを実施しています。 ご寄附のお願い:日本ライトハウス http://www.lighthouse.or.jp/donation.html NGO団体 アークどこでも本読み隊 - タイ北部で図書館や幼児教育センターを運営しています。 アークどこでも本読み隊 活動を支援する https://www.alwaysreadingcaravan.org/japanese/support.php サピエ - 視覚障害者を含め、読みに困難のある人向けの電子図書館。 全視情協:全視情協とは - ご寄付のお願い http://www.naiiv.net/about/?20160221 ______________________________________ ■■ iPhoneで何ができるのか まずiPhoneをVoiceOverで操作すると具体的にどんなことができるのか、簡単に列挙してみます。 1. 音声ガイドにおいて ・読み上げ速度の調整 ・読み上げ言語の切り替え ・操作のヒントを読み上げ ・効果音や振動で操作をアシスト ・文字や単語単位での読み上げ ・文字の説明読み、フォネティック読み ・単語の読み方の登録 2. 電話において ・電話の発信は番号入力、あるいは連絡先からの選択 ・Siri、音声アシスタントを利用して声で電話番号を伝えて発信 ・着信時には相手の電話番号、もしくは連絡先に登録している名前を読み上げ ・発着信履歴の確認 (LINEなど他アプリでの通話も含む) 3. メールにおいて ・携帯電話会社のメールだけでなくパソコンで使用しているアカウントも利用可能 ・返信、転送、削除の操作。 ・本文の全文読み、途中からの連続読み ・リンク先のURLをウェブブラウザで閲覧 ・本文内の電話番号に発信 ・本文内の文字検索 4. ウェブページ閲覧において ・リンクや見出し単位での移動 ・モバイル用サイトだけでなくPC用サイトも閲覧可能 ・パソコンで利用しているブックマークと同期可能 ・ページ内検索 5. カメラにおいて ・写真とビデオの撮影 ・顔認識により人数や顔の位置の読み上げ ・撮影した写真の画像認識・人物の顔認識 6. コンパス・マップにおいて ・東西南北を360度の数値付きで読み上げ ・現在地情報の確認 ・徒歩ナビやカーナビの実行 7. 音楽再生において ・パソコンから転送した音楽の再生 ・アーティスト、アルバム、ジャンル別に再生可能 ・ギャップレス再生(曲間を開けずに再生可能) ・歌詞表示 8. 時計において ・アラーム、タイマー、ストップウォッチの利用 ・世界時計 9. アプリの管理 ・App Storeから好きなアプリをダウンロードして追加 ・削除 ・画面の好きな場所に配置変更 10. bluetoothキーボードによる操作 ・文字入力の他に、VoiceOverのジェスチャ操作を実行 11. 点字ディスプレイとの連携 ・音声読み上げの情報を点字ディスプレイに出力 (日本語では満足いくレベルで使用できません) ______________________________________ ■■チャプター1 ジェスチャについて 指で操作する方法をジェスチャと呼びます。VoiceOverでは1本から4本の指を利用し、画面に触れたり、たたいたり、滑らせたりして目的の操作を実行します。コツとしては爪の先を使うのではなく指先の皮膚や指の腹を当てるようにすること。また、複数の指を使うときは指と指の間に少し隙間を作ることです。そうすることで指の動作を認識してくれやすくなります。力加減は極弱い力で認識してくれます。 ジェスチャを覚える上でのキーワードを上げておきます。 ・タッチ: 画面に触れること。 ・タップ: 画面をたたくこと。1回だけたたくことをシングルタップ。素早く2回たたくことをダブルタップ、素早く3回たたくことをトリプルタップ、素早く4回たたくことをクアドラブルタップと呼びます。 ・スワイプ: 画面につけた指を指定の方向に少しスーッと滑らせてから指を離します。ほうきでホコリを祓うようなしぐさです。 ・フリック: スワイプと似たような動きですが、指定の方向に勢いよく指を動かすような、ひっかくような動きです。ホコリをはじき飛ばすようなしぐさです。 ・ホールド: 画面にタッチしたらその場所で指を置いたままにしておきます。長押しとも表現されます。 ・スライド: 画面に触れたままにしている指を滑らせること。 ・ドラッグ: 項目を移動させるときなどに利用します。まず項目を指で押さえて、そのまま移動したい場所に指を滑らせてから離します。 ・ローター操作: 2本の指でダイヤルを回すしぐさ。 ・スクラブ: 2本の指で画面をシュシュシュとこするしぐさ。 ・3D Touch: 指を画面にタッチして、そのまま指を押し込むしぐさです。 (3D Touchが利用できる端末はiPhone 6sシリーズ、iPhone 7シリーズ、iPhone 8シリーズ、iPhone X、iPhone XSシリーズです) ・背面タップ: iPhone本体の裏側をタップします。 鍼灸師の人はこんな風にイメージしてみてください。 タップとは鍼治療で切皮をするようなしぐさ、タッチやスライドはツボを探すときのような力加減です。自分の掌をタッチパネルだと思い、気持よい程度の力で練習してみてください。  また、iPhoneにはVoiceOverを練習するメニューが用意されています。 後述の 『■■チャプター9 VoiceOverのジェスチャの操作練習』 で紹介しています。 (注意) スワイプとフリックのジェスチャについて、 VoiceOverのジェスチャの中でも多用される指の動きです。 似たような指の動きになりますが、実行できる内容は同じです。 スワイプはほうきで掃くようなやや大きめの指の動きになり、フリックは勢いよくはじくような小さな指の動きになります。 古いiOSの説明書ではフリックという表現が採用されることがあったので、今でもそれを好んで用いている人は多いです。 App Storeのスタッフに尋ねてみると、フリックという表現は日本語かなキーボードの文字入力方法の一つである「フリック入力」でしか使われないようです。 フリックという表現に慣れ親しんでいる人は、言葉を置き換えて読み進めてください。 ______________________________________ ■■チャプター2 iPhoneのボタンの位置と持ち方 iPhoneは2007年に登場して以来、その機能はもちろんのこと、画面サイズの異なるモデルが発売されるようになっています。 大きく分けて、ホームボタンのあるモデルと無しのモデルがあります。 それによって操作性が異なります。 ______________________________________ ■2-1 iPhone SE(2016年モデル) 画面サイズは4インチなので、手のひらで握りやすい小型のモデルです。 iPhone 5, iPhone 5sと同じ画面サイズとなります。 3D Touchには対応していません。 本体には五つのボタンが付いています。 「表面」  画面上には丸くて少しくぼんだ部分があります。 これがホームボタンとなります。 ホームボタンはTouch ID、指紋センサーの役割を果たしています。  画面の上側には受話口があり、横長の溝を確認できます。  ホームボタンが下側に来るように縦に持ちます。 「左側面」  三つのボタンがあり、上からサイレントスイッチ、音量アップ、音量ダウンです。 サイレントスイッチはレバー式になっていて、主で側から裏側にスライドするとサイレントモード、マナーモードになります。 「上側面」  右端にスリープボタンがあり、電源のオン・オフ、スリープモードの切り替えの時に使用します。 また、iPhone 4Sまでは左端にイヤホンマイクのジャックがありました。 「下側面」  中央にある切れ込みはLightening(ライトニング)コネクタで、ここにはパソコンとの接続や充電するためのケーブルを差し込めます。  iPhone 4S以前のモデルではライトニングコネクタは形状が異なり、Dock(ドック)コネクタと呼ばれていました。  Lighteningコネクタの右にはスピーカー、左端にはイヤホンマイクのジャックがあり形状は3.5mmの4極ステレオミニプラグです。 「右側面」 SIMカードを装着するためのスロットが配置されています。 スロットの脇には小さな穴があり、トレイを取り出すには付属のピンやペーパークリップ、ゼムクリップのような先端の細いものを差し込みます。 「カメラの位置」  背面と表面に一つずつあります。 背面カメラはiSight(アイサイト)カメラと呼ばれ、前面カメラはFaceTime(フェィスタイム)カメラと呼ばれています。 背面にはLEDライトも配置されています。 後ろ側のカメラは手触りでその場所を確認できます。  前側のカメラは受話口の近くです。 通常の持ち方はディスプレイを正面に向けてホームボタンが下にくるように縦に持ちます。  iPhoneでは画面を縦向きと横向きのどちらでも表示させることができます。アプリによっては縦向きか横向きに固定される場合もありますが、多くのアプリでは本体を横向きにすれば自動的に横表示に切り替わります。最初のうちは縦にして使い慣れるとよいでしょう。 本体の表側がディスプレイになっています。上端から下端までのすべてがタッチパネルになっているわけではありません。表面の上部には受話口の切れ込みがありますが、その下から始まりホームボタンの上までが縦画面の幅となります。 ______________________________________ ■2-2 iPhone 7とiPhone 7 Plus 画面サイズはiPhone 7が4.7インチ、iPhone 7 Plusが5.5インチです。 iPhone 6シリーズ、iPhone 8シリーズと同じ画面サイズになります。 4.7インチと5.5インチということでサイズは違いますが、ボタンの配置は同じです。 このモデルからはステレオスピーカーになり、FeliCaによるおサイフケータイ機能、iP67相当の耐水性能という特徴が加わりました。 本体には五つのボタンが付いています。 「表面」  画面上には丸くて少しくぼんだ部分があります。 これがホームボタンとなります。 ホームボタンはTouch ID、指紋センサーの役割を果たしています。 iPhone 7が登場するまではこの場所はカチリと押し込める物理式のボタンでしたが、iPhone 7からは押し込めない感圧式ボタンに変わりました。 電源が入っていない時にはこの窪みを押し込んでも何も反応しませんが、電源が入っているとこのボタンをクリックした時にトンという短い振動のフィードバックがあるので、ボタンを押したことを確認できるようになっています。  画面の上側には受話口があり、横長の溝を確認できます。 iPhone 7シリーズではこの受話口がスピーカーの役割も果たしています。  ホームボタンが下側に来るように縦に持ちます。 「左側面」  三つのボタンがあり、上からサイレントスイッチ、音量アップ、音量ダウンです。 サイレントスイッチはレバー式になっていて、主で側から裏側にスライドするとサイレントモード、マナーモードになります。 「下側面」  中央にある切れ込みはLightening(ライトニング)コネクタで、ここにはパソコンとの接続や充電するためのケーブルを差し込めます。 iPhone 7シリーズからはイヤホンマイクジャックが廃止されたので、このコネクタはLighteningイヤホンをつなぐ場所にもなっています。  Lighteningコネクタの右にはスピーカー、左には気圧調整口が搭載されています。 iPhone 6シリーズでは、コネクタの左側がイヤホンジャックとなります。 「右側面」  スリープボタンがあり、電源のオン・オフ、スリープモードの切り替えの時に使用します。  スリープボタンから下に向けて指を滑らせると、SIMカードを装着するためのスロットが配置されています。 スロットの脇には小さな穴があり、トレイを取り出すには付属のピンやペーパークリップ、ゼムクリップのような先端の細いものを差し込みます。 「カメラの位置」  背面と表面に一つずつあります。 iPhone 7 Plusでは背面カメラは二つです。 背面カメラはiSight(アイサイト)カメラと呼ばれ、前面カメラはFaceTime(フェィスタイム)カメラと呼ばれています。 背面にはLEDライトも配置されています。 後ろ側のカメラは手触りでその場所を確認できます。  前側のカメラは受話口の近くです。 通常の持ち方はディスプレイを正面に向けてホームボタンが下にくるように縦に持ちます。 iPhoneでは画面を縦向きと横向きのどちらでも表示させることができます。アプリによっては縦向きか横向きに固定される場合もありますが、多くのアプリでは本体を横向きにすれば自動的に横表示に切り替わります。最初のうちは縦にして使い慣れるとよいでしょう。 本体の表側がディスプレイになっています。上端から下端までのすべてがタッチパネルになっているわけではありません。表面の上部には受話口の切れ込みがありますが、その下から始まりホームボタンの上までが縦画面の幅となります。 ______________________________________ ■2-3 iPhone 12 Pro 画面サイズは6.1インチです。 2017年に初めてホームボタンのないiPhone Xが発売されました。 それからはホームボタンのないモデルが主流になっています。 2020年にはiPhone 12シリーズが発売されて、5.4インチのiPhone mini, 6.1インチのiPhone 12とiPhone 12 Pro, 6.7インチのiPhone 12 Maxの画面サイズの異なる4モデルとなっています。 本体には四つのボタンが付いています。 「表面」  すべてがディスプレイになっています。  アプリを開くと、画面の下端にはホームインジケーターという横線が表示されます。 「左側面」  三つのボタンがあり、上からサイレントスイッチ、音量アップ、音量ダウンです。 サイレントスイッチはレバー式になっていて、主で側から裏側にスライドするとサイレントモード、マナーモードになります。  音量ボタンから下に向けて指を滑らせると、SIMカードを装着するためのスロットが配置されています。 スロットの脇には小さな穴があり、トレイを取り出すには付属のピンやペーパークリップ、ゼムクリップのような先端の細いものを差し込みます。 「下側面」  中央にある切れ込みはLightening(ライトニング)コネクタで、ここにはパソコンとの接続や充電するためのケーブルを差し込めます。 iPhone 7シリーズからはイヤホンマイクジャックが廃止されたので、このコネクタはLighteningイヤホンをつなぐ場所にもなっています。 「右側面」  サイドボタンがあり、スリープモード、画面ロックする時に利用します。 クリックの回数、長押し、音量ボタンとの組み合わせで、他の機能が実行できるようになっています。  ホームボタンのあるiPhoneではスリーブボタンと呼ばれていましたが、ホームボタンのないiPhoneからはその役割が増えているので、名将が変更されました。 「カメラの位置」  背面に三つ、表面に一つあります。 背面カメラはiSight(アイサイト)カメラと呼ばれ、前面カメラはFaceTime(フェィスタイム)カメラと呼ばれています。 背面のカメラレンズの役割は、超広角、広角、望遠です。 背面のレンズは触ってわかるようになっていますが、前側のレンズは触ってもわかりません。受話口の近くです。 背面にはLEDライトと、LiDARスキャナも搭載されています。 通常の持ち方はディスプレイを正面に向けて、サイドボタンが右側にくるように縦に持ちます。 iPhoneでは画面を縦向きと横向きのどちらでも表示させることができます。アプリによっては縦向きか横向きに固定される場合もありますが、多くのアプリでは本体を横向きにすれば自動的に横表示に切り替わります。最初のうちは縦にして使い慣れるとよいでしょう。 ______________________________________ ■■チャプター3 VoiceOverをオンにしてみましょう 音声読み上げを開始するにはいくつかの方法が用意されています。 1. ●ホームボタンのトリプルクリック ホームボタンのあるiPhoneの場合、 新品の端末を開封して電源を入れた直後、この時点でホームボタンをトリプルクリック、素早く3回押すとVoiceOverがオンになります。 電源を入れるにはスリープボタンを3秒ほど長押し、数十秒待ちます。つづいてホームボタンのトリプルクリックを実行します。 これはiPhoneを初期化した直後にも有効です。 2. ●サイドボタンのトリプルクリック ホームボタンのないiPhoneの場合、 ホームボタンの変わりにサイドボタンを利用します。 新品の端末を開封して電源を入れた直後、この時点でサイドボタンをトリプルクリック、素早く3回押すとVoiceOverがオンになります。 電源を入れるにはサイドボタンを3秒ほど長押し、数十秒待ちます。つづいてサイドボタンのトリプルクリックを実行します。 これはiPhoneを初期化した直後にも有効です。 3. 設定アプリを開いてオンにする もしホームボタンまたはサイドボタンのトリプルクリックでVoiceOverがオンにならなかった場合、見えている人に操作してもらう必要があります。購入時にお店のスタッフに頼めば設定してもらえるでしょう。 ホーム画面が開いている状態で設定アプリを開きます。さらに「アクセシビリティ」→「ショートカット」と進んで行きます。選択肢の中から「VoiceOver」を選びます。 設定した直後からホームボタンまたはサイドボタンをトリプルクリックする度に、VoiceOverのオン・オフの切り替えができるようになります。 4. SiriによるVoiceOverのオンとオフ Siriの機能がオンになっていれば「ボイスオーバー オン」と声で指令を出すことで、たちまちVoiceOverがオンになり、読み上げ画始まります。 この方法を利用するには、Siriの機能がオンになっていて、インターネットにつながっている必要があります。 5. iPhoneをパソコンとUSBケーブルで接続する パソコン上でiTunesというアップルが提供している無料ソフトを起動します。 iPhoneやiPadを接続すると、それを認識してそのデバイス名が表示されます。 スクリーンリーダーでその箇所を確認するには、タブキーで項目を移動させます。 目的のデバイス名を確認したら、スペースキーかエンターを入力します。 こうすることでiPhoneの管理や転送したい内容の項目が表示されます。 タブキーで移動して、「アクセシビリティを設定」の箇所でスペースキーかエンターを入力します。 上下カーソルで「VoiceOver」を選択し、「OK」でスペースキーを入力。メッセージが現れるので、「つづける」でスペースキーを入力します。 この直後にVoiceOverがオンになり、デバイスが読みあげを開始します。 iTunesのソフトウェアは以下のサイトから入手できます。 アップル - iTunes - iTunesを今すぐダウンロード http://www.apple.com/jp/itunes/download/ ______________________________________ ■■チャプター4 スクリーンカーテンについて VoiceOverをオンにした状態ではスクリーンカーテンという機能が利用できます。スクリーンカーテンがオンになると画面には何も映らなくなります。その名の通りスクリーンにカーテンを閉めて表示内容を隠してしまうわけです。 他人から画面をのぞき見されないために利用できますが、バッテリーを長持ちさせる意味でも活用できます。 VoiceOverをオンにする方法を先に紹介しましたが、その手順によってはVoiceOverをオンにすると同時にスクリーンカーテンもオンになってしまい画面表示されなくなることがあります。 これでは画面を見ながら操作しているユーザにとって何の操作もできない状態になってしまいます。ジェスチャに慣れていない視覚障害ユーザが見えている人に画面操作を頼む時に困ってしまうことになりかねません。 そこでスクリーンカーテンをオフにする方法はまず初めに覚えた方がよいでしょう。 1. ●「3本指のトリプルタップ」 3本の指で素早く画面をトン・トン・トンと3回たたきます。 この操作を繰り返すとスクリーンカーテンのオンとオフを切り替えできます。 「スクリーンカーテン オフ」、「スクリーンカーテン オン」 というガイド音声が聞こえます。 (注意) このとき、3本指のトリプルタップではなく間違えて3本指のダブルタップをしてしまうと、VoiceOverの音声が消音、ミュートされてしまうので気をつけてください。「読み上げオフ」とガイドがあればダブルタップしたことになります。もう一度3本指のダブルタップをすることで「読み上げオン」になります。 ●「3本指のダブルタップ」 3本の指で素早く画面をトン・トンと2回たたきます。 読み上げ音声のオンとオフが切り替わります。 音楽やラジオを聞いている時にVoiceOverの声が邪魔に感じることがあります。そんな時にこの機能を活用します。 2. ●「ホームボタンまたはサイドボタンのトリプルクリック」 VoiceOverをオフにすると同時にスクリーンカーテンもオフになり、画面が表示されます。音声読み上げはなくなり、標準のジェスチャが使用できます。 ホームボタンまたはサイドボタンをトリプルクリックしても何も変化がない場合、アクセシビリティのショートカット機能に何も割り当てられていないことが考えられます。 ホーム画面が開いている状態で設定アプリを開きます。さらに「アクセシビリティ」→「ショートカット」と進んで行きます。選択肢の中から「VoiceOver」を選んでおいてください。 ______________________________________ ■■チャプター5 電源のオンとオフ、スクリーンロックについて では、実際にiPhoneをVoiceOverで操作していきましょう。 すでにVoiceOverがオンになっていて、端末の初期設定が終了しているという前提で説明を進めていきます。 ______________________________________ ■5-1 電源を入れる スリープボタンまたはサイドボタンを3秒ほど長押しします。 電源がオンになり、数十秒待っているとロック状態の画面が現れます。 iPhoneのモデルによっては、ボタンを長押しする秒数が異なります。 画面が見えていればAppleロゴが表示されればボタンを離せばよいのですが、見えていないとその目安がわかりません。 もし電源がオンにならなければ、充電を開始してみてください。 電源がオフの状態では、充電を開始すると自動的に電源がオンになります。 電源がオンになると、効果音が鳴ります。 また、サイレントモードのレバーをオフからオンにして、振動によるフィードバックがあればオンの状態です。 ______________________________________ ■5-2 画面ロックを解除してホーム画面を表示する iPhoneを使用するには画面のロックを解除して、ホーム画面を表示させる必要があります。 1. ホームボタンのシングルクリック ホームボタンのあるiPhoneの場合、 ホームボタンを1回カチッと押します。 iOS 10からはシンプルな操作で画面ロックを解除できるようになりました。 2. ●「1本指のダブルタップ」 ホームボタンのあるiPhoneの場合、 1本指でタッチしてそのまま指を滑らせていき、画面の下部中央にあるロック解除ボタンを探します。 「ホームボタンを押してロック解除」という読み上げが確認されたら指を離します。 1本の指で素早く画面をトン・トンと2回たたきます。 このジェスチャを1本指のダブルタップと表現します。 このジェスチャでボタンを押す、実行することができるわけです。 (ヒント) タップするときに気をつけることは、指が画面に接している時間が長くなってしまわないことです。タップではなくタッチだと勘違いされてしまうので、指が画面に当たったら、すぐに指を画面から離します。そして、同じ場所をタップするようにしましょう。 ドアをノックする感覚ですが、力を強くする必要はありません。 VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャは、1本指のシングルタップです。シングルタップとは、1回たたくことです。 (注意) ロック解除ボタンが表示されている状態は長くは続きません。 もしロック解除ボタンが消えてしまった場合は、スリープボタンかホームボタンを1回クリックすることで再び表示されます。 3. ●「画面の下端から1本指で上スワイプ」 ホームボタンのないiPhoneの場合、 1本の指を画面の下端から上に向けて素早くスーット滑らせて、1回目のハプティックフィードバック(振動)を確認したら指を離します。 箒で掃くようなしぐさです。 画面の下端にタッチした時にはポッという低めの効果音があり、1回目の振動を確認できる箇所ではプッという高めの効果音が聞こえます。  VoiceOverがオフの環境でも同じ操作法となります。 (ヒント) ホーム画面がうまく開かない場合の理由ですが、画面の下端に指をタッチしている時間が長いと、その時点から上スワイプしてもうまくいきません。 まず画面の下側面に指を当てます。そのまま勢いよく指を滑らせて上スワイプしてみてください。 ホームボタンのないiPhoneでジェスチャを利用してホーム画面を開くとき、気を付けることがあります。1回目の振動を確認して、そこからさらに上スワイプしてしまうと2回目の振動と高めの効果音がなります。この時点で指を離してしまうと他のジェスチャになってしまうので、画面につけたままの指を1回目の振動を確認した箇所まで下スワイプして、指を離してください。あるいは、もう一度画面の下端から上スワイプしてみてください。 ホームボタンのないiPhoneでは、ロックされた画面上には二つのボタンが表示されています。 左下端に「フラッシュライト」のオン・オフ切り替えボタン、右下端には「カメラ」ボタンです。 フラッシュライトのボタンがオンになると、本体背面のLEDフラッシュが点灯します。 全盲ユーザの場合に気を付けないといけないのは、意図せずにフラッシュライトをオンにしてしまうことで、フラッシュライトが光り続けてしまうことです。 これは電池の早い消耗にもつながるので、覚えておいてください。 ______________________________________ ■5-3 スクリーンロックとロック解除の操作 iPhoneの操作をしないときは、画面にタッチしても何の反応も起こさせないようにスクリーンロック(画面ロック)をかけておくことができます。 スクリーンロックがかかっている状態をスリープと言います。 スリープボタンまたはサイドボタンを1回クリックすればこのモードに入ります。バッテリーを長持ちさせることにつながります。 また、ポケットの中のiPhoneの誤動作を防げます。 スリープモードになっていても電話の着信やメールの受信時には通知してくれます。 スリープモードを解除するには次の手順が利用できます。 1. ホームボタン、スリープボタン、サイドボタンのいずれかを1回クリックします。 2. 本体を手前に傾けます。 机の上など、画面を上にして置かれている状態から、本体の上部を持ち上げて傾斜させます。 ロック解除の画面が現れます。 電源オフからの復帰と同じ方法でロック解除ボタンを操作できます。 (この昨日はオフにすることもできます) 初期状態のiPhoneは1分間なにも操作をしないと自動的にスリープ状態に入ります。 この時間を長くしたりスリープ状態に自動的に入らないように設定変更することは可能です。 セキュリティのために画面ロックを解除する場面で暗証番号を入力したり、指紋認証や顔認証をするようにも設定できます。 ______________________________________ ■5-4 電源をオフにするには ホームボタンのあるiPhoneの場合、 スリープボタンを2秒以上長押しします。 すると画面の上部に「スライドで電源オフ」のボタンが、下部に「キャンセルボタン」が表示されます。 ホームボタンのないiPhoneの場合、 サイドボタンと音量ボタンを同時に2秒以上長押しします。 音量ボタンはアップでもダウンでも、どちらでもかまいません。 すると画面の上部に「スライドで電源オフ」のボタンが、下部に「キャンセルボタン」が表示されます。 目的の項目を1本指でダブルタップすれば電源がオフになります。 ______________________________________ ■■チャプター6 ホーム画面 iPhoneを操作する起点となる画面をホーム画面と言います。アプリの一覧が表示されています。 iPhone 7では横に4列、縦に7行のレイアウトになっています。 行数についてはiPhoneの画面サイズや設定した文字サイズにより異なります。 画面ロックの解除後にこの画面が表示されなかったり、アプリを操作していて元の画面に戻りたい時、ホームボタンのあるiPhoneであれば、ホームボタンを1回クリックすることでいつでもホーム画面を表示させることができます。 ホームボタンのないiPhoneでは、ジェスチャを利用します。 また、後述するSiriの機能を利用することもできます。 「ホーム」 「ホーム画面を表示」 などと声でリクエストします。 ______________________________________ ■6-1 画面にタッチ では、実際に画面をタッチしてみてどんなアプリが並んでいるのかを読み上げさせてみましょう。 ●「1本指でタッチ」 とりあえず1本の指を画面の真ん中に当ててみてください。爪の先を充てるのではなく、指先の皮膚か指の腹を軽くタッチさせます。すると、指が当たっている部分に項目があればその名前が読み上げられます。指を画面につけたまま縦横無尽に画面の隅々まで滑らせていって確認してみましょう。 読み上げられている部分はカーソルが表示されるので、視覚的に確認することができます。このカーソルをVoiceOverカーソルと呼びます。 ______________________________________ ■6-2 項目を一つずつ順番に移動していくジェスチャ 画面をタッチしたまま指をスライドしていく操作だけでは目的の項目を見つけるのに手間がかかります。そこで項目を一つずつ移動するジェスチャは便利です。 ●「1本指の右スワイプと左スワイプ」 1本の指を画面につけてスーット滑らせてから指を離します。 箒で掃くようなしぐさです。丁寧に指を動かすよりも、荒っぽく箒を動かすようにする方が認識してくれやすいです。 右スワイプは画面の左から右に向かって指を動かします。 画面のどこで実行してもかまいません。 右スワイプすると、現在位置の右隣、もしくは次に配置されている項目名が読み上げられます。 VoiceOverカーソルが移動する方向は左から右に向かって、右端までくると次の行の左端に移ります。そうして下に向かって移動していきます。 下端までくると右スワイプをしても先には進まないので、画面の中でそこが最後の項目だと知ることができます。 逆方向に移動したいときは左方向に指を動かします。 これを左スワイプと呼びます。 (注意) ホーム画面では上記の説明のように隣の補単に移動しますが、アプリによってはそのレイアウトの関係で、必ずしも隣のボタンに移動するというわけではありません。 ______________________________________ ■6-3 画面上の内容をすべて連続読みさせるジェスチャ 画面に表示されている項目をすべて読み上げさせることができます。 ●「2本指の上スワイプ」 これは2本の指をそろえて画面の下から上に向かって滑らせるしぐさです。 画面のどこで実行してもかまいません。 すると、画面の左上端にあるアイテムから右下端までを連続読みしてくれます。 まず1行目の左端から右端に読み進み、次に2行目の左端から右端に…という具合に読み上げが続いていきます。 この操作は現在表示されているアイテムを読み上げさせるときだけでなく、メール本文やウェフページの読み上げにも活用できます。 (ヒント) 初めて開くアプリでは、どのような項目が表示されているのかを知るために、この連続読みを活用することができるでしょう。 ______________________________________ ■6-4 連続読みを一時停止するジェスチャ ●「2本指のシングルタップ」 2本の指で画面を1回トンとたたきます。 画面のどこで実行してもかまいません。 すると、連続読み上げが一時停止の状態になります。 再びその場所から連続読みをさせたいときには同じジェスチャを行います。 ______________________________________ ■6-5 現在の場所から先を連続読みさせるジェスチャ ●「2本指の下スワイプ」 これは2本の指をそろえて、画面の上から下に向かって滑らせるしぐさです。 画面のどこで実行してもかまいません。 すると、VoiceOverカーソルのある現在位置から先の部分を連続読みしてくれます。 この操作は、メール本文やウェフページの読み上げにも活用できます。 ______________________________________ ■6-6 アプリやボタンなどの項目を実行するジェスチャ 試しに設定アプリを実行してみましょう。 まず画面をタッチしてスライド、指を滑らせていくか、1本指の右スワイプか左スワイプのジェスチャを使って「設定」と読み上げられる所を見つけます。見つかったら画面から指を離してみましょう。VoiceOverカーソルは設定アプリの場所で停止しています。これで設定アプリが選択状態になっています。つまりVoiceOverカーソルは「設定」のアイコンをフォーカスしていると表現できます。 ●「1本指のダブルタップ」 次に1本の指で素早く画面をトン・トンと2回たたきます。 画面のどこで実行してもかまいません。 このジェスチャでボタンを押す、実行することができるわけです。 VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャは、1本指のシングルタップです。 設定アプリの画面が表示されたら成功です。 (ヒント) タップするときに気をつけることは、指が画面に接している時間が長くなってしまわないことです。タップではなくタッチだと勘違いされてしまうので、指が画面に当たったら、すぐに指を画面から離します。そして、同じ場所をタップするようにしましょう。 ドアをノックする感覚ですが、力を強くする必要はありません。 無事に設定アプリを開くことができれば、ホーム画面を開く操作をして元の画面に戻しておきましょう。 ______________________________________ ■6-7 読み上げの単位や機能を変更する「ローター」のジェスチャ VoiceOverが読み上げできるのはアイコンや画面全体といった大きな単位だけではありません。 文字単位、単語単位、行単位でも読み上げさせることができます。 1本指の下スワイプと上スワイプのジェスチャを利用しますが、これらのジェスチャは他の用途でも活用できます。 たとえば読み上げ速度の調整、読み上げ言語の切り替え、テキスト選択、ウェブページでのリンクや見出しジャンプなどです。 それらの状態を変更するにはローターというジェスチャを利用します。 目的のカテゴリに合わせてから1本指の下スワイプか上スワイプを行うことで、それぞれの働きをしてくれるわけです。 ●「ローター」 2本指を同時に画面にタッチして、そのまま時計回りに指をクルリと回します。ジジッという効果音につづいて、ローターのカテゴリの名前が読み上げられます。 1本指の下スワイプと上スワイプでVoiceOverカーソルを移動させたり、機能のオンとオフの切り替え、メニューの表示などができます。 ただし、「点字」や「手書き」のカテゴリに合わせるとそれらの入力モードになってしまうので、その他のジェスチャを受け付けなくなってしまいます。その状態から抜け出すには、ローター操作で他のカテゴリに変更するか、後述のスクラブのジェスチャを利用する必要があります。 (ヒント) ローターのジェスチャは難しいと思われがちです。 画面上にダイヤルのつまみをイメージしてください。電子レンジの時間合わせやペットボトルの蓋をイメージしてもよいでしょう。そのつまみを2本の指で回していくように動かします。つまみが回るとジジッ、ジジッという効果音が聞こえてきて、いろんなモードを選択できるようになります。目的のカテゴリの名前が読み上げられたら画面から指を離します。 つまみは大きくグルーリと指で回転させるのではなく、素早くクルックルッと小さな動きを繰り返し行うと目的のカテゴリに合わせやすいかもしれません。 たとえば時計の9時と3時に置いた指を10時と4時に時計回りに回転させる、小さく回転して次のカテゴリが読み上げられたら画面から指を離す、また画面にタッチして小さく回転してカテゴリが切り替わったら指を離す。それを繰り返すわけです。 大きくつまみを回してしまうと、一度に二つや三つもカテゴリが切り替わってしまいます。小さい動きであれば、一つ一つのカテゴリの名前を確認しながら確実に切り替え操作ができます。 鍼灸師の人であれば鍼治療のときの撚鍼の操作だとイメージするとよいかもしれません。 使用する2本の指は人差し指と中指の組み合わせでもよいですし、親指と人差し指でもよいでしょう。 自分の使いやすい方法を見つけて下さい。 では、文字単位で読み上げできる状態にしてみましょう。 ローター操作をして「文字」というカテゴリが読み上げられるまでつづけてください。 見つかればローター操作を停止します。 もしもローターを回し過ぎて「文字」というカテゴリ名の読み上げを通り越してしまったならば、今度は反時計回りに指を回してください。カテゴリ名が逆方向に読み上げられていきます。 ______________________________________ ■6-8 文字を一つずつ読み上げさせるジェスチャ ローターが「文字」のカテゴリになっているとします。 この状態では表示されている内容を1文字ずつ確認することができます。これにより、ひらがなかカタカナ、漢字の説明読みをさせることができるわけです。 ●「1本指の下スワイプと上スワイプ」 1本の指で画面の上から下、あるいは下から上に向かって滑らせるしぐさです。 画面のどこで実行してもかまいません。 下スワイプでは、現在位置の次の文字が読み上げられます。 逆方向に移動したいときは上方向に指を動かします。 もし1本指の下スワイプと上スワイプで1文字ずつ読み上げない場合は、ローターのジェスチャを利用して「文字」というカテゴリに合わせる必要があります。 ______________________________________ ■■チャプター7 ホーム画面の特徴 最初の画面であるホーム画面を表示させてみましょう。 実はホーム画面は複数のページから構成されています。インストールされたアプリの数によってページ数は増えていきます。 最初のホーム画面は1ページ目になっています。 ______________________________________ ■7-1 現在位置を確認するジェスチャ ●「3本指のシングルタップ」 3本指でトンと画面を1回たたきます。すると何ページ中の何ページ目か、VoiceOverカーソルの場所が画面のどの辺りなのかを教えてくれます。 たとえば、 「2列目の4行目、全3ページ中1ページ目」 のようにです。 このジェスチャはウェブサイトなどで場所を確認したいときに便利です。 「項目の概要を読み上げ」と名付けられているジェスチャです。 ______________________________________ ■7-2 ステータスバーとドック ホーム画面の一番上と下の行には特徴があります。 「ステータスバー」 一番上の行には通信状況を示すアンテナ、時計、バッテリー残量などが表示されています。表示される内容は状況によって異なります。 iPhone Xシリーズなどでは真ん中にノッチがあるために、ステータスバーは左と右側の二つに分かれています。 ホームボタンのないiPhoneの場合、ステータスバーに表示されている内容を読み上げさせるときには、画面の上端から指を滑らせていくと、うまくステータスバーの内容を読み上げさせることができないかもしれません。 指はステータスバーの下から上に滑らせるようにすると、確認しやすいです。 「ドック」 一番下の行はドックと呼ばれる部分で、ホーム画面のページを切り替えても常に同じ項目を表示させておくことができます。よく利用するアプリを配置しておけばどのページを表示させていてもすぐに起動できます。 ドックの上にはページ番号と現在のページ数を確認できる箇所があります。 この箇所にタッチしてから指を画面から離し、1本指で上スワイプすると次のページへ、1本指で下スワイプすると前のページへ移動することができます。 また、1本指でダブルタップすると次のページに移動します。 ______________________________________ ■7-3 画面を横スクロールする、ページ移動のジェスチャ ●「3本指の左スワイプと右スワイプ」 3本の指を同時に画面につけてスーッと滑らせてから指を離します。 右スワイプは画面の左から右に向かって指を動かします。 画面のどこで実行してもかまいません。 指の置き方ですが、縦にそろうように3本並べてもよいし、斜めになっていても横でも大丈夫です。 大切なのは3本の指が同時に画面にタッチしていることと、指を滑らせる方向です。 3本指の左スワイプで次のページへ、右スワイプで前のページに移動します。 (ヒント) ページ移動のときには横に長く伸びた紙をイメージしてください。本体の右側に長く伸びている巻物、ネームテープでもよいでしょう。 一つの画面の枠の中には入りきらないので、その紙を左に向けて引っ張っていきます。そうすることで続きのページ、つまり2ページ目や3ページ目が表示できるわけです。そのための操作が3本指の左スワイプです。 逆に3本指の右スワイプにより紙を左から右に引っ張っていく、そうすることで前のページを表示させます。 VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャは、1本指の左スワイプと右スワイプです。 ______________________________________ ■7-4 ホーム画面の0ページ目「今日」の表示 3本指の右スワイプは前のページに移動するジェスチャですが、ホーム画面が1ページ目にある状態で3本指の右スワイプをすると、特別な画面に切り替わります。 「今日 Today」と呼ばれている画面です。ウィジェットの表示やスポットライト検索ができます。 ウィジェットについては後述します。 「今日」の画面を終了するには、ホーム画面を開く操作をするか、後述のスクラブのジェスチャを利用します。 そうすることで、1ページ目のホーム画面が表示されます。 ______________________________________ ■7-5 ホーム画面の最終頁「Appライブラリ」 インストールしたアプリの数が多くなると、ホーム画面のページ数は増えていきます。 3本指の左スワイプで後ろのページに移動できるわけですが、iOS 14からは最後のページの画面から3本指の左スワイプをすると、特別な画面に切り替わります。 「Appライブラリ」と呼ばれている画面です。 アプリは自動的にカテゴリ別のフォルダに分けられて、ここではすべてのアプリを見つけることができます。 「Appライブラリ」の画面を終了するには、ホーム画面を開く操作をするか、後述のスクラブのジェスチャを利用します。 そうすることで、最後のページ数のホーム画面が表示されます。 ______________________________________ ■7-6 ホーム画面を開く操作で表示される画面の特徴 ホーム画面を表示させるにはホームボタンのシングルクリック、あるいはホームボタンのないiPhoneであれば画面の下端から1本指で上スワイプのジェスチャを利用します。 少しややこしいのですが、ホーム画面を開く操作をすると常に1ページ目のホーム画面が表示されるわけではありません。実はアプリを起動した直前のホーム画面を表示するのです。たとえば9ページ目にあるアプリを起動した状態でホームボタンをクリックすると9ページ目の画面が表示されるということです。 そして、9ページ目が表示されている状態でホーム画面を開く操作をすると、1ページ目に一気に戻ることができます。 ______________________________________ ■■チャプター8 設定アプリの中を覗いてみましょう ホーム画面から設定アプリを開いてみましょう。 ここにはiPhone本体やインストールしたアプリの機能を設定できる項目が並んでいます。 一つの画面には入りきらない数の項目が一覧表示されています。 1本指の右スワイプを続けていくと、画面スクロールを意識することなく最後の項目にたどり着くことができますが、時間を短縮するためにも画面をスクロールさせるジェスチャは役に立ちます。 ホーム画面では複数のページが横に並んだ状態なので、画面の横スクロールをするジェスチャを使いました。設定アプリでは画面の縦スクロールをするジェスチャを利用します。 一つの画面に収まらない縦長の表示情報を閲覧するときには、画面をスクロールしてページを切り替えていくと効率よく情報を閲覧することができます。 メールの一覧画面や本文、ウェブページの画面などで活用できます。 前述したホーム画面の「今日」の表示や「Appライブラリ」でも縦長で表示されています。 (注意) 画面サイズの大きなiPhoneを横向きで使っていると、設定アプリは左右に分割されたレイアウトになります。縦向き表示で試してください。 ______________________________________ ■8-1 画面を縦スクロールする、ページ移動のジェスチャ ●「3本指の上スワイプと下スワイプ」 3本の指を同時に画面につけてスーッと滑らせてから指を離します。 上スワイプは画面の下から上に向かって指を動かします。 画面のどこで実行してもかまいません。 上スワイプをすると、次のページが表示されます。 下スワイプをすると、前のページが表示されます。 VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャは、1本指の上スワイプとしたスワイプです。 (ヒント) 画面をスクロールする操作のときには、縦に長い紙、トイレットペーパーのようなものをイメージしてください。iPhone本体から下に垂れさがった紙があります。一つの画面の枠の中には入りきらないので、その紙を下から上に引っ張り上げる。そうすることで続きのページ、つまり2ページ目や3ページ目が表示できるわけです。 そのための操作が3本指の上スワイプです。 逆に3本指の下スワイプにより紙を上から下に下げていく、そうすることで前のページを表示させます。 ______________________________________ ■8-2 縦長画面の先頭ページを表示させるには 設定アプリの中にはどのような項目があるのか、最後まで読み上げさせて確認してみてください。 1本指の右スワイプで一つずつ項目を移動していってもよいですし、あるいは2本指の下スワイプで連続読みさせてもよいでしょう。 ここでは、一番最後のページから先頭ページにジャンプする方法について紹介します。 たとえば10ページにもまたがるページを閲覧していて、最後のページから先頭を表示させるのに3本指の下スワイプを何度も繰り返しているのは面倒です。 ●「ステータスバーのダブルタップ」 画面の一番上に常に表示されているステータスバーを1本指でダブルタップします。 これでページの先頭が表示されます。 ______________________________________ ■8-3 画面内の最後の項目に移動する 画面の中でもっとも最後の項目にいきなり移動することができます。 画面の右下が最後の項目になっていることが多いです。 ●「4本指で画面の下半分をシングルタップ」 4本の指でトンと画面を1回たたきます。 画面の下半分の場所で行ないます。 これでその画面で表示されている内容の最後の項目に移動することができます。 4本の指は横に揃えていても斜めになっていてもかまいません。 大切なのは4本の指で同時に画面をタップすることです。 ______________________________________ ■8-4 画面内の先頭の項目に移動する ●「4本指で画面の上半分をシングルタップ」 4本の指でトンと画面を1回たたきます。 画面の上半分の場所で行ないます。 これでその画面で表示されている内容の先頭の項目に移動することができます。 4本の指は横に揃えていても斜めになっていてもかまいません。 先ほどの逆の結果となります。 アプリによっては前の画面に「戻るボタン」が画面の左上に配置されていることが多いのですが、そんなときにこの操作は活用できます。 ______________________________________ ■8-5 一つ前の画面に戻るためには「スクラブ」 設定アプリの中野「一般」という項目の中に入ってみましょう。 1本指のダブルタップでその内容が表示されます。 このように設定アプリはツリー構造になっているので、一つの項目に入るとさらに複数の項目に枝分かれしています。 一つ前の画面に戻るためには、「戻る」ボタンが用意されています。たいていは画面の左上端に配置されています。 その箇所を1本指のダブルタップで実行すると、一つ前の画面が表示されます。 いちいちそのボタンを探して実行しなくてもよいように、ジェスチャが用意されています。 ●「スクラブ」 2本指で画面を3回こする。シュッシュッシュッとアルファベットのZを描くようなしぐさだとイメージすれば分かりやすいかもしれません。 画面のどこで実行してもかまいません。 「もどる」ボタンを実行する代わりに活用できます。 また、その他の目的でも活用できます。 ・開いているテキストフィールドを閉じる ・Safariでは直前のウェブページに戻る ・キャンセルの操作 ・アプリによってはメニュー画面を終了する ただし、アプリや場面によってはスクラブが反応しないこともあるので、そのときは「戻る」や「キャンセル」ボタンを実行する必要があります。 (ヒント) 2本指でアルファベットのZの文字を書くようにと表現されていることが多いですが、1本の線の上を1.5往復するとイメージしてもよいでしょう。 線は縦でも横でも斜めでもかまいません。 指を動かす幅は長くても短くても関係なさそうです。 とにかく、2本の指先を画面にタッチして、そのまま、A地点からB地点へ、次にB地点からA地点へ、最後にA地点からB地点へ指を滑らせて、そして指を画面から離します。 プールの25メートルコースでターンしながら75メートル泳ぐ、そんな風にもイメージできます。 ゆっくりの速さでも反応しますが、できれば素早く動かした方が認識してくれやすいで す。 ______________________________________ ■■チャプター9 VoiceOverのジェスチャの操作練習 ジェスチャ操作に不安があれば、いつでも練習できるモードが用意されています。 このモードにはいると、タッチジェスチャをした後に、そのジェスチャの名前と説明を読み上げてくれます。 練習モードに入るには二通りの方法が用意されています。 1. ●「4本指のダブルタップ」 4本の指で素早く画面をトン・トンと2回たたきます。 練習モードから抜け出すには再び4本指のダブルタップをします。 このジェスチャは、ロック解除の画面でも、ホーム画面でも、アプリが起動している画面でも利用できます。 2. ホーム画面の設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「VoiceOverの操作練習」へとダブルタップして進んでいってください。 また、この練習モードから抜け出すには、完了ボタンを1本指でダブルタップする必要があります。画面の右上に表示されていますが、右スワイプや左スワイプではそこに移動することができません。指を滑らせながら見つけてください。 これまでに出てきたジェスチャを練習しておくとよいでしょう。 ●「1本指のタッチ」 項目の読み上げ。VoiceOverカーソルをフォーカス。 ●「1本指の右スワイプと左スワイプ」 右スワイプで次の項目に移動、左スワイプで前の項目に移動。 ●「1本指のダブルタップ」 項目を実行。アクティベート。 ●「2本指の上スワイプ」 先頭からの連続読み。上から読み上げ。 ●「2本指のシングルタップ」 読み上げの一時停止と再会。スピーチの切り替え。 ●「2本指の下スワイプ」 VoiceOverカーソルの箇所から連続読みを開始。すべて読み上げ。 ●「3本指のダブルタップ」 VoiceOverの音声のオンとオフを切り替え。消音のオンとオフを切り替え。 ●「3本指のトリプルタップ」 スクリーンカーテンのオンとオフを切り替え。 ●「ローター」 時計回りで次のローター、版時計周りで前のローター。 ●「1本指の下スワイプと上スワイプ」 下スワイプで次のローター項目、上スワイプで前のローター項目に移動。 ●「3本指のシングルタップ」 項目の概要を読み上げ。 ●「3本指の左スワイプと右スワイプ」 右スワイプで左にスクロール、左スワイプで右にスクロール。 ●「3本指の上スワイプと下スワイプ」 上スワイプで下にスクロール、下スワイプで上にスクロール。 ●「4本指で画面の上半分をシングルタップ」 最初の項目に移動。 ●「4本指で画面の下半分をシングルタップ」 最後の項目に移動。 ●「スクラブ」 エスケープ。 ●「4本指のダブルタップ」 ヘルプの開始と停止。 ______________________________________ ■■チャプター10 Siri、音声アシスタントの利用について iPhone 4SからSiriと呼ばれる音声アシスタントの機能が利用できるようになりました。電話の発信、メールの送信、ウェブ検索、アプリの起動などを声でリクエストして実行させることができます。 Siriは設定アプリの中でオンとオフの切り替え、認識言語の切り替えなどができます。 日本語では二つの声が用意されていて、変更する場合は、設定アプリを開いて、「Siriと検索」と進んでいきます。 Siriはインターネットにアクセスしている状態でないと利用できません。 Siriを起動して「ヘルプ」とリクエストすると、簡単な使い方を教えてくれます。 ______________________________________ ■10-1 Siriを呼び出す ●「ホームボタンまたはサイドボタンの長押し」 ホームボタンまたはサイドボタンを押し続けると、Siriが起動します。 ポポンという低めの効果音の後に、声で操作したい内容や質問を伝えます。 発声が終わったら自動的にピピンという高めの効果音が流れて、音声の認識処理を始めます。 指を離すタイミングですが、最初の効果音が鳴った直後でもよいですし、あるいは声によるリクエストが終わってからでもかまいません。 数秒するとその答えを教えてくれたり、リクエストした機能を実行してくれます。 認識された内容やそれに対する結果は、画面に文字として表示されているので、VoiceOverで読み上げ確認させることができます。 Siriの画面を閉じるには、ホーム画面を開く操作をします。 ______________________________________ ■10-2 続けてSiriにリクエストする Siriが起動している状態で、続けて声によるリクエストを行う場合には、次の三通りの操作が実行できます。 1. 2本指のダブルタップ 2. ホームボタンまたはサイドボタンの長押し 3. 再生ボタンの実行。 再生ボタンの位置は画面下部です。 ______________________________________ ■10-3 デバイス本体に触らずにSiriにリクエストする機能「Hey Siri」 iOS 8から「Hey Siri」という機能が加わりました。 iPhone本体に触らなくても「Hey Siri」と声で合図すると、マイクがそれを聞き取って、Siriが自動的に起動してくれるのです。 iPhone 6以前の場合、デバイスは電源につながっている必要があります。 iPhone 6sシリーズ以降であれば電源につながっていなくても利用できます。 設定アプリを開いて、「Siriと検索」→「Hey Siriを聞き取る」ボタンをオンにします。 「Hey Siri」と声で合図すると、聞き慣れた効果音が聞こえます。 ______________________________________ ■10-4 文字入力してリクエストを伝える iOS 11からは声で伝える代わりに文字入力してリクエストを送信することができるようになりました。 ホーム画面が開いている状態で設定アプリを開きます。さらに「アクセシビリティ」→「Siri」と進んで行きます。 「Siriにタイプ入力」のボタンをオンにします。 この状態では、ホームボタンまたはサイドボタンの長押でSiriを呼び出すと、テキストフィールドが表示されて文字入力できる画面が表示されます。 答えを音声で返してほしくない場合は、音声フィードバックを 「消音モードオフ設定」の状態にしておきます。 サイレンとモードにしておけば、音声フィードバックはありません。 ______________________________________ ■■チャプター11 読み上げ操作をしていく上でのヒント VoiceOverにはたくさんのジェスチャが用意されています。 それらのジェスチャはどの場面で使えばよいのか、こんなときには何が実行できるのか、すぐに頭には浮かんでこないものです。 そんなときにはVoiceOverの読み上げを最後まで聴いてみてください。 ボタンやテキストの内容を読み上げた後に、今はどんなジェスチャが使えるのかなどをヒントとして案内してくれます。 ヒント読みはオフにすることもできますが、慣れないうちはヒント読みをオンにして、読み上げ音声を最後まで聞くことをお勧めします。 ウェブページの中では項目名の後に「訪問済みリンク」や「ボタン」など、どんな操作が実行できるのかを推測できるような案内もあります。 効果音も工夫されています。 右スワイプで項目を移動するとき、ページを移動するとき、そのほかにも項目を一つのフォルダにまとめたり削除したりするときなど、それぞれに効果音が割り当てられています。文字入力の場面で文字が確定されたかどうかも、効果音を聞き分けることで確認できます。 また、ある程度使い続けていくと、アプリのレイアウトが予想できるようになります。 そして、普段よく使うアプリのレイアウトを覚えておけば、目的のボタンを読み上げさせてから実行するまでの時間を短縮することができます。 ジェスチャ操作がうまくいかない原因として、自分では1本指で操作しているつもりなのに、無意識に他の指や手のひらなど、他の部分が画面に当たって2本指や3本指のジェスチャとして誤認識されてしまうこともあります。 操作しない指や手のひらは画面からしっかり離しておくことが必要です。 ダブルタップがうまく認識されない原因として、 タップする早さが遅すぎる、 画面に接触している時間が長すぎる、 1回目と2回目のタップする場所がずれている、 などが考えられます。 操作がうまくいかないときは、自分の手のひらをiPhoneの画面に見立てて、もう片方の手の指でジェスチャの練習をしてみるのはよい方法かもしれません。 アプリによってはVoiceOver操作で使えないものもあります。そのような場合は一度ホームボタンかサイドボタンのトリプルクリックでVoiceOverをオフにしてから画面に1本指でタッチしてみます。つづいてVoiceOverをオンにすると画面の内容が変化して操作可能になっていることがたまにあります。 ジェスチャのダブルタップを認識する時間を調整することはできます。 もし素早くダブルタップすることが苦手な人は変更してみるとよいでしょう。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「ダブルタップのタイムアウト」の中に入ります。 「増やす」ボタンと「減らす」ボタンを実行することで調整できます。 ホームボタンやサイドボタンのクリック感覚を調整することができます。 ダブルクリックやトリプルクリックがうまくいかない場合に試してみるとよいでしょう。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「ホームボタン」あるいは「サイドボタン」の中に入ります。 「デフォルト」、「遅く」、「最も遅く」の3段階の中から指定できます。 ______________________________________ ■■チャプター12 電話アプリの操作 ホーム画面から電話のアプリを開いてみましょう。 一番下の行に注目してください。五つの項目(タブ)の切り替えボタンが並んでいますが、目的のものを1本指でダブルタップすればそれぞれの画面が表示されます。 「よく使う項目」 連絡先にたくさんの人の情報を登録していると、その中から電話したい人を探すのはたいへんです。頻繁に電話する相手や緊急の連絡先は「よく使う項目」に登録しておくと、すぐに見つけることができます。 「履歴」 発着信の履歴を確認できます。 「連絡先」 アドレス帳です。 登録済みの名前の閲覧や、追加、編集、削除の操作ができます。 「キーパッド」 電話番号を入力して発信することができます。 プッシュホンスタイルの数字キーが表示されます。 「留守番電話」 留守番電話センターに電話をかけます。 携帯電話会社や契約しているオプションプランによって操作できる内容は変わるかもしれません。 ______________________________________ ■12-1 電話番号を入力する ここでは電話番号の入力の練習を目的に「キーパッド」の画面を開いてみてください。1本指のダブルタップで実行です。 よく見慣れたテンキーが確認できます。番号を入力すると、入力した数字は画面の上部、ステータスバーの下に表示されます。 間違えて数字を入力した場合は削除できます。 シャープ記号の下に「削除」ボタンが現れるので、それを実行すれば直前に入力した数字を消すことができます。 電話を発信するには、テンキー0のボタンの下にある「発信」ボタンを実行します。 では、実際に12345と番号を入力してみましょう。いろんな入力スタイルが選べます。 1. 画面に指をタッチして、画面につけたままの指を滑らせて数字を見つけます。 指を画面から離した後、1本指のダブルタップを行います。 2. 1本指の右スワイプや左スワイプで移動して、数字を見つけます。 目的の数字で1本指のダブルタップをします。 3. 「スプリットタップ」を利用する。 1本指をタッチしたまま滑らせて、目的の数字の場所でその指を止めておきます。もう1本の指で画面をタップします。タップする場所は画面のどこでもかまいません。 4. 入力モードを切り替える ローターのジェスチャを利用することで、その他の入力モードを利用することができます。 3種類の方法が用意されています。 ローター操作で「入力モード」と読み上げられたら、画面から指を離します。 次に1本指の下スワイプか上スワイプにより、目的の入力方法の名前が読み上げられたら、画面から指を離します。 「標準入力」モード 先に紹介した1.と2.の方法が標準入力モードです。 「タッチ入力」モード 画面に1本指をタッチしたまま滑らせて、目的の数字の場所で、指を画面から離します。これで数字が入力できます。 数字の位置がわかっていれば、直接その箇所をタッチして指を離せばより早く入力できます。 「ダイレクトタッチ入力」モード フィーチャーフォンの数字ボタンを直接押すように、入力したいキーを1回タップします。これで数字が入力できます。 それぞれのキーの配置がわかっていれば、すばやく入力できる方法です。 ただし、画面に指が接している時間が長いと、数字は入力できません。 また、目的のキーをタップしたつもりでも、指を画面から離す時に横にずれてしまうと、入力はできません。 いずれの入力モードでも、スプリットタップによる数字入力は可能です。 ______________________________________ ■12-2 電話がかかってきた時のジェスチャ 電話がかかってきたことは、どのアプリを使用している時でも、スリープモードに入っていても、着信音かバイブレーションで確認できます。画面には相手の電話番号、連絡先に登録している名前、非通知、公衆電話からという情報が表示されます。応答」ボタンが表示されているので、それを1本指でダブルタップすると通話ができます。しかし、いちいち応答ボタンを実行するのは手間なので、簡単なジェスチャが用意されています。 ●「2本指のダブルタップ」 2本の指で素早く画面をトン・トンと2回たたきます。 これで応答できます。 マジックタップとも呼ばれているジェスチャです。 さて、電話がかかってきても応答したくない時の操作を紹介します。 着信音が鳴っている状態でスリープボタンかサイドボタンを1回クリックすると着信音は消音となります。 これは音量ボタンを1回押しても同じです。 スリープボタンかサイドボタンを2回すばやくクリックすると留守番電話サービスに転送されます。 これは画面上の「拒否」ボタンを押した時の状態と同じになります。 もし留守番電話サービスを利用していなければ、相手には「電話には応答できません」という内容のメッセージが伝えられます。 ______________________________________ ■12-3 通話を終了する時のジェスチャ 受話口を耳に当てている時には、スリープボタンまたはサイドボタンを1回クリックすることで通話は終了となります。 スピーカーフォンの状態では2本指のダブルタップで終了できます。 ______________________________________ ■12-4 スピーカーフォンの切り替え iPhoneには近接センサーが搭載されているので、本体を耳に近付けると通話の音声は受話口から聞こえます。また、本体を耳から離すと自動的にスピーカーから音声が出力されます。 気をつけないといけないのは、近接センサーは手が近づいても反応するということです。スピーカーフォンの状態で通話している途中に受話口に物が近づくと自動的に音声は受話口から聞こえるようになってしまいます。 通話の練習として、受話口に手のひらを近づけたり離したりして、音声がどちらから聞こえるか、どのタイミングで切り替わるかを確かめておくとよいでしょう。 もし自動的にスピーカーフォンに切り替えさせたくない場合は、設定アプリの中で変更することができます。 ホーム画面が開いている状態で設定アプリを開きます。さらに「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「オーディオ」と進んで行きます。 「通話でスピーカーを自動選択」の切り替えボタンをオフにしておきます。 ______________________________________ ■12-5 通話中の操作 通話中の画面には「通話終了」ボタンのほかに、自分の声を相手に聞かせたくない時に使える「消音」ボタンや、音声の出力先を変更するための「オーディオ」ボタン、「通話の追加」ボタン、「キーパッド」ボタンなどが表示されます。 ただし、iPhoneを耳に近づけている時には画面上のボタン類は確認することができないので、耳から離す必要があります。 スピーカーフォンになっているか、イヤホンを利用している状況で利用できます。 通話中にプッシュボタンの数字を押す必要のある場面では、「キーパッド」ボタンを実行することで、電話番号を入力したのと同じテンキーが表示されます。 キーパッドの表示されている画面の右下には『非表示」ボタンがあります。 テンキーではなく、最初のボタン類を表示させるには、「非表示」ボタンを実行してください。 ______________________________________ ■12-6 間違えて電話を発信してしまわないために覚えておくこと 「履歴」や「連絡先」に電話番号や個人名が表示されている場合、その人の情報を表示させることができます。 たとえば先ほどの操作で「12345」という電話番号に発信した場合、「履歴」画面でその発信履歴を確認することができます。 その番号の箇所を実行すると、電話が発信されます。 その番号の詳細情報を表示させたければ、その番号の箇所で1本指の下スワイプか上スワイプを行います。複数のアクションメニューを確認できますが、「詳細情報」と読み上げられたら、1本指でダブルタップして実行します。 連絡先に登録されていれば、その情報が表示されます。 「削除」と読み上げられた箇所で実行すれば、その履歴を消去することができます。 もし下スワイプで「詳細情報」や「削除」という読み上げが確認されない場合は、ローター操作で「アクション」のカテゴリに合わせる必要があります。 ______________________________________ ■■チャプター13 文字入力 iPhoneには多言語に対応したオンスクリーン(ソフトウェア)キーボードが用意されています。キーボードの種類は、好みのものを追加したり、表示しないように設定できます。 日本語環境では、次の四つのキーボードを切り替えて使えるようにしておくと便利でしょう。 English Japan(半角英字) 日本語ローマ字 日本語かな(テンキースタイル) 絵文字 iPhoneの初期設定をする時にキーボードの種類を選べます。 また、設定アプリを開いて、「一般」→「キーボード」の中で追加したり削除したりすることができます。 メモアプリを起動して、文字入力の練習をしてみましょう。 ホーム画面の1ページ目に「メモ」という名前のアプリを見つけることができます。 1本指のダブルタップで、これを実行してください。 初めてメモアプリを開くと案内文が表示されるかもしれませんが、指示にしたがって先に進んでください。 アプリのトップ画面が表示されたら、「新規メモ」ボタンを実行します。 新しいメモを作成する画面に変わるので、この画面の中の「テキストフィールド」を実行します。 これで文字を入力する状態になりました。 文字を入力する場所はテキストフィールドや検索フィールドと読み上げされますが、ここに文字を入力するためには、1本指のダブルタップでその場所を開く必要があります。 文字入力できる状態になっていると、画面の下半分にキーボードが現れます。キーボードの種類を変更するには左下端、もしくは左下端から一つ右の箇所に切り替えボタンが表示されています。音声では「次のキーボード」と読み上げられます。 地球儀のアイコンです。 ホームボタンのないiPhoneではソフトウェアキーボードが一段多く表示されており、キーボードの種類を変更するボタンは画面の左下端に配置されています。 また、はじめてキーボードの種類を変更するボタンを実行すると、画面上にキーボードの一覧が表示されるかもしれません。 その場合は目的のキーボードの種類を見つけて、1本指のダブルタップで選んでください。 ______________________________________ ■13-1 半角英字のキーボード まずは半角英字のキーボードにしてみましょう。もし今表示されているキーボードが別であれば、左下端辺りで「次のキーボード」と読み上げられるボタンを1本指でダブルタップします。ボタンを実行する度にキーボードの種類が変更されて、「日本語ローマ字」、「絵文字」、「日本語かな」、「English Japan」という読み上げが確認できます。 「English Japan」と読み上げられるボタンを実行すると、半角英字を入力するためのキーボードが表示されます。 では適当な文字を入力してみてください。電話番号を入力したのと同じ操作が利用できます。 1. 画面に指をタッチして、画面につけたままの指を滑らせて文字を見つけます。 指を画面から離した後、1本指のダブルタップを行います。 2. 1本指の右スワイプや左スワイプで移動して、文字を見つけます。 目的の文字で1本指のダブルタップをします。 3. 「スプリットタップ」を利用する。 1本指をタッチしたまま滑らせて、目的の文字の場所で、その指を止めておきます。もう1本の指で画面をタップします。タップする場所は画面のどこでもかまいません。 4. 入力モードを切り替える ローターのジェスチャを利用することで、その他の入力モードを利用することができます。 3種類の方法が用意されています。 ローター操作で「入力モード」と読み上げられたら、画面から指を離します。 次に1本指の下スワイプか上スワイプにより、目的の入力方法の名前が読み上げられたら、画面から指を離します。 「標準入力」モード 先に紹介した1.と2.の方法が標準入力モードです。 「タッチ入力」モード 画面に1本指をタッチしたまま滑らせて、目的の文字の場所で、指を画面から離します。これで文字が入力できます。 文字の位置がわかっていれば、直接その箇所をタッチして指を離せばより早く入力できます。 「ダイレクトタッチ入力」モード パソコンのキーボードでタイプするように、入力したい文字をダイレクトに1回タップします。これで文字が入力できます。 それぞれのキーの配置がわかっていれば、すばやく入力できる方法です。 ただし、画面に指が接している時間が長いと文字は入力できません。 また、目的のキーをタップしたつもりでも、指を画面から離すときに横にずれてしまうと、入力はできません。 いずれの入力モードでも、スプリットタップによる文字入力は実行できます。 ______________________________________ ■13-2 数字を入力するには 画面の左下側に数字切り替えボタンが表示されているので、これを1本指でダブルタップします。「more numbers」と読み上げられるボタンです。 するとアルファベットで表示されていたキーボードは数字と記号に切り替えられます。 ここに見つからない記号を入力したければ「more symbols」ボタンを実行します。 最初のアルファベット文字のキーボードを表示させたいときには「more letters」ボタンを実行します。 タッチ入力モードになっていると数字や記号ボタンはダブルタップする必要はありません。 (注意) VoiceOverの読み上げ設定で句読点読みの調整が行えます。 もしも句読点を読まない設定にしていると、キーボード上の記号を読み上げないことがあるので気をつけてください。 句読点読みを変更するにはローター操作で「句読点」のカテゴリに合わせます。 1本指の下スワイプか上スワイプを繰り返すと 「すべての句読点」、「一部の句読点」、「句読点なし」が選択できます。 ______________________________________ ■13-3 大文字を入力するには まずShift(シフト)キーを1本指でダブルタップします。 Shiftは選択状態になり、音声読み上げで確認できます。 次に入力される文字は大文字となります。 大文字が1文字入力されると、シフトは選択状態から解除されます。 連続して大文字を入力したい場合は、パソコンと同様にCaps Lockをオンにしておきます。 Shiftの箇所を1本指で4回タップです。 あるいは、Shiftの箇所で1本指の下スワイプをして「Caps Lock」と読み上げられたら、1本指でダブルタップして確定します。 スプリットタップも利用できます。Shiftの箇所に指をタッチしたままの状態で、もう1本の指でダブルタップします。 これでShiftは選択状態に鳴り、つづけてアルファベットの大文字を入力できるようになります。 Caps LockをオフにしたいときはShiftの箇所を1本指でダブルタップします。 もし上記の手順でCaps Lockがオンにならない場合は、 設定アプリを開いて、「一般」→「キーボード」と進んで、 「Caps Lockを使用する」がオンになっていることを確認してください。 ______________________________________ ■13-4 日本語ローマ字キーボード 次は日本語ローマ字キーボードで漢字を入力してみましょう。 画面の左下端辺りにある「次のキーボード」のボタンを1本指でダブルタップします。 「日本語ローマ字」と読み上げられるボタンを実行すれば、日本語の漢字仮名交じり文を入力できるキーボードが表示されます。 「asa」とでも入力してみてください。 Windowsパソコンではスペースキーで文字を変換しますが、それと同じ操作で変換候補を表示させることができます。 スペースキーに該当する箇所は「空白」と読み上げられますが、文字を入力するとその箇所は「次候補」という読み上げになります。 「次候補」の箇所を1本指でダブルタップすると、変換候補が読み上げられます。漢字などは説明読みしてくれます。 目的の候補が読み上げられたら、キーボードの右下端の「確定」ボタンを1本指でダブルタップします。 すべてをひらがなで入力したいときには、「次候補」は触らずに、「確定」ボタンを実行します。 他にも変換候補を表示させる方法があります。 文字を入力した後に、1本指の下スワイプか上スワイプをすることで、変換候補の文字や単語を読み上げます。 目的の候補を1本指でダブルタップすることで文字が確定されます。 画面上に表示されている候補文字をタッチしながら目的の文字や単語を確定させることもできます。 候補文字が表示されている場所は、画面の真ん中、ちょうどキーボードのqwertyの文字の上の部分です。 この場所にタッチした後で、1本指の下スワイプか上スワイプをすることで、候補文字が切り替わって表示されます。右スワイプでも候補の変更ができます。 (注意) キーボード右下端のボタンについて、アプリによっては同じキーボードを表示していてもボタンの役割が変わり、「確定」、「改行」、「検索」と読み上げられることがあります。 検索フィールドに文字を入力している場面では、文字が確定されると、右下端のボタンは「確定ボタン」から「検索ボタン」に読み上げが変わり、検索実行のボタンとして働きます。 ______________________________________ ■13-5 日本語かなキーボード 次に日本語かな入力のキーボードを表示させてみましょう。 「次のキーボード 日本語かな」ボタンを実行します。 携帯電話でおなじみのテンキースタイルの入力ができるようになります。 縦4行、横5列のレイアウトで、左右の両端、つまり1列目と5列目はオプションボタンになっています。 ここではいくつかの方法で入力できるのですが、よく使うと思われるものを説明してみます。 1. 一般的なテンキー入力 「う」を入力するとき、1本指を「あ」の上に置いたままでもう1本の指を3回タップする。 2. フリック入力 ●「1本指のダブルタップ&ホールド」 「う」を入力するとき、「あ」を1本指でダブルタップするのですが、指はタッチしたままにしておきます。すると効果音とともに「あ」の周りを囲むように「いうえお」が表示されます。 9時の方向に「い」、12時の方向に「う」、3時の方向に「え」、6時の方向に「お」です。 タッチしたままの指を「う」の場所にスライドさせてから指を離します。 スライドでなくても、フリックやスワイプのジェスチャでその文字を選択できます。 ●「1本指で上・下・左・右フリック」 1本指で画面についたホコリを勢いよく跳ね飛ばすようなしぐさです。 上下左右、目的の方向にピッと指を動かします。 画面のどこで実行してもかまいません。 スワイプよりも指が画面に接している時間は短いジェスチャとなります。 フリック入力は、ローター・カテゴリの「入力モード」がタッチ入力になっていても行えます。 その場合は1本指のダブルタップ&ホールドではなく、1本指をタッチしたままにしておくと、候補文字が表示されます。 3. ローター操作で入力モードを「ダイレクトタッチ」に切り替えると、フィーチャーフォンのボタンを押すような感覚で文字入力ができます。 濁点や半濁点を入力するキーは、「ま」のすぐ下にあります。 また、文字の種類を英語や数字に変更するには、左端の列の下から2番目のボタンを実行します。 「その他文字」、「その他数字」、「その他かな」と順に切り替わります。 削除ボタンは「さ」の右横、 「スペース」は「は」の右横の「空白」と読み上げられるボタンですが、文字の変換中には「次候補」という読み上げに鳴り、候補文字を次々に表示させるための役割を果たします。 「改行」ボタンは「ら」の右横です。 文字を変換するには、前述した日本語ローマ字キーボードと同じ手順になります。 文字を入力した後に「次候補」の箇所を1本指でダブルタップします。変換候補は説明読みしてくれます。 目的の候補が読み上げられたら、「確定」を1本指でダブルタップします。 すべてをひらがなで入力したいときには、「次候補」は触らずに、「確定」ボタンを実行します。 他にも変換候補を表示させる方法があります。 文字を入力した後に、1本指の下スワイプか上スワイプをすることで、変換候補の文字や単語を読み上げます。 目的の候補を1本指でダブルタップすることで文字が確定されます。 画面上に表示されている候補文字をタッチしながら目的の文字や単語を確定させることもできます。 候補文字が表示されている場所は、画面の真ん中、ちょうどキーボードの「あ か さ」の文字の上の部分です。 この場所にタッチした後で、1本指の下スワイプか上スワイプをすることで、候補文字が切り替わって表示されます。右スワイプでも候補の変更ができます。 (注意) 「確定 改行」ボタンについて、アプリによっては同じキーボードを表示していてもボタンの役割が変わり、「確定」、「改行」、「検索」と読み上げられることがあります。 検索フィールドに文字を入力している場面では、文字が確定されると、「確定ボタン」から「検索ボタン」に読み上げが変わり、検索実行のボタンとして働きます。 ______________________________________ ■13-6 絵文字キーボード 絵文字の入力ができます。 「次のキーボード 絵文字」ボタンを実行します。 iPhoneのモデルによっては、スペース(空白)の左横に独立して「絵文字」キーボードへの切り替えボタンが表示されています。 他のキーボードでは文字や数字が表示されていた箇所に絵文字が並んでいますが、VoiceOverはそれらを説明読みしてくれます。 画面の最下行にカテゴリボタンが配置されているので、目的のジャンルを選ぶことができます。 あるいは、3本指の左スワイプか右スワイプでページを切り替えることにより、絵文字の種類を切り替え表示します。 標準入力モードにしておいた方が絵文字を選びやすいです。 「絵文字を検索」のテキストフィールドにキーワードを入力することでも、絵文字を見つけることができます。 候補文字が表示されている場所は、画面の真ん中、ちょうどキーボードのqwertyの文字の上の部分です。 複数の候補が表示されている場合は、1本指の右スワイプで確認できます。 ______________________________________ ■13-7 音声認識を使っての文字入力 iPhone 4Sから後に発売された製品には、標準で音声入力機能が搭載されています。 半角英字(English Japan)、のキーボードを表示させているときには英語を認識します。 日本語ローマ字、日本語かなのキーボードを表示させているときには日本語を認識します。 1. マイクのアイコンを実行する。 キーボードの右下端にマイクのアイコン、音声入力ボタンが表示されています。画面サイズの小さなiPhoneでは、スペース(空白)の左横に配置されています。 日本語のキーボードでは「音声入力」という読み上げ画、English Japanのキーボードでは「Dictate」という読み上げを確認できます。 音声入力ボタンを1本指でダブルタップすると、「ポン」という合図の音がしますが、これが録音開始を意味します。その合図の後に話しかけるわけです。 録音を終了するには、同じボタンを1本指でダブルタップします。あるいは2本指でダブルタップしても録音は終了します。合図の音とともに音声入力モードが停止して、文字認識の作業に移ります。 しばらくするとテキストフィールドに音声認識された文字が入力されます。 2. 2本指のダブルタップ 文字入力できる状態で2本指のダブルタップをすると、音声入力モードに入ります。 「ポン」という合図の跡に話しかけることができます。入力が終わったら、2本指のダブルタップで音声入力モードを終了させます。 この方法だと、マイクのアイコンを探す手間が省略できます。 英語と日本語の音声入力はインターネットにつながっていなくても利用できます。しかし、認識制度が悪いようであれば、インターネットに接続させておく方がよいでしょう。 また、設定アプリを開いて、「一般」→「キーボード」→「音声入力」がオンになっている必要があります。 ______________________________________ ■13-8 キーボードの種類を変更する方法 これまでは「次のキーボード」ボタンを実行することでキーボードの種類を変更してきました。 この方法では順番にキーボードを切り替えて表示することができます。 しかし、複数のキーボードを登録していると、目的のものを表示させるまでに時間がかかってしまいます。 そんなときは登録しているキーボードの種類をすべて一覧表示させて、その中から選ぶ方法が便利です。 「次のキーボード」の箇所を1本指でトリプルタップします。あるいは、1本指でダブルタップ&ホールドします。 画面上に登録されているキーボードの全種類が表示されるので、目的のキーボードの箇所を1本指でダブルタップして選択します。 このときに表示されるのはキーボードの種類だけではなく、キーボードのレイアウトも指定することができます。 左手用のレイアウト、デフォルトのレイアウト、右手用のレイアウトの3種類が用意されています。 ______________________________________ ■13-9 英語キーボードで利用できる「なぞり入力 Slide to Type」 iOS 13で加わった機能ですが、日本語キーボードでは利用できません。 英語キーボードで単語を入力するとき、文字をタップするのではなく、画面に着けたままの指を目的の文字の箇所にスライドさせていくと、iOSが単語を推測入力してくれるという機能です。 なぞり入力を利用するためには、 設定アプリを開いて、「一般」、「キーボード」と進みます。 「なぞり入力」の切り替えボタンをオンにします。 「なぞり入力を単語単位で削除」の切り替えボタンをオンにしておくと、デリートキーを1回実行しただけで、なぞり入力で決定された単語を削除できます。1文字ずつ削除する手間はなくなるということです。 また、VoiceOverのローター・カテゴリに「なぞり入力」を追加しておけば、不必要なときにはすぐにオフにできるので都合がよいです。 では、「hotel」という単語を入力してみましょう。 1. まずは先頭の文字であるhを指定します。 標準入力モードではhの箇所をフォーカスして1本指でダブルタップ&ホールドします。 タッチ入力とダイレクトタッチ入力の場合は、hを長押しします。 するとポコポンという効果音が聞こえるので、先頭の文字として指定された合図になります。 2. 画面に付けたままの指をhからoの箇所へスライドして、そのままtへ。 つづいて、e、lに指をスライドします。次の文字へ進むときには、指を少し停止してから動かすとよいでしょう。 3. 音声で「hotel」という単語を読み上げてくれたならば、指を画面から離します。 なぞり入力した単語の後につづけてなぞり入力すると、自動的にスペースが挿入されます。 QWERTYキーボードのレイアウトがわかっている人にとってはゲーム感覚的に利用できる入力方法です。 ______________________________________ ■■チャプター14 文字の削除、テキスト編集 テキストフィールドの中では、挿入ポイント(カーソル)を動かすことで目的の文字を削除したり、範囲選択をしてコピー、ペースト、カットなどの操作ができます。 また、テキストが編集状態でなくても、たとえばメールアプリで表示している本文の内容をコピーすることもできます。 Windowsのパソコンで文字を入力していると、「文字をタイプしたい場所にカーソルを動かして」とか、「削除したい文字にカーソルを合わせて」とかいった表現がよく登場します。 iOSのテキストフィールド内ではこのカーソルのことを「挿入ポイント」と表現しています。 ______________________________________ ■14-1 入力文字の削除や取り消しの操作 テキストフィールド内で文字の取り消しや削除をするには、いくつかの方法があります。 1. 一文字ずつ削除する QWERTY配列のキーボードでは、mキーの右横が削除、バックスペースボタンになっています。 直前に入力した文字を削除することができます。 日本語仮名キーボードでは「さ」の右横に配置されています。  入力モードによってはこのボタンを実行させる方法が異なります。 ・標準入力モードでは、1本指のダブルタップ。 ・タッチ入力モードでは、指を削除ボタンから離す。 ・ダイレクトタッチ入力モードでは、直接削除ボタンをタップ。 スプリットタップはいずれの入力モードでも利用できます。  この削除ボタンを1本指でダブルタップ&ホールド、つまり1本指でダブルタップして2回目のタップでは指をつけたままにしておくと、画面から指を離すまで削除の操作がつづけられます。 削除ボタンを押し続けるわけです。 挿入ポイントのある位置から先頭の文字までを一気に削除するときに活用できます。 2. 削除したい文字に挿入ポイントを合わせて削除ボタンを実行する ローター操作で「文字」に合わせます。これにより1本指の上スワイプで左隣の文字へ、下スワイプで右隣の文字へ挿入ポイントを移動させることができます。  上スワイプで挿入ポイントを移動した場合、読み上げのあった文字のところで削除ボタンを実行すると、削除されるのは左隣の文字になります。 Windowsでのバックスペースキーと同じ働きをします。  下スワイプで挿入ポイントを移動した場合、読み上げのあった文字のところで削除ボタンを実行すると、その文字が削除されます。 Windowsでのデリートキーと同じ働きをします。 3. 「テキストを消去」ボタンを使う。 テキストを入力するフィールドの右横には「テキストを消去」ボタンが表示されています。これをダブルタップするとフィールド内の文字列が全て削除されます。 ただし、すべてのテキスト入力の画面でこのボタンが表示されるわけではありません。 4. iPhone本体をシェイクする。 シェイクするとは、iPhone本体をゆするように小刻みに動かすことです。 すると、「取り消す入力」の画面が表示されます。 「取り消し」ボタンを実行すれば直前に入力した文字列を消去することができます。 音声入力を試みてその変換結果が期待外れだったとき、そんな場面で活用できます。  間違えて「取り消し」ボタンを実行した場合、それをキャンセルすることができます。 再びiPhone本体をシェイクすると、取り消した前の状態に戻すかどうかの問い合わせ、「やり直す入力」の画面が表示されます。  シェイクの機能は設定アプリの中でオンとオフの切り替えができます。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「タッチ」と進むと、 「シェイクで取り消し」のオン・オフ切り替えボタンがあります。 ______________________________________ ■14-2 文書の先頭と末尾への挿入ポイントの移動 文字を入力するには、検索フィールドやテキストフィールドと読み上げされる項目を、1本指のダブルタップで開く必要があります。 テキストフィールドが開くと、ソフトウェア・キーボードが表示されます。 テキストフィールドの中に何も文字が書かれていなければ入力位置は先頭にあります。すでに文字が入っていれば、入力位置は末尾か先頭になります。これは音声でアナウンスしてくれます。 「末尾に挿入ポイント」、「先頭に挿入ポイント」と読み上げてくれます。 先頭にある挿入ポイントを文書の末尾に移動させたい場合、再びテキストフィールドの場所を1本指でダブルタップしてください。 文書の先頭や末尾へのカーソル移動はこの操作で実行できます。 ______________________________________ ■14-3 1本指の下スワイプか上スワイプによる挿入ポイントの移動 テキストフィールド内でも1本指の下スワイプか上スワイプにより、文字、単語、行単位でのカーソル移動ができます。 ローター操作で目的のカテゴリに合わせてから、1本指の下スワイプか上スワイプを行います。  文字単位での移動のときには一文字ずつ説明読みをしてくれます。 たとえば下スワイプの操作で右横の文字を読ませた後に、何も操作をせずに待ってみます。 やや遅れてから説明読みを確認することができます。 文字単位で移動したときの文字の挿入箇所について説明します。 たとえば半角数字で「1245」とすでに書きこまれています。これを「12345」にしてみましょう。 テキストフィールドを開き、ローター・カテゴリを「文字」に合わせます。 挿入ポイントが末尾にある場合は、1本指の上スワイプで「4」と読み上げられる場所に移動します。ここで「3」と入力すると、挿入される場所は「4」の左隣になります。 挿入ポイントが先頭にある場合は1本指の下スワイプで「2」と読み上げられる場所に移動します。ここで「3」と入力すると、挿入される場所は「2」の右隣になります。 ______________________________________ ■14-4 複数のページにまたがる長文の中での挿入ポイントの移動 たとえばメモアプリで複数のページにまたがるような長文を編集する場合、特定の箇所に挿入ポイントを移動させたいとき、文書の先頭や末尾からいちいち挿入ポイントを行単位で動かすのは手間がかかります。 そんなときには移動させたい箇所が含まれたページを表示させてから目的の場所近くに挿入ポイントを移動させることができるので、手間が省けます。 たとえば5ページある文書の3ページ目の箇所に挿入ポイントを合わせたい場合、 1. テキストフィールドのカ所にタッチする。 画面から指を離して、3本指の上スワイプで3ページに移動する。  2. 画面の中央に1本の指でタッチすると表示されている文の内容を読み上げてくれますが、そのまま指を目的の箇所に滑らせていき、画面から指を離します。 3. 1本指でダブルタップすると、挿入ポイントは先ほど指を離した箇所の文頭に移動します。 4. ローターを文字や単語単位での移動に合わせて目的の単語の箇所に挿入ポイントを移動します。 ______________________________________ ■14-5 すべてのテキストを選択してコピー&ペースト 文字が入力できる状態ではローター操作で「編集」というカテゴリが現れます。 ここでは、先ほどのメモアプリの画面でテキストフィールドに入力した文字を、同じメモアプリの中の検索フィールドにコピーする方法を紹介します。 1. メモアプリの新規メモの画面で検索フィールドに文字が入っていることが前提です。そして今は文字入力できる状態であることを確認してください。 画面の下半分にキーボードが表示されていれば文字入力状態です。 もしキーボードが表示されていなければ、テキストフィールドをダブルタップして開いてください。 2. ローター操作で「編集」に合わせます。 1本指の下スワイプか上スワイプを繰り返して「すべてを選択」という読み上げに合わせます。 つづいて1本指でダブルタップします。 3. 1本指の下スワイプか上スワイプを繰り返して「コピー」に合わせます。 つづいて1本指でダブルタップします。 これでフィールド内の文字すべてがクリップボードに記憶されました。 4. メモアプリの中で、検索フィールドが表示されている画面に切り替えます。 画面の上の箇所にある「メモ 戻る」ボタンを実行します。 その箇所へは左スワイプのジェスチャでも移動できます。 また、スクラブのジェスチャを行うと、画面がすぐに切り替わります。 5. 検索フィールドを開きます。 6. ローター操作で「編集」に合わせます。 1本指の下スワイプか上スワイプを繰り返して「ペースト」という読み上げに合わせます。 つづいて1本指でダブルタップします。 これで先ほどの文字列が貼り付けられました。 ローター・カテゴリの「編集」の中にはコピーやペーストの他にも項目が用意されています。 「すぺてを選択」の実行後に「カット」を実行すれば、テキストフィールド内のすべての文字列を削除することができます。 ここではテキストフィールド内のすべての内容をコピーする操作について説明しましたが、一部の文字列を範囲指定してコピーやカットすることもできます。 ______________________________________ ■14-6 範囲指定してコピー&ペースト 「テキスト選択」機能を利用する テキストフィールドの中だけでなく、画面に表示されているメールの本文や、サファリのウェブページの一部を、範囲指定してコピーすることができます。 他のアプリでも画面に表示されている内容を、同じ操作でコピーできる場合があります。 ローター・カテゴリの「テキスト選択」という機能を利用すれば、比較的容易くテキストの範囲選択をすることができます。 デフォルトではローター操作で「テキスト選択」は現れないようになっているので、設定アプリの中で自分でカテゴリを追加する必要があります。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「ローター」と進んでいきます。 この中ではローター操作で利用できるカテゴリが一覧表示されていますが、選択状態になっていないと実際のローター操作では出現しません。 「テキスト選択」の箇所を見つけて1本指でダブルタップすることで、選択状態にしておきます。 1. 練習として、コピーしたいメール本文かウェブページを表示させます。 2. VoiceOverカーソルをコピーしたい文字列の先頭に移動します。 目的の文字が読み上げられたら指を離します。 3. ローター操作で「テキスト選択」のカテゴリに合わせます。 1本指の下スワイプか上スワイプで範囲選択する単位を切り替えることができます。 文字選択、単語選択、行選択、ページ選択、すべてを選択。  ここでは単語選択を試してみます。 1本指の下スワイプで「単語選択」という読み上げが確認できたら、画面から指を離します。 4. 1本指の右スワイプを行うと、現在の文字の位置から右方向に向かって単語が選択状態になります。 逆方向に選択範囲を広げるには1本指の左スワイプです。 範囲選択を広げるにはスワイプを続けます。  選択状態になった文字列は、その文字列の読み上げの後に「選択中の」とアナウンスされるので確認できます。  初めは単語単位で選択していて途中で文字単位に切り替えたい場合、1本指で植えスワイプして「文字選択」の状態に切り替えます。 1本指で右スワイプすると、右方向に1文字ずつ選択範囲を広げていくことができます。  「すべてを選択」に合わせてから1本指の右スワイプを1回すれば、現在位置から最後までの文字列が範囲選択されることになります。 5. 選択範囲を狭くするには逆方向にスワイプ。 選択範囲を指定している状態で、目的より多くの文字列を選択してしまった場合、逆方向にスワイプします。 文字列の読み上げの後に「選択を解除」とアナウンスされます。 6. 文字列の選択が終われば、ローター操作で「編集」のカテゴリに合わせます。 1本指の下スワイプか上スワイプで「コピー」に合わせてダブルタップします。 これで選択された文字列がクリップボードにコピーされたことになります。 7. コピー先のテキストフィールドを開きます。 メモアプリなど別のアプリを起動してテキストフィールドを開いてもかまいません。 ローター操作で「編集」に合わせます。 1本指の下スワイプか上スワイプで「ペースト」に合わせてダブルタップします。 これでコピーした内容が貼り付けられました。 ______________________________________ ■14-7 範囲選択してコピー&ペースト 「ピンチアウト・ピンチイン」のジェスチャを利用する テキストフィールドの中だけでなく、画面に表示されているメールの本文や、サファリのウェブページの一部を、範囲指定してコピーすることができます。 他のアプリでも画面に表示されている内容を、同じ操作でコピーできる場合があります。 ●「2本指でのピンチアウト」 2本の指を同時に画面にタッチし、指と指の感覚を広げていきます。 広げていく方向は上下左右、斜めでもかまいません。 たとえば親指と人差し指の腹をくっつけてアルファベットのOの字を作ります。そして2本の指を同時に画面にタッチします。その場所から指と指の間を引き離していき、アルファベットのOからCの字に変えていくイメージをするとよいでしょう。 使用する2本の指はどの指でもかまわないので、たとえば左右の人差し指を使う人もいるようです。 また、2本の指をくっつけたまま画面にタッチしてもよいですし、少し距離を開けてタッチしても大丈夫です。 指と指の間を広げていく仕草では、2本の指それぞれを動かして広げていってもよいですし、1本は固定したまま、もう1本だけ動かすというしぐさでもかまいません。 (注意) ピンチアウトのジェスチャが間違えられて、ローター操作だと認識される場合があります。 同時に2本の指を画面にタッチしないとスプリットタップと誤認識される場合もあります。 大切なのは、同時に2本の指で画面をタッチする、そして、タッチしたままの2本の指の距離を広げていくということです。 1. 練習として、コピーしたいメール本文かウェブページを表示させます。 2. VoiceOverカーソルをコピーしたい文字列の先頭に移動します。 目的の文字が読み上げられたら指を離します。 3. 2本の指を同時に画面にタッチします。 画面のどの場所でもかまいません。 タッチするタイミングは、文字の説明読みが終わってからにすると確実に操作できます。 4. 指と指の間を広げていきます。 文字列が選択状態になりますが、その文字列の読み上げの後に「選択中の」とアナウンスされます。 指をどの方向に滑らせても選択される文字列は、現在のVoiceOverカーソルの位置から右方向に向けてです。 範囲選択を広げるにはスワイプを続けます。  選択範囲は文字、単語、行のそれぞれの単位を指定して広げていくことができます。 範囲を指定する前にローター操作で目的のカテゴリを選んでおきます。 初めは文字単位で選択していて途中で単語単位に切り替えたい場合、一度画面から指を離してローター操作で単語に合わせます。 再びピンチアウトのジェスチャを行うと、先ほど選択していた文字列の続きから選択範囲を広げていくことができます。 5. 逆方向に選択範囲を広げるには、 ●「ピンチイン」 ピンチアウトとは逆の動きをするジェスチャで、指と指の間を狭くします。 選択される文字列は、現在のVoiceOverカーソルの位置から左方向に向けてです。 6. 選択範囲を狭くするには反対のジェスチャを行います。 ピンチアウトで選択範囲を広げすぎた場合は、ピンチインのジェスチャを繰り返します。 文字列の読み上げの後に「選択を解除」とアナウンスされます。 7. 文字列の選択が終われば2本の指を画面から離します。 次にローター操作で「編集」のカテゴリに合わせます。 1本指の下スワイプか上スワイプで「コピー」に合わせてダブルタップします。 これで選択された文字列がクリップボードにコピーされたことになります。 8. コピー先のテキストフィールドを開きます。 メモアプリなど別のアプリを起動してテキストフィールドを開いてもかまいません。 ローター操作で「編集」に合わせます。 1本指の下スワイプか上スワイプで「ペースト」に合わせてダブルタップします。 これでコピーした内容が貼り付けられました。 ______________________________________ ■14-8 範囲選択してコピー&ペースト 「編集メニュー」を利用する 編集中のテキストフィールド内やメールの本文表示エリアでは、編集オプションのメニューを表示させることができます。 この編集オプションを利用することでもテキストのコピー&ペーストを実行することができます。 VoiceOverがオフの環境と同じような操作方法になります。 1. 練習として、コピーしたいメール本文かウェブページを表示させます。 2. VoiceOverカーソルをコピーしたい文字列の先頭に移動します。 目的の文字が読み上げられたら指を離します。 3. 範囲選択します。 ローター・カテゴリのテキスト選択か、ピンチアウトのジェスチャを利用してもかまいません。 好みの方法を試してください。 4. 文字列の選択が終われば、画面のどこでもよいので、1本指でトリプルタップします。あるいは、1本指でダブルタップ&ホールドします。 指を離して2秒ほどすると、効果音が聞こえると同時に編集オプションが表示されます。 指をホールドしていた場所の少し上に横一列のメニュー項目が表示されています。 VoiceOverカーソルは自動的に編集項目の最後に位置しています。1本指の左スワイプか右スワイプで目的の項目を探すことができます。 VoiceOverカーソルが自動的に移動していなければ指を画面につけて滑らせながら見つけてください。  コピーという項目を実行します。 これで選択された文字列がクリップボードにコピーされたことになります。 5. コピー先のテキストフィールドを開きます。 メモアプリなど別のアプリを起動してテキストフィールドを開いてもかまいません。 貼り付けたい箇所で1本指のトリプルタップ、あるいは1本指のダブルタップ&ホールドを実行します。 再び編集オプションが表示されます。 ペーストの項目を見つけて実行します。 これでコピーした内容が貼り付けられました。 ______________________________________ ■■チャプター15 メールやサファリの本文内の単語を辞書で検索する iOSではサードパーティ製の辞書アプリを利用しなくても、OS標準の辞書が搭載されています。 画面に表示されているメールの本文や、サファリのウェブページの中の単語を、辞書で調べることができます。 テキストの範囲選択ができれば、他のアプリでも利用できます。 利用できる辞書の種類は、国語辞典、英和辞典、英英辞典、その他の外国語などです。 辞書のデータはダウンロードする必要があります。 設定アプリを開いて、「一版」→「辞書」の中で利用したい辞書を選択します。 辞書検索の手順としては、 ・調べたい単語を範囲選択する。 ・ローター操作で「編集」のカテゴリに合わせる。 ・1本指の下スワイプか上スワイプで「調べる」に合わせて、1本指でダブルタップする。 以上です。 ローター操作を使わずに編集オプションを表示させることでも同じことができます。 「調べる」を実行した後、辞書の解説文の画面に切り替わります。 この画面では最下行に二つのボタンが表示されています。 「管理」ボタンを実行すると、辞書のダウンロードと削除ができます。 「Webを検索」ボタンを実行すると、ブラウザが開き、範囲選択したテキストでウェブ検索が行われます。 辞書の解説文を閉じるには、画面の右上端に表示されている 「完了」ボタンを実行します。 ______________________________________ ■■チャプター16 アップスイッチャー、マルチタスク画面 一度アプリを起動すると、それらのアプリはアップスイッチャー、マルチタスク画面で確認できるようになっています。 以前に起動したアプリを開く場合、ホーム画面の中でアプリを見つけて実行するよりも、少ない手間で操作できるわけです。 使わないアプリはこの画面から閉じることで、アプリの動きを終了させることができます。 また、アプリの操作がうまくいかない場面では、一度アプリを終了させてから起動しなおすとスムーズに操作できることがあります。 ______________________________________ ■16-1 アップスイッチャーの画面を表示する ホームボタンのあるiPhoneの場合、 ホームボタンをダブルクリックします。 ホームボタンのないiPhoneの場合、 ●「画面の下端から1本指で上スワイプ」 1本の指を画面の下端から上に向けて素早くスーット滑らせて、2回目のハプティックフィードバック(振動)を確認したら指を離します。 箒で掃くようなしぐさです。 画面の下端にタッチしたときにはポッという低めの効果音があり、1回目の振動を確認できる箇所ではプッという高めの効果音があり、2回目の振動の箇所ではパッというさらに高めの効果音が聞こえます。 VoiceOverがオフの環境でも同じ操作法となります。 (ヒント) アップスイッチャーがうまく開かない場合の理由ですが、画面の下端に指をタッチしている時間が長いと、その時点から上スワイプするとうまくいきません。 まず画面の下側面に指を当てます。そのまま勢いよく指を滑らせて上スワイプしてみてください。 気を着けることは、1回目の振動で指を離すとホーム画面を開くジェスチャになってしまいます。 3D Touchが利用できるiPhoneのモデルによっては、画面の左端を3D Touchすることでもアップスイッチャーは表示されます。 すべての3D Touch対応モデルで使えるわけではありません。 画面には起動しているアプリ名の一覧が表示されます。 目的のアプリ名の箇所を実行すると、そのアプリが開きます。 ______________________________________ ■16-2 アプリを閉じる アップスイッチャーの画面で、終了させたいアプリの名前を読み上げさせます。三つの方法が利用できます。 1. ●「3本指の上スワイプ」 2. 1本指の上スワイプで、そのアプリ名を「閉じる」と聞こえたら、1本指のダブルタップ。これはローターが自動的に「アクション」のカテゴリになるからですが、もしもローター・カテゴリが変更されていなければ自分でローターの調整をする必要があります。 3. 1本指のダブルタップ&ホールド。次に上スワイプします。 VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャは、1本指の上スワイプです。 ______________________________________ ■■チャプター17 コントロールセンターを表示する コントロールセンターの画面を表示すると、Wi-FiやBluetoothなどの各種オンとオフの切り替え、音楽の再生コントロールなどができます。 設定のメニューを開かなくても、よく使う機能はここで実行できるようになっています。 操作できる機能は、 ・機内モード ・モバイルデータ通信 ・Wi-Fi ・Bluetooth ・音声の出力先 ・画面の向きをロック ・お休みモード ・画面の明るさ ・音量 ・画面ミラーリング ●「ステータスバーにタッチしてから3本指で上にスワイプ」 まず画面の上端に表示されているステータスバーにタッチして読み上げさせます。 3本の指を上に向けてスーッと滑らせてからピッと離します。 画面のどこで実行してもかまいません。 VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャは、ホームボタンがあるiPhoneの場合、画面の下端から1本指で上にスワイプです。 ホームボタンのないiPhoneの場合、次の方法も利用できます。 ●「画面の上端から1本指で下スワイプ」 1本の指を画面の上端から下に向けて素早くスーット滑らせて、1回目のハプティックフィードバック(振動)を確認したら指を離します。 箒で掃くようなしぐさです。 画面の上端にタッチしたときにはポッという低めの効果音があり、1回目の振動を確認できる箇所ではプッという高めの効果音が聞こえます。 (ヒント) コントロールセンターがうまく開かない場合の理由ですが、画面の上端に指をタッチしている時間が長いと、その時点から下スワイプするとうまくいきません。 まず画面の上側面に指を当てて、そのまま勢いよく指を滑らせて下スワイプしてみてください。 VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャは、画面の右上端から1本指で下スワイプです。 コントロールセンターの画面を閉じるには、ホーム画面を開く操作をします。 あるいは、スクラブのジェスチャも利用できます。 ______________________________________ ■17-1 画面を縦方向にロックする さて、iPhoneでは多くの場合アプリの画面を縦と横の表示に自由に切り替えることができます。これはiPhone本体を縦に持ったとき、横に持ったとき、自動的に表示形式が切り替わる仕組みになっているからです。 もしも意図せずにiPhoneを傾けてしまい横表示に変わってしまうと、指を動かす方向が変わってしまうので面倒に感じることがあります。そんなときに画面を縦にだけ表示するロック機能は便利です。 コントロールセンターの中で設定することができます。 「画面の向きをロック」の切り替えボタンをオンにします。 (注意) 画面を縦方向にロックしていても、アプリの種類によっては横向きに表示されることがあります。たとえばゲームや動画の視聴アプリなどです。 ______________________________________ ■17-2 コントロールセンターで呼び出せる機能を追加する コントロールセンターでは次の機能を表示したり非表示にできます。 ・フラッシュライト ・タイマー ・計算機 ・カメラ ・画面収録 ・拡大鏡 ・ボイスメモ ・Apple TV Remote ・アクセシビリティのショートカット ・コードスキャナー ・聴覚 ・サウンド認識 ・睡眠モード ・Siriで着信メッセージを読み上げ ・Wallet ・アクセスガイド ・アラーム ・ストップウォッチ ・ダークモード ・テキストサイズ ・フィードバックアシスタント ・ホーム ・ミュージック認識 ・メモ ・運転中の通知を停止 ・低電力モード 上記の項目は追加、削除、並べ替えをすることができます。 デフォルトで表示されていない機能を追加するには、 設定アプリを開いて、「コントロールセンター」と進み、追加したい機能の挿入ボタンを実行します。 ______________________________________ ■17-3 コントロールセンターの項目を非表示にする 不必要な項目を表示させたくない場合、設定アプリのコントロールセンターの画面の中で操作します。 もし「計算機」を非表示にしたい場合、「計算機」の箇所で、1本指の下スワイプか上スワイプを行います。 「削除」と読み上げられたら、1本指のダブルタップで実行します。 もし「削除」の読み上げを確認できなければ、ローター操作で「アクション」のカテゴリに合わせる必要があります。 ______________________________________ ■17-4 画面収録 iOS 11からは「画面収録」という機能が加わりました。 デフォルトでは表示されていないので、設定アプリの中から追加登録しておく必要があります。 この機能を利用すると、iPhoneの画面の様子をビデオ録画できます。 自分がプレイしているゲームの様子を人に見せたいときや、アプリの使い方を説明するときなどに活用できます。 録画されたビデオはカメラロールに保存され、カメラアプリで録画したビデオデータと同じように扱えます。 VoiceOverユーザにとってもこの画面収録の機能は歓迎されています。 アプリの開発者に改善点のリクエストを送るとき、アップルにiOSのバグレポートを送信するときなどに利用できるからです。 前述の手順で、コントロールセンターの中に画面収録の機能を追加しておくとよいでしょう。 VoiceOver環境で画面収録するときに気を付けないといけないことは、スクリーンカーテンをオフにしておくということです。 また、デフォルトではマイクによる録音がオフになっているので、それをオンにしておく操作が必要になります。 マイクをオンにすることで、VoiceOverの読み上げ音声と自分の声が録音できるようになります。 画面収録の録画と停止をする手順は、 1. コントロールセンターを表示させます。 2. 「画面収録」の箇所で1本指の下スワイプか上スワイプを行います。 「コントロールを開く」を実行します。 あるいは1本指のトリプルタップでもコントロールのメニューを開くことができます。 3. 「マイク」の切り替えボタンをオンにします。 4. 同じ画面の中には 「収録を開始」ボタン の項目がありますが、ここを実行すると3秒後に録画が始まります。 収録中その箇所は「収録を停止」という読み上げになり、収録停止ボタンの役割を果たします。 5. 録画の開始と停止の操作は、コントロールセンターを開いて「画像収録」の箇所を実行することでも動作します。 録画と停止の時にはピッという効果音が聞こえます。 また、収録中はステータスバーの左端の項目から1本指で左スワイプすると「収録中」という読み上げを確認することができます。 その箇所を実行すると、停止ボタンが表示されます。 収録されたビデオは写真アプリの中で確認することができます。 ______________________________________ ■■チャプター18 通知の画面を表示する 天気やツイターの返信などのお知らせ情報は、通知の画面を表示させることで素早く閲覧することができます。 iOS 12からは同じアプリからの通知は一つの項目としてまとめられるようになりました。 ●「ステータスバーにタッチしてから3本指で下にスワイプ」 まず画面の上端に表示されているステータスバーにタッチして読み上げさせます。 3本の指を下に向けてスーッと滑らせてからピッと離します。 画面のどこで実行してもかまいません。 VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャは、ホームボタンのあるiPhoneでは、画面の上端から1本指で下にスワイプです。 ホームボタンのないiPhoneの場合、次の方法も利用できます。 ●「画面の上端から1本指で下スワイプ」 1本の指を画面の上端から下に向けて素早くスーット滑らせて、2回目のハプティックフィードバック(振動)を確認したら指を離します。 箒で掃くようなしぐさです。 画面の上端にタッチしたときにはポッという低めの効果音があり、1回目の振動を確認できる箇所ではプッという高めの効果音があり、2回目の振動の箇所ではパッというさらに高めの効果音が聞こえます。 VoiceOverがオフの環境では、画面の上端から1本指で下スワイプです。 ただし、右上端から下スワイプするとコントロールセンターが開いてしまいます。 (ヒント) 通知がうまく開かない場合の理由ですが、画面の上端に指をタッチしている時間が長いと、その時点から下スワイプするとうまくいきません。 まず画面の上側面に指を当てて、勢いよく指を滑らせて下スワイプしてみてください。 1回目の振動で指を離すとコントロールセンターを開くジェスチャになってしまいます。 通知の画面を閉じるには、ホーム画面を開く操作をします。 あるいは、スクラブのジェスチャも利用できます。 ______________________________________ ■18-1 通知の削除 通知の画面ではアプリからの通知内容が表示されますが、その通知の箇所を実行してアプリを開くと、通知画面からは非表示になります。 もしアプリを開かずに削除したい場合は、その通知の箇所で1本指の下スワイプか上スワイプを行います。 「削除」と読み上げられたら、1本指のダブルタップで実行します。 もし「削除」の読み上げを確認できなければ、ローター操作で「アクション」のカテゴリに合わせる必要があります。 アプリごとにではなく、一度にすべての通知を削除することもできます。 「消去」ボタンを実行すると確認のメッセージが表示されるので、そのボタンを実行します。 あるいは、「消去」の箇所で1本指の下スワイプか上スワイプを行います。 「すべての通知を消去」と読み上げられたら、1本指のダブルタップで実行します。 もし「すべての通知を消去」の読み上げを確認できなければ、ローター操作で「アクション」のカテゴリに合わせる必要があります。 確認メッセージを表示させずに一気に削除したいときには、「消去」の項目を1本指で4回タップします。 ______________________________________ ■18-2 通知の画面のページ切り替え 通知の画面は3ページに分かれています。 ジェスチャで通知を表示させたときの画面は2ページ目になります。 3本指の右スワイプか左スワイプで切り替えることができます。 2ページ目は通知内容が表示されている画面、 1ページ目は「今日 Today」の表示画面、ホーム画面の0ページ目と同じです。 3ページ目はカメラで撮影する画面になります。 ______________________________________ ■18-3 ウィジェット 通知の画面の1ページ目、「今日」の表示画面にはウィジェットを表示させることができます。 一つの画面に複数のアプリからの情報を表示できるので、アプリを切り替え表示する手間が省けます。 予定やニュースを閲覧するのに活用されています。 「表示を増やす」ボタンや「表示を減らす」ボタンを実行することにより、閲覧できる情報量は変わります。 ウィジットの追加、削除、並べ替えをするには、 「編集」ボタンを実行します。 すでに登録済みのウィジットの名前が一覧表示されます。 追加したいアプリがあれば 「挿入」ボタンを実行します。 登録済みのアプリを削除する場合は、そのアプリの名前の箇所で、1本指の下スワイプか上スワイプを行います。 「削除」と読み上げられたら、1本指のダブルタップで実行します。 もし「削除」の読み上げを確認できなければ、ローター操作で「アクション」のカテゴリに合わせる必要があります。 ______________________________________ ■■チャプター19 ホーム画面のカスタマイズ、アプリの削除と移動、ウィジェットの追加 ホーム画面上のアプリは、その配置場所を変更したり削除することができます。 よく使用するアプリは見つけやすい場所に配置しておくと便利です。 ホーム画面を編集モードに切り替えることで、それらの操作を行えます。 iOS 10では、ローター・カテゴリのアクションメニューを利用することで、アプリ移動の操作は容易になりました。 iOS 11からは、それが改良されて、ドラッグ&ドロップの機能により、複数のアプリを一度に移動することができます。 iOS 14では、Appライブラリの画面が登場し、ホーム画面にウィジェットを表示できるようにもなりました。 ______________________________________ ■19-1 編集モードに入る さて、編集モードに切り替えるには三つの方法が用意されています。 それぞれの方法について紹介します。 1. クイックアクションメニューを開く。 ホーム画面のアプリ上で 1本指のトリプルタップを行います。 クイックアクションメニューが表示されますが、メニューの内容はアプリによって異なります。 1本指の右スワイプか左スワイプで、 「ホーム画面を編集」ボタンに移動して、1本指でダブルタップします。 「編集を開始しました」というアナウンスにつづいて、編集モードに入ることができます。  VoiceOverは、クイックアクションメニューのことをコンテクストメニューと読み上げます。 2. ローター・カテゴリの「アクション」を利用する。 ホーム画面のアプリ上で1本指の下スワイプを行うと、「編集モード」と読み上げられる項目があります。 ここで1本指のダブルタップをすると、「編集を開始しました」というアナウンスにつづいて、編集モードに入ることができます。  「編集モード」という読み上げが確認できなければ、 設定アプリの中を開いて、「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「ローターアクション」の中で、 「ホーム画面のAppを編集」の切り替えボタン ここがオンになっている必要があります。 3. ●「1本指のダブルタップ&ホールド(2秒)」 ホーム画面上のアプリの場所で、 1本の指で画面をトン・トンと素早く2回たたきますが、2回目のタップでは指を離さず画面につけた状態にします。 すると、「ポコポン」という効果音の後、2秒ほどしてから「編集を開始しました」とアナウンスされます。画面から指を離します。 これでホーム画面は編集モードに切り替わります。 注意することとしては、効果音が聞こえてすぐに指を離すと、クイックアクションメニューが開きます。編集開始の読み上げがあるまでは指を画面に着けたままにしておいてください。  VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャは、1本指で目的のアプリのアイコンをタッチしたままにします。長押しするわけです。 そうすると、アイコンがプルプルと震えて表示されます。 ______________________________________ ■19-2 編集モードを終了する 編集モードから通常モードに戻すには、複数の方法があります。 1. ホーム画面を開く操作をします。 ホームボタンのあるiPhoneでは、ホームボタンをシングルクリックします。 ホームボタンのないiPhoneでは、画面の下端から1本指で上スワイプします。 2. 何の操作をしなくても、約40秒後に自動的に編集モードは終了します。 3. ローター・カテゴリが「アクション」に合っていれば、1本指の下スワイプか上スワイプで、 「Appの編集を停止」の項目を実行します。 「編集を終了しました」とアナウンスされます。 ______________________________________ ■19-3 ローター・カテゴリの「アクション」メニューを利用する 編集モードでは、ローター・カテゴリの中の「アクション」のメニューを利用することで、アプリの移動や削除の操作が行えます。 iOS 11から加わった「ドラッグ&ドロップ」の機能により、複数のアプリをまとめてコピーしたり、フォルダに追加することができます。 ______________________________________ ■19-3-1 アプリを削除する ホーム画面が編集モードに入っている状態で、削除したいアプリにVoiceOverカーソルを合わせます。そのアプリの名前の読み上げを確認したら、指を画面から離します。 1本指の下スワイプを行います。 「削除」と読み上げられる項目を確認したら、1本指でダブルタップします。 1本指の右スワイプか左スワイプの操作で「Appを削除」ボタンに移動したら、1本指でダブルタップします。 「「アプリを削除しますか」という確認メッセージが読み上げられます。 1本指の右スワイプや左スワイプの操作で「削除ボタン」に移動して、1本指のダブルタップで決定するとアプリは削除されます。 削除したくなければ「キャンセルボタン」を実行してください。 ______________________________________ ■19-3-2 アプリを移動する 「ドラッグ&ドロップ」 ホーム画面上のアプリはスキナ場所に移動させることができます。 別のページに移動させることや、画面の最下行のドックの部分に配置することもできます。 他のアプリの横に引っ越しさせるという風にイメージしてください。 1. ホーム画面が編集モードに入っている状態で、移動したいアプリにVoiceOverカーソルを合わせて、そのアプリの名前を読み上げさせて、指を画面から離します。 1本指の下スワイプを行います。 「まるまるアプリをドラッグ」と読み上げられたら、1本指のダブルタップで確定します。 2. 移動させたい場所にあるアプリにVoiceOverカーソルを合わせます。 1本指の右スワイプや左スワイプでVoiceOverカーソルを動かすことができます。 ページをまたいでの移動の場合、通常のページ切り替えのジェスチャが利用できます。 3本指の左スワイプか右スワイプです。 3. 移動先のアプリの場所で1本指の下スワイプか上スワイプを行うと、いくつか実行できるメニューが読み上げられます。 「まるまるアプリを前にドロップ」、「まるまるアプリを後ろにドロップ」 そのような読み上げを確認することができます。 どちらか目的のメニューが読み上げられたら1本指でダブルタップします。 これでアプリの移動が実行されました。 ______________________________________ ■19-3-3 フォルダを作成する インストールしたアプリの数が増えてくると、それを見つけるのに苦労します。また、ホーム画面は15ページまで拡張されますが、それでも表示できないほど多くのアプリをインストールすると、さらに探し出すのはたいへんです。 そういう場合は同じジャンルのアプリを、一つのフォルダにまとめてしまえば管理しやすくなります。 フォルダの中には135個のアプリをまとめることができます。 フォルダを開くと一つの画面に9個のアプリが表示されますが、それ以上多くなると、ホーム画面と同じように15ページまで拡張されます。 1. ホーム画面が編集モードに入っている状態で、移動したいアプリにVoiceOverカーソルを合わせて、そのアプリの名前を読み上げさせて、指を画面から離します。 1本指の下スワイプを行います。 「まるまるアプリをドラッグ」と読み上げられたら、1本指のダブルタップで確定します。 2. 同じフォルダにまとめたい別のアプリにVoiceOverカーソルを合わせます。 1本指の右スワイプや左スワイプでVoiceOverカーソルを動かすことができます。  ページをまたいでの移動の場合、通常のページ切り替えのジェスチャが利用できます。 3本指の左スワイプか右スワイプです。 3. 別のアプリの場所で1本指の下スワイプか上スワイプを行うと、いくつか実行できるメニューが読み上げられます。 「まるまるアプリとまるまるアプリで新規フォルダを作成」 そのようなメニューが読み上げられたら1本指でダブルタップします。 これで二つのアプリが入ったフォルダが作成されました。  既存のフォルダに追加することもできます。 フォルダ上で同じ操作をするわけですが、メニューの数は多く表示されます。 「まるまるアプリをフォルダに追加」 そのようなメニューが読み上げられたら1本指でダブルタップします。 これでアプリをすでにあるフォルダの中に追加することができます。 4. 新規のフォルダ名は自動的に作成されますが、変更は可能です。 フォルダが作成された画面で左スワイプしていくと、一番左端がフォルダ名入力のテキストフィールドになっています。そこを書きかえれば好きな名前で作成できるわけです。 フォルダ名はフォルダ作成時でなくても、いつでも書き変え可能です。 ______________________________________ ■19-3-4 複数のアプリを移動する これまでは一つのアプリを移動する操作について説明してきましたが、複数のアプリをまとめて移動したりフォルダに追加することができます。 1. ホーム画面が編集モードに入っている状態で、移動したいアプリにVoiceOverカーソルを合わせて、そのアプリの名前を読み上げさせて、指を画面から離します。 1本指の下スワイプを行います。 「まるまるアプリをドラッグ」と読み上げられたら、1本指のダブルタップで確定します。 2. まとめて移動したいアプリにVoiceOverカーソルを合わせて、そのアプリの名前を読み上げさせて、指を画面から離します。 1本指の下スワイプを行います。 「ドラッグセッションに追加」と読み上げられたら、1本指のダブルタップで確定します。 他にも移動したいアプリがあれば、同じ手順を繰り返します。 3. 移動させたい場所にあるアプリにVoiceOverカーソルを合わせます。 1本指の右スワイプや左スワイプでVoiceOverカーソルを動かすことができます。  ページをまたいでの移動の場合、通常のページ切り替えのジェスチャが利用できます。 3本指の左スワイプか右スワイプです。 4. 移動先のアプリの場所で1本指の下スワイプか上スワイプを行うと、いくつか実行できるメニューが読み上げられます。 「まるまるアプリを前にドロップ」、「まるまるアプリを後ろにドロップ」 そのような読み上げを確認することができます。 どちらか目的のメニューが読み上げられたら1本指でダブルタップします。 これでアプリの移動が実行されました。 新規フォルダの作成、既存のフォルダへの追加の操作も同じように実行できます。 ______________________________________ ■19-3-5 ホーム画面からフォルダの中身を表示する ホーム画面からフォルダの中を表示するには、アプリを起動するのと同じジェスチャである1本指のダブルタップを実行します。 フォルダの中から直前のホーム画面に戻るには、ホーム画面を開く操作をします。 あるいは、スクラブのジェスチャも利用できます。 ______________________________________ ■19-3-6 フォルダの削除、フォルダの外へアプリを移動する フォルダの中のアプリの位置も変更できます。 アプリ移動の操作を利用します。 フォルダを削除するには、フォルダ内のアプリをすべて外に移動します。 中身を空っぽにすると、自動的にフォルダが消えるわけです。 アプリをフォルダの外に移動する場合は、 1. ホーム画面が編集モードに入っている状態で、移動したいアプリにVoiceOverカーソルを合わせて、そのアプリの名前を読み上げさせて、指を画面から離します。 1本指の下スワイプを行います。 「まるまるアプリをドラッグ」と読み上げられたら、1本指のダブルタップで確定します。 2. フォルダの外に抜け出します。 複数の方法があります。 ホーム画面を開く操作をします。 あるいは、1本指の下スワイプで 「フォルダを閉じる」と読み上げられたら、1本指のダブルタップで確定します。 スクラブのジェスチャも利用できます。 3. 移動させたい場所にあるアプリにVoiceOverカーソルを合わせます。 1本指の右スワイプや左スワイプでVoiceOverカーソルを動かしてもかまいません。  ページをまたいでの移動の場合、通常のページ切り替えのジェスチャが利用できます。 3本指の左スワイプか右スワイプです。 4. 移動先のアプリの場所で1本指の下スワイプか上スワイプを行うと、いくつか実行できるメニューが読み上げられます。 「まるまるアプリを前にドロップ」、「まるまるアプリを後ろにドロップ」 そのような読み上げを確認することができます。 どちらか目的のメニューが読み上げられたら1本指でダブルタップします。 これでアプリの移動が実行されました。 既存のフォルダに追加することもできます。 ______________________________________ ■19-3-7 フォルダ名を変更する ホーム画面が編集モードに入っている状態で、名前を変更したいフォルダにVoiceOverカーソルを合わせます。 1本指の下スワイプを行います。 「アクティベート・デフォルト」と読み上げられる項目を確認したら、1本指でダブルタップします。 ォルダ名を変更するためのテキストフィールドが表示されます。 テキストフィールドを開くと、名前が変更できます。 ______________________________________ ■19-4 ドラッグ操作を利用して操作する 初期バージョンのiOSから利用されていた方法で、VoiceOverがオフの環境と同じような操作性です。 ______________________________________ ■19-4-1 アプリを削除する ホーム画面が編集モードに入っている状態で、削除したいアプリにVoiceOverカーソルを合わせて、そのアプリの名前を読み上げさせて、指を画面から離します。 目的のアプリにVoiceOverカーソルがある状態で、1本指のダブルタップを実行します。 1本指の右スワイプか左スワイプの操作で「Appを削除」ボタンに移動したら、1本指でダブルタップします。 「「アプリを削除しますか」という確認メッセージが読み上げられます。 1本指の右スワイプや左スワイプの操作で「削除ボタン」に移動して、1本指のダブルタップで決定するとアプリは削除されます。 削除したくなければ「キャンセルボタン」を実行してください。 ______________________________________ ■19-4-2 アプリを移動する 1. ホーム画面が編集モードに入っている状態で、移動したいアプリにVoiceOverカーソルを合わせて、そのアプリの名前を読み上げさせて、指を画面から離します。 1本指のダブルタップ&ホールドを行います。 指は画面につけたままにしておきます。 これでアプリをスキナ場所に移動できる状態です。 2. 画面につけたままの指をアプリを移動させたい場所に滑らせます。すると、 「2列目の3行目」 などのメッセージが読み上げられます。 希望の場所で指を画面から離します。 これでアプリの移動は完了です。 さて、ページをまたいでの移動ですが、 3. 指を画面につけたままの状態で、そのまま画面の右端に滑らせていき、しばらく待ちます。 「3ページに移動中」という読み上げが確認できます。 「ヒュン」という効果音がすれば、アプリは次ページに移動したことになります。 「全11ページ中3ページ目」というような読み上げがされるので、どのページに移動したのかを確認できます。  指を離すまではページ移動が連続して行われます。 希望のページ番号が読み上げられたら画面から指を離します。  また、アプリを画面の右端ではなく左端に滑らせていくと前ページに移動させることができます。 ______________________________________ ■19-4-3 フォルダを作成する 1. ホーム画面が編集モードに入っている状態で、移動したいアプリにVoiceOverカーソルを合わせて、そのアプリの名前を読み上げさせて、指を画面から離します。 1本指のダブルタップ&ホールドを行います。 指は画面につけたままにしておきます。 これでアプリをスキナ場所に移動できる状態です。 2. 画面につけたままの指を滑らせて同じフォルダにまとめたいアプリの上まで移動します。 「まるまるの上にドラッグ中」 などのメッセージが読み上げられます。  うまくアイコンが重なれば、 「フォルダを作成します」 という読み上げの後に効果音を確認できます。 つづけて、別の効果音の後に「まるまるフォルダを作成中」という読み上げがあります。新しくフォルダが作成されたというアナウンスです。 ここで指を画面から離します。 それぞれのアプリはこのフォルダの中にまとめられました。 3. フォルダ名は自動的に作成されますが、変更は可能です。 フォルダが作成された画面で左スワイプしていくと、一番左端がフォルダ名入力のテキストフィールドになっています。そこを書きかえれば好きな名前で作成できるわけです。 フォルダ名はフォルダ作成時でなくても、いつでも書き変え可能です。 ______________________________________ ■19-4-4 ホーム画面からフォルダの中身を表示する ホーム画面からフォルダの中を表示するには、アプリを起動するのと同じジェスチャである1本指のダブルタップを実行します。 フォルダの中から直前のホーム画面に戻るには、ホーム画面を開く操作をします。 ______________________________________ ■19-4-5 フォルダの削除、フォルダの外へアプリを移動する フォルダの中のアプリの位置も変更できます。 アプリ移動の操作を利用します。 フォルダを削除するには、フォルダ内のアプリをすべて外に移動します。 中身を空っぽにすると、自動的にフォルダが消えるわけです。 アプリをフォルダの外に移動する場合は、 1. 画面が編集モードに入っている状態で、移動したいアプリにVoiceOverカーソルを合わせて、そのアプリの名前を読み上げさせて、指を画面から離します。 1本指のダブルタップ&ホールドを行います。 指は画面につけたままにしておきます。 これでアプリをスキナ場所に移動できる状態です。 2. フォルダの外だろうと思われる場所に指を滑らせます。上や下に滑らせてみるとよいでしょう。 「フォルダの外にあります。指を5秒間押したままにしておいてください」 というアナウンスがあり、効果音が聞こえます。 すると、アプリはフォルダの外に移動したことになります。 ______________________________________ ■19-4-6 フォルダ名を変更する ホーム画面が編集モードに入っている状態で、名前を変更したいフォルダにVoiceOverカーソルを合わせます。 1本指でダブルタップします。 ォルダ名を変更するためのテキストフィールドが表示されます。 テキストフィールドを開くと、名前が変更できます。 ______________________________________ ■19-5 ホーム画面のページを表示・非表示 ホーム画面は複数のページで構成されていますが、iOS 14からはページ単位で非表示にできるようになりました。 普段使うことのないアプリをまとめたページは非表示にしておき、必要なときに表示させることができます。アプリは削除されず、隠しておくというわけです。 では、3ページ目を非表示にしてみましょう。 1. ホーム画面の編集モードに入ります。 2. 画面下部に表示されているページ切り替えスライダー、 「全4ページ中2ページ目」と読み上げる箇所を1本指でダブルタップします。 3. ページの編集画面に切り替わります。 ページ番号と、表示・非表示の状態が一覧できます。 「3ページ 表示」 この箇所を1本指でダブルタップすると、 「3ページ 非表示」という読み上げに代わります。 4. 画面の右上端の「完了」ボタンを1本指でダブルタップすると、ページの編集は終了します。ホーム画面から3ページ目が消えていることを確認してください。 5. 3ページ目を表示させるには、上記と同じ手順でページ編集モードの画面で操作します。 「3ページ 非表示」 この箇所を1本指でダブルタップすると、 「3ページ 表示」という読み上げに代わります。 「完了」ボタンを実行して終了です。 ところで、ページ編集の画面では、ページ移動の操作もできます。 たとえば、 「2ページ 表示」と読み上げられる箇所で、1本指の下スワイプか上スワイプを行います。 「2ページにジャンプ」という項目で、1本指のダブルタップをします。 これでホーム画面の編集モードにおいて、ページ移動が容易になります。 ______________________________________ ■19-6 Appライブラリを活用する インストールしたアプリはホーム画面に追加されて、ホーム画面のページ数が増えることになります。そうなると、目的のアプリを探すのに時間がかかります。 iOS 14からはAppライブラリという画面が登場しました。インストールしたアプリは自動的にカテゴリ別のフォルダに振り分けられて、一つの画面の中で確認できます。 ホーム画面の最後のページで3本指の左スワイプを行うと、この画面に切り替わります。 縦スクロールできる画面です。 画面の最上部には検索フィールドが配置されています。 そこから下は、アプリの名前とカテゴリ名が付けられたフォルダが並びます。 フォルダの手前に表示されているのは、そのカテゴリに分類されたよく使われる三つのアプリの名前です。 ホーム画面の編集と同じく、この画面の中でも編集モードを利用してアプリの削除や移動の操作が行えます。 ところで、ホーム画面の中でアプリの削除メニューを表示させると、 「ホーム画面から取り除く」というメニューを選ぶことができます。 これはアプリを削除するのではなく、ホーム画面からアプリのアイコンを非表示にするということです。Appライブラリの中では確認することができます。 非表示にしたアプリをホーム画面に戻すには、 「ホーム画面に追加」ボタンを実行します。 このボタンを表示させるにはいくつかの方法がありますが、1本指のトリプルタップでクイックアクションメニューを表示させて操作するのが簡単です。 ______________________________________ ■19-7 ウィジェットをホーム画面に追加する iOSでウィジェットを表示できたのは「今日」の画面のみでした。ホーム画面の0ページ目、通知の画面の1ページ目です。 iOS 14からは、ホーム画面に追加できるようになったので、他のアプリのアイコンと同じように表示させておくことができます。アプリを開かなくても最新情報を閲覧できるという点で、ウィジェットを愛用している人たちは多いようです。 また、その表示サイズもユーザが指定可能ですが、大きなサイズで表示させておくと情報量は多くなります。 ウィジェットを追加する手順は、 1. ホーム画面の編集モードに入ります。 2. 画面の左上端に配置されている、 「ウィジェットを追加」ボタンを1本指のダブルタップで実行します。 写真や世界時計など、アップルのアプリの他にも、追加可能なサードパーティ性のアプリの名前が一覧表示されます。 3. たとえば「バッテリー」を追加してみましょう。 「バッテリー」ボタンを1本指でダブルタップします。 4. 説明の画面に切り替わります。 ここで注目する箇所は画面中央部に表示される「ウィジェット プレビュー」です。 プレビューの内容がホーム画面に表示されるわけですが、その内容はウィジェットのサイズによって異なります。 5. ウィジェットのサイズは、3本指の左スワイプか右スワイプで、ページ切り替えの方法で変更します。1ページ目は小サイズです。 ・小サイズはアプリ4個分 ・中サイズはアプリ8個分 ・大サイズはアプリ16個分 6. サイズを決めたら、画面下部の 「ウィジェットを追加」ボタンを1本指のダブルタップで実行します。 これで目的のウィジェットが追加されました。 ホーム画面の編集モードでは、ウィジェットの削除や移動もできます。 ______________________________________ ■19-7-1 スタック、複数のウィジェットを一つにまとめる ウィジェットをいくつも追加すると、ホーム画面の表示を占有されることになります。そんなことを回避したい場合にスタック、ウィジェットを重ねて整理することができます。 ウィジェットを重ねるには、ホーム画面の編集モードに入り、アプリをフォルダにまとめるのと同じ操作手順です。 ただし、重ねることのできるウィジェットは同一のサイズでなければなりません。 また、重ねることのできるウィジェットの上限数は10です。 スタックが占有する表示エリアは一つですが、ページを切り替える感覚で複数のウィジェットの内容を表示させることができます。 スタックの中でウィジェットを切り替えるには、まずスタックのウィジェットの箇所をフォーカスします。 3本指の上スワイプか下スワイプを行います。 あるいは、1本指で下スワイプか上スワイプを行うと、アクションメニューを利用してウィジェットの切り替えができます。 ______________________________________ ■19-7-2 スタックを編集する スタックウィジェットの編集メニューでは、ウィジェットの並べ替えと削除、スマートローテーション機能のオン・オフ切り替えができます。 ホーム画面のスタックウィジェットの箇所で、1本指のトリプルタップを行い、クイックアクションメニューを表示します。 「スタックを編集」ボタンを1本指のダブルタップで実行します。 削除するには、ウィジェットの名前の箇所で1本指の下スワイプか上スワイプを行い、「削除」メニューを1本指のダブルタップで実行します。 スマートローテーションをオンにすると、ユーザがいちいちスタックウィジェットの箇所で切り替え操作をしなくても、機械的に判定されたよく使うウィジェットが表示されます。 ______________________________________ ■19-7-3 スマートスタック ユーザがよく使うであろうと推測されたウィジェットがまとめられたもの、それが「スマートスタック」です。 ユーザ自身が作成したスタックウィジェットと同じく、ホーム画面の1箇所のエリアで表示されます。そして、その箇所でページ切り替えのような操作をすることで、ウィジェット情報を変更します。 ウィジェットを追加する一覧画面の中から「スマートスタック」を選択します。 スマートスタックには別のウィジェットを重ねて追加することもできます。 ただし、同一のサイズでなければなりません。 ______________________________________ ■■チャプター20 そのほかの便利なジェスチャ これまでに紹介してきたジェスチャを使いこなせるようになれば、iPhoneを会的に操作できるようになると思います。 ここからはさらにスムーズに、より便利に使えるジェスチャや使い方についてを紹介しています。 ______________________________________ ■20-1 項目に名前をつける「カスタムラベル」 アプリによってはボタン類に名前が付けられていないものがあります。 そんなときにユーザが好きな名前をつける機能があります。 ●「2本指のダブルタップ&ホールド」 名前をつけたい項目にVoiceOverのカーソルを合わせます。次に2本指でダブルタップして、指はそのまま画面にタッチしておきます。「ピョン、ピョン、ピョン」という効果音の 後にテキストフィールドが開きます。挿入ポイントは末尾に位置しています。 すでにテキストフィールドに項目名が入っていれば、まずはそれを削除しておくとよいでしょう。 文字入力を終えたら画面右下の「完了」ボタンを実行します。「done」と読み上げられるかもしれません。 ______________________________________ ■20-2 項目をアルファベット順に並べ替えて表示する「項目セレクタ」 画面にランダムに並んでいるアプリの配置を一時的にアルファベット順に切り替えることができます。 ●「2本指のトリプルタップ」 2本指で画面を3回すばやくたたきます。 項目セレクタの画面に切り替わり、項目はアルファベット順に並んで表示されます。 探したい項目やボタンの先頭文字が分かっていれば、それを見つけやすくなります。 ______________________________________ ■20-3 項目セレクタ状態での検索機能 項目セレクタの画面では検索機能が利用できるので便利です。 画面の上の部分に検索のテキストフィールドが表示されています。ここを1本指でダブルタップして文字入力モードに入ると、ソフトウェア・キーボードが表示されます。文字入力の後で画面右下の検索ボタンを実行すると、結果が表示されます。 結果を1本指でダブルタップすると、VoiceOverのカーソルはその項目に移動します。メール本文中やウェブページ内でも活用できます。 ______________________________________ ■20-4 直前に読み上げた内容をクリップボードにコピーする 直前に読み上げた内容を文字情報としてクリップボードにコピーします。 その内容をメール本文やメモアプリなど、テキストフィールドに貼り付ければ、コピー&ペーストを簡略化してくれることになります。 ●「3本指の4回タップ」 3本の指で素早く画面を4回たたきます。 テキストの内容を範囲選択してクリップボードにコピーする方法はありますが、シンプルな操作であるとは言えません。 それに比べると、読み上げた内容をクリップボードにコピーするジェスチャは、とても簡単で、名前や住所、電話番号などのテキストをコピーするときに重宝します。 ______________________________________ ■20-5 Spotlight(スポットライト)検索画面の表示 たくさんのアプリをインストールしていて、どこのページに配置していたかわからなくなってしまうことがあります。そんなときにスポットライト機能で検索すれば、結果表示された項目を1本指のダブルタップで直接起動させることができます。 アプリだけでなく、メールや音楽なども検索の対象にできます。 Siriからの提案も表示させることができます。 それぞれの項目を検索の対象にするかしないかは、設定アプリを開いて、「Siriと検索」の中で変更できます。 ●「ホーム画面の中で3本指で下にスワイプ」 ホーム画面を表示させている状態で、3本の指を下に向けてスーッと滑らせてからピッと離します。 画面のどこで実行してもかまいませんが、ステータスバーには触れないようにしてください。 テキストフィールドが表示されるので、キーワードを入力して検索します。 気をつけることとしては、ステータスバーにタッチしてからこの操作を行うと、通知の画面を開くジェスチャとして認識されてしまいます。 VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャは、画面の真ん中から1本指で下にスワイプです。 「今日」の表示画面、ホーム画面の0ページ目には最上部にテキストフィールドが表示されています。ここにキーワードを入力しても同じような結果が表示されます。 スポットライト検索の画面を閉じるには、ホーム画面を開く操作をします。 あるいは、スクラブのジェスチャも利用できます。 ______________________________________ ■20-6 下に引いて内容を更新する 画面に表示されている内容が自動的に変化しない場合、手動で更新させて最新情報を表示させることができます。 ●3本指の下スワイプ 画面を上にスクロールするジェスチャでもありますが、画面を下に引いて内容を更新、引っ張って更新できる場面で使えるジェスチャでもあります。 たとえば、インストールされているアプリはApp Storeアプリの中でアップデートすることができます。 画面の右上に配置されている「マイアカウント」ボタンを1本指のダブルタップで実行します。 もしボタンが見つからなければ、画面の左下端の「Today」を1本指でダブルタップして選 択状態にしてから、右上を確認してみてください。 「利用可能なアップデート」と読み上げる箇所から下には、アップデートできるアプリの名前が表示されています。この内容を手動で更新すると、さらにアップデートできるアプリが見つかることが多いです。 画面の中央辺りをタッチした後で、3本指の下スワイプを行なってみてください。 「内容を更新中」というアナウンスを確認できたならば、下に引いて更新のジェスチャが認識されているということです。 画面の最上行、「完了」ボタンなどをVoiceOverカーソルがフォーカスしている状態では、内容を更新することはできません。 ______________________________________ ■20-7 「並べ替え」ボタンを操作する VoiceOverのローター操作で選べるカテゴリをたくさん追加しておくと、それを見つけるのに時間がかかります。そんなときにはカテゴリの順番を自分の好みに並べ替えておくと便利です。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「ローター」の中に入るとカテゴリの追加だけではなく、その順序を並べ替えることもできます。 「まるまるを並べ替え」ボタンと読み上げられる箇所で次のジェスチャを実行します。 ●「1本指のダブルタップ&ホールド&ドラッグ」 1本の指で画面をトン・トンと素早く2回たたきますが、2回目のタップでは指を離さず画面につけた状態にします。移動したい場所へ指を滑らせていきます。目的の場所で指を離します。 ドラッグ操作での並べ替えが難しいと感じる場合は、他の方法が利用できます。 並べ替えたい項目の箇所で1本指の下スワイプか上スワイプを行います。 「上に移動」、「下に移動」というメニューが用意されています。 一つ上に移動させたい場合には、「上に移動」と読み上げられたら1本指のダブルタップで実行します。 もし上スワイプで削除という読み上げが確認されない場合は、ローター操作で「アクション」のカテゴリに合わせる必要があります。 ローター・カテゴリのアクションメニューで並べ替えをすると、現在位置から一つ上、あるいは一つ下に移動させることになります。 それに対して、ドラッグ操作では複数項目をまたいでの移動ができます。 ______________________________________ ■20-8 ミュージックアプリ内で便利に使える操作 音楽の再生や一時停止の操作には2本指のダブルタップが利用できます。 ミュージックアプリの他にもラジオや動画の再生アプリでも使用できます。 2本指のダブルタップは電話の応答や切断の際にも使われますが、いろんな使い方ができるということで「マジックタップ」と呼ばれています。 ミュージックアプリの再生中(ミニプレーヤー)の画面では、次の操作もできます。 再生中の画面に切り替えるには、ミュージックアプリの画面下部で読み上げられる「アルバムアートワーク」か「ミニプレーヤー」の箇所を1本指でダブルタップします。 音量やトラックの位置(再生位置)を変更するには、スライダーを動かしてその数値を調整することができます。 たとえば音量を変更するには、その箇所を読み上げさせてから指を離します。そして、1本指の下スワイプか上スワイプを実行します。 トラックの位置の箇所を1本指の下スワイプか上スワイプで調整すると、大きな数値でしか調整することはできません。 小さな数値で動かしたいときには、その箇所を1本指でダブルタップ&ホールドします。画面にタッチしたままの指を右か左に、上か下にドラッグさせると、小さな数値で調整することができます。ドラッグするときには、ゆっくりと、小さな動きで操作すると、より自分の思う値に調整できるでしょう。 音楽を早送りするには「次のトラック」ボタンを1本指でダブルタップ&ホールドします。指を離すまで早送りの操作がつづきます。 巻き戻しは「前のトラック」ボタンを1本指でダブルタップ&ホールドします。 ミュージックアプリで再生中の画面を閉じるには、画面の上部にある「再生中画面を閉じる」ボタンを実行するか、スクラブのジェスチャを行います。 ______________________________________ ■20-9 値を調整する、「スライダー、ピッカー」 ミュージックアプリで音楽を再生させると、音量やトラックの位置(再生の位置)を変更するための項目が表示されます。スライダーを動かすことで、それぞれの数値を変更できるようになっています。 これらの箇所ではVoiceOverの読み上げ音声を最後までしっかり聞いていると、「調整可能」と教えてくれます。 1本指の下スワイプか上スワイプをすることで、数値を変更することができます。 これはローター・カテゴリが自動的に「値を調整」に合わさっているからです。 もし上スワイプで音量の数値が変化しない場合は、ローター操作で「値を調整」のカテゴリに合わせる必要があります。 数値を細かく変更したいときには、その箇所を1本指でダブルタップ&ホールドして、画面にタッチしたまま指を左か右へ、もしくは上か下へドラッグさせます。 値を調整する操作は、他のアプリでも利用できます。 ホーム画面では、「全15ページ中1ページ目」という箇所で実行すると、ページ移動することができます。 セクションの索引などのスクロールバーでも利用できます。 サファリでウェブページを閲覧していると、リストの中から特定の項目を選ぶ必要のあるポップアップボタンに遭遇することがあります。 その箇所を実行すると、読み上げ音声は「ピッカー項目」と教えてくれます。 たとえば生年月日を指定する項目はそのようになっていることが多いです。 ここでも1本指の下スワイプか上スワイプをすることで、項目を選ぶことができます。 月や日を指定する場合、たくさんの数字を一つずつピッカー操作で切替ていくのはたいへんですが、そんなときは1本指のダブルタップ&ホールドしてドラッグすると、複数の項目をまとめて飛び越えることができます。 ピッカーの操作をする箇所は、画面の下端に表示されることが多いです。 適切な値を選んだ後は1本指で左スワイプすると、「完了」ボタンがみつかるので、それを実行しておく必要があります。 あるいは「次へ」ボタンや「前へ」ボタンが表示されているので、その場面に応じたボタンを実行してください。 ______________________________________ ■20-10 セクションの索引のスクロールバー 連絡先やミュージックのアプリで、名前の一覧を表示させているときなどに、索引を利用できます。 画面の右端に「セクションの索引」の調整ができるスクロールバーが縦長に表示されています。 1本指の下スワイプや上スワイプをすることで、あかさたなの行やアルファベットごとの索引を選ぶことができます。 下スワイプで「ま」と読み上げられた後に右スワイプをすると、マ行の最初の項目に移動します。 「セクションの索引」のスクロールバーが表示されている画面では、ローター・カテゴリの「見出し」に合わせて移動することでも同じことができます。 ______________________________________ ■20-11 ページ切り替えを効率よくするための縦と横のスクロールバー VoiceOver環境では、ウェブページなど縦長の画面をスクロールするときに3本指の上スワイプや下スワイプを行います。 しかし、30ページもあるようなウェブページでは、そのジェスチャを繰り返し行うのはたいへんです。 iOS 13からは、メールアプリの一覧やSafariアプリのウェブページなど、縦に表示されるページ数が多い画面では、右端に縦長の垂直スクロールバーが表示されるようになりました。垂直スクロールバーをフォーカスさせた後で、1本指の上スワイプを行うと0パーセントに向けて10パーセント単位で値は小さくなります。つまり先頭ページに向かってスクロールされます。 1本指の下スワイプを行うと100パーセントに向けて値は大きくなります。つまり最後のページに向かってスクロールされます。 また、横に表示されるページ数が多い画面では、画面の下部に水平スクロールバーが表示されます。 これらのスクロールバーはすべてのアプリで表示されるわけではありません。 ______________________________________ ■20-12 長押し、1本指のトリプルタップ 標準のジェスチャでは、1本指で長押しすることに相当します。 3D Touchの代わりとして使われるジェスチャでもありますが、様々な場面で利用できます。 1. クイックアクションメニューを表示します。 ホーム画面のアプリのアイコンでこのジェスチャを行うと、表示されるコンテクストメニューの中にアプリ独自のショートカットメニューが含まれています。 2. メールやウェブページの本文内テキストの箇所でこのジェスチャを実行すると、編集関連のオプションが表示されます。テキストの箇所ではなく、リンクやイメージなどの要素の箇所で実行すると、クイックアクションメニューが表示されます。 3. メールやウェブページの本文内などで、電話番号やURLのリンク、イメージなどのテキスト以外の箇所で、このジェスチャを実行すると、関連のメニュー、クイックアクションメニューが表示されます。 4. ソフトウェアキーボードでキーボードの種類を変更するとき、「次のキーボード」の箇所を1本指でトリプルタップします。 画面上に登録されているキーボードの全種類が表示されます。 ______________________________________ ■20-13 長押し、1本指のダブルタップ&ホールド 標準のジェスチャでは、1本指で長押しすることに相当します。 1本指のトリプルタップとは別の使い道があります。 様々な場面で利用できます。 まず、クイックアクションメニュー、コンテクストメニューを表示させることができます。 また、1本指でダブルタップ&ホールドしておくと、次のジェスチャを標準のジェスチャとして認識するように指示するという役割も果たします。 1. アプリによっては、画面をスクロールさせたいときにVoiceOverのジェスチャでは反応しないことがあります。 そんな画面では、1本指でダブルタップ&ホールドして、そのまま画面にタッチしたままの指を上下左右にスワイプすると、ページが切り替わることがあります。 これは標準ジェスチャのスクロールの働きをさせることになるからです。 2. ソフトウェアキーボードの「削除」ボタンの箇所を1本指でダブルタップ&ホールドすると、文頭に向かって連続削除を実行できます。 3. ソフトウェアキーボードで、文字入力モードが「標準入力」、あるいは「タッチ入力」になっているとき、特定の文字や記号の上で1本指のダブルタップ&ホールドすると、関連した候補文字が表示される場合があります。 指を画面にタッチしたままドラッグして、目的の候補文字のところで指を離すと、その文字が入力されます。 タッチ入力モードのときは、1本指をその特定の文字の上に置いたままにしておくことでも、候補文字が表示されます。 4. ソフトウェアキーボードでキーボードの種類を変更するとき、「次のキーボード」の箇所を1本指でダブルタップ&ホールドします。 画面上に登録されているキーボードの全種類が表示されるので、指を画面にタッチしたままドラッグして、目的のキーボードのところで指を離します。そうすることで、キーボードの種類を変更できます。 5. ホーム画面では、アプリのクイックアクションメニューを表示します。 表示されるコンテクストメニューの中にアプリ独自のショートカットメニューが含まれています。 画面に指を着けている時間が長いと編集モードに入ってしまうので、効果音と振動が確認できたら、すぐに指を離す必要があります。 6. メールやウェブページの本文内テキストの箇所でこのジェスチャを実行すると、編集関連のオプションが表示されます。テキストの箇所ではなく、リンクやイメージなどの要素の箇所で実行すると、クイックアクションメニューが表示されます。 7. メールやウェブページの本文内などで、電話番号やURLのリンク、イメージなどのテキスト以外の箇所で、このジェスチャを実行すると、関連のメニュー、クイックアクションメニューが表示されます。 ______________________________________ ■20-14 1本指の4回タップ 標準のジェスチャでは、1本指でダブルタップすることに相当します。 ______________________________________ ■20-15 直前に開いていたアプリに戻る 起動していたアプリから別のアプリを開いた場合、元のアプリを表示させるには三つの方法が選べます。 一つ目は、アップスイッチャーを開いて目的のアプリを実行する方法。 二つ目は、「アプリに戻る」ボタンがステータスバーの左端に表示されていれば、それを実行する方法です。 三つ目はジェスチャを利用します。 ●「4本指の右スワイプか左スワイプ」 4本の指を同時に画面につけてスーッと滑らせてから指を離します。 右スワイプすると直前のアプリの画面に切り替わります。 画面のどこで実行してもかまいません。 右スワイプを続けると、開いた順にアプリをさかのぼって表示します。 左スワイプをすることで、新しく開いた順にアプリを表示します。 VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャは、画面の下端に表示されているインジケータを1本指で右スワイプか左スワイプです。 ______________________________________ ■20-16 簡易アクセス、画面の上半分を引き下ろして表示 iPhone 6が登場したときに加わった機能です。 画面サイズの大きなiPhoneを縦に持って操作する場合、画面の上側に配置されている項目に指が届きにくいという問題があります。 その問題を解決してくれる機能が簡易アクセス(リーチャビリティ)の機能です。 画面の上半分を引き下げて表示します。 ホームボタンのあるiPhoneでは、ホームボタンの2回タップを行います。 ボタンをクリック、押すのではなく、2回タッチする操作です。 ホームボタンのないiPhoneでは、ジェスチャが用意されています。 ●「画面の下端から上スワイプして下スワイプ」 画面の下端から1本指で上スワイプします。 1回目のハプティックフィードバック(振動)を確認したら、画面につけたままの指を素早く指を下スワイプします。 シュッシュッという効果音と同時に、上半分の画面が下側に移動して表示されます。 元の状態に戻すには、 ・もう一度同じ操作をする。 ・自動的に画面が元に戻るのを待つ (8秒ほどすると自動的に画面は切り替わります。画面が元に戻る時にも効果音が聞こえます) この簡易アクセスの機能をオフにしたい場合は、 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」と進み、 「簡易アクセス」の切り替えボタンをオフにします。 ______________________________________ ■20-17 人までの距離を教えてくれる「人の検出」 これは、LiDARスキャナ搭載のモデルでのみ利用できる機能です。 夜間の写真撮影の制度を上げたり、ARのために活用することが期待されている機能がLiDARスキャナです。 光線を発信して物体までの距離を測定できるので、視覚障害ユーザの間ではナビゲーションシステムに利用できないものかと注目されています。 iOSに標準で組み込まれている「拡大鏡」機能ですが、iOS 14.2からは人までの距離を検出できる機能が追加されました。 この機能を呼び出すにはいくつかの方法がありますが、VoiceOverのジェスチャを利用するのがもっとも手軽な方法です。 ●「4本指のトリプルタップ」 人の検出をオンにします。 ホーム画面からも、他のアプリを表示していても 4本指で3回タップすることで拡大鏡の画面に切り替わり、自動的に「人の検出」機能がオンになります。 背面カメラを向けた方向に人がいると、 その人までの距離を、音、読み上げ、振動でフィードバックしてくれます。 カメラで見回すだけの操作などで、とてもシンプルに使えます。 ホーム画面を開く操作で終了できます。 ______________________________________ ■20-18 背面タップ iOS 14からはiPhone本体の背面をタップするジェスチャが加わりました。 ●背面タップ iPhone本体の背面を1本指でダブルタップ、または1本指でトリプルタップします。 デフォルトでは何の機能も割り当てられていません。 機能を割り当てるには、設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「コマンド」→「タッチジェスチャ」と進み 「iPhoneの背面をダブルタップ」ボタン 「iPhoneの背面をトリプルタップ」ボタン それぞれのボタンを1本指でダブルタップすると、割り当て可能な機能名が一覧表示されます。 背面タップについては、VoiceOverがオフの環境でも利用できますが、割り当て可能な機能は異なります。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「タッチ」→「背面タップ」の中で割り当てた機能は、VoiceOverがオフの環境で動作します。 ______________________________________ ■■チャプター21 読み上げ音声の質と特徴 VoiceOverの音声は、iPhoneを初期設定した時に選んだ言語を元に割り当てられます。日本語環境で使っている場合は、日本語の音声がデフォルトになります。 読み上げ速度を変更するには、 設定アプリを開いて「アクセシビリティ」→「VoiceOver」の中で 「読み上げ速度」の値を調整します。 あるいは、ローター操作で「読み上げ速度」のカテゴリに合わせて調整します。 ピッチを変更するには、 設定アプリを開いて「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「読み上げ」の中に入ります。 「ピッチ」の値を調整します。 VoiceOver音声の特徴は、 1. 拡張音声と圧縮音声 始めてVoiceOverをオンにしたときの音声は、少し質が落ちるので、聞きにくいかもしれません。これは、データサイズの小さな圧縮ボイスの声で読み上げられているからです。高品質な拡張音声をダウンロードすることができます。 2. 外国語の音声 デフォルトの言語の音声だけではなく、外国語の音声も追加することができるようになっています。どの画面でもローター操作により、目的の言語の音声に切り替えることが可能です。 そうすることで、外国語で書かれたメールやウェブページなどをその言語の音声で読ませたいときに利用できます。 3. マルチリンガル機能 もし外国語の音声を追加していない場合でも、VoiceOverは外国語で読み上げる場面があります。 たとえば英語のウェブページを開いたとき、そのページの言語属性が英語に指定されていれば、VoiceOverは英語の音声で読み上げます。 それ以外でも、VoiceOverは文字や単語を自動的に外国語の音声で読み上げることがありますが、これはマルチリンガル機能によるものです。自動的に適切だと思われる言語の音声で読み上げてくれているわけです。 4. マルチリンガル機能を停止 このマルチリンガル機能による読み上げをさせたくない場合は、言語ローターで特定の言語を選びます。 たとえば日本語を指定すると、すべての内容を日本語だけで読み上げてくれるようになります。 読み上げ音声の言語を切り替えるにはローター操作を利用します。 言語を選べる上体になっていれば、ローター・カテゴリの中に「言語」が現れるので、ローターのジェスチャ操作でその項目に合わせます。 1本指の下スワイプか上スワイプで目的の言語を選ぶと完了です。 ______________________________________ ■21-1 高品質な日本語音声をダウンロードする 設定アプリを開いて「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「読み上げ」の中に入ります。 「声 Kyoko ボタン」という読み上げが確認できれば、デフォルトの音声は圧縮音声になっています。 「声 Kyoko 拡張 ボタン」という読み上げが確認できれば、デフォルトの音声は高品質になっています。 そのボタンを実行すると、複数のTTS(テキスト読み上げ合成音声エンジン)の名前が一覧表示されます。 日本語の声は4種類から選べるようになっています。 女性の声はKyokoとSiri声2(O-ren)。 男性の声はOtoyaとSiri声1(Hattori)。 音声データがまだダウンロードされていなければ、そのTTSを選ぶと同時にダウンロードが始まります。 あるいは「ダウンロード」ボタンを実行する必要があります。 ダウンロードが始まらない場合、電源ケーブルに刺した状態、Wi-Fi接続の環境で試してみてください。 拡張ボイスが選べるようになっているのはKyokoとOtoyaです。 ______________________________________ ■21-2 外国語の音声を追加する 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「読み上げ」の中に入ります。 「新しい言語を追加」ボタンを実行して、一覧から選びます。 ここで追加した言語の音声を利用できるようになります。 ここでは日本語を追加しておくことをお勧めします。 VoiceOverはマルチリンガル機能により、日本語の文書を誤認識して中国語などで読み上げてしまうことがあります。 それを防ぐためにもローター・カテゴリの「言語」の中に日本語を追加しておき、誤認識する場面では日本語だけで読み上げさせるようにした方が都合がよいわけです。 読み上げ言語が追加されるとその言語と声の名前が表示されます。 その言語の名前の箇所を実行すると、声の種類と読み上げ速度を指定できます。 ______________________________________ ■21-3 単語の読みかたを登録する iOS 10からは単語の読み上げ方を自由に登録できる機能が加わりました。 文書を音声読み上げさせていて困ることは、人名や地名など、間違えた読みかたで発音されてしまうことです。 以前は単語の読みかた、発音をユーザが編集することはできませんでした。 iOS 12までは一つの単語の読みかたを編集できましたが、iOS 13からは複数の単語の読みかたを登録できるように改良されました。 スペース、空白が含まれていても大丈夫です。 新しい読みかたとして登録された単語は、VoiceOverがオンのときの読み上げでも反映されますし、オフの状態の画面読み上げの機能のときにも反映されます。 また、同じアカウントでiCloudにサインインしているiOSデバイスでは、登録した単語の読みが共有されます。 ______________________________________ ■21-3-1 新しい単語の読みかたを登録する 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「読み上げ」→「読みかた」を実行します。 あるいは、 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「読み上げコンテンツ」→「読みかた」を実行します。 どちらの場所で操作しても同じ結果になります。 「読みかた」を開くと、登録済みの単語が一覧表示されます。 画面の右上端には「追加」補団があり、ここを実行します。 二つのテキストフィールドが表示されていますが、 「語句」のフィールドには読みかたを変更したい単語を入力します。 「代替候補」のフィールドには発音してほしい読みかたを入力します。 画面の右上端にある「再生」ボタンを実行すると、代替候補に入力した発音で読み上げを確認することができます。 その他にも指定できる項目があるので必要であれば編集します。 「言語」 この新しい読みかたを反映させたい言語を指定することができます。 一つの言語だけでなく複数の言語を選択することもできますし、すべての言語を選択することもできます。 「声」 iOS内蔵の音声エンジンには複数の種類がありますが、特定の声を指定しているときだけ登録した読みかたで発音してほしいと思った場合に利用します。 「すべて」を選んでおくこともできます。 「大文字/小文字を区別しない」のオン・オフ切り替え 「すべてのAppに適用」のオン・オフ切り替え すべてのアプリの画面で登録した読みかたを反映させたいときは、この箇所はオンにしておきます。 特定のアプリの画面だけで登録した読みかたで発音させたいときには、この箇所を実行します。 すると、アプリの一覧が表示されるので、目的のアプリを選択状態にします。 複数のアプリを選択することができます。 単語の追加画面に語句と代替候補が入力されていれば、これで新しい単語の読みが登録されたことになります。 念のために画面左上端の「戻る」ボタンを実行して、登録済み単語が一覧表示される画面で確認しておくとよいでしょう。 ______________________________________ ■21-3-2 登録済みの単語を編集する 登録済みの単語が一覧表示されている画面で操作します。 登録済みの単語の読みかたを変更したり、読み上げを反映させるアプリの種類を変更したい場合は、その登録済みの単語の箇所を実行します。 すると、新しい単語を追加したのと同じ画面に切り替わります。 必要な項目を編集できるわけです。 ______________________________________ ■21-3-3 登録済みの単語を削除する 登録済みの単語が一覧表示されている画面で操作します。 削除したい単語の箇所で1本指の下スワイプか上スワイプを行います。 「削除」と「アクティベート」を実行できるようになっていますが、「削除」と読み上げられた後に1本指でダブルタップ、実行します。 これでその単語の情報は削除されます。 もし1本指の上下スワイプで「削除」の項目が読み上げられない場合は、ローターのジェスチャで「アクション」のカテゴリに合わせてから試してください。 ______________________________________ ■■チャプター22 VoiceOverとは別の音声読み上げ機能「読み上げコンテンツ」について iOS 8になってからアクセシビリティの一覧には「スピーチ」という項目が加わりました。iOS 13からは「読み上げコンテンツ」という名称に変わりました。 VoiceOverがオフの環境でも、範囲選択したテキストや画面の内容を音声読み上げさせる機能です。 普段VoiceOverを使用していない弱視(ロービジョン)の人、目が付かれやすい人、耳から入る情報の方が処理しやすい人など、そんな人が利用するとかなり便利な機能です。 たとえば、Kindleの本を連続読み上げさせれば、活字の本がオーディオブックに早変わりしてくれます。 漢字の読み方が分からない場合は、その文字を範囲選択して読み上げさせることもできます。 また、この機能はVoiceOverがオンの状態でも利用することができます。 普段VoiceOverを利用している人にとっても、VoiceOverによる読み上げとこの読み上げコンテンツ機能を使い分けると便利に感じる場面はありそうです。 たとえば、VoiceOverのジェスチャでWEBページの内容を連続読みさせているとき、途中で間違えて指が画面に触れてしまうと、読み上げは止まってしまいます。あるいは、VoiceOverカーソルがどこかの箇所をフォーカスしてしまいます。 画面の読み上げ機能の連続読みでは、画面に間違えてタッチしてしまっても、そのまま読み上げが続くので安心です。 音楽を再生しているような感じです。 VoiceOverがオンの環境では、一時停止と再生の操作には、2本指のダブルタップが利用できます。 ______________________________________ ■22-1 読み上げコンテンツの設定画面 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「読み上げコンテンツ」と進んでメニューを表示させます。 1. 「選択項目の読み上げ」の切り替えボタン テキストをドラッグ操作で範囲選択すると、編集オプションの中に「読み上げ」が表示されます。それを実行することでその部分の読み上げが行われます。 発音のわからない単語を読み上げさせるのに活用できます。 2. 「画面の読み上げ」の切り替えボタン 画面全体を読み上げさせることができます。 画面の最上部から下に向かって、2本指で下スワイプします。  VoiceOverがオンの状態では、ステータスバーにタッチした後で2本指の下スワイプとなります。  VoiceOverがオフの時の標準ジェスチャは、画面の最上部から2本指で下スワイプです。 最初にステータスバーにタッチする必要はありません。  ステータスバーが表示されていないアプリの画面では、VoiceOverがオンの環境では、画面の読み上げによる読み上げを実行できません。 しかし、VoiceOverをオフにするとステータスバーにタッチする必要はないので、画面の読み上げができるようになります。 たとえばKindleアプリなどで活用できます。 3. 「読み上げコントローラ」の切替ボタン 画面上に常に読み上げ操作できるボタンを表示させておくことができます。 4. 「内容を強調表示」の切り替えボタン 読み上げている箇所のテキストを強調表示してくれます。 どの箇所を読み上げているのか目で確認したいときに便利です。 5. 「入力フィードバック」 VoiceOverがオフの環境において、キーボードで文字入力をしたときにタイプされた文字や単語を読み上げるかどうかの設定ができます。 6. 「声」 言語ごとに声の種類を指定することができます。 デフォルトでない言語の読み上げ速度は、ここで指定します。 7. 「読み上げ速度」 デフォルト言語の音声の読み上げ速度を指定します。 iOSの言語が日本語であれば、日本語がデフォルト音声となります。 8. 「読みかた」 単語の読みかたを登録・編集することができます。 『■20-3 単語の読みかたを登録する』 を参照してください。 ______________________________________ ■22-2 音声の種類の変更と外国語音声の読み上げ速度について 読み上げコンテンツの設定の中には「声」という項目が用意されています。 この項目では各言語の音声の種類と、それぞれの読み上げ速度を個別に指定することができます。 声の種類は、VoiceOverで使用されているiOS内蔵のTTS(テキスト読み上げ合成音声エンジン)と同じです。 「日本語」の箇所を実行してみましょう。 TTSが複数用意されています。 拡張音声は高品質な音声で、ダウンロードが必要になり、Wi-Fi環境でなければ入手できないかもしれません。 一つ前の画面に戻って他の言語の中を確認してみましょう。 たとえばイタリア五の中を覗いてみます。 デフォルトや拡張を選ぶ項目に加えて、読み上げ速度を調整する箇所があります。 iOSの言語環境がイタリア語ではないので、読み上げ速度はここで指定するようになっているわけです。 ______________________________________ ■22-3 画面全体の読み上げと読み上げバーについて 読み上げさせたい画面が表示されている状態で、画面の一番上から下に向かって2本指の下スワイプを行います。 このジェスチャにより読み上げが始まります。 読み上げる内容が見つからない場合には、読み上げが開始されません。 VoiceOverがオンの状態では、ステータスバーにタッチした後で2本指の下スワイプのジェスチャとなります。 画面の中央には2行にまたがって読み上げバーが表示されます。 1段目には、 ・読み上げバーをしまう ・アプリの名前 ・中止 2段目には、 ・タッチで読み上げ ・早戻し ・一時停止 ・早送り ・再生速度 これらのボタンが表示されています。 Safariなどでウェブページを閲覧している場合、ページ数の多い記事を音声で聴くのに活用できます。 ページの途中から連続読みさせることもできます。 標準のメールアプリで本文を読み上げさせる場合、どの位置でこの読み上げ操作を行っても、その本文の最初から読み上げが始まります。 途中の箇所からの連続読みには対応していないようです。 ______________________________________ ■22-4 マルチリンガル機能 読み上げしている途中に外国語が入っていれば、読み上げコンテンツの音声はその言語の音声に自動的に切り替わることがあります。 これはマルチリンガル機能によるものです。 外国語の文章をネイティブの発音で聴きたい人には便利な機能です。 ただし、日本語で書かれているにもかかわらず、間違えて中国語などで発音される場面もあります。 VoiceOverの機能には読み上げ言語を一つだけに固定することでマルチリンガル機能を働かせないようにできますが、読み上げコンテンツの機能ではその設定はできません。 ______________________________________ ■■チャプター23 カメラを使ってみよう iPhoneではカメラによる写真とビデオの撮影ができます。 本体の背面と前面にレンズが配置されており、背面カメラはiSightカメラと呼ばれ、前面カメラはFaceTimeカメラと呼ばれています。 iPhoneのモデルによって背面カメラレンズの数は異なります。 背面のカメラは画素数が高いのできれいな写真を記録できます。 前面のカメラでは自分撮り(セルフィー)やビデオ通話などに活用できます。 ホーム画面からカメラを起動してみましょう。 最初にカメラアプリを起動すると、位置情報を許可するかどうかの問い合わせが表示されます。どちらかを選ぶと先に進めます。 写真とビデオを切り替えることができます。 画面の下端から2センチほど上の箇所に「カメラモード」と読み上げられる箇所があります。ここはピッカー操作、この箇所で1本指の上スワイプか下スワイプをすることにより、カメラのモードを切り替えることができます。 表示されるボタン類はiPhoneのモデルによって異なります。 iPhone XRとiPhone XSシリーズからは、ビデオ撮影はステレオ録音に設定することもできるようになりました。 ______________________________________ ■23-1 写真を撮影する操作 いくつかの方法が用意されています。 1. 撮影ボタンのダブルタップ 画面の下端の行で中央に「写真を撮影」ボタン、もしくは「ビデオ撮影」ボタンが表示されているので、これを1本指でダブルタップします。 ビデオ録画のモードでは録画が始まり、もう一度同じボタンをダブルタップすることで録画が停止します。 ビデオ録画の開始と停止は効果音で確認できます。 2. 2本指のダブルタップ 画面のどこで実行してもかまいません。写真モードのときはシャッターが切られます。 ビデオ録画のモードでは録画が始まり、もう一度2本指でダブルタップすることで録画が停止します。 3. 音量ボタンのクリック 音量ボタンをクリックすることでも撮影ができます。 プラスでもマイナスでもどちらのボタンでもかまいません。 ビデオ録画のモードでは録画が始まり、もう一度音量ボタンをクリックすることで録画が停止します。 リモコン付きのイヤホンやヘッドセットでは、音量ボタンが本体のボタンと同様に写真撮影時に機能することがあります。 ______________________________________ ■23-2 バーストモードによる高速連射撮影 iPhone 5Sからは写真モードにおいて、バースとと呼ばれる高速連射ができるようになりました。1秒間に10枚の静止画を撮影できます。 この操作はiPhoneのモデルによって異なります。 iPhone XS, XR以前のモデルでは、 1. 写真撮影ボタンを1本指でダブルタップ&ホールド 指を画面から離すまで連続撮影します。 2. 音量ボタンの長押し 音量ボタンを押し続けている間、連続撮影が行われます。 プラスでもマイナスでもどちらの音量ボタンでもかまいません。 iPhone XS, XR移行のモデルでは、 1. 写真撮影ボタンを1本指でダブルタップ&ホールドして左にドラッグ 左にドラッグすることで連続撮影が始まります。画面から指を離すと終了します。 2. 音量プラスのボタンを長押し 音量プラスのボタンを押し続けている間、連続撮影が行われます。 ただし、設定アプリを開いて、「カメラ」の中で、 「音量を上げるボタンをバーストに使用」の切り替えボタンをオンにしておく必要があります。 ______________________________________ ■23-3 QuickTakeビデオの録画 iPhone XS, XR移行のモデルでは、写真モードの状態でもビデオ録画ができます。 これはQuickTakeビデオと呼ばれていますが、写真モードからビデオモードにいちいち切り替えたくないとき、そんな場面では活用できる機能です。 ただし、ステレオ録音ができないなどの制限があるので、本格的なビデオ撮影をするためにはビデオモードに切り替える方がよいです。 ビデオの録画と停止は効果音で確認できます。 1. 写真撮影ボタンを1本指でダブルタップ&ホールド 指を画面から離すまで録画されます。 2. 写真撮影ボタンを1本指でダブルタップ&ホールドして右にドラッグ 画面から指を離しても録画は継続します。 終了するには、停止の操作をする必要があります。 3. 音量マイナスのボタンを長押し 音量マイナスのボタンを押し続けている間、ビデオ録画が行われます。 設定アプリを開いて、「カメラ」の中で、 「音量を上げるボタンをバーストに使用」の切り替えボタンがオフになっていると、音量プラスのボタンでもQuickTakeビデオ録画をおこなえます。 ______________________________________ ■23-4 オートフォーカスと顔認識機能 撮影したい被写体にカメラをしばらく向けておくとオートフォーカス機能が働き、自動的にピントが調整されます。 また、被写体に人物の顔が含まれている場合は、その人数や画面の中での顔の位置を読み上げてくれます。 背面カメラと前面カメラの切り替えやフラッシュのオン、オフ、自動の設定もカメラアプリの画面上で実行できます。 LEDフラッシュ機能が搭載されているのはiPhone 4以降のiPhoneと、2012年10月に発売された第五世代のiPod touch以降です。 ______________________________________ ■23-5 水平な写真を撮影するために 写真撮影時に気になるのは手振れをしないようにすること、そして、不自然に傾斜しないようにすることなど、気を付けるポイントはいくつかあります。 不自然な傾斜を防ぐためには、画面上にグリッドを表示させて視覚的な助けを受けることができます。 VoiceOver環境では、音声ガイダンスと効果音でiPhone本体が水平になっているかどうかを確認できます。 写真を撮影できる状態でiPhone本体を構えて、左右にゆっくり傾けながら水平になる角度を探します。iPhoneの下端が水平になると効果音が聞こえます。 これは縦向きでも横向きの写真を撮影するときにも有効です。 音声アナウンスとしては、 「左に傾ける」 「水平」 「右に傾ける」 などのヒントを読み上げてくれます。 ______________________________________ ■23-6 カメラアプリをすぐに起動するには カメラのアプリはホーム画面から開く以外に、スリープモードの画面からもすぐに起動できます。 ロック解除ボタンを表示させた状態で3本指の左スワイプを行います。 するとカメラアプリが起動します。 ホームボタンのないiPhoneでは、画面ロックを解除する前の画面にカメラボタンが配置されています。 右下端に「カメラ」ボタン、左下端に「フラッシュライト」ボタンです。 また、Siriを起動して「カメラ」と声で支持してもカメラアプリが起動します。 コントロールセンターの中からもカメラを開くことができます。 ______________________________________ ■23-7 スクリーンショットを撮影する 表示している画面を写真として記録することができます。 VoiceOver環境ではスクリーンカーテンをオフにしておかないと、何も写らないことになってしまいます。 ホームボタンのあるiPhoneの場合、 ●「スリープボタンとホームボタンの同時押し」 スリープボタンとホームボタンを同時に短く押します。 先に一方のボタンを押してからすぐにもう一方のボタンを押してもかまいません。二つのボタンを長く押し続けるとiPhone本体の再起動操作に変わるので気をつけてください。 シャッター音が聞こえるので撮影されたことが確認できます。 ホームボタンのないiPhoneの場合、 ●「サイドボタンと音量アップボタンの同時押し」 サイドボタンと音量アップボタンを同時に1回クリックします。 ボタンを長く押し続けると、電源オフの画面が表示されるので気をつけてください。 記録された画像はカメラロールに追加されます。 ______________________________________ ■23-8 写真アプリの顔認識機能 iOSデバイスで写真撮影をするとき、ファインダーの中に人物の顔が入っているかどうか、その数と位置や大きさをVoiceOverは案内してくれます。 写真アプリでは、撮影された写真の中に人物の顔が含まれている場合、顔認識機能を利用することで、画面内での顔の位置、さらには口や鼻の位置を確認することができます。 iOS標準のマップアプリでは、画面に付けたままの指を滑らせることで、建物や道路の位置関係を確認することができますが、それと同じような操作性となっています。 写真アプリで顔認識機能を利用する手順は、 1. 写真アプリを開いて、一覧表示されている中から目的の写真を1本指でダブルタップしてフルスクリーン表示します。 2. 1本指の下スワイプか上スワイプで、メニューの中から「顔認識機能を表示」の箇所に合わせて実行します。 メニューが読み上げられない場合は、ローター・カテゴリを「アクション」に合わせる必要があります。 3. 人物の顔が含まれていれば、「顔」という読み上げを確認できます。 顔が含まれていなければ「イメージ」と読み上げられます。 「顔」という読み上げを確認できたら、1本指を画面にタッチして、そのまま指を画面の上で滑らせると、顔の位置関係を確認できます。 顔が小さなサイズで表示されている場合には、目や口の位置関係を確認するのはむずかしいでしょう。 写真を拡大することで、顔の位置関係を把握しやすくなるかもしれません。 ローター・カテゴリを「拡大縮小」に合わせて倍率を変更した後、「アクション」のカテゴリに切り替えて顔認識機能を実行します。 顔認識機能を非表示にするには、ローター・カテゴリの「アクション」の中で 「顔認識機能を非表示」という項目を実行します。 ______________________________________ ■23-9 シャッター音とLive Photosについて 写真を撮影するときのシャッター音は消すことができません。 海外で発売されているiPhoneであれば、サイレントモードをオンにしておくことでシャッター音を出さないようにできます。 しかし、日本と韓国で販売されているiPhoneではそれができないようになっているのだそうです。 もしシャッター音が気になるようであれば、Live Photosのモードをオンにしておくことをお勧めします。 この機能は、撮影ボタンを実行する前後1.5秒をビデオとして記録してくれるものです。 Live Photosをオンにした状態で写真を撮影すると、カシャッという大きな音ではなく、プポンという小さい音の効果音に変わります。 映像だけでなく音声も記録してくれるので、撮影後の写真を確認するのにも都合がよいでしょう。 写真アプリの中ではLive Photosという名前が付けられているので、他の写真やビデオと区別できます。 VoiceOverではフォトズと読み上げられます。 記録された動画を再生するには、写真一覧、サムネイルが表示されている画面では、その写真の箇所をフォーカスして3D Touchを行います。該当の写真をがフルスクリーン表示されている状態では、「フォトズ」と読み上げられる箇所を3D Touchです。 3D Touch機能のないiPhoneでは、代わりのジェスチャである1本指のダブルタップ&ホールドを行います。 指を画面から離すと、再生は停止します。 ______________________________________ ■23-10 撮影情報の確認と写真に名前を付ける方法について 撮影した写真をフルスクリーン表示した画面では、写真に含まれている情報が表示されます。撮影した日付、時刻、場所など。 場所を記録したくない場合は、設定アプリを開いて、「プライバシー」→「位置情報」の中で変更することができます。 写真一覧、サムネイルの画面でも撮影情報は確認できます。 1本指の下スワイプか上スワイプにより、 ファイル名、日付、時刻、写真の向き、録画時間、キャプション、人数などを読み上げます。 もしうまく読み上げがされなければ、ローター操作で「その他のコンテンツ」のカテゴリに合わせる必要があります。 さて、キャプションとは写真に付けられた説明のことですが、iOS 14からはユーザがテキスト入力して割り当てることができるようになりました。 キャプションは写真を判別するための名前として役立ちます。Windows PCでキャプション付きの写真ファイルのプロパティを確認すると、タイトルの項目に反映されます。 また、写真アプリの中でキーワード検索できますが、キャプション内のテキストもキーワード検索の対象になります。 ______________________________________ ■23-10-1 写真にキャプションを追加する 写真アプリを開き、一覧表示されている中からキャプションを追加したい写真の箇所を1本指でダブルタップします。 その写真がフルスクリーン表示されます。 1. 画面の中央を1本指でタッチすると、VoiceOverカーソルはイメージをフォーカスします。 タッチした後で、1本指の上スワイプか下スワイプを行い、 「詳細を表示」と読み上げられたら、1本指でダブルタップして実行します。 もし「詳細を表示」という読み上げがなければ、ローター操作で「アクション」のカテゴリに合わせる必要があります。 2. その写真に関する詳細情報が表示されます。 1本指で右スワイプを続けると、 「キャプションを追加」のテキストフィールドが見つかります。 好みのテキストをタイプします。 3. 画面の右上端にある 「完了」ボタンを1本指でダブルタップします。 続いて、画面の左上端にある 「戻る」ボタンを実行します。 これでキャプションが追加されました。 ______________________________________ ■23-10-2 写真のキャプションを確認する 写真アプリで写真一覧が表示されている状態で、1本指の上スワイプか下スワイプを行います。 日付や時刻などの情報を読み上げてくれますが、その中に追加したキャプションの情報が加えられていることを確認できます。 もしうまく読み上げがされなければ、ローター操作で「その他のコンテンツ」のカテゴリに合わせる必要があります。 ______________________________________ ■■チャプター24 ホームボタン、スリープボタン、サイドボタンの働き ホームボタン、スリープボタン、サイドボタンにはいくつかの機能が割り当てられています。 クリックする回数やボタンを長く押し続けることで、様々な機能を利用できます。 ______________________________________ ■24-1 ホームボタン 初代のiPhoneから画面の表面に一つだけ存在するボタン、それがホームボタンです。 2014年に発売されたiPhone 5sではTouch ID、指紋認証の役割を持つようになりました。 2017年に発売されたiPhone 7からは物理式のボタンから感圧式のボタンに変わりました。 ______________________________________ ■24-1-1 シングルクリック ホーム画面を表示します。 ______________________________________ ■24-1-2 ダブルクリック アップスイッチャー、マルチタスク画面を表示します。 ______________________________________ ■24-1-3 トリプルクリックでアクセシビリティ機能の呼び出し これまでにVoiceOverのオン・オフを切り替える操作として、ホームボタンのトリプルクリックを紹介しました。 『■■チャプター3 VoiceOverをオンにしてみましょう』 を参照してください。 実はホームボタンのトリプルクリックは、iOSのアクセシビリティ機能を呼び出すショートカットになっています。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「ショートカット」と進んで行きます。この中で選択項目を確認できます。 AssistiveTouch VoiceOver カラーフィルター スイッチコントロール ズーム機能 ホワイトポイントを下げる 反転(クラシック) 反転(スマート) 音声コントロール フルキーボードアクセス 透明度を下げる コントラストを上げる タッチ調整 人の検出 この内の一つを割り当ててもよいし、複数を割り当てることもできます。 もし何も割り当てられていない場合、ホームボタンのトリプルクリックをしてもダブルクリックと見なされて、アップスイッチャーの画面が表示されます。 また、iOS 10からは「拡大鏡」機能の呼び出しにも使うことができるようになりました。 複数の機能を割り当てた場合、ホームボタンをトリプルクリックすると、どの機能を選びますかという問い合わせとして「アクセシビリティオプション」の画面が表示されます。 VoiceOverのオンとオフをすぐに切り替えたい場合は、ショートカットに「VoiceOver」だけを選んでおく必要があります。 ______________________________________ ■24-1-4 ダブルタップで画面の上半分を引き下げて表示する「簡易アクセス」 iPhone 6や6s Plusなど、画面サイズの大きなiPhoneを縦に持って操作する場合、画面の上側に配置されている項目に指が届きにくいという問題があります。 その問題を解決してくれる機能が簡易アクセス(リーチャビリティ)の機能です。 ●「ホームボタンのダブルタップ」 ホームボタンを軽く2回タップします。 ボタンを押し込んでしまうとダブルクリックとして作用してしまうので、やさしくタッチする感覚です。 シュッシュッという効果音と同時に、上半分の画面が下側に移動して表示されます。 元の状態に戻すには、 ・もう一度ホームボタンのダブルタップをする ・自動的に画面が元に戻るのを待つ (8秒ほどすると自動的に画面は切り替わります) この簡易アクセスの機能をオフにしたい場合は、 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「タッチ」と進み、 「簡易アクセス」の切り替えボタンをオフにします。 ______________________________________ ■24-1-5 タッチして指紋認証の利用「Touch ID」 ホームボタンは指紋認証のセンサーの役割も果たしています。 画面ロックを解除してホーム画面が表示される状態になっていると、だれでもiPhoneを操作できてしまうことになります。 それを防ぐためにパスコードを設定しておくことができます。 ただし、画面ロックを解除する旅に4桁や6桁の数字を入力するのは手間に感じてしまいます。 そんなときに便利なのがパスコードの代わりに利用できる指紋認証です。 設定アプリを開いて、「Touch IDとパスコード」の中で指紋を登録することができます。 登録できる指紋の数は5種類です。 ______________________________________ ■24-1-6 長押し ホームボタンを長く押し続けると、Siri(音声アシスタント)の機能を呼び出すことができます。 詳しくは、 『■■チャプター10 Siri、音声アシスタントの利用について』 を参照してください。 ______________________________________ ■24-1-7 ロック画面でのダブルクリック Apple Payの利用登録が完了していれば、スリープ状態のときにホームボタンをダブルクリックすることで、支払い画面が表示されます。 この機能は変更できます。 設定アプリを開いて、「WalletとApple Pay」→「ホームボタンをダブルクリック」のオン・オフ切り替えで変更します。 (注意) スリープ状態かロック画面で操作します。ロックが解除されている状態でダブルクリックを行うと、アップスイッチャーの画面に切り替わります。 また、素早くダブルクリックしないとロック解除されてホーム画面が表示されてしまいます。 ______________________________________ ■24-2 スリープボタン iPhone SE(2016年モデル)では本体の上側面に位置しています。 上側にあるということで「トップボタン」と表現されることもあります。 iPhone 6からは本体の右側面に位置するようになりました。 ______________________________________ ■24-2-1 長押し 電源をオンにします。 また、電源をオフにするボタンを表示します。 ______________________________________ ■24-2-2 シングルクリック 画面をロックします。 ______________________________________ ■24-2-3 5回クリック 緊急SOS画面を表示します。 ______________________________________ ■24-3 サイドボタン 2017年に発売されたiPhone Xではホームボタンが非搭載になりました。 ホームボタンが担ってきた役割は、新しく加わったジェスチャやサイドボタンに割り振られるようになりました。 サイドボタンは、これまでのスリープボタンの役割も担っています。 ______________________________________ ■24-3-1 長押し 電源をオンにします。 ______________________________________ ■24-3-2 サイドボタンと音量ボタンの同時長押し 電源をオフにするボタンと緊急SOSボタンを表示します。 音量ボタンはプラスでもマイナスでもかまいませんが、どちらか一つです。 ______________________________________ ■24-3-3 シングルクリック 画面をロックします。 ______________________________________ ■24-3-4 トリプルクリック アクセシビリティショートカットの呼び出し。 VoiceOverのオン・オフを切り替える操作として、サイドボタンのトリプルクリックを紹介しました。 『■■チャプター3 VoiceOverをオンにしてみましょう』 を参照してください。 実はサイドボタンのトリプルクリックは、iOSのアクセシビリティ機能を呼び出すショートカットになっています。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「ショートカット」と進んで行きます。この中で選択肢を確認できます。 AssistiveTouch VoiceOver カラーフィルター スイッチコントロール ズーム機能 ホワイトポイントを下げる 反転(クラシック) 反転(スマート) 音声コントロール フルキーボードアクセス 透明度を下げる コントラストを上げる タッチ調整 人の検出 この内の一つを割り当ててもよいし、複数を割り当てることもできます。 「拡大鏡」機能の呼び出しにも使うことができるようになりました。 複数の機能を割り当てた場合、サイドボタンをトリプルクリックすると、どの機能を選びますかという問い合わせとして「アクセシビリティオプション」の画面が表示されます。 VoiceOverのオンとオフをすぐに切り替えたい場合は、ショートカットに「VoiceOver」だけを選んでおく必要があります。 ______________________________________ ■24-3-5 ダブルクリックして顔認証の利用「Face ID」 Face IDとApple Payの利用登録が完了していれば、サイドボタンをダブルクリックすることで、支払い画面が表示されます。 この機能は変更できます。 設定アプリを開いて、「WalletとApple Pay」→「サイドボタンをダブルクリック」のオン・オフ切り替えで変更します。 App Storeでアプリをダウンロードするときの認証方法としてFace IDを使用する場合、そのときにもサイドボタンのダブルクリックで顔認証できます。 ______________________________________ ■24-3-6 長押し Siri(音声アシスタント)の機能を呼び出すことができます。 詳しくは、 『■■チャプター10 Siri、音声アシスタントの利用について』 を参照してください。 ______________________________________ ■24-3-7 5回クリック 緊急SOS画面を表示します。 設定アプリを開いて、「緊急SOS」の中で指定できます。 ______________________________________ ■■チャプター25 AssistiveTouchを利用してホームボタンを利用する iOSのアクセシビリティ機能の一つであるAssistiveTouchでは、画面をタッチしたりボタンを押すことが困難な人向けに代替手段を提供してくれます。 画面上にアイコンが表示されて、それを実行することにより「消音」や「」Siri」の機能を働かせることができます。 VoiceOver環境では、このアイコンはアシスティブタッチと読み上げられます。 ホームボタンをクリックする動作も選べるので、ホームボタンが故障しているiPhoneを使用している人にとっても有用な機能となっています。 また、ホームボタンが非搭載のiPhoneでは、ホームボタンの代わりになってくれる機能です。 ______________________________________ ■25-1 カスタムアクション iOS 11からのAssistiveTouchでは、これまでの機能に加えてカスタムアクションを割り当てて実行できるようになりました。 画面上のAssistiveTouchアイコンを実行してメニューを表示させなくても、ダイレクト操作で四つのアクションを実行できます。 「シングルタップ」 VoiceOver環境では、1本指のダブルタップ。 「ダブルタップ」 VoiceOver環境では、1本指の4回タップ。 「長押し」 VoiceOver環境では、1本指のトリプルタップ、あるいは1本指のダブルタップ&ホールド。 それぞれのアクションに対して実行できる項目を割り当てるには、 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistiveTouch」と進み、 「AssistiveTouch」の切り替えボタンをオンにします。 つづいて、「カスタムアクション」の欄で選択します。 次のアクションが選択可能です。 __システム関連__ ・「なし ・メニューを開く ・そのままAppに伝える ・Appスイッチャー ・Siri ・SOS ・Spotlight ・アクセシビリティショートカット ・コントロールセンター ・シェイク ・スクリーンショット ・ホーム ・メニューを移動 ・押したままドラッグ ・音量を下げる ・音量を上げる ・画面の向きをロック ・画面をロック ・解析 ・簡易アクセス ・再起動 ・消音 ・通知センター ・ApplePay __アクセシビリティ関連__ ・音声コントロール ・画面の読み上げ ・人の検出 __スクロールジェスチャ関連__ ・右にスクロール ・下にスクロール ・下端までスクロール ・左にスクロール ・上にスクロール ・上端までスクロール __滞留コントロール関連__ ・タップ ・フォールバック を有効/無効 ・メニューを移動 ・滞留の一時停止/再開を切り替え __ショートカット関連__ たとえば、 シングルタップに「ホーム」を指定すれば、1本指のダブルタップでホーム画面が表示されます。 ダブルタップに「Appスイッチャー」を指定すれば、1本指の4回タップでアップスイッチャーが表示されます。 ______________________________________ ■25-2 AssistiveTouchアイコンの場所を移動する AssistiveTouch機能をオンにすると画面上にアイコンが表示されますが、その位置はデフォルトでは画面の右下です。 VoiceOver環境では、1本指の右スワイプや左スワイプではそのアイコンに移動することはできません。 画面にタッチして、指を滑らせて見つけてください。 アイコンの場所を移動させることができます。 1本指のダブルタップ&ホールドで移動できるモードに入ります。 すぐに効果音が聞こえるので、移動モードに入ったことを確認できます。 画面に付けたままの指を移動先に滑らせていき、好みの場所で指を画面から離します。 これで移動は完了です。 ______________________________________ ■25-3 VoiceOver環境で使用している場合の注意点 VoiceOverカーソルがAssistiveTouchのアイコンをフォーカスしている状態では、別の項目に移動するのに工夫が必要です。タッチジエスチャーでは、1本指の左スワイプや右スワイプによる項目移動ができないのです。したがって、画面の任意の箇所をタッチして、AssistiveTouchのアイコンから離れる必要があります。 VoiceOver環境で外付けキーボードを利用している場合も同じです。カーソルキーによる移動ができなくなります。 フォーカスしたままのAssistiveTouchアイコンから離れるには、一つの方法として、 コントロールセンターを表示させます。 次にエスケープで元の画面に戻ります。 コントロールセンターを表示させるためのキーボードショートカットは、 コントロール + オプション + ページダウン ______________________________________ ■■チャプター26 3D Touchと触覚タッチ iPhone 6sからは画面を押し込んで操作できる3D Touchの機能が搭載されました。その後に発売されたモデルで3D Touchが利用できるのは、iPhone 7シリーズ、iPhone 8シリーズ、iPhone X、iPhone XSシリーズです。 それ以外のモデルでは、代わりになる操作方法として触覚タッチ(Haptic Touch)を利用できます。 このジェスチャにより、クイックアクションメニュー、コンテクストメニューを表示します。 ホーム画面のアプリのアイコンでこのジェスチャを行うと、アプリの削除や共有、ホーム画面の編集などのメニューを選ぶことができます。 また、アプリ独自のショートカットも表示されます。 アプリの不快階層から前の画面に戻りたいとき、「戻る」ボタンでこのジェスチャを行うと、メニューの中から戻りたい画面の名前を選ぶことができます。 ______________________________________ ■26-1 3D Touchの操作方法 画面に軽くタッチしている1本の指を、画面の中に軽く押し込むような仕草です。 2段階の押し込みを感知します。 たとえば、砂の表面に指を置き、軽く押し込んで表面を凹ませる。2段階目は、そこからさらに凹ませる。そんな感じの仕草となります。 VoiceOverがオフの環境でも同じ操作となります。 アプリを起動しなくてもプレビュー画面を覗き見ることのできるPeekや、目的の操作をすぐに開くことのできるPopの動作を実行できます。 メニューが表示されるときには、振動(Haptic feedback)と効果音で確認できます。 VoiceOverがオフの環境では、振動だけを確認できます。 3D Touchのオン・オフ切り替えや感度の変更をすることができます。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「タッチ」→「3D Touchおよび触覚タッチ」の中で変更できます。 ______________________________________ ■26-2 触覚タッチの操作方法 VoiceOver環境では1本指のトリプルタップ、あるいは1本指のダブルタップ&ホールドを行います。 VoiceOverがオフの環境では、1本指で長押しします。 メニューが表示されるときには、振動(Haptic feedback)と効果音で確認できます。 VoiceOverがオフの環境では、振動だけを確認できます。 触覚タッチと認識されるまでの長押し時間の長さを変更することができます。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「タッチ」→「触覚タッチ」の中で変更できます。 ______________________________________ ■■チャプター27 iPhone本体の強制再起動について いろいろなアプリを実行していると、iPhoneの動きが遅くなってしまうことがあります。また、VoiceOverの反応が遅くなることもあります。 そんなときにはiPhone本体の強制再起動が有効な解決方法となります。 ただし、再起動された後は最初のホーム画面が表示されるので、書きかけのメールや閲覧中のページは見れなくなってしまうかもしれませんので頭に入れておいてください。 強制再起動の操作はiPhoneのモデルによって異なります。 ●「音量アップ、音量ダウン、サイドボタンの長押し」 iPhone 8シリーズ移行のモデルで行う手順です。 音量アップを1回クリック、次に音量ダウンを1回クリック、次にサイドボタンを10秒ほど長く押し続けます。 しばらくすると電源がオフになりますが、数十秒すれば自動的に電源がオンになりロック解除ボタンが表示されます。 ●「スリープボタンと音量ダウンボタンの同時長押し」 iPhone 7で行う手順です。 スリープボタンを押してから音量ダウンボタンを押して、二つのボタンを押したまま10秒ほど待ちます。 しばらくすると電源がオフになりますが、数十秒すれば自動的に電源がオンになりロック解除ボタンが表示されます。 ●「スリープボタンとホームボタンの同時長押し」 iPhone SE(2016年モデル)のようにホームボタンが物理式のiPhoneで行う手順です。 スリープボタンとホームボタンを同時に押したまま10秒ほど待ちます。 しばらくすると電源がオフになりますが、数十秒すれば自動的に電源がオンになりロック解除ボタンが表示されます。 iPhoneが再起動した後のロック解除画面では、Touch IDやFace IDによるロック解除の操作はできません。パスコードを入力する必要があります。 もし1分ほど待ってもロック解除ボタンが表示されなければ、それは完全に電源がオフになった状態です。スリープボタンまたはサイドボタンを3秒ほど長押し、つまり通常の電源をオンにする操作を試みてください。 強制再起動の操作をすると画面にはアップルロゴが表示されるので、それが表示された時点でボタンから指を離せばうまく処理が進行します。画面の見えないユーザはそれを確認できないので、ボタンを押し続けている時間が短すぎたり長すぎたりすると、単純に電源がオフになってしまうのです。 スリープボタンと音量ダウンボタンの同時押しの手順では、操作によっては再起動後に音量が0になっている場合があります。 ホームボタンにタッチするとクリックの感覚があるので電源がオンになっているはずなのにVoiceOverの音声が出ない場合、音量を上げてみてください。 ______________________________________ ■■チャプター28 VoiceOverで動画コンテンツの字幕を読み上げさせる「メディア説明サービス」 iOS 11からは、VoiceOverで動画コンテンツを再生しているときに表示されているクローズドキャプション(CC)を読み上げることができるようになりました。 また、点字ディスプレイに表示させることもできます。 聴覚障害者向けの字幕として、CCの代わりにSDHという表記がされていることもあります。 日本語の吹き替え音声が提供されているビデオを視聴するとき、日本語の字幕を読み上げさせてもあまりメリットを感じることはないでしょう。 しかし、外国語の音声しか選べないビデオを再生させるとき、日本語の字幕をVoiceOverが読み上げてくれると、それは大いに役に立ちます。 たとえば、Apple Musicで配信されている『Carpool Karaoke』の場合、日本語の音声は提供されていません。 そんなときにメディア説明サービスで日本語字幕を読み上げさせる、そんな使い方ができるわけです。 Apple MusicやiTunes Store内のビデオタイトルでは、再生画面の中で「代替トラック」のボタンを実行することで、音声字幕オプションが表示されます。 日本語CC、日本語SDHが選べるようになっていれば、それを選択状態にします。 ちなみに、 ADとは、Audio Descriptionの略です。 SDHとは、Subtitles for the Deaf and Hard of Hearingの略です。 CCとは、Closed Captionの略です。 Apple TV+アプリで動画を視聴する場合には、事前準備として、クローズドキャプションを表示させる設定にしておく必要があります。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「標準字幕とバリアフリー字幕」の中で、 「クローズドキャプション+SDH」のオン・オフ切り替えボタン この箇所をオンにしておきます。 CCやSDHは耳の聞こえにくい人向けに字幕を表示させるサービスですが、俳優のセリフだけでなく音風景を文字で表現したり、シーンの説明も加えられています。 リアルタイムに読み上げられる内容は、VoiceOverのカーソル移動では確認することはできません。 音楽や人の声の音量が大きすぎてVoiceOver読み上げが聞き取りにくい場合、オーディオダッキングをオンにしておくとよいでしょう。 オーディオダッキングとは、VoiceOverがしゃべっている間だけ、音楽などの音量を自動的に下げてくれる機能です。 ローター・カテゴリに追加しておくといつでも切り替えることができます。 ______________________________________ ■28-1 VoiceOverにクローズドキャプションの文字情報を読み上げさせる手順 VoiceOverの設定メニューの中で指定しておくことができます。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「詳細度」と進み、 「メディア説明サービス」の中で指定できます。 ・オフ ・読み上げ ・点字 ・スピーチと点字 目的の箇所を選択状態にしておきます。 ______________________________________ ■■チャプター29 点字画面入力 iOS 8からは点字画面入力という機能が加わりました。 六つの点で構成されている点字の特長を生かし、6本の指でタッチして文字入力を行おうという機能です。 画面に表示されているキーボード上の文字を選ぶ必要はないので、慣れればストレス無くスピーディーに文字入力できる可能性があります。 ただし、2021年7月現在、日本語の文字入力においては実用的には使えません。 点字表が「日本語」になっていれば、点字画面入力で日本語ひらがなをタイプすることができますが、漢字などへの変換はできません。 言語の切り替えは「点字表」を変更します。 また、iPhoneでは、6点の同時入力は認識しません。 同時に認識する指の数は5本までのようです。 日本語点字の6点をすべて必要とする「め」の文字を入力する場合は、同時にタップするのではなく、少しタイミングをずらす必要があります。 iPadでは、6点の同時入力ができます。 テキストフィールド内での文字入力以外でも、次のような場面で活用することができます。 1. パスコード入力を含めたテキストフィールドで、点字画面入力に対応した文字、数字、記号を入力できます。 (日本語環境でも可) 2. ホーム画面で文字を入力すると、その文字から始まるアプリ名だけを表示して、1本指の下スワイプか上スワイプで移動できます。 ホーム画面が複数のページに分かれていても、すべてのアプリ名が対象となります。 (日本語環境でも可) 3. サファリなどでウェブページを表示している画面では、用意されている文字を入力すると、特定の要素の箇所だけを1本指の下スワイプか上スワイプで移動できます。 たとえば、「l」はリンク、「b」はボタンです。 (日本語環境では不可) ______________________________________ ■29-1 点字画面入力をするための準備と注意点 点字画面入力を使ってみたい人は、VoiceOverのローター・カテゴリに「点字画面入力 Braille Screen Input」を追加します。 点字画面入力ができる場面では、ローター操作で「点字画面入力」が選べます。 そのカテゴリに合わせると、実際に点字の入力方式で文字入力ができます。 ただし、点字画面入力できる状態では、VoiceOverの一般的なジェスチャが利用できません。一般的なVoiceOverのジェスチャを使いたいときには、ローター操作で「点字画面入力」以外のカテゴリに合わせる必要があります。 あるいはスクラブのジェスチャを利用してモードを切り替えます。 ______________________________________ ■29-2 ホールドモードとテーブルモード、iPhoneの持ち方について iPhoneで点字画面入力の状態にすると、横向き表示の画面に切り替わります。そして、二つのスタイルで点字入力することができます。 机の上に置く場合はテーブルモード(Tabletop mode)です。 写真撮影のように両手で抱えて持つ場合はホールドモード(Screen away mode)です。 それぞれのモードは自動的に切り替わりますが、点字画面入力の向きがロックされていると切り替わりません。 点字画面入力のモードでのみ使えるジェスチャ、3本指の下スワイプにより、画面の向きのロック・ロック解除ができます。 テーブルモードにすると、膝や机の上で入力しやすくなります。 サイドボタンを自分の側にくるようにiPhone本体を横向きに置くと、左手で1-2-3の点を入力できます。 ホールドモードとは、両手の親指と小指でiPhone本体を持ち、写真撮影するようなスタイルです。残りの6本の指で点字入力します。 サイドボタンが下になるようにiPhone本体を横向きに置くと、左手で1-2-3の点を入力できます。 昔の点字の達人は点字の本を読むときに、お腹に背表紙を宛てて本を縦に持って読んでいたそうです。 iPhoneをお腹に宛ててホールドすると、安定した点字入力ができそうです。 指の置き方ですが、横に6本そろえてもよいですし、縦や斜めに3本ずつのスタイルでも入力できます。 (注意) 左手で1-2-3の点を入力できない場合は、本体の向きを上下さかさまにしてください。環境によっては画面の向きが変化するかもしれません。 ______________________________________ ■29-3 点の位置を調整する、キャリブレーション 持ち方を決めたら、今度は点の位置を調整、キャリブレーションします。 タップしやすい点の位置をユーザが決めて、文字入力するわけです。 まずは右の指3本を同時にタップして、すぐさま左の指3本で同時にタップします。 先に4-5-6の点をタップして、次に1-2-3の点をタップするというわけです。 点の調整が正常に行われたら、 「点の位置を調整しました」という読み上げを確認できます。 点の位置を確認するための案内モードが用意されています。 1本指のダブルタップ&ホールド&ドラッグのジェスチャを行います。 1本指でダブルタップ&ホールドすると、効果音につづいて、「案内モード」とアナウンスが聞こえます。 画面につけたままの指をドラッグすると、画面上で認識される六つの点の位置を読み上げてくれます。 自分がタップしやすい位置で点が認識されるのかどうか、確かめてください。 ______________________________________ ■29-4 点字画面入力モードで利用できるジェスチャ ローター操作で「点字画面入力 Braille Screen Input」の項目に合わせると、文字や数字を入力できるだけでなく、専用のジェスチャが利用できます。 VoiceOverの操作練習の画面では、点字画面入力で利用可能なジェスチャを練習することができます。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「VoiceOverの操作練習」と進みます。 VoiceOverの操作練習の画面では、最上部に「一般」、「手書き」、「点字」の切り替えボタンが用意されています。 ここを選択状態にすることで、それぞれのジェスチャを練習することができるようになっています。 点字画面入力ジェスチャの練習を終えたら、「一般」ボタンを実行しておくことをお勧めします。 ここで「点字」を選んだままにしておくと、4本指のダブルタップでジェスチャ練習モードに入ったとき、「点字」のジェスチャだけが練習できる状態になるからです。 その場合、練習モードから抜け出すには4本指のダブルタップは利用できないので、スクラブのジェスチャを実行する必要があります。 1. 1本指の右スワイプ 空白を挿入します。 2. 1本指の左スワイプ 最後に入力した文字を削除します。 キーボードのバックスペースキーと同じ働きです。 3. 1本指の上スワイプ、もしくは1本指の下スワイプ テキストフィールド内で文字を入力しているときは、スペル候補を選択します。 ホーム画面では、アプリ間を移動します。文字入力すると、その文字で始まるアプリだけを絞込み表示させて移動できます。 ウェブ上では、要素間を移動します。たとえば「l」の文字を入力後だと、リンクの要素だけを移動することができます。 4. 2本指の左スワイプ 単語を削除します。 5. 2本指の右スワイプ 改行、もしくはリターンキーの実行。 ホーム画面では、アプリを実行します。 6. 2本指の上スワイプ 点字表を切り替えます。 7. 2本指の下スワイプ すぐに翻訳。 2級英語点字に訳します。 たとえば「p」をタイプした後で2本指の下スワイプを行うと、「people」と訳します。 8. 3本指の右スワイプ、もしくは3本指の左スワイプ 点字モードの切り替え。 入力方式を6点式、2級英語点字に切り替えます。 2級英語点字の場合、たとえば「p」を入力した後に1本指の右スワイプを行うと、「people」と空白が入力されます。 9. 3本指の上スワイプ クイックアクション 10. 3本指の下スワイプ 画面の向きをロック。 ロックされていると、ホールドモードとテーブルモードは自動的に切り替わりません。 11. 1本指のダブルタップ&ホールド&ドラッグ 点の位置を確認できます。 効果音がなり、しばらくすると「案内モード」とアナウンスが聞こえます。 画面につけたままの指をドラッグすると、画面上で認識される六つの点の位置を読み上げます。 この他にも、ローターやスクラブのジェスチャが利用できます。 ______________________________________ ■■チャプター30 手書き入力について iOS 7からは手書き入力という機能が加わりました。 画面に表示されているキーボード上の文字を選ぶ必要はないので、慣れればストレス無く文字入力できる可能性があります。 ただし、2021年7月現在、日本語の言語環境では実用的には使えません。 対応している言語環境では、テキストフィールド内での文字入力以外でも、次のような場面で活用することができます。 言語環境が英語の場合、 1. パスコード入力を含めたテキストフィールドで、手書き入力に対応したアルファベット文字の大文字、小文字、数字、句読点が入力できます。 2. ホーム画面でアルファベットを入力すると、その文字から始まるアプリだけを表示して、ジェスチャ操作で移動できます。 3. サファリでウェブページを表示している画面では、用意されている文字を入力すると、特定の要素の箇所だけをジェスチャ操作で移動できます。 たとえば、「l」はリンク、「b」はボタンです。 iOSの言語環境を英語に切り替えて試したい人は、次の手順を行ってください。 たとえば、アメリカ英語の環境に変更する場合、 「設定 Setting」アプリを開いて、「一般 General」→ 「言語と地域 Language & Region」と進みます。 この中の 「iPhoneの使用言語 iPhone Language」を「English」に、 「地域 Region」を「アメリカ合衆国 United States」に変更します。 言語環境の切り替えには少し時間がかかります。 日本語環境に切り替えたいときには、上記の手順の中で、「Japanese 日本語」を選んでください。 ______________________________________ ■30-1 手書き入力をするための準備と注意点 手書き入力を使ってみたい人は、VoiceOverのローター・カテゴリに「手書き Handwriting」を追加します。 手書き入力ができる場面では、ローター・カテゴリの中に「手書き Handwriting」が現れます。 そのカテゴリに合わせると実際に手書き入力することができます。 ただし、手書き入力できる状態では、VoiceOverの一般的なジェスチャが利用できません。一般的なVoiceOverのジェスチャを使いたいときには、ローター操作で「手書き Handwriting」以外のカテゴリに合わせる必要があります。 あるいはスクラブのジェスチャを利用してモードを切り替えます。 ______________________________________ ■30-2 手書き入力モードで利用できるジェスチャ ローター操作で「手書きHandwriting」のカテゴリに合わせると、文字や数字を入力できるだけでなく、専用のジェスチャが利用できます。 VoiceOverの操作練習の画面では、手書き入力で利用可能なジェスチャを練習することができます。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「VoiceOverの操作練習」と進みます。 VoiceOverの操作練習の画面では、最上部に「一般」、「手書き」、「点字」の切り替えボタンが用意されています。 ここを選択状態にすることで、それぞれのジェスチャを練習することができるようになっています。 手書きジェスチャの練習を終えたら、「一般」ボタンを実行しておくことをお勧めします。 ここで「手書き」を選んだままにしておくと、4本指のダブルタップでジェスチャ練習モードに入ったとき、「手書き」のジェスチャだけが練習できる状態だからです。 その場合、練習モードから抜け出すには4本指のダブルタップは利用できないので、スクラブのジェスチャを実行する必要があります。 1. 2本指の右スワイプ 空白を挿入。 2. 2本指の左スワイプ 最後に入力した文字を削除します。 キーボードのバックスペースキーと同じ働きです。 3. 2本指の下スワイプ、もしくは2本指の上スワイプ テキストフィールド内で文字を入力しているときなどは、もし認識された文字が自分が意図した文字と違う場合、このジェスチャ操作により、別の文字に置き換えることができます。 また、サファリでウェブページを閲覧中には、特定の文字を入力後、このジェスチャにより、その文字に割り当てられた要素に移動します。たとえば「l」の文字を入力後だと、リンクの要素だけを移動することができます。 ホーム画面では、文字入力後にその文字から始まる名前のアプリだけが絞込み表示されますが、このジェスチャにより、それらのアプリに移動できます。 4. 3本指の右スワイプ リターンキーの実行。 5. 3本指の下スワイプ、もしくは3本指の上スワイプ 文字セットの変更。 入力できる文字の種類を切り替えます。 英語の場合だと、「Lowercase 小文字」、「Uppercase 大文字」、「Numbers 数字」、「Punctuation 句読点」の4種類です。 文字の種類を指定してから、手書き入力を始めるわけです。 入力した文字が認識されると、その文字を読み上げてくれます。 6. 3本指のシングルタップ 現在の文字セットの読み上げ この他にも、ローターやスクラブのジェスチャが利用できます。 ______________________________________ ■■チャプター31 画面のズーム、白黒反転 アクセシビリティの項目の中に「ズーム」があります。これはどのアプリを開いているときでも画面の拡大操作ができるので、ロービジョンの人にとっては便利な機能です。iOS 6になってVoiceOverとズームの機能はいっしょに使うことができるようになりました。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「ズーム」の中に入ります。 「ズーム機能」をの項目オンにします。 ズーム領域は選べるようになっており、画面全体を拡大させる場合はフルスクリーン、一部の画面を拡大させたい場合はウインドーズームを指定しておきます。 ズームコントローラをオンにすると、画面上にコントローラのアイコンを表示します。コントローラに対してタップジェスチャによるアクションメニューを割り当てることもできます。 ズーム機能で使用するジェスチャは次の三つです。 1. ●「3本指のダブルタップ」 3本の指で画面をトン・トンと素早く2回たたきます。 これでズームのオン・オフが切り替わります。 しかし、VoiceOverでは読み上げがないため、ズームがオンになっているのかどうかは耳で確認することはできません。 2. ●「3本指のダブルタップ&ホールド&ドラッグ」 3本の指で画面をトン・トンと素早く2回たたきますが、2回目のタップでは指を離さず画面につけた状態にします。 そこから上に指を滑らせていくと拡大率が上がります。 指を下に滑らせると拡大率は下がります。 ここでも音声の案内はありません。 この操作で拡大率が切り替わらない場合、ズームモードがオフになっているかもしれません。1.の操作を繰り返してみてください。 3. 3本指のドラッグ 3本指を同時に画面にタッチして、上下左右に指を滑らせます。拡大範囲が切り替わります。 ズームモードをオフにすると通常の文字サイズで表示されます。一度設定した倍率は記憶されているので、再びズームモードをオンにするとその大きさで表示されます。 ______________________________________ ■31-1 VoiceOverとズームを併用する時の注意点 VoiceOverとズームの機能を同時に使用していると、一部のジェスチャ操作が異なります。 音声読み上げのオンとオフの切り替えは、3本指のトリプルタップになります。 スクリーンカーテンのオンとオフの切り替えは、3本指の4回タップになります。 読み上げた内容をペーストボードにコピーするには、3本指の5回タップになります。 ______________________________________ ■31-2 標準ジェスチャによる拡大操作 すべてのアプリで使用できるわけではないですが、写真や地図を表示しているときに目的の部分を拡大します。VoiceOverがオフの時に実行できます。 ●「ピンチアウト」 2本の指を同時に拡大したい画面の場所にタッチします。そして、指と指の間を離していきます。 たとえば、アルファベットのOからCへ変化させていくイメージです。 これによりその部分が拡大されます。 ●「ピンチイン」 先ほどと逆の操作です。CからOへ、指をくっつけるように近づけていくと拡大率が下がります。 たとえばマップで地図を表示しているとき、このピンチアウトのジェスチャでは文字は拡大されないようです。 アクセシビリティのズーム機能を利用すると文字を大きくできます。 ______________________________________ ■31-3 白黒反転 iOSでは、画面の白黒表示、色反転をすることができます。 白黒表示にするには、 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「画面表示とテキストサイズ」→「カラーフィルタ」の中に入ります。 「カラーフィルタ」の切り替えボタンをオンにすることで選択肢が表示されます。 「グレイスケール」の箇所を1本指でダブルタップして選択状態にします。 これにより、画面は白黒表示に切り替わります。 色を反転させるには、 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→画面表示とテキストサイズ」の中に入ります。 「反転クラシック」をオンにすると、単純に文字と背景の色が反転します。 「反転スマート」をオンにすると、反転してほしくない画像などはそのままの色で表示されます。 ______________________________________ ■31-4 拡大鏡 iOS 10から「拡大鏡」という機能が加わりました。 ホームボタンをトリプルクリックすることで、背面カメラの映像を15倍まで拡大させて見ることができます。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「拡大鏡」の中に入り、 「拡大鏡」をオンにします。 ホームボタン、あるいはサイドボタンのトリプルクリックで拡大鏡の機能が呼び出せます。 元の画面に戻るには、ホーム画面を開きます。 ホームボタンのトリプルクリックでVoiceOverのオンとオフを切り替える必要のない人にとっては、都合のよい機能だと言えるでしょう。 拡大鏡の画面では、ズーム調整、明るさ調整、コントラスト調整、フラッシュの切り替え、フィルタ調整などができます。 「フリーズフレーム」ボタンを実行すれば、表示中の画面をスナップショットのように制止させて観ることもできます。 また、フリーズフレームの画像は共有することもできます。 拡大鏡はコントロールセンターの中から呼び出せるように設定できます。 Siriで呼び出すこともできます。 ______________________________________ ■■チャプター32 Touch ID(指紋認証)とFace ID(顔認証) iPhoneをスリープ状態からロック解除するとき、他人に操作されないようにするためにパスコードを設定することができるようになっています。 デフォルトでは6桁の数字でパスコードを設定します。 また、いちいち画面ロックを解除するために数字を入力するのは手間でもありますし、よりセキュリティを高めるためにも他の認証方法が用意されています。 iPhone 5sから加わったTouch IDと呼ばれる指紋認証方式では、ホームボタンがセンサーの役割を果たしています。 iPhone Xから加わったFace IDと呼ばれる顔認証方式では、ステータスバーの中央部にあるノッチの部分がセンサーとなっています。 Face IDは暗い場所でも顔を認識してくれます。 Touch IDやFace IDを利用すると便利な場面は、 ・画面ロックの解除 ・App Storeでのアプリの入手や購入 ・Apple Payによる支払い ・アプリ内でのログイン などです。 パスコード、指紋、顔を登録するには、 ホームボタンのあるiPhoneでは、 設定アプリを開いて、「Touch IDとパスコード」の中で作成します。 ホームボタンのないiPhoneでは、 設定アプリを開いて、「Face IDとパスコード」の中で作成します。 まずはパスコードを作成してから指紋と顔を登録します。 デフォルトは6桁の数字を設定するようになっていますが、パスコードの作成途中で、「パスコードオプション」を実行すると、4桁の数字でも作成することができます。 Touch IDとFace IDを登録していたとしても、iPhoneの再起動時などにはパスコードを入力する必要があります。 パスコードは忘れないようにしてください。 Touch IDでは5種類の諮問を登録できます。 Face IDでは2種類の顔を登録できます。 Face IDではセキュリティをより高くするために、画面を注視するようになっています。 視覚障害があると注視することが難しい場合があるので、注視の機能はオフにできるようになっています。 VoiceOver環境でFace IDを登録すると、自動的に中止機能はオフになります。 もしオンにしたければ、設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「Face IDと注視」と進み、 「Face IDを使用するには注視が必要」の切り替えボタンでいつでも変更できます。 ______________________________________ ■32-1 Touch IDとFace IDを登録するときのコツ 指紋や顔を登録する時には、VoiceOverがすべて音声で案内してくれます。 Touch IDを登録する作業では、センサーであるホームボタンの上に指の腹を当てておくことになります。 音声ガイダンスは、指をあてて、指を離して、などと案内してくれます。 グリップを認識する作業では、指の腹の端から端がセンサーで認識されるように、指の腹をクルリと転がすようにしてみるとよいでしょう。 そして、濡れた指では作業を行なわないでください。 ホームボタンは軽く触れておくだけで、けして押し込んではいけません。 Face IDを登録する作業では、iPhoneのディスプレイを顔に向けて、自分の顔を上下左右に動かしたり回すことになります。 顔が認識されているかどうかは、音声ガイダンスが、顔が枠に入っているかどうかを教えてくれます。 iPhone本体を顔の中心、鼻の前あたりに置いて、そこから腕を伸ばして距離を開くとよいでしょう。 ______________________________________ ■32-2 画面ロックを解除する操作 ホームボタンのあるiPhoneでは、指紋を登録した指をホームボタンに当ててクリックします。 ロック解除ボタンが表示されているのであれば、ホームボタンを押し込まずにタッチするだけでかまいません。 ホームボタンのないiPhoneでは、iPhoneがスリープ状態であれば、まずは画面ロックを解除する画面を表示させます。 サイドボタンのシングルクリックや画面をタッチすることで、ロック解除の画面が現れます。 次に顔を認識させますが、肘を伸ばした程度の距離でも認識してくれます。 顔の中心の延長線上にiPhone本体(ディスプレイ側)があれば大丈夫でしょう。 慣れないうちはiPhone本体を動かしたり、自分の顔を左右に動かしたりしてみてください。 Face IDで画面ロックが解除されたことは効果音と振動で確認できます。 ホーム画面を開くには、画面の下端から1本指で上スワイプするジェスチャをする必要があります。 ______________________________________ ■32-3 App Storeでアプリを入手・購入する操作 App Storeなどでアプリを入手したり購入する時には、Apple IDのパスワード入力が求められます。 その代わりとしてTouch IDやFace IDを利用することができます。 認証を求められたらTouch IDの場合は、ホームボタンに登録済みの指をタッチするだけの操作です。 Face IDの場合は、まずはサイドボタンを2回クリックする必要があります。 クリックした後に顔を認識させてください。 ______________________________________ ■32-4 Apple Payでの支払い 日本のコンビニや鉄道の改札機に携帯電話をタッチして支払いを行う「おサイフケータイ」機能がiPhoneで使えるようになったのは、2017年に発売されたiPhone 7からです。 Apple Payの利用登録をしておくと、日本ではSuica、QUICPay、iDとしてお店で支払うことができます。 Apple Payの支払い画面を呼び出す方法は、 ホームボタンのあるiPhoneでは、スリープ状態でホームボタンを2回クリックします。 ロックが解除されているとアップスイッチャーが開くので注意する必要があります。 帆無ボタンのないiPhoneでは、サイドボタンを2回クリックします。 そのあとに顔を認識させます。 スリープ状態でも、ロックが解除されている状態でもかまいません。 ______________________________________ ■■付録1 iOSのアクセシビリティ機能について iOSにはVoiceOver、音声読み上げ機能の他にも多くのアクセシビリティ機能が搭載されています。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」の中を覗いてみましょう。 iPhoneのアクセシビリティ機能を使ってみる - Apple サポート https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/iph3e2e4367/ios __視覚サポート__ ・VoiceOver ・ズーム ・拡大鏡 ・画面表示とテキストサイズ ・動作 ・読み上げコンテンツ ・バリアフリー音声ガイド __身体機能および操作__ ・タッチ・Face IDと注視 ・スイッチコントロール ・音声コントロール ・サイドボタンまたはホームボタン ・Apple TV Remote ・ポインタコントロール ・キーボード ・AirPods __聴覚サポート__ ・ヒアリングデバイス ・サウンド認識 ・オーディオ/ビジュアル ・標準字幕とバリアフリー字幕 __一般__ ・アクセスガイド・Siri ・ショートカット ______________________________________ ■付録1-1 VoiceOver 視覚障害者向けのスクリーンリーダー機能です。画面上の文字やキーボード入力した文字を読み上げ、特有のジェスチャでiOSを使えるようにします。 ■付録1-2 ズーム 画面を拡大表示します。標準の拡大操作とは別の機能です。 ■付録1-3 拡大鏡 背面カメラを利用した拡大鏡の機能です。ルーペ代わりに使えます。 ■付録1-4 画面表示とテキストサイズ 画面の文字を見やすくする機能です。文字の太さやサイズ、コントラストの調整、白黒反転表示など。 「文字を太くする」の切り替えボタン 「さらに大きな文字」の切り替えボタン 「ボタンの形」の切り替えボタン 「オン/オフラベル」の切り替えボタン 「透明度を下げる」の切り替えボタン 「コントラストを上げる」の切り替えボタン 「カラー以外で区別」の切り替えボタン 「反転(スマート)」の切り替えボタン 「反転(クラシック)」の切り替えボタン 「カラーフィルタ」 「ホワイトポイントを下げる」の切り替えボタン 「明るさの自動調節」の切り替えボタン ■付録1-5 動作 画面上のエフェクトやアニメーションのオン・オフ切り替えをします。 「ビデオプレビューの自動再生」をオフにしておくと、App Storeなどでの自動ビデオ再生を止めることができます。 「視差効果を減らす」の切り替えボタン 「クロスフェードを優先」の切り替えボタン 「メッセージエフェクト自動再生」の切り替えボタン 「ビデオプレビューの自動再生」の切り替えボタン ■付録1-6 読み上げコンテンツ VoiceOverとは別の音声読み上げ機能の設定メニューです。 普段はVoiceOverを使わない人にとって活用できる機能です。 「選択項目の読み上げ」の切り替えボタン 「画面の読み上げ」の切り替えボタン 「読み上げコントローラ」 「内容を強調表示」 「入力フィードバック」 「声」 「読み上げ速度」のスライダー 「読みかた」 ■付録1-7 バリアフリー音声ガイド 動画に副音声解説が含まれている場合、それを再生します。 ______________________________________ ■付録1-8 タッチ タッチやバイブレーション関連の設定メニューです。 「AssitiveTouch」 「簡易アクセス」の切り替えボタン 「3D Touchおよび触覚タッチ」 「タッチ調整」 「タップしてスリープ解除」 オンになっていると、画面ロック中、画面をタップしてスリープを解除します。 「シェイクで取り消し」 オフにすると、意図せずiPhoneをシェイクしたときの誤動作を防げます。 「バイブレーション」 オフにすると、バイブレーション機能が働きません。 「通話オーディオルーティング」 通話がかかってきたときの音声出力先を指定します。 このメニューの中には、 「自動で電話に出る」の切り替えボタンが用意されています。 「背面タップ」 VoiceOverがオフの環境で使える背面タップの役割を指定します。 ■付録1-9 Face IDと注視 Face ID関連と、画面を見つめる機能についての設定メニューです。 「Face IDを使用するには注視が必要」の切り替えボタン Face IDでロック解除するときに、画面を注視するかどうかを切り替えできます。オンになっていると、セキュリティは高まりますが、視覚障害者は画面を注視するのが難しく感じる人が多いと思われます。 なので、VoiceOverがオンの環境でFace IDを設定すると、自動的に画面の注視機能はオフになるように工夫されています。 「画面注視認識機能」の切り替えボタン オンになっていると、画面を見つめていることを認識すると、画面の明るさを調整したり、通知の内容を広げたりしてもらえる機能です。 「認証に成功したら触覚を再生」の切り替えボタン オンになっていると、Face IDでの認証がうまくいったときに、振動でフィードバックしてくれます。 ■付録1-10 スイッチコントロール タッチジェスチャによる操作が困難な場合、物理的なスイッチを接続させて使えるようにする機能です。 ■付録1-11 音声コントロール iOS 13から加わった機能で、タッチジェスチャの代わりに声でのコマンド指示でタップやスクロールなどの操作ができます。 ただし、2021年7月現在、コマンドは日本語には対応していません。 「コマンドをカスタマイズ」ボタンを実行すると、コマンド一覧を閲覧できます。 (注意) テキストフィールドを開いて文字入力できる状態では、マイクが聞き取った言葉を音声認識して入力します。 VoiceOver環境では、VoiceOverの読み上げ音声をそのまま音声認識してしまうので都合はよくありません。 それを回避するためにはモード変更することができます。 ■付録1-11-1 コマンドモードと音声入力モード 音声コントロールをオンにすると、通常は音声入力モード(Dictation mode)になっています。 テキストフィールドを開いて文字入力できる状態では、マイクが聞き取った言葉を音声認識して入力します。 コマンドだけ聞き取ってほしい、テキストフィールドでは自動的に音声認識しなくてよい、そんな場合はコマンドモード(Command mode)に切り替えておくと都合がよいです。 英語での音声コマンドは、 「Command Mode」 「Dictation mode」 となります。 ■付録1-12 サイドボタンまたはホームボタン ボタンをクリックする感覚などを設定します。 ■付録1-13 Apple TV Remote Apple TVのデバイスをiOSのアプリで操作するための設定メニューです。 「方向ボタン」の切り替えボタン スワイプジェスチャの代わりにiPhone Apple TV Remoteのボタンを使用します。 ■付録1-14 ポインタコントロール マウスやトラックパッドを使用しているときに表示されるメニューです。 ■付録1-15 キーボード ハードウェアキーボードとソフトウェアキーボード関連の設定メニューです。 VoiceOverがオフの環境でハードウェアキーボードからショートカットを利用する場合、 「フルキーボードアクセス」の切り替えボタンをオンにする必要があります。 ただし、VoiceOver環境をメインに使っている人は特有のキーボードショートカットが使用できるので、この箇所はオフにしておく方がよいです。 ■付録1-16 AirPods AirPods Proシリーズ関連の設定メニューです。 ______________________________________ ■付録1-17 ヒアリングデバイス 補聴器などのMFIヒアリングデバイス関連の設定メニューです。 ■付録1-18 サウンド認識 特定の音をマイクが聞き取ったときに、通知でお知らせしてくれます。 ・サイレン ・煙 ・炎 ・猫 ・犬 ・電気器具 ・車のクラクション ・ドアベル ・ドアのノック ・水の出しっ放し ・赤ん坊の泣き声 ・叫び声 ・せき ■付録1-19 オーディオ/ビジュアル モノラル出力やステレオの左右バランスなどのオーディオ関連の他、LEDフラッシュ通知の設定メニューです。 「ヘッドフォン調整」 対応しているAppleおよびBeatsの製品の音質をカスタマイズできます。 「モノラルオーディオ」の切り替えボタン オンになっていると、ステレオの音源をモノラルで出力します。 「電話ノイズキャンセリング」の切り替えボタン オンになっていると、耳に当てて通話しているとき、周囲のノイズを抑制します。 「ヘッドフォン通知」の切り替えボタン オンになっていると、長い間ヘッドフォンで大きな音を聴いていると、通知します。 「ステレオの左右のバランス」のスライダー 「LEDフラッシュ通知」の切り替えボタン オンになっていると、画面ロック中に通知が届いた場合、フラッシュの光でお知らせします。 ■付録1-20 標準字幕とバリアフリー字幕 対応したアプリで動画を視聴するときの字幕設定メニューです。 「クローズドキャプション+SDH」の切り替えボタン オンになっていると、聴覚障害者向けの字幕を優先します。 「オーディオ発音表記を表示」の切り替えボタン オンになっていると、HomePodからアナウンスが届いたときに、文字でお知らせします。 ______________________________________ ■付録1-21 アクセスガイド 一時的に一つのアプリだけを使える状態にできます。 ■付録1-22 Siri Siri関連の設定メニューです。 「Siriにタイプ入力」の切り替えボタン オンになっていると、マイクを通じて声でリクエストするのではなく、キーボードから文字入力してリクエストを伝えます。 「音声フィードバック」 Siriが音声で答える場面を選択します。 ・消音モードオフ設定: サイレントモードでは画面にのみ表示。 ・「Hey Siri」使用時のみ: ボタンの長押しでリクエストした場合は画面にのみ表示。 ・応答ほ常に読み上げる: 常に音声で答える。 「Hey Siriを常に聞き取る」の切り替えボタン オフになっていると、iPhoneの画面が覆われていたり下向きになっていると、Hey Siriの合図では反応しません。 「Siriの背後にAppを表示」の切り替えボタン オンになっていると、Siriの結果が画面に表示されていても、現在のアプリは表示されたままになります。 ■付録1-23 ショートカット ホームボタンあるいはサイドボタンのトリプルクリックで呼び出せるアクセシビリティ機能を選択します。 AssistiveTouch VoiceOver カラーフィルター スイッチコントロール ズーム機能 ホワイトポイントを下げる 反転(クラシック) 反転(スマート) 音声コントロール フルキーボードアクセス 透明度を下げる コントラストを上げる タッチ調整 人の検出 ______________________________________ ■■付録2 VoiceOverの設定メニュー VoiceOverはiOSがアップデートされる旅に機能が増えており、カスタマイズできる項目が多彩になっています。 設定アプリを開いて、「アクセシビリティ」→「VoiceOver」の中を覗いてみましょう。 表示されているボタン類は、 「VoiceOverの操作練習」ボタン タッチジェスチャを練習する画面に切り替えます。 「読み上げ」ボタン 読み上げ音声をカスタマイズ 「点字」ボタン 点字ディスプレイ関連 「VoiceOver認識」ボタン 機械学習を用いた画像・テキスト・画面の認識 「詳細度」ボタン 句読点や絵文字の読み上げ方などを細かく設定 「オーディオ」ボタン 効果音の変更など 「コマンド」ボタン タッチジェスチャやキーボードショートカットのカスタマイズ 「アクティビティ」ボタン VoiceOver設定をまとめて切り替え、アプリごとにカスタマイズ 「ローター「ボタン ローター・カテゴリをカスタマイズ 「ローターアクション」ボタン ローター・カテゴリのアクションメニューをカスタマイズ 「入力」ボタン 入力モードの切り替えや文字入力時のフィードバック方法などをカスタマイズ 「常に通知を読み上げる」の切り替えボタン 通知が届いたときに、その内容をVoiceOverが自動的に読み上げるかどうかの指定 「イメージをナビゲート」ボタン イメージをVoiceOverカーソルがフォーカスしたときに案内する方法を指定。 「大きいカーソルを使用」の切り替えボタン VoiceOverカーソルのサイズを切り替える 「キャプションパネル」切り替えボタン VoiceOverが読み上げている内容を画面に表示するかどうか 「ダブルタップのタイムアウト」ボタン ダブルタップとして認識するまでの時間を指定。 ______________________________________ ■付録2-1 読み上げ ここでは、読み上げる声の種類、読み上げ辞書の編集、ピッチ、言語ごとの声の種類をカスタマイズできます。 詳しくは、 ■■チャプター21 読み上げ音声の質と特徴 を参照してください。 他にも、次の項目が用意されています。 「ピッチ変更を使用」の切り替えボタン オンになっていると、キーボードで文字入力するときに、実際に入力された文字は高い声で読み上げられます。 「言語を検出」の切り替えボタン オンになっていると、メール本文などで外国語が含まれている場合、その箇所は外国語の声で読み上げます。条件によっては機能しないこともあります。 オフにすることでVoiceOverのマルチリンガル読みが完全に停止するというわけではありません。日本語だけで読み上げさせたいという場合は、ローター・カテゴリの言語で日本語を指定しておくのが確実です。 ______________________________________ ■付録2-2 点字 点字デバイスでの使用、点字画面入力に関連する機能をカスタマイズできます。 iOSと連携できる点字ディスプレイを接続するには、Bluetoothの項目ではなく、こちらの画面で行います。点字ディスプレイがBluetoothペアリングできる状態になっていれば、この画面の下部にそのデバイス名が表示されます。デバイスごとに接続方法はことなるので、それぞれのデバイスのマニュアルを参照してください。 ■ 「出力」 点字ディスプレイでの出力方法を指定します。 ・1級英語点字(6点式) ・1級英語点字(8点式) ・2級英語点字 ■ 「入力」 点字ディスプレイでの入力方法を指定します。 ・1級英語点字(6点式) ・1級英語点字(8点式) ・2級英語点字 「自動点訳」の切り替えボタン オンになっていると、2級英語点字に変換されます。 ■ 「点字画面入力」 点字画面入力での入力方法を指定します。 ・1級英語点字(6点式) ・2級英語点字 「点位置を反転」の切り替えボタン オンになっていると、1と3、4と6の点の位置が入れ替わります。 ■ 「点字表」 使用する言語の点字表を追加できます。 ローター操作で切り替えできます。 ■ 「状況セル」 状況セルを表示するかどうかを選択します。 ・左揃え ・右揃え 「一般的な状況を表示」の切り替えボタン 「テキストの状況を表示」の切り替えボタン ■ 「方程式でNemethコードを使用」の切り替えボタン 方程式の表示方法を指定します。 ■ 「オンスクリーンキーボード表示」の切り替えボタン オンになっていると、文字入力の状態では画面にソフトウェアキーボードを表示します。 ■ 「パンでページめくり」の切り替えボタン オンになっていると、ブックアプリなどで読書をしているとき、ページの最後の箇所で点字表示をパンしたときに、次のページに進みます。 ■ 「行折り返し」の切り替えボタン オンになっていると、単語が行をまたぐ長さのとき、それを避けるために次の行の先頭から単語の先頭文字が始まります。 ■ 「点字警告メッセージ」 警告メッセージのオン・オフ切り替えができます。 また、オンになっていると、表示時間を調整できます。 0.50秒から20.00秒の範囲で、0.50秒単位で変更できます。 ■ 「コードを無視する継続時間」 次のキーが押されるまでにかかる時間が点字コードとして認識されます。 0.50秒から1.00秒の範囲で、0.10秒単位で変更できます。 ■ 「自動前進の継続時間」 自動前進、点字表示をハンズフリーで自動的に切り替え表示させて読書するとき、切り替えるまでの時間を調整できます。 0.50秒から20.00秒の範囲で、0.10秒単位で変更できます。 ■ 「点字ディスプレイを選択」 連係できる点字ディスプレイの名前が表示されます。 ______________________________________ ■付録2-2-1 点字ディスプレイを接続させてみよう 点字ディスプレイによって接続方法は異なるので、それぞれの製品マニュアルを参照してください。 ここでは、BrailleSense U2を接続させてみます。 まずBrailleSense本体で操作します。 オプションメニューの中で、Bluetoothをオンにしておく必要があります。 メインメニューの中から、「ユーティリティ」→「スクリーンリーダのターミナル」と進み、「Bluetooth シリアルポート(voiceover)でエンターを入力します。 これでペアリングモードに入りました。 iPhoneの画面で、「BrailleSenseU2」の箇所を1本指でダブルタップして実行します。 画面には数字キーが表示されます。 任意の数字、4桁以上を入力して、「ペアリング」ボタンを1本指でダブルタップして実行します。 たとえば「0000」でも大丈夫です。 BrailleSense本体で、iPhoneで入力したのと同じピンコード、数字を入力します。 これでペアリングが完了し、BrailleSenseのディスプレイにVoiceOverで読み上げている内容が点字表示されます。 ______________________________________ ■付録2-2-2 点字ディスプレイを削除する iPhoneの画面で、「BrailleSenseU2」の箇所をVoiceOverカーソルでフォーカスし、1本指の下スワイプか上スワイプを行います。 「詳細情報」のメニューで1本指のダブルタップを行います。 メニューの中から、 「このデバイスの登録を解除」ボタンを1本指のダブルタップで実行します。 確認メッセージが表示されるので、 「デバイスの登録を解除」ボタンを1本指でダブルタップして実行します。 これで、点字デバイスが削除されました。 ______________________________________ ■付録2-3 VoiceOver認識 AI/ML(人工知能/機械学習)を用いて、画像・テキスト・画面の認識をします。 それぞれの機能をオンにすると、データはダウンロードされます。オフラインでも動作します。 iPhone XS, XR以降のモデルで利用できます。 ただし、2021年7月現在、日本語による説明や認識はしてくれません。 ■ 「画像説明」 写真などのイメージを説明してくれます。 この箇所を1本指でダブルタップすると、オン・オフの切り替えボタンが表示されます。 注意を要する内容のフィードバック方法を指定できます。 ・読み上げる ・サウンドを再生 ・何もしない 「Appに適用」ボタンを実行すると、 この機能を利用するアプリを選択できます。 デフォルトではすべてのアプリが選択状態になっています。 ローター・カテゴリに「画像を説明」の項目を含めておくことで、いつでもオン・オフの切り替えができます。 ■ 「画面認識」 VoiceOver環境ではボタンなどをフォーカスできない画面において、この機能がそれらのコントロールを利用できるようにしてくれる場合があります。 この箇所を1本指でダブルタップすると、オン・オフの切り替えボタンが表示されます。 「Appに適用」ボタンを実行すると、 この機能を利用するアプリを選択できます。 (注意) この機能をオンにすることでVoiceOverが読み上げていた箇所が読み上げられなくなってしまうことがあります。 普段はオフにしておくとよいでしょう。 ローター・カテゴリに「画面認識」の項目を含めておくことで、いつでもオン・オフの切り替えができます。 ■ 「テキスト認識」の切り替えボタン 画像の中にあるテキストを認識します。 「フィードバックスタイル」 VoiceOver認識で処理された項目のフィードバック方法を指定します。 ・読み上げる ・サウンドを再生 ・何もしない ______________________________________ ■付録2-4 詳細度 句読点や絵文字の読み上げ方などを細かく設定 ■ 「句読点および技巧」 句読点の出力方法をカスタマイズします。 ■ 「ヒントを読み上げる」の切り替えボタン オンになっていると、VoiceOverカーソルがフォーカスしている箇所で、どんな操作ができるのかというヒントを読み上げます。すべての箇所にヒントが存在するわけではありません。 ■ 「大文字を読み上げる」ボタン 文字入力や文字説明読みのとき、大文字の表現方法を指定します。 ・大文字を読み上げる ・サウンドを再生 ・ピッチ変更 ・何もしない たとえば、「大文字を読み上げる」を指定しておくと、"A"を文字入力すると、 日本語キーボードでは、「大文字 A」 英語キーボードでは、「キャップ A」 と読み上げます。 ■ 「テキストを削除中」 テキスト編集の状態で、削除した文字の表現方法を指定します。 ・読み上げる ・サウンドを再生 ・ピッチ変更 ・何もしない たとえば「サウンドを再生」を指定しておくと、削除した文字の読み上げとともに効果音が聞こえます。 ■ 「埋め込みリンク」 URLなど、リンク要素の箇所の表現方法を指定します。 ・読み上げる ・サウンドを再生 ・ピッチ変更 ・何もしない たとえば「ピッチ変更」を指定しておくと、リンクの内容は低めのトーンで読み上げられます。 ■ 「アクション」 VoiceOverカーソルがフォーカスした箇所に「アクション」メニューが存在すると、それを知らせる方法を指定します。このとき、ローター・カテゴリは自動的に「アクション」に切り替わっています。 ・読み上げる ・サウンドを再生 ・何もしない ■ 「その他のコンテンツ」 VoiceOverカーソルがフォーカスした箇所に「その他のコンテンツ」メニューが存在すると、それをアナウンスする方法を指定します。このとき、ローター・カテゴリは自動的に「その他のコンテンツ」に切り替わっています。たとえば写真などのイメージの箇所です。 ・読み上げる ・サウンドを再生 ・ピッチ変更 ・何もしない 複数選択できます。 ■ 「コンテナの説明」 「コンテナ」と分類されている画面の箇所に移動したとき、それをアナウンスする方法を指定します。 ・読み上げる ・サウンドを再生 ・ピッチ変更 ・点字 ・何もしない 複数選択できます。 ■ 「表」の出力」 表(テーブル)を移動するときに説明するかどうかを指定します。見出し、行番号、列番号。 「表のヘッダ」の切り替えボタン 「行と列の番号」の切り替えボタン ■ 「読み上げの確認」の切り替えボタン オンになっていると、たとえばメールを削除した後で、「削除されました」などの結果を読み上げます。 ■ 「絵文字を読み上げる」の切り替えボタン オンになっていると、絵文字を説明読みします。 ■ 「絵文字接尾語」の切り替えボタン オンになっていると、絵文字を説明読みした後に「絵文字」という読み上げがあります。 ■ 「メディア説明サービス」ボタン メディアの再生中にクローズドキャプション+SDH(字幕)が表示されている場合に、その出力方法を指定します。 ・オフ ・読み上げ ・点字 ・スピーチと点字 ______________________________________ ■付録2-4-1 句読点および技巧の読み方 句読点の出力方法をカスタマイズします。 句読点の読み方はグループ単位で切り替えることができます。グループは二つに大別でき、デフォルトで用意されているシステムグループの三つと、ユーザが自由に編集できるカスタムグループです。 VoiceOver操作に慣れないうちは、システムグループの「一部」を選んでおくとよいでしょう。 ■ 「現在有効な句読点グループ」 グループを指定します。 ・すべて ・一部 ・なし ・カスタムグループ ■ 「システムグループ」 デフォルトで作成されているグループの中身を閲覧することができます。 ・すべて ・一部 ・なし ■ 「カスタムグループ」 ユーザが作成したカスタムグループの中身と編集ができます。 ■ 「句読点グループを追加」ボタン カスタムグループを作成します。 ■ 「読み込み」ボタン 作成済みのデータをカスタムグループとしてインポートします。 (筆者はデータ形式とその作成方法については確認できていません。iOSで作成したカスタムグループは共有できるので、そのデータが参考になると思われます) ______________________________________ ■付録2-4-2 カスタムグループを作成する では、ユーザが作成できる句読点と記号の読み方グループを作成してみましょう。 1. 「句読点グループを追加」ボタンを1本指でダブルタップします。 2. ベースになるグループを選択します。 すべて、一部、なし、作成済みのカスタムグループの中から選び、次の画面に進みます。 3. 名前のテキストフィールドには、グループ名を入力します。 4. 句読点と記号の一覧から、読み方を変更したい箇所を1本指でダブルタップします。 5. ルールの中から「置き換える」を1本指でダブルタップして選択状態にします。 6. 置き換えのテキストフィールドに変更したい読み方を入力します。 これで完了です。 ルールは三つありますが、 「削除」を選択状態にすると、1文字読みや連続読みでは読み上げさせないようにできます。 また、一覧の中から句読点と記号を選ぶ代わりに、 「置換項目を追加」ボタンを1本指でダブルタップして 句読点のテキストフィールドに直接入力することもできます。 ______________________________________ ■付録2-4-3 カスタムグループを編集する 編集したいカスタムグループ名の箇所を1本指でダブルタップします。 読み方の変更をした句読点や記号は「カスタムの置換」として、画面の上部に表示されています。 それにつづいて、「デフォルトの置換」が並びます。 それぞれの句読点と記号の箇所を1本指でダブルタップすると、読み方の変更と同じ操作で編集できます。 また、「カスタムの置換」として表示されている項目は、1本指の下スワイプか上スワイプで「削除」のアクションを選ぶことができます。 「共有」機能で、カスタムグループのデータをエクスポートすることもできますが、筆者はデータ形式を確認できていません。 ______________________________________ ■付録2-4-4 カスタムグループの削除 カスタムグループ名の箇所で、1本指の下スワイプか上スワイプを行います。 「削除」のアクションを選ぶことができます。 ______________________________________ ■付録2-5 オーディオ VoiceOverの音声を聞きやすくする設定や、効果音や振動によるフィードバック方法をカスタマイズします。 ■ 「サウンドと触覚」ボタン VoiceOverカーソルを動かしたときなどに発生する効果音や触覚をカスタマイズします。 「サウンド」の切り替えボタン オンになっていると、効果音を利用できます。 「読み上げの声の音量を一致させる」の切り替えボタン オンになっていると、ローター・カテゴリの「音量」によりVoiceOverの音量を変更すると、それに連動して効果音の音量も変化します。 「サウンドの音量」のスライダー VoiceOverの音量とは連動させず、効果音の音量を調整します。 「読み上げの声の音量を一致させる」の切り替えボタンがオフになっていなければ、この項目は表示されません。 「触覚」の切り替えボタン オンになっていると、振動(Haptic Feedback)が利用できます。 iPhoneのモデルによっては利用できません。 「触覚の強さ」のスライダー 各項目ごとにサウンドと触覚のオン・オフを切り替えできるようになっています。また、「プレビュー」ボタンはそれぞれの効果音の音と触覚の表現を確認するのに役立ちます。 __操作__ ・項目がフォーカスされた ・項目がアクティブになった ・後方にナビゲーションを折り返した ・前方にナビゲーションを折り返した ・ページをスクロールした ・境界に達した ・項目が見つからなかった __VoiceOverフィードバック__ ・スクリーンが変更された ・フォーカスが動機した ・ターゲットエリアに入った ・ターゲットエリアから出た ・タッチコンテナの内部をナビゲートした ・前のローター ・次のローター ・前のローターに移動中 ・次のローターに移動中 ・「そのまま」のジェスチャ ・結果なし ・テキストとイメージが検出された ・クイックナビ有効 ・クイックナビ無効 ・注意を要する内容 ・不明なコマンド __Appのフィードバック__ ・項目を読み込み中 ・項目が読み込まれた ・ポップオーバーが表示された ・通知が表示された ・項目が並び替えられた __点字__ ・点字ディスプレイが接続された ・点字ディスプレイの接続が解除された ・項目が保存された ・項目の保存に失敗した ・項目を保存中 __テキスト編集__ ・共同制作が開始された ・挿入ポイントが移動した ・自動入力が表示された ・自動入力が閉じられた ・テキスト選択の方向が変わった ・自動入力が選択された ・セキュリティ保護されたテキストが入力された __システム__ ・簡易アクセスが開始した ・簡易アクセスが終了した ・Dockが表示された ・Dockが非表示になった ・フォルダを開いている ・フォルダが開かれた ・フォルダが閉じられた ・キーボードが表示された ・キーボードが非表示になった ・音量が変更された ・スクリーンがロックされた ■ 「オーディオダッキング」の切り替えボタン オンになっていると、VoiceOverが読み上げ中は音楽などのメディアの音量は小さくなります。 ■ 「通話でスピーカーを自動選択」の切り替えボタン オンになっていると、通話中の相手の声は受話口・スピーカー、どちらから出力するか、自動的に切り替わります。 ■ 「HDMIへ送信」の切り替えボタン オンになっていると、HDMIケーブルでデバイスに接続すると、VoiceOverの読み上げ音声はそのデバイスから出力されます。 ■ 「音声チャンネル」の選択 イヤホンやスピーカーを使用しているときに表示されます。 VoiceOverの読み上げ音声の出力先を選択します。 右か左か、選択状態になっている側から出力されます。両方とも選択できます。 ■ 「サウンドチャンネル」の選択 イヤホンやスピーカーを使用しているときに表示されます。 VoiceOverの効果音の出力先を選択します。 右か左か、選択状態になっている側から出力されます。両方とも選択できます。 ______________________________________ ■付録2-6 コマンド iOS 13からはVoiceOver環境におけるタッチジェスチャ、キーボードショートカットなど、すべてのコマンドがカスタマイズできるようになりました。 「VoiceOverコマンドをリセット」ボタンを実行することで、デフォルトの内容に戻ります。 ■ 「すべてのコマンド」 機能別に割り当てられているタッチジェスチャとキーボードショートカットの一覧を確認、割り当て、変更をすることができます。 ただし、VoiceOverが「無効」と読み上げる項目については変更できません。 ■ 「タッチジェスチャ」 タッチジェスチャの名前につづいて、操作の説明が表示されています。説明の後に「無効」と読み上げる項目については変更できません。 説明がないタッチジェスチャは、何の操作も割り当てられていないことを意味します。 ■ 「キーボードショートカット」 操作の説明の後にキーボードショートカットの組み合わせが表示されています。 ■ 「手書き」 手書き入力の画面で利用できるタッチジェスチャをカスタマイズできます。通常のVoiceOverのタッチジェスチャとは異なります。 タッチジェスチャの名前につづいて、操作の説明が表示されています。 ■ 「点字画面入力」 点字画面入力で利用できるタッチジェスチャをカスタマイズできます。通常のVoiceOverのタッチジェスチャとは異なります。 タッチジェスチャの名前につづいて、操作の説明が表示されています。 ■ 「点字デバイス」 点字デバイスからのコマンドをカスタマイズできます。 ______________________________________ ■付録2-6-1 タッチジェスチャをカスタマイズする ジェスチャの名前の箇所を実行すると、割り当てたい内容が一覧表示されるので、目的の操作を選択状態にします。 すでに選択されている項目を変更する場合も同じですが、新しい項目を選択すると確認メッセージが表示されるので、「割り当て」ボタンを実行します。 「削除」ボタンを実行すると、割り当てられる項目はなくなります。 ______________________________________ ■付録2-6-2 キーボードショートカットをカスタマイズする 操作名の箇所を実行すると、キーコンビネーションを入力する画面が表示されます。 キーボードで好みのキーの組み合わせを入力した後、指で画面上の「完了」ボタンを実行します。 すでに登録されている項目を変更する場合も同じですが、「完了」ボタンを実行すると確認メッセージが表示されるので、「割り当て」ボタンを実行します。 キーボードショートカットを削除するには、削除したい項目の箇所で1本指の下スワイプか上スワイプを行います。「削除」のアクションを選ぶことができます。 ______________________________________ ■付録2-6-3 点字デバイスのコマンドをカスタマイズする 操作名の箇所を実行して、「新規点字きーを割り当てる」ボタンを実行します。 すると、点字キーのコンビネーションを入力する画面が表示されます。 点字デバイスで好みのキーの組み合わせを入力すると完了です。 すでに登録されている項目を変更する場合も同じですが、確認メッセージが表示されるので、「置き換える」ボタンを実行します。 点字キーの組み合わせが表示されている箇所で1本指の下スワイプか上スワイプを行うと、「削除」のアクションを選ぶことができます。 「すべての点字キーの割り当てをリセット」ボタンを実行すると、デフォルトに戻ります。 ______________________________________ ■付録2-7 アクティビティ iOS 13から加わった項目です。 VoiceOverの読み上げ速度や句読点レベルの変更はローター操作をすることで調整できますが、アプリや画面ごとに項目を一つずつ切り替えるのは手間に感じられます。 複数の項目を一度に切り替える機能が「アクティビティ」です。 ローター操作で変更できる他に、アプリやシーンを指定しておくと自動的にVoiceOver設定を切り替えることもできます。 「アクティビティ」の中に入ると、作成したアクティビティ名が一覧表示されます。 デフォルトでは「プログラミング」というアクティビティが登録されています。新規に作成するときのサンプルとして、中を覗いてみるとよいでしょう。 では、アクティビティを作成してみましょう。 「アクティビティを追加」ボタンを実行すると、作成画面が表示されます。 テキストフィールドにはアクティビティの名前を入力します。 カスタマイズできるVoiceOverの設定項目は、 __読み上げとオーディオの設定__ ・声 ・読み上げ速度 ・音量 ・読み上げを消音 ・サウンドを消音 ・オーディオダッキング __詳細度設定__ ・句読点および記号 ・絵文字を読み上げる ・コンテナの説明 ・表のヘッダ ・行と列の番号 ・画像説明 ・ヒントを読み上げる __点字設定__ ・一般状況セル ・テキスト状況セル ・点字表 ・点字出力 ・点字入力 ・自動前進の継続時間 __自動切換え__ ・App ・コンテクスト __操作__ ・修飾キー アプリを開いたときに自動的にアクティビティを切り替えたい場合は、アクティビティの作成画面の中で「App」と「コンテクスト」の項目を編集します。 「App」ボタンを実行すると、アプリの一覧が表示されます。 アプリを選択しておくと、そのアプリを開いたときに自動的にアクティビティが切り替わります。 複数のアプリを選択できます。 「コンテクスト」ボタンを実行すると、シーンが一覧表示されます。 シーンを選択しておくと、その場面になったときに自動的にアクティビティが切り替わります。 ローター操作でアクティビティを切り替えるには、「アクティビティ」のカテゴリに合わせて、1本指の下スワイプか上スワイプで選択します。 アクティビティの一覧が表示されている画面では、削除や編集、並べ替えの操作ができます。 ______________________________________ ■付録2-8 ローター ローター操作で呼び出せるカテゴリは数多くありますが、デフォルトでは基本的なものしか含まれていません。 自分にとって都合のよい機能を含めるには、1本指のダブルタップで選択状態にします。 逆に選択状態の機能の箇所で1本指のダブルタップをすると、カテゴリから外れます。 並べ替えもできます。 ・言語 ・文字 ・単語 ・行 ・見出し ・リンク ・ホームコントロール ・訪問済みリンク ・リスト ・ランドマーク ・コンテナ ・未訪問リンク ・オーディオダッキング ・ボタン ・テキストフィールド ・検索フィールド ・イメージ ・手書き ・点字画面入力 ・静的テキスト ・ヒント ・拡大または縮小 ・同じ項目 ・縦方向のナビゲーション ・サウンド ・音量 ・表 ・記事 ・句読点 ・読み上げ速度 ・アクティビティ ・入力モード ・点字表 ・オーディオの書き出し先 ・なぞり入力 ・点字自動前進スピード ・画面認識 ・画像を説明 ・ダイレクトタッチ ・テキスト選択 「音量」という項目がありますが、これはVoiceOver読み上げの音量のみを変更する機能です。 意図せずにVoiceOver音量を0にしてしまうと、読み上げ音声を調整するのに苦労するので、利用する機会がないのであればこの項目は選択しないことをお勧めします。 また、ローター・カテゴリに含んでいないのにもかかわらず、画面によっては機械的にカテゴリに出現する項目もあります。 たとえば、イメージの要素では「その他のコンテンツ」という項目が現れます。 覚えておいた方がよいこととしては、常にローター・カテゴリを特定のものにセットしておきたいと思っても、それは難しいということです。 たとえば文字を1文字ずつ確認したいので「文字」のカテゴリに合わせておきたいと考えても、たとえば、ホーム画面やメールアプリの本文内では「アクション」というカテゴリに自動的に切り替わります。 マップアプリで地図上のスポットをフォーカスすると、「拡大縮小」のカテゴリに自動的に切り替わります。 これはフォーカスしている箇所に優先されるべきメニューがあるので、ローター・カテゴリは自動的にそれに切り替えられてしまうというわけです。 ______________________________________ ■付録2-9 ローターアクション ここでは、二つの項目が用意されています。 「ホーム画面のAppを編集」の切り替えボタン ホーム画面でアイコンをフォーカスしている状態では、ローター・カテゴリは自動的に「アクション」に切り替わります。 オンになっていると、1本指で下スワイプか上スワイプしたときに、「編集モード」というメニューが加わります。 オフにしておくと、メニューは「アクティベート」という一つだけになります。 「ダイレクトタッチで操作するApp」ボタン アプリの一覧が表示されます。ダイレクトタッチで操作するアプリを選択します。デフォルトではすべてのアプリが選択状態です。ダイレクトタッチをまったく使用したくないアプリについては、1本指のダブルタップで選択状態から解放します。 ダイレクトタッチとは、VoiceOver特有のジェスチャは使用せずに、標準のタッチジェスチャと同じく、1回のタッチで何らかのアクションを実行します。 文字入力のダイレクトタッチ入力を想像してもらえばよいですが、たとえばGarageBandなどの楽器アプリでは、ピアノ演奏をするときに、鍵盤にタッチすれば音が鳴ります。 VoiceOverのジェスチャでは、画面にタッチすると指の下のアイコンを読み上げるか、読み上げるものがなければ無音となります。これはGarageBandなどのアプリにとっては都合がよくありません。なので、鍵盤のエリアはダイレクトタッチが行えるようになっています。これによりVoiceOverをいちいちオフにしなくてもピアノを弾けるというわけです。 ダイレクトタッチのできる場面では、ローター・カテゴリは自動的に「ダイレクトタッチ」に切り替わります。1本指の下スワイプか上スワイプで、オンかオフを選べます。 ______________________________________ ■付録2-10 入力 文字入力時のモード変更や、入力した内容の読み上げ方をカスタマイズします。 ■ 「入力モード」ボタン ・標準入力モード ・タッチ入力モード ・ダイレクトタッチ入力モード いずれか一つを選択状態にします。 ■ 「文字説明フィードバック」ボタン 1文字ずつ読み上げさせるときの読み上げ方を指定します。 ・オフ ・文字および文字の説明 ・文字の説明のみ いずれか一つを選択状態にします。 たとえば「文」という文字の場合、 オフでは「ぶん」、 文字および文字の説明では「ぶん さくぶんの ぶん」 文字の説明のみでは「さくぶんの ぶん」 ■ 「入力フィードバック」ボタン 文字入力で確定した文字列の読み上げ方を指定します。 ソフトウェアキーボード、ハードウェアキーボード、点字画面入力、それぞれの入力方法に対して指定します。 ・なし ・文字 ・単語 ・文字と単語 慣れるまでは「文字と単語」を指定しておくとよいでしょう。 たとえば、半角アルファベットのソフトウェアキーボードで「abc」をスプリットタップで入力してみると、 「a エイ」 「b ビー」 「c シー」というように、選んだ文字につづいて入力された文字が読み上げられます。そして、スペースを入力すると、「abc」と読み上げられますが、それまでに入力した文字列が単語として読み上げられたということです。 ■ 「就職キー」ボタン ハードウェアキーボードでコマンドを入力するときのキーの組み合わせを指定します。 ・Control + Option ・Caps Lock ■ 「キーボード操作時間」ボタン ソフトウェアキーボードで入力するとき、文字を長押しして代替候補を表示しますが、長押しする時間を調整できます。 また、Englishキーボードで、なぞり入力を開始するまでの時間にも相当します。 0.00秒から4.00秒の範囲で、0.20秒単位で変更できます。 ______________________________________ ■付録2-11 常に通知を読み上げる 画面ロックの状態で通知が届いたとき、その内容を自動的に読み上げるかどうかを指定します。 ______________________________________ ■付録2-12 イメージをナビゲート イメージをVoiceOverカーソルがフォーカスしたとき、それを案内する方法を指定します。 ・常にする ・説明付き ・しない ______________________________________ ■付録2-13 大きいカーソルを使用」の切り替えボタン オンにすると、VoiceOverカーソルのサイズは大きくなります。 ______________________________________ ■付録2-14 キャプションパネル」切り替えボタン VoiceOverが読み上げている内容を画面の下部に表示します。 画面の見えているインストラクターは活用できそうです。 ______________________________________ ■付録2-15 ダブルタップのタイムアウト ダブルタップとして認識するまでの時間を指定します。 0.20秒から0.50秒の範囲で、0.05秒単位で変更できます。 ダブルタップやトリプルタップなど、素早くタップするのが苦手な人は大きめの値にしておくと安心です。 ただし、大きな値にしておくと、ソフトウェアキーボードでの文字入力時などで、操作のもたつきを感じます。 ______________________________________ ■■付録3 よもやま話 ■付録3-1 iPhoneとは iPhoneとはスマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話の一種ですが、アップル社が開発したiOSというOSで動作しています。電話としての機能はもちろんですが、様々な目的に特化したアプリをインストールして利用できるのが魅力です。 iOSで動いているデバイスにはiPadやiPod touchなどがあります。そして、このiOSには視覚・聴覚・肢体の障害を持つユーザでも使いやすくするためのアクセシビリティ機能が標準で搭載されているのです。 その機能の一つが音声読み上げを実現してくれるVoiceOverなのですが、Windows PCでいうところのスクリーンリーダーに相当します。 iPhoneは2007年に最初のモデルが登場し、その後は1年に1回のペースで新しいモデルが発表されています。 2007年に初代モデル、 2008年にiPhone 3G、 2009年にiPhone 3GS、 2010年にiPhone 4、 2011年にiPhone 4S、 2012年にiPhone 5、 2013年にiPhone 5sとiPhone 5c、 2014年にiPhone 6とiPhone 6 Plus、 2015年にiPhone 6sとiPhone 6s Plus、 2016年にiPhone SE(4インチ), iPhone 7, iPhone 7 Plus、 2017年にiPhone 8, iPhone 8 Plus, iPhone X 2018年にiPhone XS, iPhone XS Max, iPhone XR 2019年にiPhone 11, iPhone 11 Pro, iPhone 11 Pro Max 2020年にiPhone SE(4.7インチ), iPhone 12 mini, iPhone 12, iPhone 12 Pro, iPhone 12 Pro Max が発売されました。 VoiceOver機能が搭載されたのは2009年のiPhone 3GSからです。 ______________________________________ ■付録3-2 iPodとiPhoneの関係 音楽プレイヤーとして有名なiPodは2001年に登場しました。アップルはiPodに携帯電話の機能を組み込んだ製品を開発し、それがiPhoneとなって世に出てきたわけです。 世界的に大人気となったiPodは、元々は視覚障害者には使いにくいものでした。そしてiTunesというパソコン上で音楽を管理したりiPodに曲を転送するソフトウェアは、スクリーンリーダー環境では使いにくいものでした。 2008年に次のようなニュースが報道されました。 ---------- 米視覚障害者連合(National Federation of the Blind)と米マサチューセッツ州のマーサ・コークリー検事総長は9月26日、米AppleとiTunesのアクセシビリティを向上させることで合意したと発表した。 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/30/news022.html ---------- 同年秋に発売されたiPod nanoからVoiceOver機能が搭載されるようになったのです。そしてiTunesのソフトウェアも改良されて、スクリーンリーダーで使いやすくなりました。 2009年の春にはiPod shuffleでVoiceOverが利用できるようになり、ディスプレイのないshuffleでは楽曲名を読み上げてくれるこの機能が一般ユーザにも役に立つとアピールされました。 同じく2009年に登場したiPhone 3GSとiPod touchにもVoiceOver機能が搭載されました。 2010年の初代iPadからも利用できるようになっています。 アップルでは音声読み上げ機能をVoiceOverと総称していますが、iPod nanoとiPod shuffleでは音楽再生操作や曲名などを読み上げることに特化しています。 アクセサリー的な位置づけのApple TVやApple WatchにもVoiceOverは搭載されています。 ______________________________________ ■付録3-3 VoiceOver機能の特徴 「VoiceOver」(ボイスオーバー)とはアクセシビリティ機能の一つになりますが、画面の文字や入力した文字を読み上げてくれる、いわゆるスクリーンリーダーです。この機能をオンにすることで画面の見えない視覚障害ユーザはiPhoneやiPadなどのデバイスを使用できるようになります。 このVoiceOver機能は、買ってきたばかりの状態からオンにすることができます。また、パソコンとUSBケーブルで接続し、iTunesというソフトと同期させて設定することでもオンにできます。 どちらの方法も画面を見えないユーザが独力で音声読み上げ機能を開始させることができるので、これは大きな特徴だと言えます。 ちなみにその他のアップル製品でも買ってきてすぐに音声読み上げをオンにすることができます。 Apple Watchでは、デジタルクラウンの3回クリック Apple TVでは、リモコンのメニューボタンの3回クリック iPhoneはタッチパネルを指で触れて操作しますが、VoiceOverをオンにした状態だと指の使い方は標準の方法と異なります。画面にタッチした瞬間に何らかのアクションが起きてしまうと困るので、指による操作法が工夫されているわけです。 1本の指を画面にタッチしてみると指の下の項目を読み上げてくれます。そのまま指を滑らせていくと項目の上を通るたびに名前を読み上げてくれます。実行したいと思えばその場所で1本の指をトン・トンと2回たたけばアクティベート、されます。 また、画面には四角い枠が表示されるのですが、これをVoiceOverカーソルと呼び、読み上げている個所を視覚的に確認できるようになります。 もう一つの特徴は、外付けのキーボードを接続することで画面を指で触れなくても操作するためのコマンドが利用できるようになります。 ______________________________________ ■付録3-4 VoiceOverの声の特徴 VoiceOverの声はNuance Communicationsの音声エンジンが採用されています。 日本語の女性の声はKyokoと名付けられています。 VoiceOverを使用していない人に「この声の名前は何だと思いますか?」と尋ねてみると、たいていは「Siriでしょう」と返ってきます。 音声アシスタントであるSiriが登場したのはiPhone 4Sからなので、VoiceOverの声はそれより以前からiOSの中に入っていました。 最初のSiriの声はVoiceOverの声と同じでした。 2014年3月にリリースされたiOS 7.1からは、Siriの声はVoiceOver音声とは別になりました。 2015年10月にリリースされたiOS 9からは、Siriの声がVoiceOverの読み上げ音声として選べるようになりました。 読み上げ速度の変更や、ピッチの調整をすることもできます。 すぐに外国語の音声に切り替えて読み上げさせることができるのも特徴です。 弱点としては、読み上げ辞書が不十分なためなのか、間違えた読みや意味不明な読みをするケースがあります。iOS 9までは読み辞書の編集はできませんでしたが、ユーザが「読みかた」登録できるようになりました。 ______________________________________ ■付録3-5 iPhone, iPod touch, iPadの違い これら三つの製品は同じiOSで動作しています。そのためiPhoneにインストールできるアプリの多くはiPod touchやiPadでも利用できます。VoiceOverのジェスチャもほぼ共通です。 iPhoneにあってその他二つの製品にない機能としては、 ・電話 ・GPS ・バイブレーション などです。 セルラーモデルのiPadにはGPSが搭載されています。 LEDフラッシュについては、 2013年に発売された第5世代のiPod Touch、2016年3月に発売となったiPad Pro 9.7インチのモデルから搭載されています。 iOSデバイスを試したいけれども本体代金が高いと理由で、昔はiPod TouchをiPhoneの代替製品として選ぶ人が多くいました。 その後iPhoneが普及し、SIMロック解除できるようにもなり、中古市場は活気づいてきました。割安の製品を試したいということであれば、中古のiPhoneを入手しやすい時代になっています。 ______________________________________ ■付録3-6 どんなアプリが利用できるか 標準でインストールされているアプリはVoiceOverで使用できるものが多いです。時計、カメラ、ボイスメモ、メールなど。 またApp Storeからダウンロードしてインストールすることができますが、有名なものとしてはラジオを聴くための「radiko」や「らじるらじる」、動画を視聴するための「YouTube」や「Netflix」などが利用できています。 様々なアプリが存在しますが、視覚障害者の生活に役立つアプリも見つけることができます。光チェッカーや紙幣の識別、色認識、デイジー図書プレーヤーなど。 インストールできるアプリは数多く存在し、無料のものから有料のものまで金額も様々です。VoiceOverで操作できるかどうかは実際に試してみないとわからないというのが現状です。アプリをリリースしている会社や個人によっては、説明ページにVoiceOver対応かどうかを記載してくれている場合もあります。 アプリをダウンロードする準備としてApple IDを作成することが必要です。App Storeにサインインすれば、アプリの検索やインストールができるようになります。 Apple IDを作成するには、iPhoneから、iTunesソフトウェアから、ウェブページからアクセスする方法があります。 ウェブページでの作成には画像認証を要求されます。画像が見えにくいユーザのためには、その代替手段として、文字や数字を音声で再生してくれる認証方法が用意されています。 ウェブページのアドレスは、 Apple - My Apple ID https://appleid.apple.com/cgi-bin/WebObjects/MyAppleId.woa/ 有料アプリを購入するためには支払い方法を登録する必要があります。 App Store & iTunes ギフトカード、キャリア決済、クレジットカード払いなどの選択肢があります。 App Store & iTunes ギフトカードのシリアル番号は、iPhoneのカメラ機能により簡単に読み取ることができます。 ______________________________________ ■付録3-7 今後への期待と可能性 iPhoneはメインストリームのデバイスということもあり様々な周辺機器が販売されています。キーボード、スピーカー、ワンセグチューナー、スキャナー、温度計、体重計など。それら周辺機器をコントロールするアプリがVoiceOverで使えれば、特別な支援機器の代替になりうるかもしれません。 コミュニケーションの手段を広げてくれるデバイスとしても活用できます。 耳の不自由な相手には音声入力を利用して文字を変換すれば、素早く言葉を伝えることができるでしょう。 発声困難な相手に文字入力をしてもらい、VoiceOverで読み上げさせたり、トーキングエイドのようなアプリを用いて読み上げさせてもらうこともできます。 外国語でやり取りするときには、Google翻訳などのアプリを使うことで簡単な文章を翻訳してネイティブの音声で読み上げさせることができます。 Facetime(テレビ電話機能)やSkypeのビデオ通話を利用すれば、手元の書類や外出先の風景を見えている相手から教えてもらうことができるでしょう。 VoiceOverで読み上げられている内容は、対応の点字ディスプレイに文字を出力させ ることができます。6点キーボードが付いている端末であれば、VoiceOverの操作や文字入力もできます。これにより、これから普及するだろうと予想される電子書籍を読んだり、点字による学習環境の幅を広げていってくれることでしょう。 また、視覚と聴覚の障害を併せ持つ盲聾者にとって、重要なコミュニケーションツールとなりうる可能性を秘めています。 残念ながら、現時点では日本語点字の表示は不完全で、日本語の文字入力においてもまだまだ実用レベルではありません。 VoiceOverはiOSのメジャーアップグレードの度に、新しい機能が追加されて進化してきています。ハードとソフトをアップルという一つの会社が開発することによって、アクセシビリティ技術も同時進行で改良され続けていると言えるでしょう。アップル社がこの路線を変更しない限りは、VoiceOverの成長が期待できます。 ______________________________________ ■付録3-8 VoiceOver操作によるiPhoneの使い方はどこで学ぶことができるか 現時点では個人が情報を入手して、練習を積み重ねていかなければならないという状況です。購入時の設定は販売店のスタッフに頼めば引き受けてもらえると思われます。 またアップルではAppleCareという電話窓口を設けていたり、Apple Storeに出向くことができれば、対面で操作を解説してくれるジーニアスバーというサービスを用意しています。 お住いの地域に点字図書館やパソコンボランティアグループがあれば、講習会の開催を行っているかもしれません。また、最近ではYouTubeに解説動画をアップロードする人たちも増えてきています。積極的にインターネットで検索して情報を集めてみましょう。 VoiceOverのことは、日常使いしているユーザに尋ねるのがもっとも的確な答えをもらえる手段です。 アップル製品のアクセシビリティについて情報交換しているメーリングリストがあります。iPhoneだけでなくMacの情報もやり取りされています。 Apple Accessibility (Aa) 案内ページ http://ml.nvsupport.org/mailman/listinfo/aa iPhoneやiPadはアップルがハードとソフトを開発し販売している製品です。そのため毎年新しいモデルが登場するものの、種類としては多くありません。そのことは視覚障害者が機種の選択に迷わず導入しやすい、そして指導する側も説明しやすい製品になっていると思われます。 スマートフォンやタブレットなどの端末は、OSの種類によりいくつかのカテゴリに分類することができます。その一つにGoogleが開発したAndroid OSがあります。Android OSは多くのメーカーが採用し、多種多様な製品が発売されています。選択肢が多いのはユーザにとって魅力的なことですが、サポートする側としては検証作業がたいへんになるかもしれません。その点ではハードの種類の少ないiPhoneやiPadは比較的サポートしやすい製品だと言えるでしょう。 また、特別支援機器と違い、世間的にメジャーなiPhoneやiPadにおいては、それを操作解説してくれる人は周りにたくさん存在しています。もし設定や文字入力などに困ったら、VoiceOverをオフにして標準操作モードにしてやることで、家族や同僚、たまたますれ違った人たちがサポーターになってくれるかもしれません。 ______________________________________ ■■ あとがき 気付くと身の回りにはタッチパネル操作の製品であふれていますが、それらは画面が見えていないと使いづらい存在です。 電子レンジの操作パネルや居酒屋での注文システムなど、視覚障害者にとってはとても強固なバリアとなっています。 なんとかそれらの最新機器を使おうと穴を開けたシートをタッチパネルの上に置いたり、ボタンの位置にシールを貼りつけたりなどの工夫も試みられました。喜ばしいことに最近では銀行のATMや鉄道の券売機などテンキー操作と音声ガイドを利用して使えるものが増えてきています。しかし、それらは代替手段が用意されたのであって、あくまでもタッチパネルは縁遠い存在なのです。 もちろんiPhoneもタッチパネルで操作するわけですから使えない製品の一つだと、私は思い込んでいました。しかし、本体に組み込まれているVoiceOverという音声読み上げ機能をオンにすれば画面が見えていなくてもタッチパネルの上を触ることで使えるようになるではないですか!これまで山のように高かったハードルがかなり低くなった印象をあたえてくれました。タッチパネルに対する先入観をガラリと変えてくれたのです。 iPhoneはこれまでの携帯電話と違ってオモチャみたいなものだと表現する人がいますが、たしかにそうかもしれません。様々なアプリを使っていくことで生活を楽しくしてくれる製品、いつもメディアで注目されている最新の機器。まさにオモチャのようにワクワクさせてくれるアイテムです。 まだまだiPhoneやiPadを使えない存在だと思い込んでいる視覚障害者は多いようです。また、音声読み上げ機能があることは知っていても使いこなす自信のない人たちも多いかもしれません。 しかし、少しの好奇心とオモチャを扱うような遊び心があれば十分に普段のお伴になりうるでしょう。 ウェブページを制作している人たちには、そのページがスクリーンリーダーで読み上げされるものなのかどうか、その確認の手段としてもVoiceOverは活用していただけます。 一般的にアクセシビリティ機能はマイノリティの人たち向けの支援技術だと考えられているかもしれません。しかし、普段はアクセシビリティ機能を必要としない人たちでも使い方や場面によってはとても有効に活用できる機能ではないでしょうか。 この便利な機能はぜひ多くの人たちに知ってほしいものです。 実際にアップルはiPod shuffleにおいてVoiceOverを一般の人向け、マジョリティの人向けの機能だと位置づけています。 このようなアップルの姿勢はアクセシビリティ機能を宝の持ち腐れに終わらせない、そして市場においてアピールできるだけの価値があるものという考えの現れでしょう。 iOSがアップグレードする度にVoiceOverの機能も改良されています。 視覚障害ユーザのフィードバックが採用されて、またユーザ自身が開発にも参加しているようです。 もし不具合や改善要望を伝えたい時には、継ぎのウェブサイトから送信できます。 Apple-iPhone-フィードバック http://www.apple.com/jp/feedback/iphone.html 英語でアップルのアクセシビリティチームにメールすることもできます。 Email: "Apple Accessibility" accessibility@apple.com これからもアップルのアクセシビリティに対する取り組みが継続されることを願います。 そして、他のメーカーにおいてもそのような姿勢が反映されていくことを心待ちにしています。 この説明書の中で変更した方がよいと思われる表現や内容などあれば執筆者にお気軽にご連絡ください。 この文章ファイルの著作権は製作者が有しますが、営利目的以外の利用についてはご自由にお使いください。 勉強会などの参考資料として役立てていただけると幸いです。 今後、VoiceOverで操作しやすいアプリや、機能の不具合とその対処法などの情報は執筆者のブログで随時紹介しようと考えています。 Voice_of_i - 見えなくても使えるiPhone(ケートウェイ) http://voicei.seesaa.net/ 執筆者: 品川 博之 Email: voice-of-i@outlook.jp Twitter: @voice_of_i https://twitter.com/voice_of_i note: voice_of_i https://note.com/voice_of_i RSSフィード: https://note.com/voice_of_i/rss 製作完了日 2021年7月20日 ______________________________________